ASKAの事件簿へコメントされる方、引用される方へのお願い

 ASKAの事件簿を読んで頂いてありがとうございます。
始めは自分の考えを整理する為に始めたブログだったので、これほど多くの方に読んでいただけるようになるとは考えていませんでした。

 多くの方からコメントを頂くようになったのですが、このブログの趣旨を誤解された方も時折おられるようなので、コメントされる場合の注意事項を記載しておこうと思います。

ASKAの事件簿は誰かを傷つける事を望んでいません。その事を前提に以下の点についてお願いいたします。

1)逮捕以前に個人を特定できるような内容で犯人像を書く事はやめてください。
2)誰かを誹謗、中傷する書き込みはやめてください。
3)誰かに危害を加える事をうかがせる書き込みはやめてください。
4)被害者、遺族に関するコメントはその人達に対する配慮をお願いします。
(報道された情報は仕方がありませんが、報道されていない状態で憶測により、被害者や遺族が傷つくような事がない事を希望します。できれば犯人に対する誹謗、中傷も控えて欲しいと思います。)

この4つに該当する場合は無条件で削除、あるいは一部を編集訂正する事があります。

5)当サイトの画像、文章、URLについて、NAVERまとめ、及びhttp://sharetube.jp(シェアチューブ)に転載、引用、リンクすることを禁止します。

6)Aな人はB と言った因果関係的な表現をする場合は注意をお願いします。

まーぷるさんのコメントを引用
***ここから***
でも大事なコトを忘れていました。偏見が何故いけないかというと、やはり人が傷ついたり嫌な思いをするからですね。"Aな人はBである"に該当する人が嫌な思いをするだけでなく、傷つく人がいるコトに気付いた人も嫌な思いをする。
***ここまで***

詳しくは
コメントに対するASKAの考え方
こちらの2018年6月4日のまめさんのコメント、それに続く、ASKA、まーぷるさんのコメントを参照願います。

それから、ブレインストーミングのルールと同じでコメントの内容を否定するコメントはやめましょう。見当違いなコメントもあるかもしれませんが、否定してしまうと、次のアイディアが出てこなくなってしまう事もあるので、「その場合はこんな疑問もありますね」といった程度が良いかと思います。

 ASKAの事件簿は基本的に毎日起こっている事件の記録をする事を目的にしていますが、時々、事件の推理もしています。
ただ、実際の事件の推理で「誰が犯人か?」を推理する事は基本的に不可能だと考えています。
ASKAの事件簿で推理するのは「誰が犯人か?」ではなく「なぜ、犯人はそう行動したのか?」犯人の行動の理由です。

詳しくは私の推理方法推理の見えない落とし穴爆弾はもう一つあるかもしれない。を参照願います。
それから、特にレイプ事件についてのコメントについてはレイプ事件を考える時の注意点を参照願います。

18/06/05追記
6)の因果関係的表現についての注意項目を追加

17/07/07追記
http://sharetube.jp(シェアチューブ)への転載、引用、リンク禁止の項目を追加

16/12/12追記
NAVERまとめへの転載、引用、リンク禁止の項目を追加

16/08/16追記
コメントする時のハンドル名(HN)は基本的に自由ですが、以下のHNおよび類似のHNは禁止とします。
NOBU」、「nobu」、「のぶ
理由は「おわび」を参照願います。2010年の事で、この事を知らない人も多くなりましたので、追記いたします。

08/11/09追記
コメントに対するASKAの考え方も参照願います。
それと、このブログを犯人も読んでいる可能性がありますので、犯人に対して逃走や証拠隠滅を促すようなコメントも自粛してください。

08/11/21追記
ASKAの事件簿運営委員会も参照願います。
ASKAの事件簿へのご意見、問題点のご指摘はこちらへお願いします。

08/12/14追記
ASKAの事件簿管理ポリシーも参照願います。
コメントに対する管理方針です。コメントする場合はこちらも一読願います。

08/12/28追記
現在ドコモの携帯電話からの書込みの一部に対して書込み規制を実施しております。
この為、ドコモの携帯電話から書込みが出来ない事があります

10/01/05一部追記
犯人の行動の参考ページとして「爆弾はもう一つあるかもしれない」を追記

10/09/23一部追記
レイプ事件へのコメントの注意点として「レイプ事件を考えると時の注意点」を追記

10/10/21一部修正追記
誰かに危害を加える事をうかがせる書き込みについての注意を追記しました。

16/03/31 一部追記
4)被害者、遺族に関する・・・の項目を追記

16/08/16 一部追記
禁止HNについて追記しました。

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2025/02/05

新潟県新潟市母子殺人事件その3(一審判決)

一審判決は無期懲役(求刑無期懲役)です。
 
***判決公判(24年11月22日)***
1)新潟地裁は求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
 
2)裁判長は職場の同僚だった女性との不倫関係から被告が妻子を疎ましく思ったと認定し、「被害者らには何らの落ち度もない。経緯や動機にくむべき点は皆無だ」と強く非難したとのこと。
 
3)判決によると、21年11月7日午前、自宅で妻(当時29歳)と長女(同1歳)の首をロープで絞め窒息死させた。また同3月に妻に睡眠薬を入れた飲料水を提供し、飲んだ可能性があるのを知りながら、妻子が車で出かけるのを制止せず交通事故を起こさせて殺害しようとしたほか、同9月には妻を殺害しようと勤務先の病院から薬剤を盗んだとのこと。
 
4)裁判長は「2名の尊い生命が奪われた結果は誠に重大」と指摘。3月と9月の事件で殺意は無かったとする被告側の無罪主張については「死亡する可能性も認識していたと推認できる」「塩化カリウム(薬剤)を無断で持ち出した時点で殺害しようと考えていたと認めるのが相当」と退け、殺人未遂と殺人予備の罪も認定したとのこと。
 
塩化カリウムについての別の報道
被告人が塩化カリウムを持ち出す前に、塩化カリウムの致死量やその注射に関わること、高カリウム血症で心停止となった場合に解剖でその原因が判明するかなどにつき、約1カ月間にわたり複数回検索していたことからすれば、被告は塩化カリウムの危険性及び投与方法のみならず、これを殺害に用いた場合における犯行発覚リスクに関心を抱いていたものということができる。それらの検索と近接した時期に塩化カリウムを持ち出し、自宅に保管していたことからすれば、被告人が妻への殺害をする目的で塩化カリウムを持ち出したことが強く推認される。したがって、被告が塩化カリウムを無断で持ち出した時点で、被告人は妻を殺害しようと考えていたものと認めるのが相当であり、“殺意が認められる”とのこと。
 
