世田谷一家殺人事件再考その24
前回の記事でこの事件は計画的な犯罪では無いと推理した。
しかし、そうすると、無計画で突発的な事件なんだろうか?この部分は犯人の動機に繋がる部分なので、慎重に考えてみよう。
この事件は警察も悩むほど、犯行の動機がつかめない事件です。しかし、お金を盗んでいる点から、「金目当ての犯行」。
遺体の損壊状態が度を越えている事から「怨恨」と言う二つの見方が大勢を占めています。それ意外では「快楽殺人」とか、あるいは、それ以外のもろもろの推理も出てますね。
犯行の計画性の面からそれぞれの場合について考えてみよう。
1)金目当ての犯行の場合
この場合、計画性が無いのはターゲットの選定が無計画だからだね。街を歩いていて、目のついた家に侵入した結果だと考えると、それなりに説得力がある。しかし、この場合、遺体を必要以上に損壊している点や、事件当時現場付近にあった4件の家の中からなぜ、被害者宅を選んだのかが謎として浮かんでくる。
2)怨恨の場合
怨恨の場合、無計画と言うのがそもそもの問題となる。誰かに復讐しようとしたら、方法は大きく二つだろう。激昂してその場で殴り倒すか、計画的に相手に復讐するかだよね?
だから、無計画と言うのであれば、犯行日に近い時期に被害家族とそれなりのトラブルを起こしている事になる。被害者家族の周りでトラブルがあったと言う情報は無いのでなんとも言えない部分だよね。
しかし、この場合は現場に残された証拠が一つの謎になる。
犯人は被害者と接点があり、警察の捜査線上に浮かぶ可能性が高いわけで、現場に指紋やDNAと言った犯人の特定に繋がるような物を残すのはいかにも、ミスだよな。
あるいは、無我夢中で犯行を行った為、細かな事に気が回らなかったと言う可能性も考えられるけど、殺害後は目的を達成しているわけで、なぜ10時間も現場に留まる必要があるのかと言うのも疑問だね。
ついカッとなって一家全員を殺害した。犯行後は目的を達成し、いい気分でいたが、ふと、お金も欲しくなった。それで、上機嫌で家の中を物色した?そうだとしたら、相当単純な人かもしれないな。
犯行に使った柳刃包丁については以下の情報がある。
1999年6月に刃物メーカーが約1500本製造し、11月中に世田谷、杉並区内で13本販売、犯行前日の29日に被害者宅から3.5キロのスーパーでも2本が売られている。
意外な事に凶器の線は警察はあまり触れていないんだよな。トレーナーが残り数枚だけど、凶器の包丁は持ち主を絞りこめないのかもしれないな。
3)快楽殺人の場合
快楽殺人については、遺体を過度に損壊している点や家族全員を殺害している点などから挙がっている説だろうな。
この場合、無計画である点に相当違和感がある。ただ殺人を楽しむのであれば、被害者は誰でも良いわけで、わざわざ難しい侵入経路から侵入して犯罪を実行する必要は無いだろう。また、いくら凶器を持っているとしても、成人男子の居る家をわざわざターゲットに選ぶのはあまりにリスクが高くないだろうか?
ちょっと、決め手に欠けるけど、いづれの場合も次の謎を上手く説明できる説が有力な説になるだろうね。
・過度の遺体損壊の謎
・犯行後10時間以上の現場滞在の謎
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コメント
いつも楽しみにASKAさんの説を読んでいます。
さて、今回の推理ですが、私は2番だと思っています。年齢も16から21歳ぐらいだと思っています。ある程度説明はつきます。
今後の推理の展開を楽しみにしています。
投稿: 通りすがりの者 | 2006/01/18 07:02
このブログはどちらかと言うと、自分の考えを整理する為に書いているのですが、そう言っていただけると嬉しいです。
投稿: ASKA | 2006/01/19 00:15