ASKAの事件簿へコメントされる方、引用される方へのお願い

 ASKAの事件簿を読んで頂いてありがとうございます。
始めは自分の考えを整理する為に始めたブログだったので、これほど多くの方に読んでいただけるようになるとは考えていませんでした。

 多くの方からコメントを頂くようになったのですが、このブログの趣旨を誤解された方も時折おられるようなので、コメントされる場合の注意事項を記載しておこうと思います。

ASKAの事件簿は誰かを傷つける事を望んでいません。その事を前提に以下の点についてお願いいたします。

1)逮捕以前に個人を特定できるような内容で犯人像を書く事はやめてください。
2)誰かを誹謗、中傷する書き込みはやめてください。
3)誰かに危害を加える事をうかがせる書き込みはやめてください。
4)被害者、遺族に関するコメントはその人達に対する配慮をお願いします。
(報道された情報は仕方がありませんが、報道されていない状態で憶測により、被害者や遺族が傷つくような事がない事を希望します。できれば犯人に対する誹謗、中傷も控えて欲しいと思います。)

この4つに該当する場合は無条件で削除、あるいは一部を編集訂正する事があります。

5)当サイトの画像、文章、URLについて、NAVERまとめ、及びhttp://sharetube.jp(シェアチューブ)に転載、引用、リンクすることを禁止します。

6)Aな人はB と言った因果関係的な表現をする場合は注意をお願いします。

まーぷるさんのコメントを引用
***ここから***
でも大事なコトを忘れていました。偏見が何故いけないかというと、やはり人が傷ついたり嫌な思いをするからですね。"Aな人はBである"に該当する人が嫌な思いをするだけでなく、傷つく人がいるコトに気付いた人も嫌な思いをする。
***ここまで***

詳しくは
コメントに対するASKAの考え方
こちらの2018年6月4日のまめさんのコメント、それに続く、ASKA、まーぷるさんのコメントを参照願います。

それから、ブレインストーミングのルールと同じでコメントの内容を否定するコメントはやめましょう。見当違いなコメントもあるかもしれませんが、否定してしまうと、次のアイディアが出てこなくなってしまう事もあるので、「その場合はこんな疑問もありますね」といった程度が良いかと思います。

 ASKAの事件簿は基本的に毎日起こっている事件の記録をする事を目的にしていますが、時々、事件の推理もしています。
ただ、実際の事件の推理で「誰が犯人か?」を推理する事は基本的に不可能だと考えています。
ASKAの事件簿で推理するのは「誰が犯人か?」ではなく「なぜ、犯人はそう行動したのか?」犯人の行動の理由です。

詳しくは私の推理方法推理の見えない落とし穴爆弾はもう一つあるかもしれない。を参照願います。
それから、特にレイプ事件についてのコメントについてはレイプ事件を考える時の注意点を参照願います。

18/06/05追記
6)の因果関係的表現についての注意項目を追加

17/07/07追記
http://sharetube.jp(シェアチューブ)への転載、引用、リンク禁止の項目を追加

16/12/12追記
NAVERまとめへの転載、引用、リンク禁止の項目を追加

16/08/16追記
コメントする時のハンドル名(HN)は基本的に自由ですが、以下のHNおよび類似のHNは禁止とします。
NOBU」、「nobu」、「のぶ
理由は「おわび」を参照願います。2010年の事で、この事を知らない人も多くなりましたので、追記いたします。

08/11/09追記
コメントに対するASKAの考え方も参照願います。
それと、このブログを犯人も読んでいる可能性がありますので、犯人に対して逃走や証拠隠滅を促すようなコメントも自粛してください。

08/11/21追記
ASKAの事件簿運営委員会も参照願います。
ASKAの事件簿へのご意見、問題点のご指摘はこちらへお願いします。

08/12/14追記
ASKAの事件簿管理ポリシーも参照願います。
コメントに対する管理方針です。コメントする場合はこちらも一読願います。

08/12/28追記
現在ドコモの携帯電話からの書込みの一部に対して書込み規制を実施しております。
この為、ドコモの携帯電話から書込みが出来ない事があります

10/01/05一部追記
犯人の行動の参考ページとして「爆弾はもう一つあるかもしれない」を追記

10/09/23一部追記
レイプ事件へのコメントの注意点として「レイプ事件を考えると時の注意点」を追記

10/10/21一部修正追記
誰かに危害を加える事をうかがせる書き込みについての注意を追記しました。

16/03/31 一部追記
4)被害者、遺族に関する・・・の項目を追記

16/08/16 一部追記
禁止HNについて追記しました。

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2024/09/22

世田谷一家殺害事件再考その222(現状の整理)

現状でどの説が一番説得力があるのか?と言う事を考えると、正直なところ「どれにも説得力は無い」と言う事になりそうです。
とりあえず、整理していくと、この事件での動機は大きく二つ、
A)物取り説
B)怨恨説
になります。
外国人とか複数犯とかは結局、各説について成立するので、犯行方法のバリエーションでしかありません。

A)物取り説
A-1)この説を肯定する材料としては、実際に現場から現金が盗まれている事。
A-2)この説の疑問点は「浴槽に入れられた書類」ですね。一般的に考えて窃盗犯なら現金だけを狙うはずです。あとは現金の引き出し可能なキャッシュカードでしょうね。だから、探していた物が「暗証番号」であれば、浴槽の書類は説明できるかもしれません。
しかし、その一方で暗証番号を引き出しに無造作に入れておくなんて事は通常の感覚ではなさそうなので、暗証番号で説明するのも難しいかもしれない。

B)怨恨説
B-1)この説の肯定材料は、殺害方法が凄惨である事。
B-2)この説の疑問点は礼君が絞殺である点。怨恨だから凄惨な殺害方法になると説明するなら、礼君の絞殺が矛盾している。
だから、もし、怨恨説で説明するなら、犯人は礼君だけは優しく殺害する理由があったと言う事になるわけですが、その理由はわかりません。
その場合、犯人は礼君の事を知っていたと言う事になるので、宮澤さん一家と何らかの接点があったと考えられるでしょうね。

トリッキーと言うか偶発的な説としては
C)快楽殺人説(サイコパス説)
と言うのもありそうです。
C-1)この説の肯定材料はB-1)と同じです。
C-2)この説の疑問点もB-2)と同じですが、こちらの説は犯人と宮澤さん一家に接点が必要無い事ですね。
しかし、その一方で、類似の事件がその後発生していないと言う事が新たな疑問点として出てきます。
他には、快楽殺人なのに、遺体に装飾が無い事が疑問点ではありますね。
類似の事件の説明としては、事件後に犯人が死亡しているので類似の事件はその後発生してないと言う説明はできそうです。

こんな感じですね。
私としては、各説の疑問点を凌駕するような肯定材料が各説に無いので、どの説にも説得力が感じられないと言うところですね。
なので、指紋やDNAが一致して犯人が逮捕される事に期待しています。

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2024/09/15

世田谷一家殺害事件再考その221(二つの怨恨説)

この事件では、当初から2つの見立てが有力視されていました。窃盗説と怨恨説です。
今回はこの怨恨説について考えてみたい。

この事件の動機が怨恨ではないか?と言うのは、事件の凄惨さを見れば誰でも思いつくことなんですよね。
礼君以外はめった刺しですからね。

ただ、一言で怨恨と言うけれど、そう単純でもないのが、この事件です。
通常、怨恨と言えば、誰かに恨まれて、恨んだ人に恨まれた人が復讐の為に殺害されるような事を指すことが一般的ですね。

このような場合は非常にわかりやすい事件になりますね。
怨恨による事件としては・・・・

過去の怨恨事件のメモを参考にしてもらうとして。

基本的には何らかのトラブルにより恨まれる事になるわけで、大抵の場合は犯人と被害者の間に面識がありますね。
殺害しようとするほどの殺意を持つわけなので、秘密にしたい理由でもないかぎりは、周囲に愚痴をいったり、相談したりして、刑事さんが聞き込みをすれば、それなりの情報が出てくるわけです。

なので、被害者側の人間関係を洗えば、その中に犯人もいると言うことになります。
怨恨と言えば、こちらの怨恨説が一般的です。
で、この世田谷事件はどうか?と言うと、元管理官の廣瀬さんはこちらの説のようです。

世田谷一家殺害事件再考その204(20年末特番まとめ3「怨恨説」)

私としては、恨みの対象が明確であるなら、例えば、みきおさんや、泰子さんが対象であるなら、幼い礼君やにいなちゃんまで一緒に殺害するのだろうか?と言うのは一つの疑問として残りますね。
ただ、日本人的な見方としては、「残された子供が不憫」と言う感情でと言う説明はできるかもしれません。
だから礼君は絞殺だった、しかし、にいなちゃんは泰子さんと一緒に寝ていた為、刺したと言う説明だけど、それでも、にいなちゃんの殺害方法は説明できないですね。