5)被告が18年5月に結婚したのに、19年10月ごろには同僚と不倫関係にあったとし、「勾留中、被害者遺族に対する謝罪文を作成する傍らで不倫相手に恋文を送っていた」などと指摘。「妻の悔しさ、無念さ、悲しさ、絶望は筆舌に尽くし難い。長女の死も痛ましいというほかない」と強調し、「被告に有利な事情を最大限考慮しても有期懲役刑を選択すべきとは到底言えない」と非難したとのこと。
 
別の報道では
2人の尊い生命が奪われたという結果は誠に重大である。妻は婚姻後、間もなくして被告人による不倫や預金の使い込みがありながらも、代わらず夫婦であり続けようとし、長女の誕生後はひたむきに育児に励みつつ、新居で被告人と共に新生活を始めた矢先、被告人に裏切られ、最期は長女の目の前で命を奪われた。愛する我が子を育てることも、その成長を見届けることもできないまま命を奪われた無念さは察するに余りある。長女は、1歳になったばかりで周囲から愛され、本来父親である被告人に庇護されるべき立場にあったのに、その被告人から突然殺害されたものである。妻の悔しさ、無念さ、悲しさ、絶望は筆舌に尽くし難いものといえるし、長女の死も痛ましいというほかないと断罪したとのこと。
 
被害者らには何の落ち度もない。経緯や動機に汲むべき点は皆無である。また、看護師である被告人がその知識・技術および立場を悪用し、各犯行に及んだことも強い非難に値する。本件に関しては、有期刑を選択すべきとは到底言えないとしたとのこと。
 
6)絞殺についての報道
被告は妻に対して、背後から近づいて突如首にロープをかけ、もがく妻の抵抗を排して2、3分締め上げ、ぐったりとして鼻から血が出ていたにもかかわらず、手が震えているように見えたため、再度首を締め上げて、完全に動かなくなったことを確認した。
 
続けて、長女の首にロープをかけて絞め始め、眼前で苦しそうに泣く姿にも構わず2、3分間力を緩めず締め続けた結果、泣くこともできなくなってぐったりとしたにもかかわらず、鼻提灯が膨らんでいるのを見て、再度首を締め上げて、完全に動かなくなるまで続けていた。
 
いずれも一度締め上げているにもかかわらず、わずかでも生きている可能性を認識するや再度締め上げて息の根を止めたのであり、強固な殺意に基づく極めて悪質なものと言わなければならないとのこと。
 
7)偽装工作の報道
絞殺するために事前にロープを購入したり、窒息死に至る時間や血痕のぬぐい方を事前に検索するなど犯行は計画的である上、殺害後は稚拙ながらも妻による無理心中に見せかけるため、妻の携帯電話機を用いて遺書を作成したり、ロープを現場に垂らしておくなどの偽装工作も行っていたとのこと。
 
こんなところですね。
事件簿の活動自粛期間中の公判だったため、公判の情報の大半を見逃していました。
判決を聞くだけで、殺害された母子がかわいそうで仕方が無いですね。
よくここまで身勝手になれるのか、とあきれてしまう。
結婚した翌年には不倫を開始しているぐらいなら、どうして、結婚したのか?と聞いてみたいところですね。
殺害された奥さんも不倫やお金の使い込みに気づきながら、結婚生活をつづけようとしていたのは、生まれた子供の事を考えての事なのかもしれませんね。
 
しかし、やはり、結婚するべき相手ではなかったとしか思えないですね。
まー結婚の前後で男性の女性に対する態度が変化する事は珍しい事はでないかもしれません。
 
分岐点は夫の不倫を知った時なんでしょうね。
もしかすると、妻は不倫を知った上で、知らないふりをしていたのかもしれませんが、やはり、きっちりどうするのか?を詰問するべきだったと思います。
もしかすると、その上で、被告が「別れるから」とその場しのぎの嘘を言っていたかもしれないので、なんとも言えないところではありますが・・・
 
事が露見しても不倫を続けるようなら、決断するしかないのかな?
しかし、女性の側としたら、1歳の子供を抱えて、女性が一人で生活していくのは大変な事だと言う事は容易に想像できますから、決断できなかったのかもしれないですが・・・
結局、そのままの状態を続けても、母子ともに幸せになれるとは思えないので、実家や友人の力を借りてでも、決断するべきなんだろうと思います。
まーあえてその状態を続けて、時期を見て決断と言うのも方法かもしれません。
どちらが良いか?はケースバイケースなんでしょうね。
 
亡くなった母子のご冥福をお祈りします。

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京都府京都市山科区両親殺人事件その2(起訴から一審判決まで)

判決は懲役26年(求刑懲役30年)です。
 
***起訴(22年4月1日)***
京都地検は1日、殺人と道路運送車両法違反の罪で、夫婦の長男でこの民家に住む無職男性容疑者(37)を起訴した。
 
起訴状によると、昨年10月31日午後4時ごろ、自宅で父親(66)と母親(61)=ともに山科区=の頭をおので殴ったり、折りたたみナイフで首と胸を多数回突き刺したりして死亡させた。また、同日午後8時10分ごろ、三重県内の道路で、車検が切れた軽乗用車を運転したとしているとのこと。
 
京都地検は刑事責任能力を調べるため、約4カ月間の鑑定留置を行っていた。
 
***初公判(23年10月2日)***
1)被告は起訴内容を認めているかどうか問われると「黙秘します」と述べ、弁護側は正当防衛が成立するなどとして無罪を主張した。
 
2)検察側は「両親に就職を妨害された、または今後も妨害されると思い、激怒して両親を殺害した」と指摘した。
 
***論告求刑公判(23年11月6日)***
1)論告で検察側は、犯行の計画性や逃走などの行動は自然で合理的であり、精神疾患の影響はなかったと指摘。「ちゅうちょなく、冷酷で残虐な犯行」と非難し、懲役30年を求刑した。
 
2)弁護側は、精神疾患を理由に被告の就職の内定辞退を両親が会社に申し出た当時の経緯を踏まえ、「生きる権利を守るため、やむを得なかった」と主張。殺害は正当防衛に当たるとし、精神疾患の影響で刑事責任能力もなかったと訴えたとのこと。
 
