ASKAの事件簿へコメントされる方、引用される方へのお願い

 ASKAの事件簿を読んで頂いてありがとうございます。
始めは自分の考えを整理する為に始めたブログだったので、これほど多くの方に読んでいただけるようになるとは考えていませんでした。

 多くの方からコメントを頂くようになったのですが、このブログの趣旨を誤解された方も時折おられるようなので、コメントされる場合の注意事項を記載しておこうと思います。

ASKAの事件簿は誰かを傷つける事を望んでいません。その事を前提に以下の点についてお願いいたします。

1)逮捕以前に個人を特定できるような内容で犯人像を書く事はやめてください。
2)誰かを誹謗、中傷する書き込みはやめてください。
3)誰かに危害を加える事をうかがせる書き込みはやめてください。
4)被害者、遺族に関するコメントはその人達に対する配慮をお願いします。
(報道された情報は仕方がありませんが、報道されていない状態で憶測により、被害者や遺族が傷つくような事がない事を希望します。できれば犯人に対する誹謗、中傷も控えて欲しいと思います。)

この4つに該当する場合は無条件で削除、あるいは一部を編集訂正する事があります。

5)当サイトの画像、文章、URLについて、NAVERまとめ、及びhttp://sharetube.jp(シェアチューブ)に転載、引用、リンクすることを禁止します。

6)Aな人はB と言った因果関係的な表現をする場合は注意をお願いします。

まーぷるさんのコメントを引用
***ここから***
でも大事なコトを忘れていました。偏見が何故いけないかというと、やはり人が傷ついたり嫌な思いをするからですね。"Aな人はBである"に該当する人が嫌な思いをするだけでなく、傷つく人がいるコトに気付いた人も嫌な思いをする。
***ここまで***

詳しくは
コメントに対するASKAの考え方
こちらの2018年6月4日のまめさんのコメント、それに続く、ASKA、まーぷるさんのコメントを参照願います。

それから、ブレインストーミングのルールと同じでコメントの内容を否定するコメントはやめましょう。見当違いなコメントもあるかもしれませんが、否定してしまうと、次のアイディアが出てこなくなってしまう事もあるので、「その場合はこんな疑問もありますね」といった程度が良いかと思います。

 ASKAの事件簿は基本的に毎日起こっている事件の記録をする事を目的にしていますが、時々、事件の推理もしています。
ただ、実際の事件の推理で「誰が犯人か?」を推理する事は基本的に不可能だと考えています。
ASKAの事件簿で推理するのは「誰が犯人か?」ではなく「なぜ、犯人はそう行動したのか?」犯人の行動の理由です。

詳しくは私の推理方法推理の見えない落とし穴爆弾はもう一つあるかもしれない。を参照願います。
それから、特にレイプ事件についてのコメントについてはレイプ事件を考える時の注意点を参照願います。

18/06/05追記
6)の因果関係的表現についての注意項目を追加

17/07/07追記
http://sharetube.jp(シェアチューブ)への転載、引用、リンク禁止の項目を追加

16/12/12追記
NAVERまとめへの転載、引用、リンク禁止の項目を追加

16/08/16追記
コメントする時のハンドル名(HN)は基本的に自由ですが、以下のHNおよび類似のHNは禁止とします。
NOBU」、「nobu」、「のぶ
理由は「おわび」を参照願います。2010年の事で、この事を知らない人も多くなりましたので、追記いたします。

08/11/09追記
コメントに対するASKAの考え方も参照願います。
それと、このブログを犯人も読んでいる可能性がありますので、犯人に対して逃走や証拠隠滅を促すようなコメントも自粛してください。

08/11/21追記
ASKAの事件簿運営委員会も参照願います。
ASKAの事件簿へのご意見、問題点のご指摘はこちらへお願いします。

08/12/14追記
ASKAの事件簿管理ポリシーも参照願います。
コメントに対する管理方針です。コメントする場合はこちらも一読願います。

08/12/28追記
現在ドコモの携帯電話からの書込みの一部に対して書込み規制を実施しております。
この為、ドコモの携帯電話から書込みが出来ない事があります

10/01/05一部追記
犯人の行動の参考ページとして「爆弾はもう一つあるかもしれない」を追記

10/09/23一部追記
レイプ事件へのコメントの注意点として「レイプ事件を考えると時の注意点」を追記

10/10/21一部修正追記
誰かに危害を加える事をうかがせる書き込みについての注意を追記しました。

16/03/31 一部追記
4)被害者、遺族に関する・・・の項目を追記

16/08/16 一部追記
禁止HNについて追記しました。

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2023/01/04

世田谷一家殺害事件再考その213(ザ!世界仰天ニュース新春5時間SP)

2023年1月3日に放送した、こちらの番組で世田谷事件について取り上げていたので、メモとして記録する事にします。

時間としては20分ほどで、事件発生から犯人未明逃亡節、時効撤廃にいたる部分をざっくりと時系列にまとめた内容ですね。
正直、ざっくりすぎて、情報の正確性とか、時系列の順序とかに疑問府の付く内容です。

どちらかと言うと、これまでこの事件を知らなかった一般人に対して、こんな酷い事件があったんですよ。と言う事件の紹介が主な目的なのかな?と思います。
なので、事件簿で取り上げる必要があるのか?と疑問な部分もあるのですが、とりあえず、私が放送を見て気になる点だけメモしておきます。

1)事件の7日前、12月23日にみきおさんの両親を招いて、クリスマス会を行った。

2)当日夕方(17時よりも前)に一家で玄関にしめなわ飾りをつけていた。

3)23:30頃、飛び出しマンの目撃情報

4)現場玄関の鍵がかかっていた。合鍵でドアを開けた?

5)みきおさんは、恐竜好きだった。雑学の本を大量に所蔵していた。
学校の勉強はまったくせずに、東大に合格した。
大学時代はSF・アニメ研究会、演劇サークルに所属、役者では無く舞台美術の制作に没頭していた。
運動会や授業参観にはみきおさんは会社を休み、夫婦で参加していた。
みきおさんは大学時代の仲間にあった時には、子供の話を良くしていた。

6)網戸の落下位置が小道側?

7)風呂窓侵入の根拠が地面の足跡?

8)結婚後に開いた学習塾は、隣家を借りて、月曜と木曜に行っていた?
この時、みきおさんのお母さんに子供の世話を頼んでいて、お母さんは毎回、隣の県から宮澤家へ訪問していた。

9)にいなちゃんのクラスの転校生とは学校帰りによく遊ぶようになった。(場所は宮澤家?)

こんなところですね。
?マークのある情報については、疑問のある情報です。

特に8)の塾の情報は事件当時の情報なのか?結婚後に開いた時の情報ではないのか?が曖昧ですね。
ただ、いずれにせよ、塾で泰子さんが家に不在になる時は、みきおさんのお母さんが、宮澤家に来て、子供の面倒を見ていたと言うのは変わらないのかな?と考えています。

で、ちょっと予想外だったのは、みきおさんがかなり「子煩悩」と言うか「子供好き」だった点ですね。
もうちょっと仕事を優先する人なのかな?と言うイメージでした。もっとも、以前から他の人が残業しても、自分は定時で帰ると言うような情報もあったので、「趣味」を優先する人なんだろうと思ってましたが、「趣味」と「子供」はかなり優先度が高かったのかな。
他には、学校の勉強をせずに、東大に合格していると言う話を聞くと、みきおさんは相当優秀な方だったのだろうと思いますね。
恐竜好きと言うのも意外でしたが、そちらの方向には進まずに、アニメ・演劇に情熱を注いでいたのも、多趣味だったと言う事なのかな?

この事件を扱う番組は多いので、独自性を出す為に、情報は報道された情報をトレースする形にして、被害者の人物像を掘り下げる形にしたのかもしれませんね。
私としては、みきおさんの新たな人物像を知る事ができたのが収穫でした。

見逃し配信などもあるようなので、興味のある方は番組を視聴してみてください。

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2023/01/01

ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。 (コミック版全3巻)


最近、専門書以外を読んでないなと思いつつ、ちょっと何か読む物ないかな?と思って見つけたのがこの本です。
原作は小説なのですが、哲学の本を活字で読むのはちょっとなと思い、コミックにしてみました。

原作小説を読んでないですが、哲学の初歩を学ぶには、分かりやすく気楽に読めるのが良かったです。

事件簿で数々の理不尽な事件を見てきたけれど、自暴自棄になってしまう人の人生には何が足りないのか?と疑問に思っていました。

その答えの一つが「哲学」にあるかもしれないと思っています。

とりあえず、登場する哲学者としては以下の5人ですね。

1)ニーチェ
2)キルケゴール
3)ショーペンハウアー
4)サルトル
5)マルティン・ハイデガー

この本を読んで、私自身、漠然と考えていた人生について、少し考えるようになりました。
そして人生の残り時間を意識するようになりましたね。

こちらはKindle用のリンクです。紙の本を購入する場合は注意してください。

原作小説はこちら

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世田谷一家殺害事件再考その212(22年年末情報とビラ)

今年もよろしくお願いします。
(例年の事ですが、事件簿の性格上「おめでとう」と言う言葉は使わない事にしています。みなさんもご配慮願います)

さて、2022年の年末情報は特にはありませんでしたね。
ただ、12月16日に警視庁のこの事件のHPに更新があり、マフラーについての情報提供を求めていました。
URLはこちら
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/jiken_jiko/ichiran/ichiran_11-20/seijo05.html

気になる点としては、太文字で強調している部分です。
過去の捜査でゲームセンター(クレーンゲーム)の景品だった、という情報があります。
また、平成30年5月にマフラーに関する情報提供を呼びかけたところ、

事件前に、中学校の指定制服販売店の景品でもらった
事件前に、ガソリンスタンドの景品でもらった
などの情報が寄せられました。

結局、流通経路を知りたいと言うのが目的のようですね。
で、最後に
「平成12年までの写真アルバムを見てください」となっています。

平成12年とは2000年の事です。なので事件当時にマフラーを持っていた人を探したいと言うところでしょうか。

そして、もう一つ、警視庁が配布しているビラです。
警視庁がツイッターでも拡散してますね。
で、内容ですが、昨年のビラをベースに一部、文言が追加されているようです。気になるのは、以下の部分です。

○祖師ヶ谷公園
○スラセンジャー(靴)
○ドラッカーノワール(香水)
○ラグランシャツ(販売店マルフル、MX)
この言葉にピンときたら!

このビラで捜査本部は、スラセンジャー、ドラッカーノワール、ラグランを中に捜査をしているようですね。

この内、ラグランは2016年に警視庁の作成したPDFの第二版に全国の販売店名と販売数を記載して情報を求めていて、あと一歩と言う印象ですね。

スラセンジャーについては、韓国製でサイズが27.5cm(韓国サイズ280)でこれが日本国内では販売されていないと言う事なので、有力な手がかりになりそうです。

問題は残りのドラッカーノワールです。
香水はバッグ内とハンカチに付着していたと言う事ですが、これまであまり注目されてきた印象はありませんね。

とりあえず、今回配布のビラについては、これらのキーワードの複数に関連した人物を探したいと言うメッセージでしょうか。

で、一連の情報の中で一番、私が注目しているのが、「マフラー」です。
現在出ている遺留品の情報は2007年の段階では公表されていた物で、「マフラー」の情報も出ていました。
事件簿で遺留品の記事を書いたのが2007年なので、情報自体はもっと以前に公開されていたと思います。

ここに来て、マフラーの情報を再度求めている事の意味が気になります。
私自身はこれまで、マフラーについては、遺留品の中の一つと言う認識で、特に考えた事がありませんでした。
それは、製造元も流通経路も分からない、「ありふれた物」で「一番犯人に遠い証拠」だと考えていたからです。

捜査本部が「マフラー」の情報を今、求めているのは、新たに犯人に関する情報を掴んだからでは無いのか?
その情報の補足や確認の為に「マフラー」の情報を求めているのではないか?と妄想しています。

と言うのも、あの島根女子大生殺人事件で「映像記録を求めています」というビラが作成された、1年後(ビラの作成年が不明ですが、1、2年後だと思います)に犯人が特定されました。それは、デジカメに残された遺体写真が決め手でしたね。

マフラーをしているところの写真ですか・・・冬のイベントと言えば、クリスマスや初詣と言うあたりでしょうか?