では、もう一つの怨恨説とは何か?
それは、恨みの対象が曖昧に日本の社会全体を対象にしているような場合ですね。
これは、成城警察署元署長の土田さんの「外国人」説の背景にもなっています。

世田谷一家殺害事件再考その205(20年末特番まとめ4「外国人説」)

いわゆる「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」と言う訳で、社会に対して、あるいは自分の境遇に対して強い不満や怒りを持っていて、暴走して事件を起こした時に偶然、被害者になってしまう場合ですね。

この場合は、犯人と被害者に接点や面識が無いので、被害者の周囲を調べても犯人には辿り着けません。
とは言え、この事件では、わざわざ被害者宅に忍び込み事件を起こしているので、何らかの接点はありそうです。
例えば、公園で幸せそうに遊ぶ宮澤さん一家を見て、そこに嫉妬や羨望などの負の感情を持ってしまったと言う、まったく一方的な逆恨みと言う場合ですね。
この手の事件は昔から定期的に起きていて、旧くは、津山30人殺し事件とか、秋葉原事件、京アニ事件などの通り魔事件もこれに該当すると思います。

こちらの場合、対象が広い上に被害者との接点が無いので捜査はかなり難しいと思います。
・・・とは言え、警察は諦めているわけでもないわけです。東京都内や近郊で検問や職質の時にひたすら指紋を採っているのは、犯人の残した決定的な証拠の指紋を元に地道に捜査しているわけですね。

そしてもう一つ、怨恨説の捜査が難しいのは、情報がリークされると著しい人権問題になってしまうんですよね。
まー「焼き肉店のバイト」の情報にしても、捜査本部に口止めされているにもかかわらず、マスコミにリークされてますからね。
そんな状況ではうかつに聞き込みにもいけないでしょうね。

なので、事件当初の周辺の聞き込みが不十分だったと言うのが、今更ながらに悔やまれるところですね。

このため、一般的な怨恨については捜査内容が表に出る事はほぼないでしょうね。とは言え、事件から20年以上が経過しても逮捕されないわけですから、逮捕できるだけの証拠が無いとか、あるいは、そもそも怨恨に足るような情報が無いと言う可能性もありますね。

私としては、子供達が殺されるほど恨まれる事は無いだろうと思うし、泰子さんは情報が少なすぎてなんとも言えない。一方のみきおさんは、意外に波瀾万丈な人生を歩んでいるようなので、人間関係がかなり広そうなんですよね。
しかし、なんにせよ、情報が無いので一般的な範囲でしか考える事ができないのが現状ですね。

ただ、もし、犯人と宮澤さんに面識が無いのであれば、玄関侵入説はかなり難しいと言う事は言えると思います。

こんなところでしょうか。

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2024/09/06

世田谷一家殺害事件再考その220(情報源)

ここ2回ほどの記事で、立ち退き料や引っ越しについて考えてきましたが、今回は、仮に犯人が立ち退き料を狙って犯行を行ったのだとしたら、その情報はどこから入手したのだろうか?と言う点についてかんがえみたい。
最初に結論から書いてしまうと、情報源を特定するのは情報が少ないのと、対象が広すぎるので無理ですね。
 
さて、それではお金の動きについて推測される時系列から考えます。
時系列情報
1999年年末 立ち退きの申請をする
A)2000年03月までに、都への土地の権利移転が完了。(おそらくこの段階で立ち退き料が支払われる)
その後
B)現在の住宅購入時の借入金などがあればその支払いをする。
C)次の物件購入の為に金融機関からの借入金が入金される。
D)次の物件の手付け金を支払う
Dー1)購入予定の土地の手付け金を支払う。(土地購入の場合)
D-2)土地付き建物の手付け金を支払う(中古物件の購入の場合)
E)残金を支払う
E-1-1)土地の場合はその後に建物の建築契約をする為に契約金を支払う。
E-2-1)入居後に残金を支払う。
 
F)引っ越し費用を支払う
 
多分こんな時系列になるのではないか?と推測します。
でわかりやすく、お金の状態でグラフ化するとこんな感じかな?
(+の数は金額の量をイメージしています)
 
A)++++++++++
B)++++++
C)++++++++++
D)+++++++
E)+
F)
 
こんな感じかと思います。何が言いたいか?と言うと、宮澤さんの手元にある資金が時間の流れの中で変化していくと言う事です。
もし、犯人が情報を入手して、計画的に犯行を行ったとするなら、目的が金銭目的であるわけだから、利益を最大化する方向で計画するだろうと推測するわけです。
そうすると二つのピークのどちらか?で計画しそうですよね。
実際の犯行はD)の後のタイミングで行われています。
 
で、ここから考えると、犯人が入手した情報は入金側(立ち退き料が支払われた)の情報では無いだろうと考えるわけです。
もし、入金側の情報であるなら、A)のタイミングで犯行を行うのではないだろうか?
 
と言うわけで、私は犯人が入手した情報は「引っ越し」の情報ではないか?と疑っています。
 
ちょっと補足すると、この地域の引っ越しに対して立ち退き料が払われるのは、95年に始まった立ち退きから続いている事なんですよね。
これまでに引っ越していった家の人たち(196軒)が、近所の親しい人に、これぐらい立ち退き料がもらえました。みたいない話を井戸端会議的な乗りで話したとしても、不思議なことではないだろうと思います。
そうなれば、後は噂話が広がるのにそれほど時間はかからないと思います。
すると、この周辺の住民にとって、あそこから引っ越すイコール立ち退き料を受け取っていると無意識に認識されるような状態だったのではないか?と考えています。
 
ただし、引っ越しの話はかなり広い範囲の人が知っている情報だと思われるので、犯人につながる情報ではないかしれませんね。
と言うのも、土地の権利の移転がされた3月の段階で、かならず引っ越す事は確定なんです。
なので、「来年の3月までには引っ越します」と言う話をどこでしていてもおかしくありません。
ただ、1年先の引っ越し先もわからない状態で、そんな話をするのは、それこそ親族以外には無いでしょうね。
すると、具体的な引っ越し先が決まってから、「何月にあそこへ引っ越します」をするようになった時が一番、情報が拡散しやすいタイミングかもしれません。
 
そう考えると、D)の後と言うタイミングもそれなりに説得力が出てくるかもしれませんね。
逆に言うと、D)のタイミングからE)の前までの期間が宮澤さんの手元に大きな資金の残る最後のタイミングであったとも言えます。
そう考えると、年末で金融機関が休みのタイミングは、年明けに金融機関が動き出せば、残金が支払われてしまうタイミングでもあるわけですね。
情報を入手するのが遅れた犯人にとって、残った資金を強奪するチャンスはこの時しかないとも考えられるわけです。
 
可能性としか言えないけれど、事件前の12月に入ったぐらいから、宮澤さん一家の中で引っ越しに対して何か普段には無い動きがなかっただろうか?
 
これが犯人が年末に事件を起こした理由を説明できる方法の一つかもしれませんね。
 
他には、単純に「引っ越すから立ち退き料を受け取っているはずだ」と言う短絡的で杜撰な犯行計画だった可能性もありますね。

 

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2024/08/27

世田谷一家殺害事件再考その219(引っ越しの件)

***長文注意!***

またまた、コメントいただきました。(一部抜粋)
***ここから***
前提条件としては手付放棄(数百万円)の解約をして別の物件を契約したそうです。そちらの物件も手付金を契約時に支払い、年明け入居のタイミングで残金を支払う予定でした。
***ここまで***

この前回のコメントを含めて気になる新情報は3つかな。
1)数百万の手付金を放棄して解約し、別の物件も手付金を契約時に支払い、年明け入居のタイミングで残金を支払う。
1ーA)数百万を無駄にしても、別の物件が欲しい理由があった。
1-B)年明けの入居タイミングで残金を支払う。

2)年明け入居を希望している

例によって場合分けします。今回はみきおさん、泰子さんの2人の視点からこれらの内容について、情報が無いので常識的にかんがえてみます。
ただ、前提条件としては、泰子さんが塾経営にあたり新居を塾の教室として使用する事を想定しています。

1ーA)数百万を無駄にしても、別の物件が欲しい理由があった。
みきおさん:M1)みきおさんとしてはトータルコストがプラスになるなら、一時的な損は気にしないと言う男性、理系的な判断なのではないか?と思います。
M2)逆に例え数百万の損があっても、どうしても欲しい理由があったと言う事になりますが、物件の情報も無い状態ではこれ以上考える事は無理ですね。