***判決公判(23年11月27日)***
1)裁判長は被告に完全責任能力があったと認定し、懲役26年(求刑懲役30年)を言い渡した。
 
2)裁判長は判決理由で、被告が凶器を準備するなど合理的な行動を取っており、犯行後に逃走していることから違法性を理解していたとして完全責任能力を認定したとのこと。両親が被告の意向に反して、就職が決まった会社に精神疾患を告げたことで内定が取り消され、怒りを覚えたと指摘し、「犯行は執拗かつ残忍で、強固な殺意に基づき悪質」と非難したとのこと。
 
こんな事件ですね。
第一報で両親に就職を反対された事が動機と言う事でそのあたりの事情を知りたかったのですが、あまり詳しい情報は出てきませんでした。
精神疾患がらみの事件の為か、報道もかなり少ないですね。
裁判の様子もよく分かりませんが、要約すると
 
被告が就職内定した会社に被告の意に反して、両親が精神疾患の事を告げたせいで、内定が取り消された事を恨んで、両親を殺害した事件というのが概要かな。
謎なのが、弁護側が正当防衛が成立すると無罪を主張した根拠は、「生きる権利を守る為、やむを得なかった」と言う事のようですね。
正当防衛の定義は
「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。」
この急迫性がこの事件には無いと思うんですよね。
 
なので、正当防衛を主張するのはかなり無理があると思うのですが、弁護人がなぜ正当防衛を主張したのか?が知りたいですね。
 
事件の動機としては、ある程度理解できる物はあると思います。
就職しようと思って、内定をもらった会社に、持病の話をされて、内定が取り消されたのであれば、被告が怒るのも無理は無いかもしれないと思う。
まず、ここで疑問なのは、両親が精神疾患の話をしたと言うのは事実なのだろうか?
報道が少ないので、この部分にも疑問がある。つまり、被告がそう思い込んでいただけの事実誤認と言う、まさに逆恨みと言う可能性はないのかな?
とはいえ、裁判長が判決理由で述べているので、この部分は事実なんだろうね。
 
そうすると、なぜ、両親は息子の精神疾患を会社に話したのか?が次の疑問ですね。
一般的に言えば、親が子供の幸福を望まない事は無いので、逆に言えば、両親はそれを話す事が息子にとって、あるいは自分達にとって有益であると考えたと言う事なんでしょうね。
だから、被告自身は仕事をする事を望んでいたが、両親はそれを望んでいなかったと言う事なんでしょうね。
その理由がわかりませんが・・・憶測になってしまいますが、就職する事でトラブルが発生することが予想できたと言うことなのかな。
 
だとしたら、そのあたりを親子で話し合うなり、対立する事を避けるなら、主治医を通して仕事は難しいと言う話をしてもらうなり、他には会社には別の理由で内定取り消しにした事にしてもらうとか方法があったと思うのですが、なぜこんな発覚すれば、軋轢を生むような方法を選択したのか?は少し疑問です。
とは言え、繰り返しますが、家庭の事情が分からないので、ここに至るまでには相当な苦労があって、こうなってしまったのかもしれないので、まーなんとも言えないですね。
 
亡くなったご両親のご冥福をお祈りします。

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2025/02/03

愛媛県新居浜市一家3人殺人事件その2(一審判決から上告まで)

一審判決は無期懲役です。
 
***初公判(23年12月6日)***
1)起訴状などによりますと、住所不定で無職の男性被告(56)は2021年10月、新居浜市垣生の住宅でITさん(当時80)と妻のII(当時80)さん、元同僚で三男のIKさん(当時51)の胸などをナイフで突き刺し、殺害したとのこと。
 
2)被告は起訴内容を認めた上で、弁護人が心神喪失による無罪を主張した。
 
3)検察側の冒頭陳述で「被告は組織から電磁波攻撃を受けたと思い込み、一方的に犯行に及んだ」ただ「自らの行動は理解できた」と指摘した。
善悪の判断が全くつかなかったわけでは無い心神耗弱状態だったとして、罪に問えると主張した。
 
検察は、被告は被害者のIKさんがインターネットの掲示板に被告の個人情報を書き込んだり、電磁波攻撃をしたりしていると思い込むなど、犯行に至る経緯を明らかにしたとのこと。
 
別の報道では
検察側は、犯行当時、被告は、妄想型の統合失調症を患い、インターネットの書き込みなどをきっかけに被害妄想を抱き、一方的に怒りを募らせ犯行を決意したと主張した。
 
一方で、事件の直前には被告が「罪を犯せば自分の家族に悪影響を与えるのではないか」と考えていたとして、犯行当時は善悪の判断能力が著しく低下する「心神耗弱」だったと主張し、刑事責任を問えるとした。
 
4)弁護側は、被告は犯行当時、善悪を判断する能力がない“心神喪失”の状態であったとして無罪を主張した。
 
別の報道では
弁護側は、被告はインターネットを検索する中で、組織や被害者による電波攻撃を受けていたという妄想を募らせ、 復讐を決意したとし、犯罪歴のない人が3人の命を奪う行動に出た理由として考慮してほしいと訴えたとのこと。
 
5)証拠調べの中で、検察側は、事件発生の4年ほど前から被告が監視や盗撮、盗聴など妄想による被害を周囲に対して訴えるようになり、その後「誰かに悪口を言われている」などと、知人らに電話を掛けるようになったと指摘したとのこと。
 
「電磁波が思い切り飛んでくる、頭が痛い。仕事に行けず100万円くらい損している」「要求はなんだ、お前しかおらんやろが」など、被告が知人に詰め寄る通話内容の録音を証拠として提出したとのこと。
 
6)証人尋問(事件当日、最初に現場に駆け付けた警察官が証人)
軒先で腹から血を流し倒れこむITさんを発見し、無線で県警本部と連絡を取り合っている間に、通報したIIさんが刺されたことなど当時の様子を証言したとのこと。
 
別の報道では
3人の殺害から逮捕に至るたった2分間の出来事。警察に通報したIIさんが自宅の外でパトカーを手招きし玄関に戻ったタイミングで、被告が「1人だけ生き残っても仕方ない」「一緒にあの世に行かせてやろう」と考え殺害したことが示されたとのこと。
 
また死亡した3人の身体にはそれぞれ10カ所以上の刺し傷や切り傷があり、全員の致命傷になった刺し傷は10センチ以上の深さ。なかには骨を切断したものもあったとのこと。
 
7)証人尋問(被告とIKさんを知る人物)
被告が「新居浜で人を殺して肉を唐揚げにして食ったという話を聞いたことがあるか」などと証人に質問する場面もあったとのこと。
 