以前の常連さんの「迷探偵にゃんこ」さんの犯人のファッションについての2017年のコメントを再掲します。
(にゃんこさん、ありがとうございます)

「マフラーをする」という人物像
犯人のコーディネイトは、当時の流行を意識したものでした。ラグランTは、当時人気のアイドル(俳優)の着用から流行したものです。
ユニクロのジャケットも、当時はまだ、トレンド感のあるアイテムでした。
一番お洒落を感じるのは無印の黒のハンカチです。普通、黒のハンカチ持ちませんよね……
全体をモノトーンでまとめていますし、ニットのクラッシャー帽(当時はそういう呼びかたをしました)を被っているあたりも、強く流行を意識しているといえます。
今に通じますが、流行には東西の違いがあって、例外もあるでしょうが、犯人のコーディネイトはどちらかというと関東風です。青年期を関東で暮らしたことがある人物と思います。
ただ、「経済力」という点では及ばないところがあって、「安いアイテム」で纏めている分、マフラーは質の悪いものです。
香水が「ドラッカー・ノワール」なんですが、これは90年代後半にB・Boy系に人気のアイテムです。
で……ここまでは、それなりの生活背景のなかで、がんばってお洒落している青年の姿が見えるんですが、合点がいかないのが……スラセンジャーなんですね……この当時ならやっぱり一番お金をかけたいのは「スニーカー」なんです…スラセンジャーは犯行用に用意したのかもしれませんね。
お金がないなりに、集めたスニーカーコレクションを犯行に使いたくはなかった…ということもあるでしょうし、足跡を調べられることは予想しただろうし、犯行後、廃棄する予定だったとも考えられます。ちなみに、「スラセンジャー」って、何?って思いますが、知る人ぞ知る、テニス、ゴルフの名ブランドなんですよね……まあ、遺留品はそういうブランドネームだけを借りた商品で、それほど人気はないし、安く売られていたようですが。

と言う事で、クリスマスに犯行当時と似たような姿で写真に写っている可能性も有ると思います。ぜひ、アルバムを見返してみてください。

参考リンク
島根県立大女子大生バラバラ殺害事件その66 (7年目の節目報道とビラ)

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2022/12/30

埼玉県飯能市一家3人殺害事件その2(ここまでの印象)

とりあえず、いったん、情報を整理しよう。
(報道されている情報を私が解釈した物なので、間違っている部分もあるかもしれません)

12月25日7時過ぎ事件発生、7:15には悲鳴や火災の煙などで複数の通報があった。
被害者は現場住宅に住む外国籍の男性(69)とその妻(68)その娘(32)、娘は別居していてクリスマスの為に訪問していた。
逮捕されたのは、現場から60メートルの場所に住む独身男性(40)。
現場住宅の防犯カメラに犯行の現場が映っており、犯行直後に現場から出てきたところを、近所の住民に正面から目撃もされている。
容疑者は犯行後に自宅に戻り、籠城状態となるが、事件から15時間後に逮捕される。

また、昨年から被害者宅の車が傷つけられる器物損壊事件が6回発生。うち3回の容疑で容疑者が逮捕されているが、不起訴となっている。

被害者情報
男性は優秀な方でコンサルタントを仕事とし、日本語も流ちょうに話し、作家としても活動、複数の本も出している。人望も厚く。恨まれるような人間ではない。
娘さんは都内に別居しているが、広告代理店でクリエイターとしての仕事をしているようで、かなり優秀な方のようですね。
妻についての情報はほとんどありませんでした。
6年前に現場に引っ越してきている。

凶器と遺体の状況
鈍器による撲殺で、畑を耕すように撲殺している。凶器はハンマーのような物と思われるが、容疑者宅から複数の鈍器が押収されている。
また押収された鈍器に血液は付着していなかった。
被害者の身元発表に時間が掛かっていたのは人相が判別できないほど損壊していたとの情報あり。

犯行の概要
凶器を持参し玄関から侵入、屋内で襲撃を開始するが、屋外に逃げた被害者を追って、追撃して殺害している。
事件は数分で終わり、そのまま逃亡するが、直後に近隣住民に目撃されるが、特に興奮した様子は無かったとのこと。

容疑者の情報
高校卒業時に両親が離婚する。サッカーが上手で成績も優秀、高校時代にはモデルの仕事もしていたとのこと。
映画に興味を持ち、芸大に進学、卒業後に映画を撮り始め、2005年には短編映画祭で上映もされる。
2007年に監督して映画祭の助成も受けるが、途中で制作を中断して未完成のまま放棄。
父親によると、仕事に就いたことはなく、アルバイトで生活をしていた模様。
10年前(30歳頃)に暴力が原因で同居していた母親と姉が家を出る。
その後、一時、家は空き屋となっていたが、その後、容疑者が一人暮らしを始める。
近所づきあいは無いが、自治会費は納めていたもよう。

昨年、被害者宅で器物損壊事件を起こして、3回逮捕されるも、黙秘して、不起訴となる。不起訴の理由ははっきりしない。
父親に当てられた弁護士からの書状には、容疑者が家から引っ越す事を強く要求されている。

こんなところですね。
犯行の様子を考えると、凶器は鈍器を選んでいる点がちょっと解釈に困るところで、単純に殺人を効率的に行うなら、やはり刃物だと思うんですよね。
鈍器を選んだのは、「自分の手で破壊する」実感が欲しかったのかもしれませんね。あるいは、映画がらみだと映画「シャイニング」の凶器は「斧」だったと思う。
で、疑問点が一つ。
被害者の娘さんは別居していて、現場住宅には普段住んでいなかったのに、クリスマスを両親と過ごす為に現場の家に居たんですよね。
これは偶然なのか?
私は偶然では無いと考えています。
娘さんが在宅中の幸せなクリスマスを台無しにする為に、あえてこの日を選んだのではないか?と考えています。

では、娘さんがターゲットなのか?と言うとそうでもない、容疑者が壊したかったのは、「幸せな家庭」だったのではないだろうか?と考えています。

容疑者は成績も優秀、サッカーも上手でモデルまでできる。ある種のアイドル的な存在の時期がありました。しかし、映画監督を目指して、進むも、24歳の頃に制作中の映画を放棄して挫折。
そのまま、引きこもりのような生活を送っていた。
この15年間に何をやっていたのか?そのあたりの情報もありません。

私の勝手な印象ですが、事件の動機は単純な妬みや嫉妬だったのではないだろうか?と考えています。
映画監督を目指すも挫折して何も成果を出せていない自分、仕事もせず、おそらく生活費を援助してもらい、やっと生活できている自分に比べて、被害者男性は優秀で人望もあり、作家として本まで出している。
そして、経済的にも成功し、妻と娘と幸せな家庭をもつ被害者一家が、容疑者にはまぶしく見えていたのではないだろうか?
どんなに自分が望んでも手に入らなかった物を持つ一家に嫉妬して、いつしか、「手に入らないなら壊してしまえ」と言う憎しみというよりは破壊衝動が増幅されていったのではないだろうか?

最初はただの嫌がらせで、ガス抜きをしていたけど、逮捕されてそれも繰り返す事ができなくなった。結局、増幅された破壊衝動が限界点を超えて、事件が起きた。と言うのが現時点での私の印象です。

しかし、この説(印象)には解決されていない問題点があります。
それは、容疑者がどうやって、被害者の事を知ったのか?と言う事です。
嫉妬するにも、相手の事を知らないと嫉妬できないわけで、引きこもりでほとんと、ご近所付き合いの無い容疑者がどうやって被害者の事を知ったのか?それが分かりません。
被害者一家が引っ越してきたのが6年前です。その後、5年間は特に問題行動が起きていないので、ここ2、3年で被害者の事を知り、急速に嫉妬心が増幅されていったのではないか?と推測しています。

犯行時には特に興奮した様子もなかったので、計画的な犯行にも見えるのですが・・・ちょっと行動がちぐはぐですよね。
犯行後に自宅に逃げ帰り、籠城したのは逮捕されたくなかったからでしょうが、日曜の住宅街の真ん中で早朝から顔も隠さず(マスクはしていたみたいですが)、荒事を行う、カメラに映るのも平気と言うのは、どこか自暴自棄なのか?とも思えますね。

事が終わって、家に帰ってから「やってしまった」と後悔しながら、籠城していたのだろうか?

あと、容疑者の背中を最後に押したのは「家の立ち退き」問題だったかもしれません。弁護士から父親に「息子の立ち退き」を要求しているぐらいなので、容疑者本人にも、それは要求していると思うんですよね。
あまり、世間を知らず、孤立して誰にも相談出来ない容疑者は、「この家を出たら、どこにも行く場所がないじゃないか」と追い詰められてしまったのかもしれませんね。

最後に、この「嫉妬」と言うのが世田谷事件の特番の「~3つの影を持つ男~」の「外国人説」に一部共通しているのではないか?と私は考えています。
なので、外国人にかぎらず、日本人でも「有り」な説だと思います。

参考リンク
埼玉県飯能市一家3人殺害事件その1(事件発生から逮捕まで)

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埼玉県飯能市一家3人殺害事件その1(事件発生から逮捕まで)

長文注意
***はじめに***
現在、無期限休養を宣言して新規事件は取り上げない事になっているのですが、こちらの一家惨殺事件は世田谷事件の参考となる為、例外として記録します。
**********

12月25日午前、埼玉県飯能市の住宅で「男性が殴られている」などの110番が相次ぎ、駆け付けた警察官が敷地内で男性1人と女性2人の遺体を発見する事件が起きている。

頭部や首付近などに鈍器で殴られたような外傷があったとのこと。県警は同日、男性に対する殺人未遂容疑で、近所に住む無職男性容疑者(40)を逮捕したとのこと。容疑者は「言いたくありません」と供述を拒んでいるとのこと。

県警などによると、遺体はこの住宅に住む60代の夫婦と、別居する30代の娘とみられる。現場の住宅では以前、車が傷つけられる被害があり、県警は器物損壊容疑で斎藤容疑者を逮捕。その後不起訴となっていたとのこと。(12/25 11:31報道)

25日午前7時すぎ、埼玉県飯能市美杉台の民家の敷地で男性1人と女性2人の遺体が見つかった。
県警は殺人事件とみて捜査。同日夜、現場から逃走したとみられる近所に住む無職容疑者(40)を男性への殺人未遂容疑で逮捕した。(12/25 11:50報道)

逮捕容疑は同日午前7時すぎ、民家の敷地内で男性を鈍器のようなもので殴打し、殺害しようとした疑いとのこと。

県警によると、午前7時15分ごろ、「大声で口論になっている」「2階から火が出ている」などの110番が近隣住民からあった。県警飯能署員が民家に駆け付けると、敷地内で男女3人が上半身から血を流して倒れており、その場で死亡が確認された。住宅では火災も確認され、消防によると、室内の一部が燃え、午前9時前に鎮火した。

県警には事件直後、現場から男が逃走したとの目撃証言が寄せられ、調べていた。証言によると、男は黒っぽい服装でショルダーバッグを所持し、徒歩で立ち去っていたとのこと。現場に凶器は残されておらず、男がハンマーを持っていたとの情報もあったとのこと。(12/25 11:50報道)

25日夜に近くに住む男性容疑者(40)を殺人未遂容疑で逮捕した。近くの住民は男性容疑者が被害者に襲いかかろうとする瞬間を目撃していたとのこと。
事件が起きたのは埼玉県飯能市美杉台4の住宅敷地内。近くに暮らす住民は25日午前7時すぎ、事件が起きた住宅から女性の大きな悲鳴を聞いた。慌てて外に出ると、女性はその住宅の玄関付近で、黒いマスクをした容疑者に追いかけられているところだった。容疑者はその住宅の庭先付近で女性に棒のようなものを振りかざした。「棒は長くて先がキラッと光った」とのこと。その後、2人は物陰に隠れて見えなくなったとのこと。

捜査関係者によると、容疑者は約1年前、夫婦宅に止まっていた車を傷つけた器物損壊容疑で逮捕されていた。今回の事件でも、現場近くの防犯カメラに姿が映っていたことなどから捜査線に浮上し、県警が特別捜査班を設置して行方を追っていたとのこと。

近くに住む男性(69)によると、約1年前の器物損壊事件では、夫婦宅の敷地内に止めていた車が刃物かドライバーのようなもので傷つけられたといい、「修理代が100万円ぐらいかかったと聞いた」とのこと。(12/25 22:23報道)

県警は25日夜、近くに住む無職男性容疑者(40)を男性への殺人未遂容疑で逮捕し、26日未明に発表した。
警察官が3人を発見したのは通報から約15分後で、既に死亡していた。(12/25 22:31報道)

県警などによると、事件が起きた住宅では1年ほど前、車が何者かに傷つけられる器物損壊事件が発生していた。県警によると、容疑者はこの事件に関与した疑いで逮捕されたが、その後不起訴になったとのこと。(12/25 22:36報道)

容疑者は、事件後、逃走していたが、今夜、自宅で通常逮捕された。容疑者は、ひとり暮らしで、逮捕される際、捜査員に対して抵抗する様子を見せたとのこと。
現場の住宅は、飯能市美作台4丁目で、容疑者も同じ4丁目に住んでいるとのこと。(12/25 22:39報道)

事件後、容疑者は黒っぽい服装に黒色マスクをつけ、ショルダーバッグを持って逃走。ハンマーなど鈍器のようなものを所持していたとの情報もあったとのこと。(12/26 7:00報道 )