泰子さん:泰子さんは主に塾の経営者の立場として考えると、塾経営の為に大きなメリットがある場合には、M1)と同様に一時の損より将来の利益を優先した可能性があります。
そう考えると、新物件は塾経営にかなり有利な物件だったと推測できます。推測される有利な点としては
利点1)広い教室空間が確保できる。塾の性質として一度に沢山の生徒を収容して、できるだけ少ないスタッフで運営した方が良いわけですよね。
利点2)生徒が通塾する上で交通の便が便利な場所。いくら広い教室を確保できても、通塾しにくければ生徒は集まらないでしょう。
利点3)競合する塾が近くに無い。同系列の塾がある地域はさすがに避けると思うけど、泰子さんの人物像についての情報がほとんど無いので、判断が難しい。

泰子さんには母親としての立場もあり、そちらを考える
にいなちゃん:にいなちゃん自身は沢山の習い事をしていて、それら全てに共働きの両親のどちらかが、送り迎えをしていたとは考えられない。
そう考えると、にいなちゃんは自分一人で習い事に行けるだけの行動力があったと言う事になる。それなら、にいなちゃんは引っ越しによる移動の制約は受けにくいと考えています。
(つまりにいなちゃんの事情で引っ越し先を選ぶ事は無いだろうと思うわけです)

礼君:礼君には障害があったと入江さんの本には書かれているが、その程度はわからない。ただ、立ち退きの担当者(役人)に「障害児の母なので・・・」と懇願しているあたりを考えると、それを裏付けるだけの、公的証明書(診断書や療育手帳)などがあるのではないか?と推測しています。
もし、本当に礼君に障害があったとすると、礼君は引っ越し先を選択する上で制約になる可能性があります。
例えば、
利点A)礼君が通学、通園、リハビリ施設、医療機関、支援施設などに通うのに都合の良い場所
通学、通園は毎日の事で、もし礼君が一人で通う事ができないのであれば、誰かが介助する事になるので、とにかく近い場所に自宅があるのは都合が良いですね。
あるいは、通園バスなどがあるなら、その停留所の近くとか。

ただし、泰子さんは経営者なのでそれほど、時間に拘束される事は無いと思うんですよね。
特に、昼間は塾は無いと思うので、送り迎えの時間ぐらいは十分ありそうな気がします。

そう考えると、引っ越し先の選定に子供たちの事情はあまり影響してないかもしれません。

1-B)年明けの入居タイミングで残金を支払う。
この情報がちょっと微妙ですね。いろいろな可能性が考えられます。
1-Bー1)年明けまで、多額の購入費用が口座に入ってた場合。
1-Bー2)年明けまでに立ち退き料が1度で振り込まれる場合。(事件当時、立ち退き料は振り込まれていなかった場合)
1-Bー3)立ち退き料は何回かに分けて振り込まれている場合。

1-Bー1)年明けまで、多額の購入費用が口座に入ってた場合。
この場合、犯人が立ち退き料の話を聞き、それ目当てで強盗に入った可能性があります。
前回も書きましたが、もし多額の残高のある通帳を犯人が発見しているなら、その魅力は相当大きかったはずなんですよね。

1-Bー2)年明けまでに立ち退き料が1度で振り込まれる場合。(事件当時、立ち退き料は振り込まれていなかった場合)
立ち退き料の話は聞いたが、実際の振り込み日時を確認できないまま、強盗に入った可能性がありますね。

1-Bー3)立ち退き料は何回かに分けて振り込まれている場合。
これは前回の前提条件で否定している部分ではあるけど、実際に不動産購入は2度に分けて支払っていますからね。2度に分けて立ち退き料を振り込むなんてあるのかな?

2)年明け入居を希望している
これは、結局、引っ越しに期限がある場合と言う事になりますね。この情報を再度、みきおさん、泰子さんの視点でかんがえます。

みきおさん:普通に考えると、転勤の為と言うのが思い浮かびますね。異動の辞令があって、新職場に転勤するにあたり、期限がある場合です。
ただ、住居変更を伴う転勤なので、事前に内示があるのが普通でしょうね。だとしたら、それほど急ぐことは無いと思うわけです。それにいくら短くても内示は1ヶ月前にはあったはずで、それなら、入江さんがその情報を知らないのは不自然でしょうね。入江さんと泰子さんは仲の良い姉妹だったようですから、引っ越しの理由がみきおさんの転勤なら、その話を入江さんにもしているでしょうね。

泰子さん:塾の経営者としてみた場合、塾生の募集は随時行っていたとは思いますが、それでも、新入学時と言うのが一番のかき入れ時だと思います。それを考えると、遅くても、2月中に引っ越しして塾の準備を整えて、3月には宣伝と募集できる状態にしたいと思います。
なので、それが1月になっても、塾用の改装や什器類などの購入に納期が必要と言う事で早めに引っ越したいと言うのであれば、自然かもしれませんね。

泰子さんの母親としての視点
にいなちゃん:もし、転校が伴うのであれば、逆に3月の春休み中に引っ越し新学年から転校と言う方が切りが良いタイミングだと思うんですよね。

礼君:礼君は3月の春休み中に引っ越し新入学と言うのがベストタイミングだと思う。

ただし、子供たちについては、例外が考えられる。例えば「いじめ」で早く転校したいと言う事があれば、新学年を待つ事は無いと思う。

他にも理由は考えられる。
あ)近所の公園のスケボーがうるさくなる前の冬のうちに引っ越したい場合。
い)公園の路駐が迷惑なので、路駐が多くなる前に引っ越したい場合。
う)なんらかのトラブルがあって、トラブルの相手に住所を知られているので、早く引っ越したい場合かな。(もちろん根拠は無い)
え)公園近くさんのコメントのように周辺の治安が不安な為、早めに引っ越したい場合。

やはり、総合的に考えると泰子さんの塾の事情で引っ越し関係は決めていると考えるのが自然なのかな?
(この悲しみ・・を読むと、実際には礼君の為に新居を選定しているようです。)

と、ここまで書いてからなのですが、「この悲しみの意味・・・」をざっと読み返してみると
時系列情報
1999年年末 立ち退きの申請をする
2000年03月までに、都への土地の権利移転が完了。(この段階で立ち退き料が振り込まれていた可能性が高い)
2000年03月  泰子さんが号泣してとの担当者に懇願(移転先の都有地購入の契約を早くしたいと言う事の要請ですね。小学校近くの都有地)
2000年11月  礼君の就学時健診(楽観できる結果では無かった)
2000年12月  入江さん一家の移転先の建築確認が降りる
2001年01月  入江さん一家の新居の建前の予定
          宮澤さん一家の入居の予定(コメント情報)
その後、入江さんはこの新居に住む事は無かった。
2001年03月  礼君卒園の予定
2001年04月  礼君新1年生の予定

関連情報
1)入江さんの新居は、宮澤さんの新居予定地(小学校近くの都有地)から徒歩で10分で、駅からも近かった。
2)泰子さんは礼君を普通級に通級させたい希望を持っていた。
3)泰子さんは礼君の環境をできるだけ変えたくない為、現在と同じ地域内への引っ越しを希望していた。
4)泰子さんは塾の経営を継続したいと希望していた。
5)礼君は脚立に乗って、クリスマスの飾り付けができた。
6)礼君は会話ができた。(どの程度かは不明)
7)泰子さんは礼君がいじめられやすい状態だと考えていた。(身なりがきちんとしていないといじめられやすい)
8)泰子さんは周辺の治安の悪化を懸念していて、街灯設置の要望や不審者情報などを公園管理事務所に何度か通報していた。
9)購入資金には信用組合からの借入金が含まれる(住宅ローンではなく、借入金なのは塾に使用する為かな?)