***第2回公判(23年12月7日)***
1)被告人質問
無罪を主張する弁護人の質問で被告は「責任能力を認められ死刑になっても悔いはない」と発言。このほかネットの掲示板に自分以外知り得ない直前の行動と同じ内容をかき込まれたほか、ほこりを焼きパンが焦げたような臭いがするほど強い電磁波攻撃を受けたなどと主張したとのこと。
 
また電磁波攻撃は「孫を抱いているときにものすごくしてきた。鬼畜かと思った」と泣きながら答えたとのこと。
 
弁護士の「犯行の動機は何ですか?」という問いに対し、被告は「自分を狙う『組織』の一員だったIKさんに復讐を果たすとともに、事件を起こすことで、『組織』の存在を明るみに出したかった」などと話したとのこと。
 
このあと被告が、自分の孫に思いを馳せて涙ぐむ場面も見られましたが、終始落ち着いた様子で、自らが電磁波攻撃によって受けたと語る被害の詳細や、事件前の被害者との直接のやりとりなどが語ったとのこと。
 
検察の質問に対しは、「犯行が自分の家族の人生に悪影響を及ぼすことは理解していた」としながら、「電磁波攻撃などが全く解決しないため、犯行に及び手加減は全くしなかった」と話した。また1人も3人も「人生が終わることは一緒」とし、3人を殺害したとのこと。
 
その上で犯行時、すでに2人を刺し殺していた被告が家にいた残る母親に対し、「1人で生き残っていても仕方がないし(1人殺しても3人殺しても)人生が終わっていることでは一緒だ」などと思ったと話したとのこと。
 
弁護側の質問に対し、当日家を訪ねたところいないと思っていたIKさんがいたため「今しかない。きょうしかない」と殺害を決意し、自分を攻撃する『組織』の人間だとするIKさんを「絶対にこいつだけは生かしてはおけん」と思い、特に強い殺意を持って犯行に及んだと証言した。
 
また、IKさんの殺害を妨害されると思い、両親も刺したなどと、当時の心境について語ったとのこと。
一方、弁護士の質問に対して,IIさんの殺害に関しては「よく考えていなかった」と話すなど発言が二転三転したとのこと。
 
***第3回公判(23年12月8日)***
1)証人尋問(精神鑑定をした医師)
9回あわせて約21時間に渡り面接などをしていて、「妄想型の統合失調症は2017年頃から発病し、犯行動機の形成過程に強く影響を与えた」と証言した。
 
証人尋問で検察は、被告が自らの子供への悪影響を考えるなど善悪の判断ができる状態で、犯行後に警察が手錠をかけやすいよう自ら手を前に差し出すなど、自分の行動をコントロールできていると主張したとのこと。
 
一方で発症後は、身体がビリビリする感覚や幻覚のため仕事を休むようになっていたものの、統合失調症の患者に見られる性格の変化は見られないとしているとのこと。
 
また弁護側は、偶然IKさんを発見し殺害して自殺しようと考えていたにも関わらず、犯行後にIKさんが関わったする「組織」を公にしたいと自殺に及んでいないとし、両立しない行動を質問。鑑定した医師は妄想型の統合失調症の影響を否定したとのこと。
 
被告が弁護人に「お前もうかわれや」などと、声を荒げる場面も見られたとのこと。
 
また被告人質問で被告に鑑定した医師の対応を問うと、「電磁波攻撃などの被害を受けているにも関わらず統合失調症と決めつけられる」と主張。殺害した3人や遺族への謝罪については「死刑覚悟でやってきている」とし拒否したとのこと。
 
別の報道では
事件当日の被告は、犯行現場まで凶器が目立たないように隠して向かっているほか、恨みを抱いていない警察官に対しては、求めに応じ素直に包丁を置くなど、被害妄想の影響はあるものの周囲の状況を判断し行動しているなどと、鑑定結果を説明したとのこと。
 
これに対し、被告人質問で弁護士から医師の証言内容について聞かれた被告は「ほとんどデタラメで全くの誤診である」などと、診断結果を強く否定したとのこと。
 
***論告求刑公判(23年12月12日)***
1)論告
検察側は論告で、被告は自分の行為の意味は理解していたが、妄想型統合失調症の影響が強く、事件時は心神耗弱状態だったと指摘。強固な殺意に基づく凄惨な犯行で、3人が死亡するなど結果も重大だが、心神耗弱の場合は刑の減軽が必要だとしたとのこと。
 
検察側は無期懲役を求刑した。
 
別の報道では
検察側は論告で、被告には被害者らから電磁波攻撃などの嫌がらせを受けていたという妄想があったが、「差し迫ったものではなかった」と指摘。心神耗弱だったものの、責任能力は完全には失われていなかったとしたとのこと。
 
また、被告は犯行時、ナイフを周りから見えにくいように持ち歩くなど、状況に応じた行動ができたと主張したとのこと。
 
さらに別の報道では
検察側は被告は「自分の行為の意味を理解し選択する能力が完全には失われていなかった」と主張。そのうえで被害者にはそれぞれ10カ所以上の刺し傷があり、深さ10センチを超える傷もあるなど「強固な殺意に基づく凄惨な犯行」で「何の落ち度もない3人の命が一瞬にして奪われた被害結果は極めて甚大」などとして無期懲役を求刑したとのこと。
 
2)弁護側は、被告が当時、自分の行動を制御することができない心神喪失状態だったとし、刑事責任は問えないと主張したとのこと。
 
3)最終陳述
最終陳述で被告は、「統合失調症の診断は誤りで、正常者の発言として裁いてもらいたい」などと述べたとのこと。
 
***判決公判(23年12月18日)***
1)松山地裁は18日、殺人などの罪で精神疾患がある男に対し、検察の求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。
 
2)裁判長は「ITさんを刺す前などに子どもの人生への影響を考えて殺害をためらうなど、自らの行為の意味を理解し行為を選択する能力は完全に失っていなかった」とし、被告の刑事責任能力を認め、検察の求刑通り無期懲役の判決を言い渡したとのこと。
 
別の報道では
裁判長は「ITさんを刺す前などに子どもの人生への影響を考えて殺害をためらうなど、自らの行為の意味を理解し行為を選択する能力は完全に失っていなかった」とし、被告の刑事責任能力を認めた。
 