容疑者は今年1月、夫婦の車に傷をつけたとして器物損壊容疑で県警に逮捕されていた。
捜査関係者によると、容疑者は今年1月、夫婦が自宅の駐車場に止めていた車に傷をつけたとして器物損壊容疑で県警に逮捕された。ただ、送検後に不起訴になったという。夫婦側との示談成立が理由とみられるといい、県警が確認を進めているとのこと。車体の傷を見たという近所の住民によると、傷は何らかの鋭い物で相当強い力を加えてつけたように深く、車体を1周していたとのこと。(12/26 9:24報道)

警察は午後10時過ぎ、近くに住む容疑者を男性に対する殺人未遂の疑いで逮捕したとのこと。
容疑者が事件があった家の敷地に入って行く様子が近くの防犯カメラに映っていたとのこと。
(12/26 10:39報道)

警察によりますと、3人の遺体には、いずれも頭や首に鈍器のようなもので執拗に殴られた傷があったということですが、警察によると容疑者の家から複数の鈍器が押収されていたとのこと。
押収した鈍器にはいずれも血はついておらず、警察は事件後に容疑者が拭き取り、証拠隠滅を図った可能性もあるとみて、鑑定を進めているとのこと。

捜査関係者によると、夫婦とみられる2人は庭で、娘とみられる女性は玄関の近くで死亡していたということですが、事件の直前、この住宅の駐車場にある防犯カメラに容疑者が家の敷地に押し入る様子が映っていたとのこと。
近所の人が、庭先で男が男性を執拗に殴る様子を目撃していて、警察は、容疑者が家の中で被害者を殴りつけたあと、庭まで追いかけて執拗に暴行を加えた可能性もあるとみて調べているとのこと。(12/26 11:11報道)

逮捕容疑は25日午前7時過ぎ、飯能市美杉台4の住宅敷地内で、年齢不詳の男性を鈍器のようなもので殴るなどして殺害しようとしたとしている。(12/26 11:17報道)

容疑者の自宅は、夫婦の住宅からおよそ60メートルとすぐ近くにあり、警察は、犯行後、すぐ家へ戻ったとみている。(12/26 11:42報道)

目撃者によると、容疑者は犯行後、急ぐことなく平然とその場を立ち去っていたとのこと。
事件を目撃した近隣住民「様子を見に木刀を持って行ったんですけど、そしたらちょうど(容疑者が)出てきたところで、 『お前か? 』って言ったら元へ戻っていった。何も言わずに無言で走るわけでもなく、興奮している様子はまったくなかったですね」とのこと。(12/26 14:03報道)

死亡していた3人について、埼玉県警は、26日午後、アメリカ国籍の男性(69)と、その妻の女性(68)、娘(32)だったと発表した。(12/26 15:13報道)

捜査関係者によりますと、今年1月に容疑者はこの家の車に傷をつけたとして逮捕され、その後、不起訴処分になっていて、その際、ビショップさんは住宅に防犯カメラを設置していました。今回、そのカメラに、敷地に侵入する容疑者が映っていたことが関与を裏付ける決め手の1つだったとのこと。(12/26 17:05報道)

容疑者は被害者の住宅から50メートルほど離れた一軒家で1人暮らしをしていた。捜査員が25日昼ごろに訪れたところ、玄関先に出てくることはなかった。ただ、居留守を使っているとみて、捜索令状を取った上で午後10時ごろに再訪。斎藤容疑者は自宅2階の部屋に滞在していたものの、そのドアを開けるのを拒否した。ドアの前に家具などを置いていたとみられ、約10分後に捜査員が無理やりこじ開けて入り、殺人未遂容疑で逮捕したとのこと。(12/26 17:07報道)

警察は司法解剖して死因を調べていたが、男性(69)の死因は頚髄損傷、首の神経の損傷だった。
(12/26 17:15報道)

映画監督の男性によると、容疑者は映画製作に取り組んでいたこともあった。当時、新人育成のための映画祭でディレクターを務めていた男性は、容疑者が「監督として映画祭の助成対象に選ばれていた」とのこと。

容疑者が手がけたのは、HIVの感染者を主人公にした「ギフト」と題する作品だった。だが、編集中に音信不通になり、映画は完成しなかった。男性は話し合いのために飯能市の斎藤容疑者の自宅を2度訪問。「印象は穏やかだった」とのこと。事件を受け「15年前で記憶もあいまいだが、びっくりした」とのこと。

死亡した男性本人のものとみられるホームページやSNS(ネット交流サービス)によると、男性は米サウスダコタ州生まれ。1974年から40年以上、日本を含むアジアに移り住み、コンサルティング会社などに勤めていた。小説も数冊執筆しているとのこと。

近所に住む主婦の女性(38)は男性について「独特なイントネーションだったが日本語は流ちょうだった。本人は『作家をしていた。本も出していて、私の名前を調べれば出てくる』と言っていた。気さくで、優しく、穏やかな人だった。トラブルは聞いたことがない」とのこと。(12/26 18:25報道)

2021年にこの駐車場で車に傷がつけられる事件が発生し、町内会が配布した文書には「車の右側フェンダーから、前・後ドアを通過してトランクルームまで傷つけられた」「修理代は100万円など」と書かれていた。
2022年に入り、容疑者がこの車を傷つけた器物損壊の疑いで逮捕され、その後不起訴となっていた。
(12/26 18:31報道)

県警によると同日午前7時13分に最初の入電があってから110番通報が相次いだ。内容は「大声を出して騒いでいる」「口論している」「2階が燃えている」「庭先で男性が殴られている」など多数。同29分に現場に急行した飯能署員が敷地内の庭先で倒れている3人を発見、黒っぽい服装にショルダーバッグを下げた身長約180センチの男が現場から逃走したという目撃情報が寄せられた。

クリスマスを家族と過ごすべく、帰省していた娘さんは、渋谷区の広告代理店に勤めていた。自分の仕事に誇りを持っていた娘さんは、社内のインタビュー記事でも、自社で働くことの魅力についてこうこたえている
「(クリエイティブな環境で働くことの魅力は)クリエイティブな職場には限界がないところです。限界があるとしたら、自分が自分自身にかけている限界です。どんなことだって可能です」

近所の住民によると
「容疑者のお宅は住み始めのころは、両親と姉と本人、父方の祖母と5人で暮らしてました。その後ご両親が離婚して、父と祖母が田舎に転居したようです。お母さんの消息はわからないけど、しばらくはお姉さんと本人で暮らしていた。お姉さんが結婚して家を出てからは一人暮らしだったと思います。それからはたまにお父さんの姿を見かけたこともありましたけど、本人を含めて滅多にお目にかかることはありませんでした」(12/26 21:43報道)

容疑者を知る人によりますと、関西の芸術大学を卒業後、2007年に映画の助成金制度に応募し、対象者に選ばれたとのこと。(12/26 23:30報道)

捜査関係者によると、被害者宅に置かれた車は昨年8月、傷がつけられた状態で発見された。防犯カメラなどを設置し、警察側も巡回を強化するなどしていたところ、今年1月に容疑者が車を傷つけるところを確認し、器物損壊容疑で現行犯逮捕した。その後の捜査で、昨年8月の傷も容疑者がつけたことが判明。さらに別の時期にも被害者の車に傷をつけていたことが分かり、2回にわたって再逮捕されたとのこと。

捜査関係者によると、容疑者は逮捕されるたびに黙秘を続け、動機などについても説明しなかったという。容疑者は今年3月、いずれも不起訴になった。その後、被害の相談は寄せられていないとのこと。

県警は、夫に対する殺人未遂容疑で逮捕した無職容疑者(40)とみており、詳しい状況を調べている。県警は27日、容疑を殺人に切り替えて送検した。(12/27 8:30報道)

容疑者の父親(71)によると、1999年に両親が離婚し、母親と姉が家を出た後は、戸建て住宅に一人で暮らし、最近見かけたという女性は「家からあまり出ていない印象だった。庭の草も長く伸びていた」という。(12/27 11:54報道)

去年この家族の車などが傷つけられる被害が6件相次ぎ、家族が被害届を提出していたことがわかりました。(12/27 19:19報道)

容疑者の父親によると
当時、父親は単身赴任で家を空けている時期もあったというが、少なくとも容疑者と暮らしていた18年間の間には、息子が家庭内で何かトラブルを起こしたり、警察沙汰になったりすることはなかった。

「中学校は全寮制の私立に通っていました。前妻がいくつか見つけてきた学校の中から本人が選んだという感じでした。そこは中学から高校へそのまま上がれる学校でしたが、入学して2年目に公立の中学校に転校しました。転校の原因はイジメだと言ってる方もいるみたいですが、私が本人から聞いていたのは、『寮が嫌だ』とのこと。
高校は地元の私立の高校に行きました。高校卒業後は本人が『映像に関する仕事がしたい』と言っていて、映像関係の学校に進みました」とのこと。

私の知る限り、息子が就職した様子はなく、アルバイトをしては辞めてを繰り返していたようです。いつかはわかりませんが、映画館で働いていたこともあったみたいです」とのこと。

「10年近く前に、姉と母親に対する暴力があったと聞いています。理由は聞いていませんし詳細もわかりません。ただ、暴力が原因で前妻と姉は家を出て、息子はひとりになったと聞いています。とのこと。

「(被害者一家と)何があったのかは私もわかりません。ですが昨年、息子が車を傷つける事件を起こしたというのは、被害者の方の弁護士から書面でいただいていたので知ってはいました。息子がそういう事件を起こし、逮捕されたということが書かれていました。私の知る限り示談はしていないと思います。

その文書の中には『今、住んでいるあの家からとにかく出ていってほしい』と書かれていました。とのこと。

捜査関係者によると、住宅に設置された複数の防犯カメラには事件当日の25日朝、男が住宅の敷地内に入る姿や、被害者を襲う様子が写っていた。
男は黒っぽい服装、黒いマスク姿で、手袋を着用していた。(12/28 5:30報道)

県警によると、死因は男性が頸髄(けいずい)損傷で、妻(68)は鈍器のような物で首を傷つけられたことによる出血性ショック、娘(32)が同じ理由での失血とのこと。(12/28 6:00報道)

男性は40年ほど前に来日した。上智大学を卒業後に製薬会社などで勤務し、妻と結婚。近隣住民によると、被害者夫妻は6年ほど前に都内から引っ越しきたという。(12/28 9:00報道)

県警は、現場の住宅から約60メートルの斎藤容疑者宅で、血液の付いた衣類を発見した。(12/28 12:30報道)

捜査関係者によると、容疑者は当時、黒い服を着ていたが、自宅に戻った後、別の色の服装に着替えていた。返り血を浴びた可能性があるほか、県警が「黒っぽい服装、黒色マスク」とツイッターに特徴を投稿し注意喚起していたことから、着替えて発覚を免れようとしたとみられる。(12/28 13:33報道)

車の器物損壊事件について
男性らは県警に対し、狙われた理由について心当たりがないと説明。容疑者が逮捕された際、近隣住民との認識はなく、名前も知らなかったとのこと。(12/28 13:33報道)

容疑者は大学卒業後に本格的に映画を撮り、2005年には国内の短編映画祭で作品が上映された。(12/28 18:00報道)

男が家族を殴る様子の一部が住宅に設置された防犯カメラに映っていた。
また住宅では犯行時火事も起きていて、1、2階で灯油の成分が検出されたほか、室内から一部が溶けたポリタンクも見つかりました。(12/28 19:10報道)

時系列
1999年  両親が離婚(推定17歳頃、高校卒業の年)
その後、芸大に進学する。
卒業後に映画を撮り始める。
2005年 (推定22歳頃)国内の短編映画祭で作品が上映される。
2007年頃(推定24歳頃)容疑者が監督として映画の作成に取り組んでいたが未完成のまま放棄。
2012年頃(推定30歳頃)姉と母が暴力が原因で家を出る。
2016年頃(推定34歳頃)被害者一家が引っ越してくる。
2021年(39歳)
08月   被害者宅に駐車中の被害者宅の乗用車が傷つけられ多額の修理代がかかる事件が発生
2022年
01月   容疑者が車を傷つけた器物損壊容疑で逮捕されていた。送検される。
03月   容疑者が不起訴となる。
12月25日
07:15頃 110通報が相次ぐ(犯行時の目撃者有り)
07:30頃 駆けつけた警察官が住宅敷地内で男性1人と女性2人の遺体を発見
現場住宅で火災を確認
09:00前 火災が鎮火
昼頃   捜査員が容疑者宅を訪問。(居留守)
その後  捜査令状を取り22時頃再訪
22:00過 男性に対する殺人未遂容疑で近所に住む無職男性容疑者(40)を逮捕
12月26日
午後   死亡した3人の身元を特定
12月27日 殺人容疑に切り替えて送検。

とりあえず、ここまで、現在の分析や印象は次回の記事にします。

参考リンク
埼玉県飯能市一家3人殺害事件その2(ここまでの印象)

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2022/12/18

山梨県笛吹市隣人女性殺害事件その2(一審判決)