とこんなところなのですが・・・大きな疑問がありますね。入江さんの本には事件までの情報が記載されていて、引っ越しや立ち退きについての章もある。
だけど、解約の件についての情報がありませんでした。数百万も無駄にするような大事件があれば、入江さんに話していると思うのですが・・・
付随して、当初、宮澤さん一家が新居と考えていた土地は都有地なので、不動産会社が絡んでくるとは思えないわけです。

そのあたりから、解約について可能性を考えるとこの二つぐらいだろうか?
A)都と直接契約だったとしても、商習慣に沿って、手付金や解約についての項目があり、それに従って、解約した。
B)都有地の購入(契約)は諦めて、別の物件を民間の不動産会社から一度契約したが、それを解約して、別の物件を再度契約した。

だけど、A)もB)も考えにくいところではあるんですよね。
泰子さんは礼君の将来や現状を気にかけていて、礼君の為に新居を選定しているように見えます。同じ地区内で小学校の近くと言う絶好の物件を諦める事ができるだろうか?
さらに、加えると、入江さんの新居からも離れてしまう事になり、泰子さんにとって、望まない方向になりそうなんですよね。

可能性としては、11月の就学時健診で普通学校への入学ができないと言う結果となれば、今度は支援学校の近くを探す必要がでてきますよね。
しかし、そんな事があれば、これも入江さんに話しているはずだし、その他の情報から考えると、礼君の障害の程度は普通級と支援級のボーダーぐらいなのかな?と言う印象です。
それなら、学校を変える必要は無いはずなんですよね。

ただ、コメント情報だと「入居」とあるので、当初は都有地を購入して家を建てると言う計画だったが、建物付きの物件を購入して「入居」すると言う方針に変わったと言う解釈もできます。
実際、1月に購入する予定だったのが都有地であるなら、1月に購入、建物の建築期間を考えて、3月の春休みに引っ越し、4月の新入学を新居で迎えると言う計画だったんじゃないかな?
でも、一方で地域が変わらないから、早めに引っ越して礼君を新しい環境に慣れさせたいと考えた可能性もあるのか?

いずれにせよ、もし、一度契約した物件を(数百万を無駄にして)解約する事情があるとすれば、それは「礼君にとってもっと良い物件があった場合」だけだと思います。
それは、泰子さんにとって嬉しい事なので、それを入江さんに話さない理由がないと私は考えています。
あるいは入江さんがあえて書いて無い場合も考えられるけど、2000年3月の号泣事案は入江さんとしても書きたくない内容なのではないか?と思える部分だし、それを書くのであれば、礼君の為に数百万の損も厭わないと言う泰子さんの姿勢を書かないはずが無いと思うんですよね。

と言うことで、この解約の情報については、もう少し関連情報が欲しいですね。

最後に、購入資金に信金からの借入金があるので、じつは経済的にそれほど余裕があったわけではないかもしれませんね。

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2024/08/21

世田谷一家殺害事件再考その218(立ち退き料の件)

***長文注意***

実は今年3月にとあるコメントいただきました。その内容はこちら
***ここから(一部抜粋)***
当時、知り合いの不動産営業マンが宮沢さんと契約をしており新居に引っ越す前に、もっといい物件があると言う事で解約になったそうです。
礼くんや娘さんの事もよく知っていました。警察の聴取もありました。 あの時に引越していれば、年末には退去していたはずでした。
***ここまで***

ここで改めて気になったのが「立ち退き料」の事です。
私自身が「立ち退き料」をもらうような経験が無いし、不動産取引の経験もほぼ無いので、いろいろと仮定(前提条件)を導入します。

事件以前に一度別の物件を契約していたと言う事から、次の仮定をします。
(立ち退き関係や不動産関係に詳しい方がいたらコメントいただきたいです)

1)高額な不動産契約をしているので、頭金の入金が必要と思われる。また、少なくとも立ち退き料の金額は知っていて、不動産購入の予算(収支)を計算していたはず。
2)不動産契約をした後で立ち退き料が入金されない事態を避ける為に、立ち退き料は入金済みか、もしくは入金日が確約されている。
3)立ち退き料は口座振り込みで支払われている。また、不動産購入費用も口座振り込みで支払われている。ただし、ローンを利用している可能性もある。
4)立ち退き料は一度の振り込みで全額支払われている。(受け取り人が複数いた場合でも、各人の一つの口座に一度で振り込まれている)
5)犯人は立ち退き料の振り込み口座のキャッシュカードを入手していない。
この5)については、本当なら入手している場合と入手してない場合を考えるべきなのだけど、犯人が一度も引き出しにチャレンジしてない事から、入手していないと仮定します。
なので、もしカードを入手していて、引き出しにチャレンジしていないとしたら、犯人は国外逃亡を考えていないと言うことかもしれませんね。
しかし、カードを使えば通報されて捜査網が張られる事を犯人が自覚していれば、一度に引き出せる現金の額がわずか数十万と言うことを考えると、カードによる現金引き出しは割に合わないと犯人が判断する可能性がありますね。

ただ、経済的に困窮した犯人なら、数十万でも大金なわけで、チャレンジするだろうと思いますね。
このあたりは、死刑のリスクを犯人がどう考えるか?と言うことになるかもしれません。

ここから場合分けします。
CaseA1:犯人は立ち退き料の情報を知っていた場合。
CaseA2:犯人は立ち退き料の情報を知らなかった場合。

CaseA1は事前に情報を得ての計画的犯行と言うことになりますね。
つまり、犯人または犯人グループはこの情報を入手できる立場の人間だと言う条件が付きますね。

CaseA2はこの情報を知らないと言う事になるので、立ち退き料目当ての犯行では無いと言うことになります。

次に立ち退き料の支払い状況で場合分けが発生します。
CaseB1:立ち退き料は支払い済みの場合。
CaseB2:立ち退き料は未払いだが金額は通知されている。

ここから派生する疑問を列挙すると
Q01:立ち退き料は宮澤さんだけが受け取ったのだろうか?
理由:1990年に購入した時は3者による共同購入だった。立ち退き時に所有権の全てを宮澤さんが取得していれば、全額を宮澤さんが受け取るのが自然だが、もし、共同所有の状態なら宮澤さんが受け取った立ち退き料は全額では無いと言う事になる。それでも数千万ぐらいにはなるはずなので、少ない金額ではないけど、場合によっては当初考えていたほど巨額な立ち退き料を受け取ったわけではないかもしれないと言う点で気になっています。

Q02:立ち退き料の振り込み口座は1つのはず?
理由:役所が受け取り人の複数の振り込み先に分割して振り込むような面倒な事はしないだろうと言う推測。
つまり、宮澤さんの持っている口座の一つに立ち退き料が振り込まれているはずと言う仮定になります。

次に犯人(実行犯)が立ち退き料の振り込み口座の通帳を発見したのか?
CaseC1:犯人(実行犯)が立ち退き料の振り込み口座の通帳を発見している場合。
CaseC2:犯人(実行犯)が立ち退き料の振り込み口座の通帳を発見していない場合。

これはCaseB2のように立ち退き料が振り込まれていない状態なら、当然、振り込まれていないので、C1,C2ともに発生しない。

ここで次の疑問
Q03:犯人(実行犯)が多額の残高のある通帳を発見していて、現金の引き出しを試さなかった理由は何か?
4人殺害の強盗殺人事件だから、逮捕されれば死刑は当確なので、リスク回避で試行しなかったと言う説明はできるが、そもそも、この事件の動機については大まかに4通り考えられている。
あ)物取り犯
い)怨恨
う)外国人
え)複数犯(実行犯がサイコパス)

文字通り「物取り犯」なら多額の現金を盗めるチャンスを棒に振るのは考えにくいと思う。
また、経済的に困窮している外国人も同様に多額の現金は相当魅力的に見えたはず。
消去法で残るのが「怨恨」と「実行犯がサイコパス」の場合なのだが・・・・お金に興味無いとしたら、キャシュカードを並べたり、現金を盗んでいる点が説明できない。

こう考えると、お金には興味があったが、犯人(実行犯)は現金の引き出しを出来ない理由か?または、諦める理由があったと言う事になるのかな?

まとめると、組み合わせは以下の6通りになる。
<No.1>A1-B1ーC1(情報を知り、支払い済みでその通帳を犯人が発見している場合)
<No.2>A1ーB1ーC2(情報を知り、支払い済みでその通帳を犯人が発見していない場合)
<No.3>A1ーB2ーXX(情報を知り、未払いの場合)
<No.4>A2-B1ーC1(情報は知らず、支払い済みでその通帳を犯人が発見している場合)
<No.5>A2-B1ーC2(情報は知らず、支払い済みでその通帳を犯人が発見していない場合)
<No.6>A2-B2ーXX(情報は知らず、未払いの場合)

これに対して、4つの動機での矛盾点を考える(一部繰り返しになります)
<No.1>A1-B1ーC1(情報を知り、支払い済みでその通帳を犯人が発見している場合)

あ)物取り犯
 事前に情報を得て計画的な犯行であるので、当初の目的である立ち退き料の現金引き出しを、犯人が1度も試さないのはそもそも目的意識に反する。
別の視点で見れば、年末年始で金融機関が休みで現金引き出しができない時期に犯行を計画したなら、検討不足もいいところの杜撰な計画です。逆に「多額の金がある家がある」と言う情報から短絡的に無計画な犯行を実行したと言う見方の方が説得力があるかもしれません。
他には家の中を荒らしている点も通帳や現金を奪う為と言う説明は自然ですね。

