世田谷一家殺人事件再考その23
今回はこの「事件の計画性」について考えてみたい。
前回も書いたけど、この事件は意外に計画的では無い部分が目につく、逆に計画性が感じられるのは唯一、「事前に包丁」を用意していた点だけだろう。列挙すると
計画性が感じられない部分
1)侵入経路が2階の浴室の窓
ここは事前に鍵が掛かっていない事を知らなければ、侵入経路としてはリスクが大きすぎると思う。なにしろ、事件当日は年末だから、大掃除をして鍵を閉めてしまうかもしれないからね。さらに、よほど、体力に自身がないと侵入自体が難しい場所でもある。
2)金目当ての窃盗が主な目的にしては、奪った金額が小さい
多額の金額が必要ならば、個人の家と言うのはターゲットの選択としてどうだろう?被害者がそれほど裕福で自宅に多額の現金を持っている情報があったのであれば別だが、そんな情報は今の所ないけどな。
3)遺留品や決定的な証拠を残している。
本来、犯人は警察の捜査から逃れる方向で犯行を計画するのが普通だ。
その中で決定的証拠を残さない事が一番重要な点になる。たとえ、予想外の怪我をしたとしても、血液や指紋を現場に残さないようにするのは、刑事ドラマをみていれば、小学生でも気づく事だろう。
4)不必要な滞在時間
2)とカブるけど、プロの窃盗犯なら、現場に意味もなく長時間留まる事などしないはずだ。それだけ、発見されるリスクが高くなるからね。
5)事件の隠蔽工作が無い
この点は微妙な所だけど、遺体を現場に放置してしまうと、一見して事件である事がわかる。そうなれば、第一発見者が最初に警察に連絡する事になり、逃亡が難しくなる可能性が高くなるわけだ。時間的が無くて、現場に放置したのならともかく、この事件では遺体を隠す時間はたっぷりあるわけだから、逃亡もせず、遺体を現場に放置する事は犯人にとってはあまりメリットの無い行動のように思える。
こんな所だけど、やはり、この事件は計画的な犯行じゃないと思うな。
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コメント
犯人の目的は、宮沢さんへの怨恨もしくは・・・・だと考えます。
意外と身近な人物だと思います。
投稿: 通りすがりの者 | 2006/01/17 07:26
怨恨説もかなり有力な説なんだけど、怨恨だとしても、謎はあるんだよね。
投稿: ASKA | 2006/01/17 23:40