一審判決は懲役24年(求刑:懲役25年)です。

***初公判(11月30日)***
1)起訴状などによりますと被告は2021年9月、わいせつ目的で隣に住む50代女性を連れ去り、山の中の市道で頭などを金属製の棒で殴り、首を押さえつけて窒息死させたとされているとのこと。

2)被告は「あっています」と起訴された内容を認めたとのこと。

3)検察側は犯行日について、被害者の夫の帰りが遅い水曜日を狙ったと指摘し、凶器も用意していることから殺害の意図と計画性があったと主張したとのこと。
別の報道では
検察側は「一方的に好意を抱きスマートフォンで隠し撮りをしていた」、「自宅敷地内に連れ込み山で殺すなどと脅し殺意を持って頭などを殴った犯行は強い非難に値する」と指摘したとのこと。

4)弁護側は、被告には軽度の精神発達の遅れがあり、強い殺意や緻密な計画性はなかったと主張したとのこと。
別の報道では
弁護側は「軽度の知的障害があり攻撃性などのコントロールは難しかった」と情状酌量を主張したとのこと。

***論告求刑公判(12月8日)***
1)検察側は「わいせつ目的での監禁の発覚を免れようと、いわば口封じのために殺害していて、身勝手極まりない」と指摘。「動機や経緯は強い非難に値する」として懲役25年を求刑したとのこと。
別の報道では
検察側は、わいせつ目的の監禁の発覚を免れるため、口封じで被害者を殺害しその後、被害者の携帯電話を捨てるなど自己保身を図ったと指摘したとのこと。
残忍極まりない悪質な犯行だとして懲役25年を求刑したとのこと。

2)弁護側は「軽度の知的障害の影響で、計画はずさんで確定的な殺意はなかった」などとして、懲役14年以下が相当だと主張したとのこと。

***判決公判(12月15日)***
裁判長は長時間に及び無抵抗な被害者に対して一方的かつ執拗に監禁や暴行をし殺害したことは人として思いやる姿勢がみられない残忍なものと指摘したとのこと。
被告には軽度の発達の遅れがあることは否定できないが劣情や自己保身から尊い命を奪った動機に情状酌量の余地はなく強い非難に値するとして懲役24年の実刑判決を言い渡したとのこと。

こんなところですね。
サッカーのワールドカップと時期が重なったせいなのか?報道が極めてすくないです。
報道していたのは、地元のメディアだけですね。
他の理由があったのかもしれませんが、報道が少ないです。
(報道できない内容だったのかもしれませんね。そのあたりは推して知るべしと言うことでしょうか)

情報が少なすぎて何とも言えない部分が多いですが・・・
夫の帰りが遅い水曜日を狙ったと言うのが本当なら、計画的犯行でしょうね。
それでいて、「口封じで殺害しなければならない」と言うのは、後のことを考えて無いですよね。
このあたり、計画性に疑問府が付くところではありますが、「これをやったらどうなるか?」と言う未来予測能力が低いと言う個性なのかな?

裁判長の指摘通り、「劣情や自己保身から尊い命を奪った動機に情状酌量の余地がない」と言うのは全くの同意ですね。

さて、この事件を防ぐにはと考えると、被告側から見た場合と、被害者側から見た場合にわかれますが・・・
どちらも難しいですよね。

A)被告側の防止策
基本的には、被告人の性衝動をコントールする事なんだけど、事件当時被告人が55歳で妻子もいる状況だから、普通に考えると周囲の人間がそのあたりを警戒するような年齢や環境では無いと思います。
なので、隣家の人間もこのあたりは警戒してなかったのではないかな?
被告側の家庭内でそのあたりを警戒できていれば、あるいは家庭内で解消する事も可能だったかもしれないけど、家庭内でも気付かないかもしれないし、そもそも夫婦仲がどうか?なんて事も分からないので、なんとも言えない部分になりますね。

一つだけ確かなのは、被告人自身がその邪な欲望に気付いていたなら、何らかの対処は可能だったかもしれないと言う事かな。
とは言え、その「邪な欲望」を解消する方法が無いのが問題ですね。
単純に性的に満たされれば解消されるのか?と言えばそうでもないですよね?そこが難しいところなんだと思います。

根本的な問題の解消が難しいので、対処療法としては、「事件を起こせば、家族に迷惑がかかる」と言う心理的なブレーキを作る事しかないと思います。
これは、他の事件にも共通なんですけどね。
だけど、これも簡単じゃ無いわけで、家族の絆を強くすると言うのはどうやったらできるのか?って話なんですよね。
このあたりの問題はどこの家族にも当てはまる事だと思います。

なので、何か防止策があったかもしれないけど、「何をどうしたら良いか?」と言うのは正直なところわかりません。
一つだけ確かな事は「家族や家庭」「肉親の情」と言うのは大切な物なんですよねと言う事ぐらいだろうか。

B)被害者側の防止策
被告人は多分、隣人と言う事もあり、おそらくはノーマークで警戒していない人物だったと思います。
なので、一般的な防犯対策では、最初の警戒網から外れてしまう可能性があります。

例えば、女性が一人きりにならないとか、施錠しろとかあるかもしれないですが、田舎暮らしで隣人に声を掛けられたら、よほど警戒する人物でなければ、ドアを開けますよね。
ドアフォン越しに会話と言うのもあるけど、多分、反射的に開けてしまうと思います。
例えば一歩進めて、玄関にカメラを仕掛けて、来訪者を映像で確認できるようにして、相手を確認した上で開けると言う事になるのですが・・・

隣人なら、やはりここもスルーしてしまう可能性があるので、もう、基本的な生活習慣から変えるしかないと言う事になって、ちょっと簡単にはできそうもない気がします。

なので、被告側、被害者側どちらからも有効な防止策が見つからない気がするんですよね。

簡単そうに見えるけど、本能に根ざした犯罪と言うのは防止するのが難しいかもしれませんね。

亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
山梨県笛吹市隣人女性殺害事件その1(殺人で再逮捕まで)

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2022/12/09

世田谷一家殺害事件再考その211(六地蔵なのか?)

これまで何度か地蔵についての記事を書いていて、その中で「六地蔵かも?」と書いているわけですが、実際に「六地蔵なのか?」を考えた事が無いので、今回この点を考えてみようと思う。

最初に書いておきますが、私は仏教や地蔵の専門家ではなく、ネット検索した情報を元にこの記事を書いています。なので、間違っている可能性がありますので、誤りにお気づきの場合は、コメント願います。

まずは基本的な情報として「六地蔵とは」ですね。
六地蔵とは六体並んでいる地蔵の事で、その六は六道輪廻の意味がある。
六道とは地獄道・餓鬼道・畜生道 修羅道・人間道・天道を指す。

それぞれの「道」で苦しんでいる人をそれぞれ担当する地蔵が救うと言う事のようです。
実はここが問題で、六地蔵の担当する地蔵尊はどうも複数説があって、持ち物、外観が決まっていないと言う事です。
とはいえ、そのあたりを含めて、もう少し考えてみよう。
とりあえず、地蔵を自作したのでなければ、販売目的で職人さんが作成したと仮定した場合、オーダーメイドで無い限り、一般論から外れた物は作成しないでしょ?と言う判断が自然かと思います。そこで一般的な六地蔵について調べると。
とりあえず、六地蔵には3種類の系統があるらしい。(時代や宗派によっても違うらしい)

1)地蔵菩薩発心因縁十王経による「予天賀、放光王、金剛願、金剛宝地、金剛悲、持地」菩薩
2)持地、陀羅尼、宝性、法性、鶏亀、法印菩薩
3)護讃、弁尼、破勝、延命、不休息、讃龍地蔵

それぞれの外観をまとめるとこんな感じ
宝性地蔵、破勝地蔵は合掌しているようです。(宝性地蔵、破栃地蔵、合掌地蔵はどうも呼び名が違うだけで外観は同じみたいですね。)

  六地蔵の持ち物  
仏説地蔵発心因縁十王経   地蔵尊 外観
1 予天賀 如意宝珠 説法印
2 放光王 錫杖 与願印
3 金剛願 炎魔幢 成弁印
4 金剛宝地 宝珠 甘露印
5 金剛悲 錫杖を肩 引接印
6 持地 両手で数珠を持つ
       
儀軌 1 持地 両手で数珠を持つ
2 陀羅尼 右手施無畏印、左手引接印
3 宝性 合掌する
4 法性 柄香炉を持つ
5 鶏亀 右手宝珠、左手錫杖
6 法印菩薩 両手で幢を持つ
       
儀軌 1 護讃 両手で数珠を持つ
2 弁尼 右手施無畏印、左手引接印
3 破勝 合掌する
4 延命 右手宝珠、左手錫杖
5 不休息 柄香炉を持つ
6 讃龍地蔵 両手で幢を持つ


他の情報としては
『地蔵菩薩霊験記』、『今昔物語』、東寺「安祥寺本」(11世紀中~12世紀初)によれば、持物は「念珠・華籠・錫杖・宝珠・合掌相・香炉」。

なので、六地蔵の中に合掌している地蔵があると言うのは一般的かもしれませんね。

ただ、ちょっと気になるのが、「合掌」の順番です。6番目に来る物はなさそうです。
この6番目と言うのは、問題の地蔵の底に掘られて漢数字と見られる模様ですね。私としては漢数字の六で、台座と本体の組み合わせ表す物と考えています。
普通に考えれば、六地蔵ならその並び順に地蔵の組み合わせ番号を彫ると思うんですよね。
もし、そうなら、この地蔵は「六地蔵ではない」と言う事になりそうですね。

それからもう一つ、六地蔵の始まりの話ですが
1157(保元2)年に都を病魔や魔物から守るため、後白河法皇の命を受けた平清盛は、西光法師に都の出入り口となる6カ所に六角形のお堂を建てさせました。 そして篁が彫った地蔵菩薩をそれぞれのお堂にまつりました。 これが六地蔵めぐりの始まりと言われています。

と言う事なので、六地蔵は日本独自の文化と言う事になりそすです。

なので、逆に六地蔵だとすれば、宝性地蔵(破栃地蔵)が6番目に来る地域、宗派があれば、生産地を特定する手がかりになりますね。

が、その一方で六地蔵では無い可能性もあります。
つまり、宝性地蔵(破栃地蔵)を単体で作成販売している可能性は否定できません。
しかも、地蔵信仰は日本だけではなく、アジアに広がっているので、生産地が日本に限らないんですよね・・・・

しかし、ちょっと待てよ、ここでも「六」が手がかりになるかもしれません。
「六」が漢数字の六なら、生産地は漢字を使用している地域に限定できますね。
漢字を使用している国は中国と日本、韓国しかない。しかも、韓国は漢字を1970年に廃止しているので、2000年頃でも、漢字は中国人と日本人しか使わないのではないかな?

中国の漢数字(日本も昔はそうだったようですが)の表現は小写と大写とあって小写表記は「六」を使ってます。
なので、この地蔵の生産地は中国か日本と考えて良いのではないだろうか?

そもそも、地蔵はインド仏教が発祥だが、インドでは信仰の対象ではなく、中国の唐代に信仰対象になり日本に伝わっているようです。
調べると、中国の地蔵信仰は日本の地蔵信仰とは異なり、日本の地蔵信仰よりも上位の存在として信仰されているような印象です。
なので、中国向けに作成された地蔵が日本に輸入されたと言うのはなさそうな気がしますね。

とりあえず、まとめると、
問題の地蔵の生産地は日本である可能性が高そうですね。
六地蔵の宝性地蔵(破栃地蔵)の可能性があるが、一般的にこれらの地蔵は6番目には並ばない。
もし、六地蔵なら、6番目に並ぶ地域や宗派から生産地を特定できる可能性がある。
しかし、六地蔵でなく宝性地蔵(破栃地蔵)を単体で生産販売している可能性もある。
その場合、生産地を特定するのは難しいかもしれない。

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2022/11/29

新潟県新発田市女性強姦致死事件その3(別件一審無期懲役)

この事件に関連して
2013年09月 燃えた車の中から24歳女性Bさんが遺体で発見
2013年11月 22歳女性Aさんへの強姦致死事件(刑が確定)
2014年01月 20歳女性Cさんが行方不明
2014年04月 Cさんの遺体が川で発見

このCさんの事件の一審公判がありました。判決は無期懲役です。

***初公判(10月17日)***
1)起訴状などによりますと、被告は2014年、通勤中の当時20歳の女性が運転する車に乗り込んで連れ去り、わいせつな行為をしたうえで殺害した罪に問われているとのこと。

2)被告は起訴内容を全面的に否認した。

3)冒頭陳述で検察側は事故や自殺の可能性を否定。また、犯人性についても被告の行動歴などから「被告人が犯人と考えている」と主張しました。そのうえで…

「直接証拠はありません。状況証拠のみで立証していく」

防犯カメラや自白などの直接証拠がないため、状況証拠を重ね、立証する考えを示したとのこと。

別の報道では
冒頭陳述で検察側は、遺体発見現場の状況などから女性は事件の被害に遭ったと指摘した上で、女性の車のハンドルから被告と女性のDNA型が検出されたなどとして、被告の犯行であると主張したとのこと。