い)怨恨
 情報を知っていて怨恨つまり、復讐の為に強盗を行っているのだから、立ち退き料の引き出しも視野に入れての計画だったはず。
金を奪う事も復讐の手段だと考えれば、お金を奪う事も正当化されるので、現金は盗んだが、多額の通帳のお金の引き出しは躊躇している点をどう考えるのか?
この場合は、とりあえず偶然見つけた現金は懐に入れたが、痕跡を残しやすい口座からの現金の引き出しは計画段階で諦めたか、犯行後に死刑が怖くて諦めたと言うところでしょうか。

う)外国人
 全ての外国人が経済的に困窮しているわけではないけど、ここでいう外国人説の外国人は日本の豊かな生活に憧れをもって来日し、挫折した人を想定しているので、どちかと言えば、経済的に困窮している状態と考えて良いでしょう。
(詳しくは202から始まる20年の年末特番の記事を参照願います)
その上で情報を知り犯行を行っているので、一攫千金のチャンスにチャレンジしない点はやはり不思議な点ですね。
どちらかと言えば、チャレンジしなかったのではなく、「チャレンジできなかった」と考える事もできる。つまり、事件後、年末年始のどさくさに紛れて、国外脱出する計画ならそもそも、現金を引き出す時間は無い事になりますね。
ただし、情報を知った上での計画的犯行ならやはり、引き出し後に出国の計画にするはずなので、この点は矛盾しているように見える。

え)複数犯(実行犯がサイコパス)
 この場合、情報を知り計画的に犯行を行っているので、犯行計画の立案は当然、指示役によるものと思われる。
なので、指示役は立ち退き料目当てで、それを奪う為の計画を立てているはず。
こう考えると、犯行後に入手にした通帳から現金の引き出しを試みなかった事は矛盾している。
肯定的に考えるなら、指示役が事件後に冷静になり、逮捕のリスクを考えて引き出しを断念したと言うところだろうか?
ただ、そうなると、死刑のリスクに対してリターンが少なすぎないか?と言うのが疑問な点ですね。

突拍子もないところでは、内部分裂と言う可能性もあるかもしれない。
事件後に実行犯が冷静になり逮捕されれば死刑になるのが確実であると考えれば、危険を冒して現金引き出すのは割に合わないと、指示役の指示を無視、あるい指示役を裏切って実行犯が逃亡してしまった場合かな。
この場合は、目的が立ち退き料の通帳の奪取、一家の殺害(口封じ)と言うことになるから、通帳探索の時間にもよるけど、未明逃亡説も十分考えられると思う。
一方で、通帳探索に時間がかかってしまい、翌日逃亡説になっても不思議ではないけど・・・その時、リビングでカードを並べた行動をどう判断するか?と言う疑問が残るかな?

肯定的に考えれば、サイコパスでも正常な判断力はある(殺人衝動が異常なだけで、それ以外の常識的判断は可能)なので、偶然発見した現金は懐に入れたが、痕跡を残す可能性がある現金引き出しは最初から考えていない。
これは、サイコパス(快楽殺人者)の最大の目的は快楽殺人を継続する事にあるからです。逮捕されては快楽殺人を実行する事ができなくなってしまう。
とは言え、そうすると、残された指紋やDNAはどうなのか?と言うのが矛盾しているように見えますね。
これも肯定的に考えるなら、殺人行為中はそれに集中していて、指紋やDNAなどに注意を払う事はできなかった。しかし、事件後冷静になって現金引き出しのリスクを考えて、現金引き出しを諦めたと言うところか・・・
または、そもそも、この説は共犯(指示役)がいる想定なので、指示役から現金の引き出しは禁止されたと言う説明はできますね。

<No.2>A1ーB1ーC2(情報を知り、支払い済みでその通帳を犯人が発見していない場合)
実は通帳を発見していない、こちらの場合の方が翌日逃亡説を説明しやすい。
あ)物取り犯
 通帳を発見していないので、現金引き出しを実行しないのは当然といえますね。それでいて、家探しするのは通帳を探す為なので、これも説明できる。
通帳を発見できないので、長時間、現場にとどまる事になってしまったと言うのも自然かと思います。

い)怨恨
 目的に復讐の手段として立ち退き料の奪取が含まれているとすれば、通帳が見つかるまで探索する事になりますね。
なので、翌日逃亡説が有力になるでしょうか。

う)外国人
 この場合も物取り犯説とほぼ同じ状況ですね。

え)複数犯(実行犯がサイコパス)
 共犯者の指示が「通帳を奪ってこい」と言う指示なら、通帳が見つかるまで、長時間探索している事になり、翌日逃亡説が有力になりますね。

<No.3>A1ーB2ーXX(情報を知り、未払いの場合)
 これは、<No.2>A1ーB1ーC2(情報を知り、支払い済みでその通帳を犯人が発見していない場合)と同じ状況ですね。
未払いなので、立ち退き料が振り込まれた通帳を発見できないわけです。

以下省略

<No.4>A2-B1ーC1(情報は知らず、支払い済みでその通帳を犯人が発見している場合)
こちらは、事前情報は無いが、偶然、多額の残高のある通帳を犯人が発見した場合になります。

あ)物取り犯
 物取り目的で、強盗に入って偶然、多額の残高のある通帳を発見したわけなので、普通に考えれば、現金引き出しにチャレンジしないのは不思議ですね。
犯人が金額と死刑のリスクを天秤にかけて、諦めたと言う可能性はある。
このあたりは、他の場合でもそうだけど、年末年始で金融機関が休みだったと言うのが、犯人の判断に影響を与えているでしょうね。
なにしろ、事件発覚が翌日だから、それ以降マスコミはセンセーショナルに報道するでしょう。逮捕されれば死刑だと連日報道される。
それを聞いている犯人としたら、とりあえずこのまま身を隠そうと考えても不思議では無いでしょうね。

い)怨恨
 復讐の手段として、現金の奪取も含まれているなら、偶然発見した多額の残高がある通帳の引き出しを試みても不思議ではないですね。
その一方で、最優先事項と言うわけでも無いので、死刑のリスクと天秤にかけて、諦めたと考える事もできます。

う)外国人
 こちらも偶然発見した通帳で多額の現金を奪取できるチャンスですが、そもそも想定外の収入なので、逆に逃走を優先した可能性はありますね。
この犯人がどの程度、日本の生活習慣を知っているか?と言うのも関わってきます。
銀行の窓口で日本人名義の口座から明らかに外国人の犯人が引き出そうとするなら、怪しまれると自覚している可能性があります。
その場合は引き出しを諦める可能性が高いけど、キャッシュカードはどうなのか?
もし、カードを発見していたなら、1度ぐらいはチャレンジしてもおかしくないですよね。なので、この考察にはもう一つの条件としてキャッシュカードを発見していたのか?と言う条件も追加されます。
ただ、窃盗目的の意識が少しでもあるなら、カードでの引き出しを1度はチャレンジしていると思うわけで、前提条件として、犯人はカードを発見していないと言う項目を追加ですね。

え)複数犯(実行犯がサイコパス)
 この場合、立ち退き料目当ての犯行ではないけど、偶然でも多額の残高のある通帳を実行犯が発見しているわけで、指示役に報告しなければ全額自分の懐へ入れる事ができるわけで、その魅力にあらがう事は難しいと思います。
でも、犯人はそれをしなかった・・・純粋に興味が無いのか?それとも、指示された事以外はやらないと徹底しているのか?このあたりはいろいろな見方ができるかもしれませんね。

<No.5>A2-B1ーC2(情報は知らず、支払い済みでその通帳を犯人が発見していない場合)
 つまり、何も知らないのと同じと言う事ですね。

あ)物取り犯
い)怨恨
う)外国人
え)複数犯(実行犯がサイコパス)
 4つの動機(犯人像)全てに該当するけど、事前情報が無いから、立ち退き料目当ての犯行では無い。

<No.6>A2-B2ーXX(情報は知らず、未払いの場合)
こちらも<No.5>A2-B1ーC2(情報は知らず、支払い済みでその通帳を犯人が発見していない場合)と同じです。
 つまり、何も知らないのと同じと言う事ですね。

ただ、現実的にはおそらく、立ち退き料は振り込まれていたのだろうと考えています。

それは、私の尺度で高額な不動産を契約しようと言うのに手元にお金が無い状態で契約するだろうか?と言うところが根拠と言えば根拠になりますね。
もし、宮澤さんが新規不動産購入の為の住宅ローンを組んでいたなら、審査があるので簡単に契約や解約はできないと思うんですよね。
この場合、宮澤さんが希望した物件は不動産会社だけでなく、銀行もその審査の為、情報を持っていると思います。
それが、表に出る事はないでしょうけど。
まー、巨額の立ち退き料を元にして新規不動産を購入すると言うのがあれば、住宅ローンを組む必要は無いから、ここはなんともいえないかもしれない。
だけど・・・事件現場の物件も購入時1億5千万だったらしいので、こちらの支払いは終わっていたのか?と言うのも気になるところです。
もしローンが残っているなら、その支払いに立ち退き料の何割かは使われているはずですよね。