このうえで殺害された3人の身体はいずれも10箇所以上の刺し傷があり、致命傷の傷は10センチ前後に及び凄惨な犯行と指摘。「何の落ち度もない3人の命が一瞬にして奪われた結果は極めて重大。被告の意思決定は厳しく非難されるべき」などと、検察の求刑通り無期懲役の判決を言い渡したとのこと。
 
さらに別の報道では
裁判長は、被告が妄想型統合失調症による被害妄想の影響を受け、犯行に至ったとした。一方、人生への影響を考え殺人をためらうなど、自らの行為の意味を理解し、選択する能力を完全には失っていなかったと判断。「何の落ち度もない3人の生命が奪われた結果は重大」と述べ、心神耗弱による法律上の減軽を認めるとしても無期懲役が相当としたとのこと。
 
***控訴(23年12月21日)***
被告が判決を不服として高松高裁に控訴した。
 
***控訴審初公判(24年6月18日)***
1)弁護側は一審松山地裁の無期懲役判決には事実誤認があり、被告が妄想型統合失調症の影響で心神喪失だったとして、改めて無罪を主張。
 
2)検察側は控訴棄却を求め、即日結審したとのこと。
 
***控訴棄却(24年8月22日)***
1)高松高裁は22日、無期懲役の1審判決を支持し、被告の控訴を棄却した。
 
***上告(24年9月4日)***
1)高松高等裁判所によりますと、被告側はこの判決を不服として、9月4日に最高裁判所に上告したとのこと。
 
こんなところですね。
えーと、理不尽な理由で3人を殺害しているので、本来は死刑のところ、統合失調症による心神耗弱を認めて、無期懲役と言う事で、妥当な判決だと思います。
ただ、それとは別にこの手の事件は難しいというか、被告と検察側の意見がまったく相容れない状態になってしまうのが、なんとも言えない気持ちにさせます。
 
と言うのも、統合失調症では、幻覚や幻聴が「現実」として起きている事なんですよね。
だから、この事件でも被告は自身が受けた「電磁波攻撃」が現実なので、「妄想」と言われても受け入れる事ができないんですよね。
なので、この状態になってしまうと、まったくの平行線なわけです。
 
状況から考えると、被告人は統合失調症を発症してから、通院などの治療を受けてない状態で、事件を起こしていると思うわけです。
(精神鑑定の結果をデタラメと言ってますからね)
裁判長も言っているわけですが、統合失調症にならなかったら、この事件は起きなかった。
しかし、私としては統合失調症になったとしても、適切な治療をしていれば、この事件は起きなかったのではないか?と考えています。
 
だから、この事件を防ぐには、発症した人を適切に医療に導くことが重要なのだと思います。
被告には家族も居たので、世間から隔絶して生きていたわけでも無いのに、誰か医療に導く事ができなかったのか?と言うのが残念でなりません。
鑑定では2017年に発症していると言う事なので、事件が2021年ですから、事件の4年前ですよね。この4年間に異変に気づく人がいたと思うのですが・・・・
まー病院に連れて行くのが最初のハードルなのは間違いないので、気づいた人が何度かチャレンジしたけど、本人が病気じゃ無いと強く拒絶してしまったのかもしれませんね。
 
そして、警察沙汰になるほどの問題も起こしてないので、措置入院もできなかったんでしょうね。
で、最悪の事態になってしまったと言う事なんでしょうね。
 
仕事をしてなかったとしても、市町村の定期検診は受けていたと思うのだけど、問診で「電磁波攻撃」の話はしてないのかな?
もししていたなら、その話を福祉に繋げるような仕組みがあれば、別の角度から専門家のアプローチも出来たかもしれませんね。
でも、被害者から警察へは電磁波攻撃の相談があったので、警察から被告の家族への連絡などもあったと思いますが・・・・
 
いずれにせよ、「放置状態」にならないようにする仕組みが必要かもしれませんね。
 
おそらく、上告の結果も同じだと思いますが、続報を待ちましょう。

***2025年2月3日補足と訂正***
書いた直後ですが、訂正します。前回の記事に情報がありました。
警察から保健所への情報共有はあったとの事です。でも措置入院には至らなかったんですね。

県警は容疑者が、事実とは認められない被害を訴えていることから精神障害の可能性もあるとみて、保健所への相談を勧めた。西条保健所にも「(容疑者に)対応することがあれば支援をお願いしたい」と伝えたという。

県健康増進課は10月15日、西条保健所が2020年9月までに新居浜署から5回、容疑者(53)=殺人容疑で再逮捕=に関する福祉的支援のための情報提供を受けていたと明らかにしたとのこと。

同課は「法律に基づく通報ではなく一般的な情報提供だった」とし、精神保健福祉法による調査や診察、措置入院などの対応は困難だったとの認識を示しているとのこと。

同課によると、19年11月から20年9月にかけ5回、署から保健所に容疑者に関し「電波攻撃を受けているなどと発言し、精神症状が疑われる人がいる。本人や家族に保健所への相談を勧めたい」などと連絡があったとのこと。所内で情報共有し対応する準備を整えたが、容疑者側から相談はなかったとのこと。

市地域福祉課も、容疑者や家族からの相談は把握していないとしているとのこと。

 ***訂正ここまで***

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2025/01/30

世田谷一家殺害事件再考その226(警視庁のPDFの更新)

特番の事を書こうと思っていたのですが、警視庁のHPが更新されていたので、そちらの記事を書きます。
更新日が2024年12月16日になっていたので、内容をざっと確認しましたが、更新されたのは懸賞金の期間情報だけだと思います。
 
それだけか?と念のため、PDFも確認したのですが、PDFの版数は改訂4版のままで事件情報についての変更は無いようです。
しかし、連絡先の情報受付部署の電話番号に捜査本部の直通電話が無くなっていました。
直通電話番号は2009年の第1版から昨年2024年まで15年間記載されていた情報です。
 
連絡先が特別捜査本部で変更されていないので、単純に直通電話の記載だけが消えたようですね。
(他にQRコードが二つ追加されてますがスマフォからの閲覧をしやすくする為の物なんでしょうね。)
 
さて、直通電話が消えた理由は分からないけど、想像するに、理由は2つ考えられる。
1)情報提供の数が少なくなったので、直通電話が不要になった。
2)困った電話が多いので、受付を通してフィルターをかけるようにした。
 
この二つぐらいだろうか?
ただ、私が思うに1)は少し説得力が無いように思う、結局、受付を通しても最終的に特捜本部につながるなら、直通電話を残しても良いと思う訳です。
まー経済的なコストを少しでもカットしたいと言う要望がどこかから出ていたのなら、しかたが無いかもしれないですけどね。
 