更に別の報道では
検察側の冒頭陳述によると亡くなった女性は一人暮らしで製菓工場で働いていました。通勤のため午前4時ごろ、車で自宅を出て赤信号で止まった交差点で被告が車に乗り込み拉致されたとのこと。
女性は拉致される2日前に成人式を迎えたばかりだったとのこと。。

また別の報道では
冒頭陳述で、検察側は「遺体が見つかった小川の水深、水流は大人が1人で溺れるようなものではない」と主張。「顔面を水没させるか首を圧迫するなどして確定的な殺意を持って殺害した」と女性は事件に遭ったと指摘…さらに、女性の車のハンドルからは被告と女性のDNA型が検出されたなどとして被告の犯行であると主張したとのこと。

別の報道では
冒頭陳述では、遺体発見時に女性の着衣がめくれ上がっていたとのこと。

4)弁護側は、「何があったのかは推測や想像にすぎない」、「女性が事件に遭ったことやそこに被告が関わったことに疑問が残る」などと主張し、無罪を強調したとのこと。

***第二回公判(10月18日)***
証人尋問:遺体発見時の捜査員2名
現場に臨場した捜査員は遺体が見つかった際、「直感として殺人の可能性が高かった」と証言したとのこと。

一方で、遺体が見つかる2カ月半前、被害者の車が見つかった際には、「年度末で科学捜査研究所の予算が足りず、DNA鑑定などがすぐにできなかった」と話したとのこと。

別の報道では
元県警本部捜査一課の捜査員は「水深の浅い川で絶命していることは不自然」で「直感的に殺害の可能性が高いと思った」と証言したとのこと。

また、元新発田警察署の捜査員は、発見現場の小川でマネキンなどを使った水没実験を行ったところ、「着衣が水の流れで乱れることはなく、人がかなり力を入れないとめくれ上がることはなかった」と証言したとのこと。

別の報道では
検察側の質問に対して、女性の遺体を発見した際の状況について「直感として殺人の可能性が高いと感じた」「水深の浅い小川の中に仰向けの状態で絶命していること自体不自然」と述べたとのこと。

一方、遺体発見の約2か月半前に350メートルほど離れた場所で女性の車が見つかっていた際の対応について、弁護側の質問に「車については交通事故、運転手については行方不明事案として対応した」「この時点ではどういう事件性があるのかわかりませんでした」と話したとのこと。

さらに女性の遺体が発見された際、着衣が乱れていたことを証言しました。

また、その乱れが川の水流によるものなのかどうか調べる実験が当時行われたことがあかされた。。

18日はその実験に関わった警察官も出廷し、実験結果について「発見時の乱れが水流によるものではないと思う」と述べたとのこと。

***第三回公判(10月19日)***
証人尋問:解剖医2名
解剖医は、女性の健康状態や現場と遺体の状況を調べ、事故死や病死、凍死などの可能性を排除したと述べたとのこと。

その上で、遺体が見つかった小川にいるものと同じ種類の微生物が女性の内臓から検出されたとして、「小川の水を吸引して死亡した可能性がある」と証言したとのこと。

また頭蓋骨の一部には、一般的に窒息したときに見られる出血が見られ、窒息死の可能性も捨てきれないと話したとのこと。

一方で、弁護側から自殺か他殺かを断定できるのかと問われると「解剖所見だけでは判断できない」と述べ、顔と首の一部が白骨化していたことから、首を締められた痕なども確認できなかったと話したとのこと。

別の報道では
医師は死因について様々な可能性が考えられたが、女性の遺体や車の状態から事故死とは考えられず、生前の健康状態や解剖の結果から病死も考えられないこと。

さらに複数の臓器に水が入った形跡が見られたことなどから消去法的に死因は溺死、もしくは窒息死と判断したと話したとのこと。

「首から上の損傷が激しく、解剖だけでは自殺なのか他殺なのか判断できない」

解剖医の経験や客観的な証拠を考慮して他殺だと判断したとのこと。

***補足***
19日に出廷した解剖医は遺体の二次鑑定を行い、「消去法で死因を溺死または窒息死と判断した」。現場の状況などから「他殺の可能性があると評価した」と述べているとのこと。

***第四回公判(10月20日)***
証人尋問:法医学者
この事件に関する司法解剖の資料などから死因について「残された遺体だけでは判断できない」「死因を不詳にすべき」と証言したとのこと。他殺の可能性についても「あるともないとも決められない」と述べた上で、誤って川に転落し、脳しんとうが起きて溺れたなど事故の可能性もあるとの見解も示したとのこと。

別の報道では
弁護側から女性の死因について問われると「溺死の可能性が高いと考えられるが頸部圧迫や鼻口閉塞も完全に否定できないとして結果的に死因の種類は不詳」と証言したとのこと。

また、他殺かどうかの判断についても「死因がはっきり分からない以上、不詳」と説明しました。さらに女性が竹やぶに入った可能性の1つとして、冬に脱輪した車から被害者が彷徨い低体温症になったことやアルコールを摂取して車を運転した可能性も考えられるとしたとのこと。

一方、検察からの自殺の可能性についての質問に対しては女性の車や遺体の見つかった状況などから「自殺の可能性は低い」としているとのこと。

***第五回公判(10月21日)***
冒頭陳述
1)検察側は被害女性の車のハンドルから被害女性と被告の混合DNAが検出されたこと、事件当日の朝、被告が遺体発見現場の近くにいたことなどから、事件の犯人は被告であると主張したとのこと。

別の報道では
検察側は2人は面識がないにも関わらず女性の車のハンドルから女性と被告の混合のDNA型が検出されたことなどを理由に「犯人は被告」と主張したとのこと。

2)弁護側は「現代の科学でも混合DNAから個人の特定はできない」、「現場近くでの被告の目撃証言には疑問が残る」と検察側の主張に反論したとのこと。

別の報道では
弁護側は「被告固有のDNAは1つも検出されておらず、現在の科学では混合DNAで個人の特定はできない」として、被告は犯人ではないと主張したとのこと

ハンドルからは被告でも被害者でもない別のDNA型も検出されていて、弁護側は「第三者が関与している可能性は否定できない」と主張したとのこと。

これに対し検察側は、女性の車をレッカー移動する際に業者が素手でハンドルに触れていたため「第三者のDNA型が出るのは自然」と反論したとのこと。

***第六回公判(10月24日)***
証人尋問:当時DNA鑑定を行った研究所の元職員
24日はこの女性の車のハンドルから採取した試料でDNA型鑑定を行った科学捜査研究所の元職員が検察側の証人として出廷した。

検察側から当時行ったDNA型鑑定について尋ねられると「ハンドルから検出された13か所のDNA型の検査結果は被告と女性のDNAが混合している」と述べたとのこと。

また、男性のみが持つY染色体を調べるYファイラー検査も行い、その結果「DNA型のすべての箇所が被告と一致した」と述べたとのこと。

一方で、“Yファイラー検査は個人を特定する制度が他の検査よりも劣る”との弁護側の指摘に対して同意したとのこと。

***第八回公判(10月26日)***
1)証人尋問:被害者女性の同僚
同僚の女性は被害女性が「人間関係でトラブルを抱えていた様子はなかった」と話した一方、悩みをあまり表に出さない性格だったと証言したとのこと。

また、もし女性が殺害されたとしたら犯人はどのような処罰を受けるべきかとの質問に対し「できる限りの重い刑を求めたい」と話したとのこと。

2)証人尋問:被告が働いていた建設会社の社長
事件があったと思われる2014年1月以降の被告の印象を検察側から聞かれると「久しぶりに会い、ものすごく痩せていた」と話しました。また、事件に対しては「ぞっとした。こんな残酷なことができる人がいるのか」と話したとのこと。

同じ日の被告の服装について「つなぎに黒の編み上げの靴」と証言したとのこと。

***第九回公判(10月27日)***
証人尋問:事件現場近くの女性住民
被害者女性の車が転落しているのが見つかった2014年1月15日、女性は午前9時過ぎに犬の散歩に出かけたところ近所では見かけない男に会い声をかけたとのこと。
検察側から男との会話の内容を尋ねられると「車を落としたから仲間を呼びたい。公衆電話はどこかと聞かれた」と証言した。

証人の女性は男の服装について、「つなぎに黒の編み上げの靴」と証言した。
また、女性は当時、雪が積もっていたにも関わらず、男は上着や長靴を身につけていなかったと話した。
一方、弁護側から会話をした男の名前を聞いたか尋ねられると「名前は聞いていない」と答えたとのこと。

別の報道では
住人は事件があった1月の朝に、30歳くらいで細身の見知らぬ男性が雪の積もった中から出てきて「公衆電話を探している」と言われたと証言。また、冬にも関わらず、男性は上着や長靴を身につけていなかったと話した。

別の報道では
現場近くで男を見かけた女性は、男から「車を落としたから仲間を呼ぶために電話を貸してほしい」と頼まれたと証言し、「男は30歳くらいに見え、編み上げの靴を履いていて足元は濡れていたと思う」と話したとのこと。

また、自宅から男のためにタクシーを呼んだという別の女性は、「寒い日だったにもかかわらず、温かい服装ではなかったため不審に思った」と証言したうえで、およそ4か月後に警察から被告を含む18枚の写真を見せられた際、「当時会った男をすぐに選ぶことができた」と述べたとのこと。

***第十回公判(10月31日)***
1)証人尋問:事件現場の近くで男性を乗せたタクシー運転手
運転手は「せきもと」と名乗る細身でグレーのつなぎを着た男性を諏訪町のコンビニまで乗せたと証言。本間新田で人を乗せることは滅多にないため印象に残っていると話したとのこと。

別の報道では
検察側が客の特徴について尋ねると、タクシー運転手は短髪・細身の男性でグレーのつなぎを着てスニーカーをはいていたと証言。26日に被告の同僚が証言した被告の普段の服装と一致したとのこと。

一方で客の男性は自身を「せきもと」と名乗っていたほか、弁護側がタクシーに乗せた男性は被告だったのかと尋ねると、「顔は覚えていない」と話したとのこと。

***第十一回公判(11月1日)***
証人尋問?:被害者の母親と姉
亡くなった娘について「真面目な性格で非行もなかった」「知らない人を車に乗せるようなことはしない」と証言した。

また、娘が行方不明になってから家がある山形から毎週末、新発田市を訪れたと話し、「どこかに監禁されているかもしれないと思って現場近くを探し回った」
「とにかく生きた心地がしなかった」と胸の内を明かしたとのこと。

最後に検察側から「被告に対して言いたいことはあるか?」と問われると
「正直に言ってほしい。死刑を望みます」と訴えたとのこと。

女性の姉も証言台に立ち、妹について「私の人生では欠けてはならない大切な存在」「なんで妹だったのか、なんで殺されなければいけなかったのか犯人の口から直接聞きたい」と涙ながらに話したとのこと。

***第十二回公判(11月2日)***
1)被告人質問
【弁護側質問】「犯行に関わったか?犯行に及んでなくても女性に関わったか?」

【被告】「犯行にも女性にも全く関わっていない」

「記憶があいまいなのに犯行に関わったことがないと言い切れるのはなぜか?」と弁護側に問われると「少しでも残っていれば覚えているけど記憶がないです」と答えたとのこと。

一方、検察側は、被害者の車のハンドルから被害者と被告の混合DNA型が検出された点について説明を求めました。

【被告】「本当に混合DNA型が出たのであれば、なぜ自分のものが出たのかわからない」

また、検察側が無期懲役の刑が確定した強姦致死事件に触れ「あなたの妹がわいせつなどの被害にあったらどう思うか」と聞くと、「許せない」と即答したとのこと。

さらに検察側は法廷での遺族の訴えについて被告に意見を求めた。

【検察側の質問】「『なんで娘なのか…なんで殺されなければいけなかったのか犯人の口から直接聞きたい』と訴えた遺族の言葉をどう感じたのか?」

【被告】「気持ちは分かるが、犯人は自分ではないので申し上げられることは何もありません」

別の報道では
証言などから被告は2014年1月15日の朝、女性の遺体が見つかった本間新田からタクシーを呼び、当時の自宅近くのコンビニでタバコ2箱とライターを購入したと検察側は主張。

これに対し
【被告】
「(検察の主張は)違います」
「(コンビニについては)なくはないがライターを買っているので自分ではないのでは」
「オイルライターを使っていたので」

2)遺族の意見陳述:母親、姉、祖母
母親は「人見知りで保育園に行く時には毎日のように大泣きしていた」と幼少期の女性を振り返り、歳の離れた弟が生まれるとおしめを替えたり、おもりをしたりし「遠足の弁当も作ってくれた」と語った。高校時代には成績が優秀だったが家庭のことを考えて進学せず、新潟県の製菓会社に就職したとのこと。