最後に、前提条件として「通帳の登録印」もありますね。通帳は発見したが、印鑑を発見できなかったので、現金引き出しを諦めたと言うのは有りだと思います。
これについては、一般的防犯意識として、「通帳と印鑑は別々の場所に保管する」という基本を宮澤さんが守っていたと考えれば普通の事かもしれません。

一方でキャッシュカードはどうか?と言うとちょっと微妙ですね。
普段使っているカードなら、財布やカード入れで携帯していた可能性があります。それなら、犯人が簡単に見つけているはずなんですよ。
カードを見つけていれば、失敗してもすぐに逮捕されないと言う意識から、1度ぐらいは試すと思います。
なので、犯人はカードを入手していないと仮定しているのですが・・・
その場合、宮澤さんが立ち退き料の振り込み口座を普段使いの口座とは別に用意した可能性が考えられますね。
そして、カードど印鑑、通帳も見つからない場所に隠していたとすれば、犯人がこれらを発見できなかったとしても不思議では無いわけです。

で、ホントの最後に、立ち退き料の振込口座の通帳やカードを犯人はホントに発見していないのか?
この情報は報道されていませんが、現場に残っていれば、警察が発見しているはずです。
逆に発見していないのであれば、警察は持ち去られたと発表するかもしれない項目です。
しかし、事件発覚直後に捜査本部は金目的の窃盗犯と見立てをして捜査しているから、仮に通帳が持ち去られていても、捜査本部が発表する事は無いでしょう。
犯人を泳がせて、引き出すのを待っているわけですから。

ここで類似の情報として「年賀状」の情報があります。事件発覚当初に持ち去られたと報道されたのですが、何年も経過してから、実は捜査員が持ってましたと発表されました。
この事件では事実だとしても、報道されない情報が沢山あると言うわけです。

このへんの情報を推測する情報としては、いくつかあるかもしれませんが、詳細は控えましょう。

3月にコメントされた方へ、情報提供ありがとうございました。

久しぶりに書いたのでちょっとおかしい部分があるかもしれません。
途中で場合分けが増えたりして書き直しているので、おかしい部分があったらごめんなさい。

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2024/08/16

和歌山県白浜町保険金殺人事件その3(二審判決)

控訴審判決は懲役19年とした一審判決を支持し、被告の控訴を棄却した。

***控訴審判決公判(24年3月4日)***
1)裁判長は、「胃の中に砂があったことは認められるが、一審の砂の量の認定には無理がある」とし、砂の量から他殺とした一審の認定は不合理だとした。

しかし、「被告は不倫発覚後、被害者の妻にやり直したいなどと説得していた際も不倫相手と暮らすなど、妻への説得が本心でないことは明らかで、保険金契約、検索履歴などから被害者を溺死に見せかけた保険金目的の殺害計画をうかがっていたことは明らか」と指摘した。

「死亡状況は計画に完全に符合していて、他殺以外の偶然に起きたこととは考えられない」として一審の懲役19年の有罪判決を支持し被告の控訴を棄却したとのこと。

別の報道では
大阪高裁は、「胃の中に砂があったことは認められるが、一審の砂の量の認定には無理がある。(多量の砂から他殺とした)認定は不合理」とした上で、「被告は不倫発覚後、被害者の妻にやり直したいなどと説得していた際も不倫相手と暮らすなど、妻への説得が本心でないことは明らか。

保険金契約、検索履歴などから被害者を溺死に見せかけて殺害しようとしていた計画を伺っていたことも明らか。死亡状況は計画に完全に符合していて、2人きりになった約20分という短時間で殺害計画と無関係に他殺以外の偶然に起きたこととは考えられない」として被告の控訴を棄却し、一審と同じ懲役19年の判決を言い渡したとのこと。

***証人尋問(日時不明)***
2審の大阪高裁では、3人の法医学者による証人尋問が行われ「胃の中の砂の存在」などについて審理されたとのこと。

詳細は不明ですが、その結果が判決に反映されていて
高裁では、1審の「多量の砂」を根拠とする殺害認定について、「砂が廃棄されて存在しない中、目撃した砂の量を認定するのには無理がある」と、量について否定した。

さらに、水難事故の専門家が主張した多量の砂を含む海水を飲み込むメカニズムについても「医学的知見に反し採用し得ない」と退けた。そして、「事故や自殺の可能性も否定できず、胃内にのみ相当量の砂が入ったのは不自然というだけで、殺人事件と判断した1審判決は不合理」と判断した。
(つまり、1審で有罪の決め手となった証拠を否定した。)

ざっくりとこんな感じです。
ASKAなりに要約すると
一審判決の決め手となった胃から出てきた「砂」の量は廃棄されていて認定するのは無理で、胃の中の相当量の砂についても不自然と言うだけで殺人の証拠とはならないと言う判断ですね。
一方で、ネットの検索履歴や多額の保険金契約、妻との離婚を約束した不倫相手と、妻との板挟み状態などの事件の背景から1審同様に「殺意をもって、海中で何らかの方法により被害者の体を押させつけて溺水させた」として被告による殺害を認定したと言うことですね。

この判決に批判もあるようだけど・・・私としては、過去には状況証拠の積み重ねで有罪となった事件もあったわけで、妥当な判決ではないかと思っています。
まー93年の日野OL不倫放火殺人事件でもそうですが、男の優柔不断な対応と言うのは、事件に直結しますね。

参考リンク
和歌山県白浜町保険金殺人事件(一審判決)

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2024/08/10

愛媛県今治市女性ドライバー殺人事件その3(差し戻し控訴審判決)

詳細の前にここまで経緯をまとめると
時系列
2018年
02月13日 遺体を発見。
02月14日 同僚の男性を緊急逮捕。
02月15日 殺人容疑で送検。
10月16日 一審初公判
11月13日 一審判決懲役19年
猥褻目的を認定せず。(強制猥褻致死ではなく、殺人と強制猥褻罪)
11月27日 検察と弁護側双方が控訴
2019年
12月    控訴審で一審判決を破棄して地裁に差し戻し
2020年
07月    上告審で上告を棄却、地裁への差し戻しが確定
2022年
03月10日 地裁差し戻し審判決、無期懲役
03月24日 被告側が控訴

そして今回の差し戻しの2審公判になります。

***差し戻し控訴審初公判(23年11月08日)***
1)弁護士が「わいせつ目的ではなかった可能性がある」などとして、量刑の不当を主張した。

2)検察側は、控訴の棄却を求めました。

***差し戻し控訴審判決公判(24年01月18日)***
1)裁判長は「被告の主張はいずれも理由がなく、松山地裁が強制わいせつ致死罪が成立すると認めたことに誤りはなく、無期懲役が相当である」などとして差し戻し審の判決を支持。被告の控訴を棄却した。

***続報***
24年02月01日 被告はこの判決を不服として最高裁に上告した。

こんなところですね。
上告しましたが、新たな情報がなければ、おそらく結果は変わらないと思われます。
なんというか、犯罪者なら誰でも、自分の罪を軽くしたいというのは、多少あると思うわけです。
ただ、その大小はやはり、事件にどの程度向き合って反省しているのか?というあたりが影響してくると思います。
いろいろと、不合理な言い訳をしても、そこに説得力は無いし、逆に印象を悪くしていると思うんですよね。

仕事とは言え、それに付き合う弁護人もお気の毒だなと思いますね。

上告審の結果を待ちましょう。

参考リンク
愛媛県今治市女性ドライバー殺人事件その2(差し戻し審判決)

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2024/08/09

新潟県新発田市女性強姦致死事件その4(別件二審無期懲役)

補足
2013年09月 燃えた車の中から24歳女性Bさんが遺体で発見
2013年11月 22歳女性Aさんへの強姦致死事件(刑が確定)
2014年01月 20歳女性Cさんが行方不明
2014年04月 Cさんの遺体が川で発見

こちらはCさんの事件の控訴審です。

控訴審判決で東京高裁はそれぞれの控訴を棄却し、1審判決を支持した。

***初公判(24年2月16日)***
1)検察側は一審は死刑を選択せず量刑は著しく不当」と主張した。

2)弁護側は事件性・犯人性を争い、無罪を主張した。

3)弁護側、検察側ともに提出した証拠書類を取り調べるよう求めたが、裁判所はいずれも却下した。

4)検察側は出席した遺族に意見を求めましたが、裁判所はその申し出を認めなかった。

5)裁判は即日結審に。判決は5月以降に言い渡される見込みとのこと。

***判決公判(24年5月17日)***
1)東京高裁はそれぞれの控訴を棄却し、1審判決を支持した。

2)裁判長は「女性が各被害を受けたのとほぼ同じ時間帯に被告人が女性の車のハンドルを触れたことになり、被告人が犯人と認められる」などとして事件性やDNA鑑定について1審の判決に事実誤認はないと指摘。