と言う事で、私は2)の可能性が高いのかな?と思っています。
X(旧Twitter)を見ると、捜査本部も大変だろうなと、気の毒になります。

 

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2025/01/29

日本の事件報道文化の衰退

私が思うに日本の事件報道には被害者や被害者家族の名誉を守る為に、ある種の配慮が慣習的にされてきた。
それは事件報道文化と呼んでもよいかもしれない。
もっとも、外国の事件報道がどうか?と言うのがそもそも分からないから、日本独自の物ではないかもしれないけどね。

それは置いといて、最近、ちまたを賑わせている報道には、いかがなものか?と思う。

報道する側の人間が、これまでの文化を知らないのか?理解できないのか?ちょっと酷いと思う。
それに輪を掛けて、一般人の無知ぶりがすごい、いい年をして、「関係者を一同に集めて事実を話させれば良い」なんて事を言う女性がいたりする。

「そんな事できる分けないだろ」と思うんですけどね。

とは言え、ゴシップ好きなのは昔から変わってないだけなのかもしれないね。

まー昔は子供は理解できなくても、大人はその「言葉」の裏や行間を理解できていたと思うんですけどね。
日本の社会全体が変化してきているんでしょうね。
その原因の一つはインターネットかもしれないなと思います。人類にインターネットは早すぎたのかもしれないね。

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2025/01/17

世田谷一家殺害事件再考その225(2024年年末情報)

みなさん、今年もよろしくお願いします。
 
さて、この事件で年末に恒例の年末情報が出なくなってから何年ぐらいになるのだろう?
記録を見ると事件簿で22年に年末情報を書いたのが最後みたいですね。
で、もう年末情報は出さないのかな?と思っていたのですが、今年は出したようなので、メモしておきます。
 
1)警視庁は、宮澤さんの家の固定電話のプラグが抜けていたことを明らかにしましたとのこと。
別の報道では
現場1階の電話機の電源コードがコンセントから抜けていたことも分かった。犯人が通報を遅らせるために抜いた可能性もあるとのこと。
 
2)犯人の侵入・逃走について、2階の浴室の窓の可能性が高いことも明らかにしました。
捜査本部によると、遺体発見時に扉が施錠されていたことから、玄関からの出入りはなかったと推定。その上で、中2階の浴室の窓が開いていたほか、網戸が落下していたことから侵入と逃走の経路に使われたと判断したとのこと。
 
3)地上から浴室窓までは約3・4メートルあるが、家の裏にある高さ約1・8メートルのフェンスからよじ登れば侵入が可能なことを実験でも裏付けた。運動能力が求められることから、捜査本部は容疑者を若年と分析しているとのこと。
 
ざっとこの3点ですね。
ただし、この3点はすでに既出の情報なので、これまで非公式にリークされていた情報を公式に追認したと言う事なんでしょうか?
まー特に目新しい情報はありません。
1点だけ新規だと思うのは、「電源コードがコンセントから抜けていた」ですね。
 
これまで流れていた情報としては、「電話線が抜かれていた」と言う事で犯人が電話をできない状態にしたと理解していました。
それに加えて、今回の情報で「電話機の電源コンセントが抜かれていた」と言う情報が追加された形ですね。
 
これは、犯人が電話をできないように工作したのだと思うのですが、私が気になっているのは実は別のところにあります。
実は、コンセントが犯人に抜かれたのでは?と言われている情報がもう一つあります。
それは、「PCのコンセントが抜かれていた」と言う情報です。
 
これは、事件簿のその121の「抜けないコンセント」で書いている事なのですが、犯人が翌日逃亡した根拠は
1)翌朝10時頃のインターネットアクセス
2)PCのコンセントが抜かれていた
 
この2点だと私は考えています。この内、1)のインターネットアクセスは第一発見者によってマウスがデスクから落下した時に偶然、インターネットにアクセスしたと言う事を捜査本部が公式に認めています。それで私が考えいた、未明逃亡説が肯定されたわけです。
 
問題はPCのコンセントが抜けない事について、この時の捜査本部は説明していませんでした。
その事が妙に引っかかっていたのですが、今回の「コンセントが抜かれていた」の情報を聞いて、多分、「PCのコンセントが抜かれていた」は誤報で本当は、「電話機のコンセントが抜かれていた」が正しい情報なのかな?と疑っています。そう考えると、捜査本部が未明逃亡説を肯定したつじつまが合いますね。
 
年末情報としてはこんなところでしょうか。
12月29日に放送された特番の記事は次回に書く事にします。

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2024/11/30

世田谷一家殺害事件再考その224(不可能犯罪)

今回、昨年の引っ越しの情報を元に、立ち退き料の事についてあれこれ考えてきたわけですが、ここに来てある結論にたどり着きました。
それは、立ち退き料の強奪目的の犯行は達成不可能な不可能犯罪であると言う事です。
 
いくつかの条件が重なっていると言う事はあるのですが、そもそもが不可能犯罪なんですよね。
例え、立ち退き料が振り込まれた口座の預金通帳と登録印を強奪に成功したり、銀行カードを強奪する事に成功したとしても、振り込まれた巨額の立ち退き料を全て強奪する事は不可能なんです。(詳細については自主規制で書きませんが、例えば、これが年末年始でない平日の犯行であっても結果は同じでした)
 
これは、ある程度の社会経験やあるいは常識(雑学)と言われるような知識があれば、犯行前にある程度予測できる事なんですよね。
 
逆に言うと、もし犯人が立ち退き料の強奪を計画した犯行だったとしたら、犯人は、通帳と印鑑、カードを奪えば、立ち退き料が奪えると考えていた事になる。
その点から犯人像を考えると、犯人は巨額の現金を口座から引き出す経験が無かったと言う事ですね。
まーそれ自体は一般人なら大多数がそうなので、犯人を特定する条件にはならないのですが・・・しかし、引き出せない事はある程度の社会経験を積めば予測できるわけです。
その点を考えると、犯人像としては
 
A)首謀者が実行犯の場合(指示役がいない場合)(外国人を含む)
 1)社会経験の少ない若年者
 2)そういった文化に触れる事が無い経済的に恵まれない人達
 3)そういった文化を知らない外国人
 