母親は「新発田市に住むことを勧めてしまった。私が選択を間違えなければ娘は生きていたかもしれない」「娘がいなくなってからは地獄のような日々だった。自分を責め、後を追おうと何度も考えた」と述べたとのこと。

姉は「なぜ加害者はのうのうと生きているのか。一生許すことはできない。死刑にしてほしい。妹の無念を受け止めてほしい」と訴え、祖母は「なぜ孫は殺されなければならなかったのか。絶対に許さない。悔しい。早く死刑にしてほしい。私が殺したい」と述べたとのこと。

***論告求刑公判(11月7日)***
1)検察は被告が「女性の車のハンドルに触れていた」などとして「女性を殺害したのは被告である」と主張。「被告の弁解は、全て苦し紛れの言い訳で、信用できない」と指摘した。

さらに、「被害者に何ら落ち度もないのに極限まで恐怖に落とし入れ、尊厳を極限まで踏みにじり残虐に殺害した。極めて悪質」「さながら被害者をもののように扱った人格人命軽視の態度が甚だしい、許し難い行い」と述べ、

「別の事件で7年半服役していたのにも関わらず、出所してからの犯行はエスカレートし」「反省の意思や遺族への謝罪などは見受けられず、更生は期待できない」として、被告に対し死刑を求刑したとのこと。

別の報道では
検察側は論告で「被告が女性の車のハンドルに触れていた」などとして「女性にわいせつな行為をしたうえで殺害した犯人は被告」だと改めて主張した。

そして『量刑』を考える上で特に重視すべき事情として挙げたのが、被告がこの事件のおよそ5カ月前から連続して起こしたわいせつ略取や強姦致死などの4つの事件。

被告は、2013年に同じ新発田市内で女性4人を相次いで暴行しそのうち1人を死亡させたとして、2018年に強姦致死罪などで無期懲役が確定し岐阜刑務所で服役していた。

検察側はこの過去の事件について「全く考慮しないのは適切ではない」として、「本件事案の犯情は極めて悪く、被害者が1名であっても死刑の選択が検討されるべき事案」だと述べたとのこと。

『犯行の動機』については「被害者の人格・生命を甚だしく軽視した身勝手極まりない動機と無差別的犯行。被害者に一切落ち度はなく、斟酌すべき要素は皆無」と指摘したとのこと。

また「被害者は生きて帰りたくて必死に抵抗し、殺さないでと懇願したと考えらえる」状況での犯行の態様については、「その被害者を少なくとも3分から5分程度顔面を水没させ頸部を圧迫した」ものであり「残虐ではない、残忍でないとは到底言えない」と強調したとのこと。

その上で別の事件で7年半服役して矯正教育を受けながらも、出所の後、連続して女性を無差別に襲っていることなどを挙げ、「犯罪性向はより凶悪化し、性犯罪に対する規範意識は完全に欠如していて、生命軽視の度合いは甚だしく、更生はもはや期待できない」として『死刑』を求刑したとのこと。

2)弁護側は最終弁論で、女性は事故などで水死した可能性が高いとした上で、検察側が証拠とする「女性の車から検出されたDNA型について個人の特定はできない」と反論し、また目撃者の証言について「事件現場で男を目撃した2人の女性と男をタクシーに乗せた運転手の証言に異なる部分がある」ので「被告が間違いなく犯人であるとは決して言えない」などとして、改めて無罪を訴えたとのこと。

3)被告の最終陳述
「罪状認否のときから言っているとおり、私はこの件に関しては全く関係していないです。以上です」

***判決公判(11月18日)***
1)判決で新潟地裁は事件性について解剖医の意見などを踏まえ、女性の死因は「溺死または窒息死」とした上で、弁護側が主張した事故や病気による溺死は、「わざわざ竹藪に入る理由がない。弁護側の主張は抽象的な可能性のみで無理がある」と退け、女性は何者かに暴行され殺されたとしたとのこと。

2)犯人性については、女性の車のハンドルから被害者と被告の混合DNA型が検出された検査結果について「矛盾はない」とし、「被告が被害者のハンドルに触れたと推認できる」と検察側の主張を認めたとのこと。

3)量刑について
被告は、2013年に新発田市で女性4人を相次いで暴行し、そのうち1人を死亡させたとして2018年に無期懲役が確定していた。

判決ではこの過去の事件について触れ、「常習性が非常に高い」とした上で、「犯行への関与を否認するなど、反省の情が見られない」などと厳しく非難したとのこと。

一方で、「死刑判決が出た他の事件は、犯情の悪質さが抜きんでていて、同列に論ずることはできない」として、無期懲役を言い渡したとのこと。

別の報道では
<裁判長>
「類似の判例をみるとほとんどが無期懲役となっていて、殺害人数1人で死刑になった例は悪質性が抜き出ている」

4)裁判長は最後に被告に対して「強い非難の気持ちを持っている遺族の気持ちを真摯に受け止めてほしい」と語りかけたとのこと。

こんなところですね。
事件発生が2014年、逮捕送検が2020年、一審判決が2022年、逮捕まで6年、判決まで8年かかった事件です。
2015年に前回の事件の一審判決が出てから、動きが無かったので、他の事件は無理なのかな?と思ってましたが、警察が頑張ってくれたようですね。
犯罪者には正しく罰を受けてもらいたいです。

さて、結構、難しい事件だったと思います。検察側も認めてますが、直接証拠が無くて、状況証拠の積み重ねで立証する事件でした。
驚いたのがDNA鑑定ですね。事件後にすぐに鑑定ができなかったのは、予算不足だったと言うのがちょっとあれですよね。
消防とか警察とか、必要な処には予算を割いて欲しいですね。もし、鑑定がされなかったら混合DNA型も検出できずに事故として処理されてしまったかもしれません。

それから、興味深い点としては3点
1)混合DNAから故人を特定する事はできない。
言われてみれば、そうなんだろうなと思うところです。そういえば、DNAは出たけど指紋は出てないんですね。

2)窒息死の特徴として頭蓋骨の出血
これがちょっと初耳でした。調べると「まぶたや眼球結膜の溢血」と言うのはあるのですが、頭蓋骨で出血と言うのはなさそうなんですけど・・・

3)首実検
今なら防犯カメラやドラレコの映像が決め手になりそうですが、当時は「首実検」なんですね。
とは言え、現在でも、田舎の民家の玄関に防犯カメラがある家なんて、まずありませんから、捜査での地域差と言うのはあるかもしれませんね。
他には以前に秘境の温泉で女性が殺された事件で、地域に防犯カメラを設置するのに賛否両論がありましたが、もし、事件がおきたらと思うと、あった方が良い気がしますね。

それに、都会ではタクシーにも車内カメラが搭載されていて、結構タクシー強盗などが逮捕されてます。田舎のタクシーにも搭載して欲しいですね。他に振り込め詐欺などにも効果があるかもしれませんね。

話がそれましたが、検察の求刑は死刑でした。
これがけっこう、微妙なところかもしれません。普通に考えると、死亡が1人で、おそらく罪状に強の字が一つなので、これだと死刑は難しいところなのですが、検察は前回の事件を考慮して、出所後7ヶ月で複数の事件を起こした悪質性や更生不可能と言う事で「死刑」を求刑してますね。

残念ながら、判決はこの点は「そこまで悪質じゃない」と言う事で「無期懲役」の判決となっています。

ただ、前回の無期懲役となった事件が2013年の11月で、今回の事件が2014年の1月なんですよね。
もし、連続強姦致死事件となっていれば、死亡者が2人で罪状に「強」の字が一つ、付いてますから、死刑の判決は有りだよね。と思うところです。

FBIの定義だと連続殺人事件は事件の間隔が24時間以上あるものと言う事らしい、それなら条件は満たされている。

有名な大久保清の事件は2ヶ月で8人を殺害していて、ざっと週1人のペースで事件を起こしている。こちらは8人に対する殺人罪+アルファで死刑となってますね。

最近では座間の9人殺人事件がありますね。こちらは2017年8月23日から2017年10月23日の2ヶ月で9人を殺害していて、こちらもざっと週1人のペースですね。

私の勝手な憶測では連続殺人になるには1週間ぐらいの間で事件を起こさないとダメと言う事なのかな?

他にこの事件では二重処罰の禁止と言うのも関係してます。
二重処罰の禁止とは、「いったん処罰されたのであれば、同じ事件について再度処罰されるということはない」と言う事です。
これに対して検察は
検察側は求刑の中で『二重処罰の禁止』について、過去の罪を処罰の対象として考えるのではなく、「犯行に至る重要な経緯等として考慮するのはよい」、つまり「量刑を判断する際の要素にしてもよい」と主張し、『死刑』を求刑しました。
と言う事です。

タラレバなのですが、この事件では冒頭に書いてますが2013年9月のBさんの事件があるんですよね。
もし、次に起訴されて裁判で有罪となったら、3人死亡でも無期懲役なのだろうか?と言う素朴な疑問はありますね。

さらに、例えば、最初に判決の出ているAさんの事件とこのCさんの事件を一つの事件として起訴していたら、死亡が2人で、罪状に強の字がついて、死刑も有りだったのでは?とも思うけど・・・今回のCさんの事件については直接証拠が無い状況だったので、とりあえず確実なAさん事件で起訴と言うのは検察としては、やむを得ないところなのかな。

亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
新潟県新発田市女性強姦致死事件その2(一審無期懲役)

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福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その10(母親の控訴審と刑確定)

まずは続報です。
1)県の児童相談所の所長らが男の子の祖母と面会し当時の不適切な対応を謝罪していたとのこと。
福岡児童相談所は事件の1か月ほど前に自宅を訪問したものの目視だけで虐待の危険性が低いと判断。
男児の祖母が保護などを要請したものの十分な対応を取りませんでした。
母親らの1審判決では、A被告が行政機関の訪問を妨げていたことも明らかになっています。
祖母の代理人弁護士によりますと、先月末に遺族と面会した児童相談所の所長らは、「職員の経験不足だった。
亡くなった男児に話を聴くべきだった」と対応の不手際について釈明。
「本当に謝罪しても謝罪しきれない」と述べたとのこと。(10/6 報道)

2)1)の面談に対する祖母のコメントを一部抜粋して掲載します。(死亡した男児の氏名は男児と置き換えています)
Iの母です。
本年 9 月 30 日に県庁で、福岡児童相談所の現在の所長、児相の弁護士、相談第一課長、県の児童家庭課児童福祉係長と、その上司という方との面談を行いました。

今回の面談の前に、当時の篠栗町の担当者から直接きちんと説明して欲しいと依頼しましたが、当時の担当者は今、福岡児相の職員ではない、福岡児相として、組織としてお答えするという理由で、当時の担当者は面談にきませんでした。
当時の担当者に聞きたいこと、言いたいことはたくさんありますが、私はいまだに一度も当時の担当者から直接説明も謝罪も受けていません。当時、そして今も、当時の担当者が男児のことをどう考えているのかわからないままです。

今回の面談の時にも言いましたが、令和 2 年 3 月 31 日に児相に行った私が「私の孫、死なないですよね?助かりますよね?」というと、篠栗町の担当者は「大丈夫です」と言いました。後で分かったことですが、この担当者は私が 3 月 12 日に訪ねてから一度も男児を調査したり面談したりしていなかったのに、大丈夫と言ったわけです。
そのことを所長に聞くと、「そこが危機意識の低さ」と、当時の篠栗町の担当者の対応の不適切さを認めました。そして、児相も県も、申し訳なかったと謝罪されました。これは組織としての謝罪だと受け止めています。

また、男児のリスク判定を「C」にしたままだったことは、検証報告書でも言われているように、見直すべきだったそうです。この「C」のリスク判定は、児相の所内会議で決められるそうなので、担当者、所長さん(同じ苗字ですが面談した時とは別の人)たちで決めたのでしょう。児相全体で間違えた責任があると思います。面談のとき、児相の方は、男児の体重を測っていればリスク判定の見直しはあったと思うが、男児に会うことが目的化し、体重を測ることへの意識が薄らいでいたとも言いました。
児相はいつまで経っても現認確認以上の介入をするつもりはなかったんだと思います。

リスク判定を見直すタイミングは、家庭環境が変わる時、今回は男児の幼稚園退園のタイミングと、転居のタイミングになるとも言われました。ですが今回はいずれのタイミングでもリスク判定は見直されていませんでした。児相は、できることをやりませんでした。
リスク判定の見直しを行わなかったことは、「私たちも反省すべき点」と、児相の方が話していました。

この面談の途中、児相から「起こってしまったことはどうしようもない」という発言もありました。
あまりに無責任な言葉に、男児の命は児相にとって数あるケースの一つでしかないのかと、今思っても怒りしかありません。
児相に助けを求めたあの日、私にはどうすることもできず児相なら助けてくれると思いました。あなた達に子ども、孫がいるなら助けて下さい、あの子は小さいから体力がないからと言った私の気持ち、助けられた男児を助けてもらえなかった私のくやしさ、あんなむごい毎日を送らされていた男児の苦しさ、その事実を知った私の気持ちは児相にはわからないでしょう。他人事だから。ただその場しのぎで謝ればいいと思ってあんな言葉が出たのでしょう。