量刑については「刑事責任は非常に重く、遺族が死刑を望む気持ちは厳粛に受け止めなければならないとした」一方で「計画性があったとは認められない」などとして1審の無期懲役を支持したとのこと。

3)遺族のコメント
「無期懲役の判断が維持されたことは到底納得できない。被告には極刑が相応という気持ちは今も変わっていない」とのコメントを発表したとのこと。

***続報***
1)5月までに被告側は上告した。
2)死刑を求刑していた検察側は期限までに上告しなかった。東京高検は、「上告理由を見いだせなかった」とコメントを出している。

こんなところですね。
この事件が他の事件と一緒に起訴されていたら、量刑は変わっていたかもしれませんね。
今のところ、2013年の22歳Aさんが強姦致死、2014年の20歳Cさんも強姦致死だと推測します。
これで、死亡が二人で罪状に強の字もあるので、死刑が出ても不思議では無いですよね。おまけCさんの事件は完全に否認していて、反省も無いと言う事なので、死刑判決が出てもおかしくは無い事件だと思います。
今回は、二つの事件が別々に裁判になった事で、罪状に強の字がついても、死亡が一人なので、無期懲役と言う判断が、おそらく妥当な量刑になったのだろうと思います。

なので、できるなら、こんなケースでは最初の事件の起訴を遅らせても2件を一つの公判で審理した方が死刑判決は出やすかったんじゃないかな?

亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
新潟県新発田市女性強姦致死事件その3(別件一審無期懲役)

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2024/08/07

東京都足立区ツイッター殺人未遂事件(21年の事件です)

2021年11月8日、ツイッターに夫の殺害を依頼する投稿をして実行役に襲わせたとして、警視庁捜査1課は東京都足立区南花畑4、パート従業員、女性容疑者(44)を殺人未遂と住居侵入容疑で逮捕する事件が起きている。容疑者は「事件には関わっていない」と容疑を否認しているとのこと。

逮捕容疑は2021年8月7日午前2時半ごろ、自宅アパートに住所・職業不詳の男性容疑者(22)ら3容疑者を招き入れ、就寝中だった会社員の40代の夫の左胸などを刃物で刺して殺害しようとしたとしているとのこと。夫は全治約1カ月の重傷を負った。3容疑者は同年10月23日に同容疑で逮捕され、「(女性容疑者から)報酬をもらう約束をしていたが、支払われていない」などと供述しているとのこと。

同課などによると、女性容疑者は事件の数週間前に、ツイッターに「夫を殺害してほしい」という趣旨のメッセージを書き込んだとのこと。実行役の3容疑者と面識はなかったが、夫の襲撃を依頼。女性容疑者は、あらかじめ玄関の鍵を開けておくなどの準備をしていたとみられるとのこと。事件当時、女性容疑者は在宅していた。夫は「夫婦関係が悪かった」と話しているとのこと。女性容疑者は借金があったとのこと。

刺された夫は抵抗し、一命を取り留めたものの、全治およそ1カ月の重傷を負ったとのこと。

逮捕前、女性容疑者は、警視庁に「ガタガタと音がして、夫が見に行って、私は娘がいたので、そうしたら男が逃げていった」と説明していたとのこと。

しかしその後、女性容疑者と逮捕された2人の男に、SNS上の接点が浮上したとのこと。
ツイッターに応じたのは、2人の容疑者。

犯行時、残りの1人の容疑者は運転を担当していて、警視庁の調べに対し、「待っておけと言われ、待っていた」と話しているとのこと。

その後の調べによると、実行犯の2人は、風俗のスカウトの仕事仲間で知り合いだったとのこと。
運転担当は、実行犯のうちの1人が誘ったとみられ、仕事の内容を把握していなかったとのこと。

その後、容疑者2人の供述とスマホの解析から、妻である女性容疑者の関与が浮上したとのこと。

実行犯の男ら「女性容疑者にツイッターを通じて殺害を依頼された。報酬のお金をもらえるはずだった」

また、被害男性は、「妻には1,000万円を超える借金がある、妻とは夫婦仲が良くない、子どもの面倒を見ない、などと言われていた」などと話しているとのこと。

警視庁は付近の防犯カメラ映像などから3人を特定し、10月23日に同容疑で逮捕。
事件当時、女性容疑者と長女(9)が室内にいたとのこと。

女性容疑者は、ツイッターに「高額報酬」と書き込み、殺害を依頼したとみられていて、当初、容疑を否認していたが、その後の調べに、「夫が娘の面倒を見ないので、痛い目を見てもらいたいと思った。夫に仕返しをしようと思った」と容疑を認めているとのこと。

実行犯はK受刑者(22)、S被告(23)の2人。K受刑者は今年7月14日、殺人未遂の罪で懲役8年の判決が言い渡されている。

時系列
2021年
07月    女性容疑者がツイッターに夫殺害依頼の投稿をする。
08月07日 事件発生
10月23日 男性3人が逮捕される。
11月08日 女性容疑者が逮捕される。
2022年
07月14日 K男性被告、夫殺害未遂の罪で懲役8年の実刑判決

***女性被告の一審公判(22年10月)***
1)被告人は「私は主人の殺人依頼などしていません」と否認した。

2)検察側主張
去年2月、内緒にしていた1000万円以上の借金を夫に知られてしまった女性被告は、夫から厳しく金銭を管理された。夫の厳しい態度を逆恨みした女性被告はネットで「復讐代行屋」などと検索し、50万円で夫の殺害を依頼した。依頼を受けた20代の男2人のうち1人がサバイバルナイフで夫の左胸などを刺したが、夫の抵抗を受けて殺害は失敗した。

別の報道では
検察側の冒頭陳述などによると、被告は独身時代から遊興費などがかさんで300万円ほどの借金があった。闇金融にも手を出し、結婚後には1千万円超に膨らんでいたとのこと。
家計のやりくりは被告が行っていたため夫に知られることはなかったが、事件の半年前、被告が娘を連れて家出したのがきっかけで発覚。以来、夫が代わって厳しく金銭管理を行うようになった。

仕事をしていた被告の給料はほぼ返済に回され、手元には月1万~2万円が残る程度。このころから、インターネットで「殺人依頼」などと検索するようになったとのこと。

3)弁護側主張
弁護側も、女性被告が借金をしたことは認めた。
借金が夫に知られた後、女性被告のもとに、大量の出前が届いた。闇金からの嫌がらせだったとのこと。女性被告は自殺を考え、「検出されない毒」などと検索したが、自殺は諦めたとのこと。

その後、女性被告は「なんでも屋」という存在を知り、ツイッター上で「復讐代行」というアカウントにダイレクトメッセージを送ったとのこと。
相手は、一定期間が過ぎるとメッセージが自動的に消去されるアプリ「テレグラム」でやりとりするよう指示した。
女性被告は相手に夫の不満などを漏らしたとのこと。
すると2週間ほど後、突然男2人が夫を襲ったとのこと。

弁護側は、「『復讐代行屋』とやり取りはしたが、復讐目的ではなかった。連絡相手が誤解して殺人計画を立てたかもしれない」と主張した。

***証人尋問(K受刑者)***
スカウトの仕事をしていたK受刑者はコロナ禍で金に困り、ツイッターで「#お金に困っています」と投稿すると、あるアカウントから「恨み晴らし代行」の仕事を紹介された。身元不明のそのアカウントが仲介して、去年7月中旬ごろに連絡を取り始めたのが、女性被告だったと証言した。

Q:依頼の内容は?
A:「自分の旦那を殺してほしい」という内容です。

Q:依頼の理由は?
A:自分の娘に対する言葉の暴力がひどい、見ていられないから。

Q:報酬は?
A:、50万円の報酬を提示された

Q:女性被告との連絡頻度は?
A:「ほぼ毎日ぐらいです」

Q:犯行現場(家)の状況を聞いたか?
A:「ベランダ側に面して寝室があると言われました」

***被告人質問***
検察側が証拠として女性被告の携帯電話の履歴を提出した。去年2月から「検出されない毒」「死ぬカビ」「殺人依頼 下請け」「殺し屋 探し方」「復讐代行屋」「抹殺」「裏稼業」「殺し屋」という言葉が並んでいた

なぜこのような言葉を検索したのか。女性被告は、「保険金を家族に残すために自分を殺してもらいたかった」と主張したとのこと。

Q:復讐屋と言う言葉を含むアカウントにダイレクトメッセージを送っているが、何のために送った?
A:「プロフィールに『詐欺被害解決します』と書いていたので」
「闇金(業者)の嫌がらせをどうにかしたかったです」
「闇金(業者)に嫌がらせを受けている。家庭の事情や愚痴を話しました。」
殺人依頼はしていないと主張した。