B)首謀者(指示役)が別にいる場合で首謀者が間違った指示をしている場合(外国人を含む)
 1)実行犯は指示通りに行動したが、そもそも首謀者の計画が誤っている場合
 
C)首謀者(指示役)が別にいる場合で首謀者が正しい計画、指示をしている場合(外国人を含む)
 1)首謀者の指示や意図を理解できない人物が実行犯の場合
 2)首謀者の指示や意図を理解したが、欲望や興奮状態を抑制できない人物が実行犯の場合
 
A)についてはそのまんまです。
B)-1もA)の中に含まれますが、C)-1は騙したり、言いくるめたりして実行犯に仕立てるには都合が良いですが、実際に殺人の共犯にするには少し不安がありますね。
C)-2については、事件を実行するまで、その特性を指示役が確認できなかったとすれば、指示役も知らなかった可能性があるので、実行犯の特性を知らずに指示してしまった可能性はあると思います。
 
こんな感じかと思います。
入江さんの本によると、事件発覚当初、捜査本部は金目当ての犯行で、休み明けに金融機関に犯人が接触すると見込んでいたようです。
これは推測ですが、捜査本部が現場に臨場した時、荒らされた室内の様子から窃盗犯であると言う第一印象を持った可能性はゼロでは無いはずです。
そして、第一発見者の入江さん一家に聞くでしょう、「宮澤さん一家が狙われる心当たりは無いですか?」と。
当然、立ち退き作業の最中で、巨額の立ち退き料が支払われていると言う話が出てもおかしくないですよね。
 
そして、年末年始休暇中ではあるけど、緊急連絡先を調べれば、都の担当職員への連絡ぐらいつくでしょう。
この時期、立ち退きをしていたのはおそらく2件、増えてももう1,2件ぐらいでしょうから、そのまま、振り込み先の金融機関名は調べられるはずです。
もしくは、入江さんが知っていたかもしれません。
 
そして、現場から振り込み先の通帳が無い事に気づいた捜査本部が立ち退き料目当ての犯行と見立てを立てたとしても不思議では無いでしょうね。
 
もし、この仮説(推測)が正しいとすると、犯人は通帳と登録印、カードを奪取しておきながら、現金引き出しを試そうとしていないと言う事になります。
 
しかし、この点は合理的な説明ができます。それは、事件が発覚してしまったからですね。
ニュースで大々的に報道されてしまったので、犯人は断念する以外に方法が無かったでしょう。
たらればだけど、もし報道を止めていたら、年明けに犯人が金融機関に接触した段階で逮捕する事ができたかもしれませんね。
まー事件発覚当初にこの事がわかるはずがないので、仕方が無い事ではありますね。
 
2005年に警視庁の発表した(リークした?)犯人像は「事件当時、京王線沿線に住んでいた若者(当時15歳以上)」「当時一人暮らしで、金に困っていた18歳から35歳の男」としていました。
ここで、10代後半と言うのは、A)-1に合致するのですが、外国人の言葉は出てきていないんですよね。出てないけど、否定もしてないので、15歳から35歳の部分に外国人も含まれると解釈もできますね。
 
捜査初期の段階では、捜査本部は犯行の目的を金目当ての窃盗と言う見方が支配的だったんでしょう。それも、通帳が盗まれていたとすれば、自然な判断だったかもしれないですね。
 
とは言え、これは、立ち退き料目当ての犯行と仮定するならば、と言う条件が付きますね。
なので、そうで無い場合はどうなのか?と言う事も考える必要があります。
次回はこのあたりを考えてみましょう。

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2024/11/11

闇バイトは社会的無理心中です。

闇バイトに限らないけど、一般に事件が起きた時に被害者側が注目されますが、実は加害者側の家族もかなりの苦境に立たされます。
最近逮捕されている闇バイトの実行役の人達が、家族に危害を加えると脅されて、家族を守る為に仕方なく犯罪に加担したと言うような供述をしていますが、皮肉にも、家族を守る為に加担した犯罪によって、その守りたい家族が苦境に立たされる事になると言う事がわかってないようです。
 
昭和以前の時代なら、親から子へ伝えられてきた、あたり前の事だったのでしょうが、令和の時代には、全く意識されないようになってしまったのかもしれませんね。
 
詳しい事はこちらを参照してください。

 
本当に家族を守りたいなら、自首して捜査に協力する以外に方法はありません。

 

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2024/10/30

世田谷一家殺害事件再考その223(立ち退き料その2)

旧い週刊誌報道で立ち退き料についての情報を見つけました。
『新潮45』2002年2&3月号(238号&239号)の「一橋文也」のレポートから抜粋:
***ここから***
都東部公園緑地事務所によれば、宮澤さんとは2000年3月時点で立ち退き交渉がまとまり、都は既に土地売却料と物件移転補償費の一部を支払っており、登記簿上も同月付で所有権を移転、2001年3月には、宮澤さん一家は都が用意した代替地に転居する予定だった。
 ところが、宮澤さん一家が転居する予定地は事件発生時点で、都との売買契約が成立しておらず、所有権移転も建築確認申請も行われていない。
***ここまで***
 
この情報の中で気になったのは
「2000年3月時点で立ち退き交渉がまとまり、都は既に土地売却料と物件移転補償費の一部を支払っており、登記簿上も同月付で所有権を移転、2001年3月には、宮澤さん一家は都が用意した代替地に転居する予定だった。」
 
この部分です。
そして、そもそも「立ち退き料」の相場っていくらなの?とかその内訳は?と言う事で調べてみると。
立ち退き料の内訳としてはこんな感じのようです。
 
1)土地売買価格
2)建物再建築価格
3)解体費
4)引越し費用
5)仮住まい費用
 
5)の借り住まい費用は、引っ越すまでの間に別の物件に借り住まいする為の賃貸料と言う事でしょうから、宮澤さんのケースでは該当しないでしょうね。
 
1)土地売買価格ーーーについては、土地の買い取り価格と言う事になるわけだけど、これは公示価格などを基準に算出されると思われるので、極端に高く買い取ってくれるとは思えないです。
2)建物再建築価格ーー移り住む先で新しく建築する費用と言う事でしょうから、言い換えると中古物件ならその建物の購入価格になるかもしれませんね。
宮澤さんの場合、都有地を購入して建物を建てると言う予定だったようですから、建物の大きさにもよるでしょうが、現在の相場は30坪で、木造2階建てで2500万円のようです。
当時バブルの後半だった事を考えるととそれよりも当時は高い金額が出ていた可能性がありそうですね。それでも、3000万円ぐらいでしょうか?
 