****控訴審初公判(10月14日)***
1)弁護側は控訴趣意書で、I被告がA被告に心理的支配(マインドコントロール)をされていたと主張。残されたI被告の2人の子供など、家族との関係を一日でも早く再構築するためにも減軽すべきだと訴えた。弁護側はマインドコントロールを研究する心理学者らの証人尋問を要求したが、高裁は却下し、被告人質問だけを採用したとのこと。

I被告は被告人質問で、控訴した理由を「一番は子供たちに一日でも早く会いたいという気持ちだった。ギリギリまで迷ったが、少しでも早く(家族に)会える可能性があるなら、と思って控訴した」と振り返った。有罪判決自体には「男児を母親として守ってあげられなかった責任だと思っている」と述べたとのこと。

2)検察側は控訴棄却を求め、即日結審したとのこと。

***判決公判(11月9日)***
1)福岡高等裁判所は9日、1審判決を支持し、控訴を棄却したとのこと。

2)福岡高等裁判所の松田俊哉裁判長は、「A被告からの心理的支配の影響があったとしても、被害者の生存に必要な程度の保護はできたはず。量刑が重すぎて不当であるとは言えない」として控訴を棄却したとのこと。

***刑確定(11月25日)***
検察と弁護側の双方が、期限の24日までに上告しなかったため、懲役5年の判決が確定したとのこと。

こんなところですね。
母親の控訴審としては、順当なところかと思います。
罪は認めるけど、子供に会いたいから刑を軽くして欲しいと言うのは、心情的には理解できるし、同情もできるけど、法律的には無理な話に見えますね。

他に興味深いのは、児相が祖母に面談して謝罪した事についての、祖母のコメントですね。
この事件では、祖母が男児の危機を児相に相談しているわけです。死の危険を伝えているにもかかわらず、担当者は男児に対して、何の確認もしていなかった。そして、その場しのぎの返事をしていた。その結果、男児は死亡してしまったと言う事ですね。

祖母にしてみれば「だから言ったじゃ無いか、あの時、確認してくれていれば」と言う気持ちになるのは当然ですね。

感情は抜きにしても、今回の不適切な対応についての検証は必要ですね。
検証は既にされていて報告書が福岡県から公表されています。これはこの餓死事件以外の2件の虐待事件を含めた検証報告書です。
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/20210806jido.html

一部を抜粋すると
3事例共通の課題
(1) 児童相談所や市町は、継続的に子どもや家族を支援し関わりながら、子どもの死亡という事態を防ぐことができなかった。

(2) 児童相談所や市町は、幼稚園の退園、離婚、転居、学校への欠席が続くなど家庭状況が大きく変わる出来事の発生といった状況の変化を踏まえた適切な支援ができていなかった。

(3) 児童相談所や市町は、子どもに対する身体的、心理的虐待が発生していないかの確認に注力し、子どもと面談し直接話を聞くことや、関係機関から子どもがどんな話をしているかの情報収集を行っていない。虐待リスクを把握するための家族全体のアセスメントができていない。

(4) 児童相談所や市町は、保護者との関係形成に苦労し、会うこと自体が目的化。このため家族の課題や困難をどうすれば軽減・解消できるかといった踏み込んだ支援ができていなかった。

(5) 何れのケースにおいても要保護児童対策地域協議会(以下「要対協」という。)で主担当機関が市町となっていた。このため、児童相談所は、子どもを虐待から守る専門機関であるにも拘わらず、市町任せとなり自ら主体的に虐待のリスク判断を行っていなかった。

気になるのはこの3)の子供と面談して直接話を聞くことが出来なかった。関係機関からの情報収集が出来ていなかった。
最後の5)の主担当機関が市町となっていたので、児童相談所は虐待リスク判断を行っていなかった。のあたりですね。

で、再発防止の提言がこちら
3 再発防止に向けた提言
(1)児童相談所と市町村の児童虐待に対する危機意識の向上
〇 市町村の要対協は、体重減少や乳幼児健診未受診など、発育状況が把握できないケースについて体重の確認を必須とする「緊急度アセスメントシート」及び「子どもの安全確認チェックリスト」の活用を徹底すること 。

○ 児童相談所は、要対協で協議された「全ての児童虐待ケース(疑われるものを含む)」について、受理会議の開催により主体的にリスク判断を行うこと。また、それに基づき市町村を指導するとともに、リスクが高い場合は児童相談所が子どもの安全を確保すること。

○ 県では、児童相談所と役割分担する「乳幼児健診未受診者に対する受診勧奨のためのルール」を定めているが、これを「子どもに会えない状態が続く場合」にも適用すること。

(2)児童相談所のアセスメント力の強化
〇 県の児童相談所においては、令和2年度から、初回の虐待通告に対し一時保護等の介入的対応を専任で行う「初動対応係」を設置している。一方、継続支援ケースで、新たに虐待情報が入った場合は、「相談支援係」がアセスメントを行っている。
今後、保護者等への継続支援中であっても、通告等により新たな情報を入手した場合は、「初動対応係」が当該家庭をアセスメントし、受理会議の開催により虐待リスクの判断を行い、躊躇なく児童の安全確保に取り組むこと。

〇 県は、「初動対応係」を家庭に対するアセスメントを行う専門チームと位置づけるとともに、その対応力を強化するため、必要な研修を実施すること。

(3)児童相談所・市町村職員の資質の向上、体制整備
〇 県は、検証事例を踏まえた課題を抱える家族への接し方、支援に係る研修や虐待の兆候に気付きにくい具体的なケースを想定した演習(ロールプレイ)等を実施し、児童福祉司等の資質向上に取り組むこと。

〇 児童相談所が虐待のリスク判断や保護者のメンタルヘルス等の支援検討にあたって、医師にいつでも相談できる体制を整備し、精神医学などの見地から意見を取り入れ、児童相談所全体のアセスメント力の強化に取り組むこと。

〇 県は、市町村が整備することとされた「子ども家庭総合支援拠点」が早急に整備されるよう様
々な機会を通じ市町村に働きかけること。

(4)要対協の機能強化
〇 市町村は、児童相談所を構成員とする要対協の実務者会議を定期的に開催すること。実務者会議の開催に当たっては、主たる支援機関、管理する目標の推移、支援策に加え、当初の支援策が滞った場合の次善の支援策が明示された資料により、進行管理を行うこと。
県は、モデルとなる
県は、モデルとなる「「進行管理進行管理表」表」を市町村に示し活用の徹底を図ること。を市町村に示し活用の徹底を図ること。

○ 県は、県は、要対協の調整担当者要対協の調整担当者等等に対し、幼稚園のに対し、幼稚園の退園、離婚、転居、学校への欠席が続く退園、離婚、転居、学校への欠席が続くなど養など養育状況が変化した場合育状況が変化した場合は、は、虐待虐待リスクが高まることをリスクが高まることを研修等を通じて周知研修等を通じて周知徹底徹底することすること。

○ 学校、幼稚園、保育所学校、幼稚園、保育所等は、要対協で支援を行っている児童の欠席が続く場合等は、要対協で支援を行っている児童の欠席が続く場合は、児童相談所及び市町村の虐待担当部局に速やかに通告等を行うこと。

こんなところですね。
課題も提言についてもその通りだと思うのですが・・・
ちょっと、気になったのは、これらの内容は現場の人は既に気付いていたのではないだろうか?と言う事です。
つまり、やらなきゃいけない事なのは知っていたし、理解していたけど、実際には出来なかったと言う事が無いのか?と言う事です。

どこの組織もあまり変わらないと思いますが、限られた予算、限られた人員で期限までに仕事をしなければならないと言う前提条件がありますよね。
そこへ、許容量以上の仕事を入れられても「出来ない」って事になる場合があります。
それでも、やらなきゃいけない場合、担当者や中間管理職のレベルで、仕事の重要度を見て間引きと言うか手抜きをしたり、調整してつじつまを合わせると言うのも、やはりどこの組織でもあると思うんですよね。

もしそうなら、組織的には別の手当が必要なのではないか?とかね。あるいは、現場の意見が上に上げにくい風土などがないのか?なんて事も気になるわけです。他にはテクノロジーを使って効率的な情報の共有とか判断とかと言うのも有りだと思います。

私は全くの門外漢で児相の事も市町村などのこの手の職場の話は分かりません。
ただ、少子化対策も重要だと思いますが、せっかく生まれた命を亡くさない事にも予算を割いても良いと思うんですよね。

亡くなった子供達のご冥福をお祈りします。

参考リンク
福岡県篠栗町5歳児虐待死事件その9(Aの一審判決2)

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2022/11/13

大阪市カラオケパブ女性オーナー殺人事件その5(一審判決)

一審判決は懲役20年(求刑:無期懲役)

***初公判(9月16日)***
1)起訴状などによりますと、兵庫県西宮市に住む会社員・男性被告(57)は、去年6月大阪市北区にあるカラオケパブで経営者の女性(当時25)の首や胸などを刃物で突き刺して殺害した罪に問われている。

2)被告は「裁判員の方にお任せします。判決は死刑をお願いします」「ここで被害者家族の意図を汲むならぜひとも死刑を下していただきたい」、「私についてはいかなる質問についても答える気はありません」、「しゃべりたい時はしゃべることができる時に自ら手を挙げて意思表示をします」などと述べたとのこと。

(ASKAの補足)この後、被告は16時半の閉廷まで黙秘しています。

3)弁護側は「犯人性を争います」と述べたとのこと。

4)検察側は冒頭陳述で、「証拠隠滅を図るため、店内の防犯カメラを取り外してSDカードを抜き取り、被害者の携帯電話が電波を送受信しないようアルミホイルで包んだ」、「被害者に一方的に好意を抱き、それが満たされないことから被害者の重要部位を刺すなどして殺害した」と述べたとのこと。

別の報道では
検察側は冒頭陳述で、店の常連だった被告が、被害者に抱いた一方的な好意が満たされず、犯行に及んだと指摘。いったん店を出た後に再び戻り、「被害者が一人きりになったタイミングで襲った」とした。被告の着衣などに被害者の血液が付着していたことも明かしたとのこと。

更に別の報道では
検察側は「一方的に好意を抱き、満たされない想いから犯行に及んだ」と指摘。そのうえで、事前に購入した粘着テープを巻きつけ暴行し、その後、顔や肺など重要な部位を刺した、執拗かつ残忍な犯行だと主張したとのこと。

***第二回?公判(10月5日)***
被告人質問
1)裁判を通じて思ったことを問われた被告は「検察が頼りない。証人尋問で同じような質問を何度もするなどしていて残念に感じた」などと検察側を批判した。一方で、「私自身は初日に申したように、死刑にしてほしい気持ちに変わりはない」などと自分の主張を述べたとのこと。

検察官や裁判員から「死刑を望む理由は何か」などと聞かれましたが、そのほかの質問には黙秘したとのこと。

***論告求刑公判(10月12日)***
1)検察側は論告で、事件当日、店が入るビルに出入りする被告の様子が防犯カメラに映っていたほか、被告の上着や靴に被害者の血液が付着していたと指摘。「一方的に好意を抱いた被害者に執着し、距離を置かれたことから殺害した」とし、「執拗で残忍な犯行だ」と述べたとのこと。

別の報道では
事件当日(6月11日)、被告人が着ていたスーツの右ポケットの内側と、履いていた左右のビジネスシューズに被害者の血液が付着していた。さらに、殺害時、被害者の腕を縛るために使った粘着テープの芯から被告人の指紋が検出された。なお、この粘着テープは、被告人が犯行のおよそ2週間前となる5月26日に勤務する会社近くの店で同じものを購入したことが分かっている。そして、犯行現場には被告の指輪が残されており、その結婚指輪には被害者の皮膚片も付着していた。死亡鑑定を担当した医師は、指輪をはめた手拳などで顔面を殴打した可能性を指摘しているとのこと。

21時9分頃に、会計を済ませた被告は被害者や女性従業員と一緒に写真を撮ったあと、エレベータで1階に降りたものの、ビル内に留まっていた。21時29分頃に女性従業員が帰宅し、22時8分以降は被害者の携帯電話がLINEのメッセージなどを受信しない状態になった。のちに携帯電話は、アルミホイルで包まれて電波が遮断された状態で発見された。従業員が退店した21時29分から22時8分までに殺害されたと考えられる。その間に通常の入り口以外からビル内に宮本被告以外が侵入することは難しかったとのこと。

被告は連日「ごまちゃん」を訪れたり、毎日LINEを送信したり、被害者の接客態度が意に沿わない時には被害者に対して多数回に渡って電話をしていた。こういう被告に対し、被害者は距離を置いていた。被告は被害者に好意を抱き、強い執着心を持っていたと認められ、その好意が受け入れられず、被害者に対する思いを鬱積させた挙げ句、犯行に及んだと考えられるとのこと。