***論告求刑公判***
1)検察側は「K受刑者は刑が確定して服役中で、女性被告に責任を押し付けるメリットがありません。自分に不利なことも素直に話して有罪判決を受けています。K受刑者の証言は十分に信用できます」と主張した。
そのうえで「計画的な犯行の主犯的立場」だとして女性被告に懲役11年を求刑したとのこと。

2)弁護側は「女性被告は殺人依頼をしたことはありません。K受刑者が誤解して犯行したとみられます。検察が証拠とするK受刑者の供述は信用できません」と主張したとのこと。

3)最終意見陳述?
「私は、殺人依頼などしていません。お金を渡したり受け取ったりしていません。あちこちに個人情報を流したことを後悔しています。反省しています。いろんなことに主人を巻き込んでたくさんごめんねと伝えたいです」と話したとのこと。

***判決公判(22年10月31日)***
1)判決は懲役10年
「主犯格」と認定される。「主犯格として共犯者より重い責任を負うべき」であり、自らの借金によって自由に使えるお金が制限されたことに不満を募らせ、犯行に及んだことについて「あまりに身勝手で短絡的」として、懲役10年の判決を言い渡した。

2)裁判長は、「判決が確定しているというのであるから、K受刑者が女性被告の事件への関与についてあえて虚偽の供述をする動機や利益はない」「K受刑者の供述は十分に信用できる」と述べた。

3)公判で弁護側は、殺害依頼の検索について「自分を殺してもらうためだった」などと主張したが、判決はこうした点を「不自然、不合理」と切り捨て、検索は夫を殺害するためのものだったと認定したとのこと。

検被害者の夫も出廷。「なんでこんなことをしたのか、信じられない」とうつむきがちに話し、離婚の意向を口にしたとのこと。

***補足情報***
どの時点の情報かわからない報道
察側は、被告のスマートフォンには、夫が襲撃された当日の午後に「シングルマザー」「20万円愛人契約」などと、ネットで検索した履歴が残っていたことを指摘。計画性の高さや、良心の呵責が見られない点も追及したとのこと。

被害者の夫も出廷。「なんでこんなことをしたのか、信じられない」と話し、離婚の意向を口にしたとのこと。

***S被告の一審公判(23年2月)***
交流サイト(SNS)を通じて「夫を殺して」と依頼され、実行役になり殺害しようとしたとして、殺人未遂罪に問われた男性被告(23)に対する裁判員裁判の判決で東京地裁は13日、「犯罪の証明がない」として無罪(求刑懲役10年)を言い渡した。

***S被告の二審公判(23年10月31日)***
東京高裁は31日、1審東京地裁の無罪判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。裁判長は共犯者との共謀を否定し「被告が実行行為を担ったとは認められない」と述べた。

***女性被告の控訴審(23年5月)***
6月2日に判決公判の予定なのですが、判決の報道が見つかりません。

こんなところですね。
他の事件の公判でもそうなのですが、言い訳が嘘となると、「反省してないよね」と言う事になるので、有罪になりたくないから、言い訳をするのはわかるけど、それが、荒唐無稽な物となると、かえって罪を重くする事になってしまうので、まー言い訳の内容は良く考えた方が良いでしょうね。

今回、主犯と認定されてますが、もし、公判で罪を認めて反省していたら、2,3割は割り引いてくれたかもしれませんね。
その場合でも懲役7年なので、懲役10年とさほど違いが無いと言うのもあるかもしれませんね。

しかし・・・ちょっと短絡的過ぎるかな?と思いますね。
夫は妻の1千万に及ぶ借金の返済の為に、妻の収入を充てているわけですね。まーこれは普通に考えて正当な手段だと思うわけです。
これが、住宅ローンとか、夫婦で話し合って納得の上でした借金であれば、夫も返済に協力するでしょうが、そうでは無いようですからね。
こういう反応になるのは仕方が無いところだと思います。
むしろ、この話を聞いて、離婚しない夫の方が良い人だと思うぐらいです。
夫にすれば、最悪の場合、自分が返済すると考えていたので離婚しなかったともとれます。(真意は本人に聞かないとわかりませんが)
そこを考える事ができれば、この事件は起こさなかったかもしれないですよね。
離婚していれば、おそらくは子供の親権は夫になり、女性被告は家族を失い、手に残るのは一人では返済できない借金だけですよね。

もしかすると、夫を殺害する事で、生命保険金や犯罪被害者給付金などの収入を返済に充てる予定だったのかもしれませんが・・・

他の事件も同じだと思いますが、追い詰められた時、冷静に考える事ができれば、回避できる事件も多いと思うんですよね。
ここで、周囲に相談できる人がいれば、この家族の未来は変わっていたかもしれません。

唯一被告が許せないのは、事件現場に9歳の娘と一緒にいた事ですね。
もし、犯行が成功すれば、娘は目の前で父親が殺されるところを目撃してしまう事になっていました。
被告としたら、目撃者として用意したのかもしれないけど、人の親としてどうなの?と思う部分です。
この点も含めて、正常な判断力が無かったのかもしれませんけどね。

最後にこの事件を防ごうと考えると、まずは借金をしないと言う事になりますね。
借金自体が悪いと言うよりは、その目的と借金相手ですね。
おそらくは銀行はもちろん、消費者金融なども相手にされなくなって、最後にヤミ金に手を出したのでしょうが、そこへたどり着く前に手を打つべきですね。
最近ではホストクラブで客の女性に借金させて風俗を斡旋するなど悪人がゴロゴロいますが、昔からある手口ですよね。

話が飛びましたけど、「不要な借金をしない」「弱みになるような借金をしない」と言うのが自衛の第一歩でしょうね。

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2024/08/06

神奈川県横浜市3歳女児重傷火傷放置事件その3(母親の傷害容疑一審判決)

***初公判(24年1月19日)***
1)起訴状によると、被告は19年3月1日ごろ、自宅浴室で長女の背中などにシャワーで高温の湯をかける暴行を加え、加療約3カ月を要するやけどを負わせたとしているとのこと。

2)検察側は冒頭陳述で、被告は長女が言うことを聞かないことにいらだち、事件前の18年11月~19年1月、同居していた男性に無料通信アプリ「LINE(ライン)」で、「まじで無理」「全然可愛くない」「前の旦那に返したいレベルだわまじで」「殺しそう」などのメッセージを送信していたと指摘したとのこと。
また被告は事件後に交際を始めた別の男性には、「自分が故意にシャワーで熱湯をかけた」という趣旨の話をしたなどとしたとのこと。

3)弁護側は、被告は長女を目の持病の治療に連れていくなど熱心に世話をしており、日常的な虐待の痕跡もなく、愛情を持って接していたと主張。浴室でやけどを負った長女を発見しただけであり、「暴行したという直接証拠も物的証拠もない」と無罪を主張したとのこと。

補足
被告は19年3月にやけどした長女を放置した疑いで同居男性とともに保護責任者遺棄容疑で逮捕され、横浜地裁は同年9月に2人に懲役2年、執行猶予4年(求刑・懲役2年)の判決を言い渡し、確定している。

***判決公判(24年6月25日)***
1)横浜地裁は懲役2年(求刑・懲役3年)の判決を言い渡した。

2)裁判官は、長女の体には故意にシャワーの熱湯がかけられたと推認され、短くとも十数秒にわたり長女を逃げられないようにして熱湯をかけることができたのは母親だけだったとしたとのこと。
病院を受診させなかったのも発覚を恐れる気持ちだったとみるのが合理的とし、「愛情を注がれるべき母親から暴力を受けた精神的苦痛も大きかったことは明らかだ」と指摘したとのこと。

こんなところですね。
事件の発生が2019年、5年たってやっと傷害事件の一審判決がでましたね。
この事件では、当時5歳に兄が3月4日の午後4時、雨の中、一人で家を出て、通行人に助けを求めた事で発覚した事件です。
もし、この兄が行動をおこしていなければ、妹はどうなっていたかわからなかったでしょうね。

情報が出ていませんが、兄妹はその後、どうなっているのか?
幸せに暮らせていると良いのですが・・・

参考リンク
神奈川県横浜市3歳女児重傷火傷放置事件その2(母親の傷害容疑で起訴まで)

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