3)解体費ーーーーーーこれは、おそらく、それまですんでいた家の解体費と言う事だと解釈しているのですが、これも30坪、木造2階建てなら120万円ぐらいのようです。
4)引っ越し費用ーーーこれは数十万程度でしょうね。
 
ただ、これら以外に、慰謝料とか迷惑料とかが支払われる事があるようですが、それは、ケースバイケースなので、なんとも言えない部分だし、あまりルール化もされていないようです。
 
それから、もう一つ、立ち退き料の支払いタイミングを調べると
「立ち退き料の支払い時期は、賃貸人と賃借人の間での交渉によって決定されます。 多くの場合、退去が完了し明け渡しが行われた後に支払われることが多いです。 ただし、賃借人が新しい住まいへの引越し費用や、他の経済的な負担を前もって支払う必要がある場合、ある程度の前金を受け取ることもあります。」
 
要約すると、大抵は退去が完了後に支払われるが、退去にあたり引っ越し費用など経済的な負担をある程度の前金として受け取る事がある。
 
これらの事を踏まえてもう一度、週刊誌の記事を読む「土地売却料と物件移転補償費の一部を支払っている」ここです。
 
宮澤さんはどのぐらいの金額を受け取っていたのだろうか?と改めて考えてみるのですが・・・・
これまでの大半の報道ではこの部分が「莫大な」とか「大金」と報道されているのだけど、宮澤さんはこの立ち退きでホントに利益が出ているのか?と言う素朴な疑問が出てくる。
 
そもそも、一番大きな金額になる1)土地売買価格については、同じ世田谷区の土地を購入する代金に充当されるわけだから、プラスマイナスゼロなのではないか?
まー10年分の地価の値上がり分は純粋にプラスになるものの、新たな購入する土地の価格も10年で上がっているわけだから、極端なプラスにはならないような気がする。
まして、購入予定の土地が広すぎて予算が合わず、担当者に分割して土地を小さくして購入する話になっていたようだから、プラスになっているとは思えないんですよね。
 
2)建物再建築価格は建物を建てる費用だから、これもそのまま右から左に流れる金額なんじゃないの?
 
こう考えると、純粋にプラスになるのは、迷惑料や慰謝料と言った部分だろうけど、それも、そんな大金になるような金額ではないだろうと思う。
むしろ、塾の開設費用として借り入れる分で、全体の収支はマイナスになるのではないだろうか?と私は考えています。
 
まーこれは、問題なく立ち退きが行われた場合の話ですね。
 
実際には、「転居する予定地は事件発生時点で、都との売買契約が成立しておらず、所有権移転も建築確認申請も行われていない。」こうなっているので、少なくとも、土地の売買代金、購入時の金額と同額と仮定しても、1億5千万は宙に浮いている事になる。
 
これは、移転先の都有地の売買契約がされれば、そのまま購入費用に充当されるわけで、犯人がこのお金を狙ったのだとしたら、契約する前のこのタイミングしかない。
 
ちょっと待てよと・・・
この立ち退きと全く同じタイミングで、おそらく同じ金額かそれ以上の金額を受け取っている家がある。
隣接する入江さんの家だ。しかし、事件当時、入江さん側はすでに土地購入を終えて、建築も開始されてる。少なくとも1)土地売買価格の分は移転先の土地の購入費用に充当されている事になる。
 
私は可能性として、犯人は入江さん宅と間違えて宮澤さん宅に強盗に入った可能性も疑っていたけど、逆に資金の残っている宮澤さん宅を狙ったと考えた方が自然と言う事に今、気づいた。
 
こう考えると、宮澤さん一家が、立ち退き料(土地売買金額)を狙われたとしても、不思議ではないね。
タイミング的には宮澤さんの手持ち資金がピークになるタイミングだ。もし、移転先の土地の売買契約が終わり、代金が支払われていたら、犯人が手にする金額は一桁違う金額になっていただろう。
 
ただ、仮にこれが計画的な犯行だったとしたら、やはり、その杜撰さが目に付くな・・・
もし、犯人が土地売買金額を狙ったとしたら、そもそもそれは・・・・犯人像につながる情報になるかもしれないな。
 
次回はこのあたりを考えてみようと思う。

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2024/09/22

世田谷一家殺害事件再考その222(現状の整理)

現状でどの説が一番説得力があるのか?と言う事を考えると、正直なところ「どれにも説得力は無い」と言う事になりそうです。
とりあえず、整理していくと、この事件での動機は大きく二つ、
A)物取り説
B)怨恨説
になります。
外国人とか複数犯とかは結局、各説について成立するので、犯行方法のバリエーションでしかありません。

A)物取り説
A-1)この説を肯定する材料としては、実際に現場から現金が盗まれている事。
A-2)この説の疑問点は「浴槽に入れられた書類」ですね。一般的に考えて窃盗犯なら現金だけを狙うはずです。あとは現金の引き出し可能なキャッシュカードでしょうね。だから、探していた物が「暗証番号」であれば、浴槽の書類は説明できるかもしれません。
しかし、その一方で暗証番号を引き出しに無造作に入れておくなんて事は通常の感覚ではなさそうなので、暗証番号で説明するのも難しいかもしれない。

B)怨恨説
B-1)この説の肯定材料は、殺害方法が凄惨である事。
B-2)この説の疑問点は礼君が絞殺である点。怨恨だから凄惨な殺害方法になると説明するなら、礼君の絞殺が矛盾している。
だから、もし、怨恨説で説明するなら、犯人は礼君だけは優しく殺害する理由があったと言う事になるわけですが、その理由はわかりません。
その場合、犯人は礼君の事を知っていたと言う事になるので、宮澤さん一家と何らかの接点があったと考えられるでしょうね。

トリッキーと言うか偶発的な説としては
C)快楽殺人説(サイコパス説)
と言うのもありそうです。
C-1)この説の肯定材料はB-1)と同じです。
C-2)この説の疑問点もB-2)と同じですが、こちらの説は犯人と宮澤さん一家に接点が必要無い事ですね。
しかし、その一方で、類似の事件がその後発生していないと言う事が新たな疑問点として出てきます。
他には、快楽殺人なのに、遺体に装飾が無い事が疑問点ではありますね。
類似の事件の説明としては、事件後に犯人が死亡しているので類似の事件はその後発生してないと言う説明はできそうです。

こんな感じですね。
私としては、各説の疑問点を凌駕するような肯定材料が各説に無いので、どの説にも説得力が感じられないと言うところですね。
なので、指紋やDNAが一致して犯人が逮捕される事に期待しています。

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