被告は被害者を殺害後、事前に検索して調べていた防犯カメラを取り外してSDカードを抜き去り、被害者の携帯電話をアルミホイルで包み、店外に保管してあったカギケースを店内に移動させるという罪証隠蔽工作に及んでいるとのこと。

2)検察側は無期懲役を求刑した。

3)弁護側は最終弁論で、第三者が犯行に及んだ可能性は否定できないとし、「検察側は被告が犯人で間違いないとまでは立証できていない」と反論。「疑わしきは被告人の利益に」との刑事裁判の原則に従って、判断するよう求めたとのこと。

別の報道では
弁護人は、
「被告が必ずしも犯人ではない。偶然、犯人と出くわして、脅されて何も言えないのかもしれない」
「ビジネスシューズなどの血痕がいつ付いたのかわからない」
「完全に被告の犯行であると証明されていない」
などと訴え、「無罪である」と主張したとのこと。

4)遺族の意見陳述(被害者の兄)
「妹の冥福を祈るためにも、まずは罪を償う土俵に上がって欲しい。しっかり罪と向き合い、反省をし、償って、被告が真人間になったら、仏壇もちゃんと用意できていない実家ですが、線香を立てて、妹の冥福を祈って欲しいと思っています。被告への憎い感情を押し殺して重ねてお願い申し上げます」

この後、立ち上がり、被告人に頭を下げ
「どうかこれ以上、真優子を傷つけないで、安らかに休ませてあげてください。お願いします」と述べたとのこと。

5)被告人の最終意見陳述
「死刑を宣告してください。誰も罪にならず、これほど他に迷惑をかけずに済むことはない」などと持論を展開した。事件への自らの関与については言及せず、被害者の人柄を「チャレンジ精神があり、尊敬していた」と述べたほか、検察側の立証を批判したとのこと。

別の報道では
検察側の論告への反論を始めた。
まず、被告の上着のポケットに稲田さんの血液が付着していたことを証拠の一つと位置付ける検察側立証に対し、宮本被告は「なぜ上着のそこだけにしか血がついていないのか。どうやってそこにつくのか。私には想定できません。証拠として意味があるのか」と疑問を呈したとのこと。

被告が事件当日に持ち歩いていたリュックが廃棄されるなど、証拠隠滅行為があったとする検察側の主張にも、被告は「第三者的な見解」と前置きした上で「捜査して証拠を見つけられなかったから『証拠隠滅』なんだなと。裏を返せば捜査の不手際ともとれるのではないか。検察側には推測しかない。ある意味残念だな、頼りないなと第三者的には感じていました」と述べたとのこと。

「私は死刑を望んでいます。国が人を殺すのは罪にならない。誰も罪にならなくて死ねる。なにとぞ、判決で死刑を宣告していただきたい」と述べたとのこと。

***判決公判(10月20日)***
1)大阪地裁は懲役20年の判決を言い渡したとのこと。

2)「被告の靴やジャケットから血痕が発見され、DNA鑑定によって被害者のものと特定された。犯行以外の機会に付着したとは考えられない」などとして被告の犯行と断定。「身勝手で無慈悲。犯行後の証拠隠滅行為も含めると相当計画的な犯行で強い非難に値する。被告人の供述からは反省を見出すことはできない」として、被告に対して懲役20年を言い渡したとのこと。

別の報道では
裁判長は、被告以外には犯行が困難で、「合理的な疑いを差し挟む余地はない」と認定。公判を含めた犯行後の言動については、「反省を見いだすことができない」とも非難した。ただ、同種事件と比べると、有期刑が相当と述べたとのこと。

3)裁判長は説諭で、「もしかするとあなたには難しいことなのかもしれないですが、遺族の気持ちについて、もっと考えてください。あなたにも家族がいるでしょう」と述べたとのこと。

4)被告は頭を下げて法廷をあとにしたとのこと。

***控訴***
弁護側は11月2日付で、この判決を不服として控訴したとのこと。

***補足情報***
これまで、被告人の身上についての情報が無かったので補足します。
被告は西宮市で育ち、地元の公立小・中学校に通った。父親は弁理士で、大阪のミナミに事務所を構えていたとのこと。
西宮市内の公立高校に進学(したはず)
高校卒業後は徳島大学の工学部に進学。電気工学を学び、大阪市に本社がある住友電工に就職した。

元同僚によると
「今は子会社に出向して、コンピュータのソフトウェア作りにエンジニアとして携わっていました。もう管理職になっていたはず。」

2000年には西宮市内の総戸数1000戸を超えるマンモス団地の一角にある、新築の集合住宅を約4500万円で購入したとのこと。登記簿によれば約2400万円のローンを組んでいるとのこと。

近隣住民によると
高校生と20歳ぐらいの娘さんと、奥さんとの4人家族とのこと。

こんなところですね。
検察側は決定的な証拠がなく、状況証拠の積み重ねでの立証となりました。
対する弁護側もアリバイなどの決定的な無実の証拠が無い中での主張は、立証が不十分だから、推定無罪の原則により、「疑わしきは被告の利益に」と言う事で「無罪」を主張していた。
私が思うに弁護側の主張の危うさは「立証が不十分だから、無罪でしょ」と言う点にあって、立証が不十分か十分かは裁判官が判断する事なので、十分だと判断されれば、当然のように「有罪判決」になるわけですよね。
なので、ここは博打だったのではないか?と思える部分です。
とは言え、血痕や指紋などが現場から出ているので、無罪を主張するなら「別に真犯人がいる」と言う主張になるんでしょうね・・・判決にもあるけど、「他に犯行が可能な人間はいない」と言う事なってしまうとここも難しいわけで。かなり難しい弁護だったのかもしれませんね。

それに、被告は黙秘はするけど、死刑を主張したりして、遺族の感情を逆なでするような状況も作っていたわけですよね。
それで、裁判長も指摘してますが、有罪になれば「反省してない」と言う事になるわけで、より罪は重くなる方向になるでしょうね。

ただ、この結果になる事はおそらく、被告人にとっては想定の範囲内だったのではないか?とも思うわけです。
犯行時の計画性や、それに基づく、いろいろな隠滅工作などを考えると、犯行当時は「逮捕されたくない」と言う意志があったと思います。
逮捕後も否認していたと言う情報もありますが、公判でも黙秘してますね。その一方で死刑を求めている。

私の印象としてはなんとなく「自暴自棄」となっているのだろうか?という印象がありますね。

そもそも、被告には家族があって被害者と年齢のあまり変わらない娘までいる状況にあって、カラオケパブの若い女性オーナーに入れ込んで事件を起こしてしまったんですよね。

なので、被害者に入れ込んでいる段階で被告にとって家庭(家族)は既に無い事になっていたんじゃないかな?
仮に無罪を勝ち取ったとしても、被告には「帰る家はもう無い」そんな心境なのではないかと思うんです。

そして、おそらくは仕事も失っているでしょう。

なので、無罪の主張も検察の立証の批判も「ただ八つ当たり」なんじゃないかと思っています。
自分のした事、おかれた状況を認めたくなくて「八つ当たり」してるだけなんじゃないかと・・・

比較的裕福な家に生まれ(たと思う)可もなく不可もなく、大学も出て、一流企業に就職、結婚して家と家族も手に入れた、順風満帆、勝ち組と言われても良いぐらいの人生ですよね。
このまま何事もなく時間が過ぎれば、ローンの残額にもよるけど、それなりに快適な老後を過ごせたのではないかな?

大学に進み、電気工学を学び、一流企業の管理職にもなっているから、論理的で合理的な思考や判断は出来る人だと思うんですよね。
だから、冷静に考えれば、「何やってんだ俺?」って感じると思うのですが、感情と言うべきか「理屈では無い部分」で思考が麻痺してしまったのかな。

その理由が「25歳のカラオケパブの女性オーナーへの一方的な好意」なんですよね。
他にも「お店の女性」に好意をよせて、相手にされず殺害って事件も沢山ありますね。

ちょっと、想像できないのですが「ビジネス上の愛想笑いや親切」を「自分に対する特別な好意がある」と誤解してしまうのでしょうか?
それとも「この子なら、自分が努力すれば、付き合ってくれる」と言うあり得ない期待を持ってしまうのかな?

もっとも、「一目惚れ」と言う言葉もあるけど、人が人を好きになる事は理屈じゃないので、「分かっちゃ居るけどやめられない」と言う状況なのかもしれませんね。

とは言え、自分の家族がこれからどんな地獄に突き落とされるのか?を考えたら、こんな事はとてもできないので、被告にとっては、家族の絆よりも、被害者への好意が優先されてしまったんでしょうね。
普通の人はここで踏みとどまるところだと思います。
しかも、この事件では、不倫関係どころか、交際関係も無いわけで、ただの行きつけの店の女性オーナーと客の関係でしかないのに、どうまちがったらそうなるの?と思うところではあるのですが・・・

全てを失っても、欲しいものがあったんでしょうね。

なので、この事件を被告人側から防ごうとすると、この「破滅的欲望」(破滅的願望の方が近いかな?)を自己で制御(抑制)するしか方法が無いと思います。
とりあえず、思いつく方法は3つ

A)もっと早い段階、30代や40代の時から風俗等に通って、「世の中こんなもの」と言う感覚を身につける。
(表現が難しいのですが、何度か経験を積むと、「そんな事はおきないよね」と達観するようになるのではないかな?)
 とは言え、技術職や開発職の場合、忙しくて「遊ぶ時間が無い」と言うのはよくありそうなんですよね。今ならライフワークバランスと言う言葉が出てきそうですが、他には「生理的に無理」と言う人もいるから、万人向けの対処方法ではないかもしれませんね。

B)家族との絆を深める
 A)の方法がダメなら、家族に迷惑を掛けないと言う部分や、家族を幸せにしたいと言う部分を強化していくしか方法が無いのですが・・・逆に、「どうしたら家族との絆を強くする事ができるのか?」と言う疑問が出てしまうので、わかっては居るけど、具体的にどうしたら良いのか分からないです。ここは専門家の方のご意見をいただきたいですね。

C)ちゃんと恋をしよう。
私の推測でしかないのですが、被告人が「全てを失っても欲しかったもの」と言うのは「青春時代の恋」だったのかな?と思うわけです。
根拠は無いのですが、それなりの恋愛経験があれば、この事件は起きなかったのかな?とも思うわけです。
ただし、結局は10代、20代の若い世代の話なので、上の年齢の人には対策になりませんね。

こう考えると、被告側で決め手になるような対策方法は無いかもしれませんね。

次に被害者側での対策なのですが、これは結構難しいですよね。
難しいと思うのは、相手が危害を加えてくる事を予測できない事なんです。
事前に殺害予告でもしてくれれば、具体的な対策ができますが、犯行を予測できないので、対応が難しいです。
特に客商売で相手がお客の場合、この事件でもそうですが、「あまり酷い対応はできない」と言う心情は理解できるような気がします。
「店の悪い評判を立てたくない」と言うのは客商売ならあると思うんです。
純粋なストーカーの方が対応しやすいかもしれません。

なので、どこかで線を引いて、対応すると言う事になると思います。
思いつくところでは

あ)客と2人きりにならない。
この事件のように「お店の中」で接客するような場合は、可能かもしれないけど、職種によっては、そもそも「それが仕事」と言う場合もあると思うので、場合によるかもしれませんね。
それに、通勤中を襲われる可能性もあるので、タクシーや自家用車で通勤する方法もあるけど、車から降りないわけにはいかないので、結局、スキは出来てしまいますよね。

い)プライベートな通信を行わない
簡単そうで難しい、結局、営業の通信(LINEやメール)をしても、相手がそれをプライベートなものと誤解するかもしれないので、これも対策にはならないかな。

う)怪しい人は出禁にする。
「あの人、出禁になってもしょうがないよね」って誰もが納得してくれるような、トラブルを起こしてくれれば、出禁にする事もできるでしょうけど、多分、そうはならないので、条件付きで「有り」だけど、簡単にできる事でもない。それに、実際に来店してしまった後、追い出す方法なども必要で、かえってトラブルを大きくしてしまう可能性もありますね。

ここまで考えても、被害者側で対策するのはかなり難しいと思います。
この事件でも、被害者が有効な対策がとれなかったのも、そういう事情なのかな?と思いますね。

そもそもが、「お店の雰囲気を良くして、お客さんに気分良く過ごしてもらう」を実践しようとすると、被害者側で、できる対策は無いかもしれませんね。
このあたりは、お店をやっている方のご意見を伺いたいですね。

結局、有効そうな対策を一つも思いつきませんでした。それだけ難しい事件と言う事なんでしょうね。

亡くなった女性のご冥福をお祈りします。

参考リンク
大阪市カラオケパブ女性オーナー殺人事件その4(起訴)

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