奈良女児殺害事件再考
今回は近年のいたずら目的の女児殺害事件では遺族の心をもてあそんだと言う意味では一番残酷な「奈良女児殺害事件」をまとめてみます。
奈良市の市立富雄北小学校1年7歳女児が2004年11月、下校途中に連れ去られ殺害された事件で、わいせつ誘拐や殺人、死体遺棄、死体損壊など8つの罪に問われた元新聞配達員37歳被告の論告求刑公判が5日、奈良地裁で開かれ、検察側は「自己の性欲、支配欲、自己顕示欲を満たすための計画的な犯行で卑劣かつ極悪、残虐極まりない。被害児童の両親の処罰感情も峻烈(しゅんれつ)。被告人は真しな反省や謝罪の態度を示していない上、更生意欲が欠如しており、矯正はもはや不可能」と指摘し、被告に死刑を求刑した。
起訴状によると、被告は2004年11月17日午後1時50分ごろ、奈良市学園中五丁目の路上で、下校途中の女児に声を掛けて車で連れ去り、自宅マンションの浴槽に殺意を持って女児を沈めて水死させた。殺害時に被害者を裸にして殺害後に服を着せたと見られている。手足には擦り傷があり、この擦り傷は殺害後に意図的につけたものと判明した。歯も殺害後に数本抜かれていた。
同日午後10時ごろ、平群町菊美台二丁目の道路脇側溝に遺体を遺棄した。
11月17日夜、犯人が被害者の携帯電話を使って「娘はもらった」と母親にメールを送る。そのメールには殺害された被害者の画像も添付されていた。この携帯電話はGPS機能付のものだったが、犯人は使用後、携帯電話の電源を切っているか、その機能をOFFに設定している。
また同年12月14日午前零時ごろ、河合町中山台一丁目の中山田池公園東側駐車場で、持っていた女児の携帯電話から母親の携帯電話に「次は妹だ」という新たな犯行を予告するメールを母親の携帯電話に送りつけるなどして脅迫した。
このメールにも被害者の画像が添付(1枚は11月17日のものと同じ)されていた。
小林被告は2004年12月30日、わいせつ誘拐の疑いで逮捕され、2005年1月19日に殺人と死体遺棄容疑で再逮捕された。その後、死体損壊と脅迫容疑で追送検され、同事件でが強制わいせつ致死罪を加えた6つの罪で起訴。
さらに、北葛城内の別の女児への強制わいせつ罪、滋賀県内の民家から子供用を含む女性の下着や水着を計31点を盗んだ窃盗罪で起訴された。
逮捕のきっかけは、女児の携帯電話から被疑者の携帯電話にメール発信がされたことにより、その通信記録から被疑者が割り出された。被疑者は行きつけのスナックで被害者の画像を店員や客に見せていた。
女児が犯人の車に自分から乗るところを目撃されており、顔見知りによる犯行も取り沙汰されたが、実際には行きずりの犯行で、被疑者は「女児とは面識がなく女の子なら誰でも良かった」と自供した。
一連の事件について、容疑者は「わいせつ目的で7、8歳の女児なら誘拐できると思った」とする一方、「殺害した時は、頭が真っ白になった」と話すなど、不可解な供述を繰り返している。
「社会復帰できたとしても性的衝動を抑える自信がない。死刑になっても構わない」という意味の供述をしている。
容疑者は過去に2回、幼女に対する事件で有罪判決を受け、強制わいせつ致傷罪で1度服役している。
2005年4月の初公判からこの日の論告求刑公判を含む計9回の公判で検察側は、犯行は計画的で事件の背景には女児への異常な執着心や加虐性、世間に対する顕示欲があったと指摘。一方、弁護側は起訴事実は争わず、被告が幼少時代から受けたいじめや母親との死別、父親からの暴力など生い立ちが犯行に影響を与えたとし、情状鑑定を申請。同鑑定では被告は犯罪傾向を伴う「反社会性人格障害」「小児性愛」と診断されていた。
論告で検察側は「被告人には反社会的性向、特に性犯罪に対する傾向と人命軽視の態度が顕著な上、更生意欲が欠如しており、犯行後の行動も最悪。その危険な犯罪性向の矯正はもはや不可能」と指摘。「これほど人倫にもとる冷酷な犯行はかつて例がないほどで、犯行に至る経緯、動機のいかなる面からみても被告人に有利にしん酌すべき事情は皆無」と述べた。
とこんな所ですね。しかし、なんというか、もう開き直ってるし・・・
被告人にとっては多分、「どうせつまらない人生ならやりたい事やってやる、それで死刑になってもかまわないさ」と言った自暴自棄な状態なのかな。
こう言うタイプが一番厄介だよな。広島女児殺害事件の裁判に比較すれば、逆に更生の余地が無いのは本人が言っている話なので、死刑と言う判決も出しやすいような気がする。
殺害した女児の映像を携帯メールで遺族に送りつけるとか、更に「妹も狙う!」とか、殺害後の遺体の歯を抜くとか(目的は想像しましょう)、見事な鬼畜ぶりというか、悪役ぶりで、ある意味珍しい事件だと思う。どこか酒鬼薔薇事件に通じる所があるかな。
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コメント
この被告は大人の女性とも関係をもてたんですよね。
1人でも事件内容があまりに酷いと死刑もあるんですね。
投稿: コロ | 2006/07/05 23:37
コロさん、こんばんは
1人でも死刑もあるかと言えば、あるんですが、犯罪の内容が問題ですね。
誘拐殺人とかだと可能性が高いのですが、この場合はまだ微妙な所だと思います。
しかし、最近の厳罰化の傾向からみると、この事件は広島の女児殺害事件に比べれて、ずっと死刑の判決が出しやすい環境にあると思います。
投稿: ASKA | 2006/07/05 23:59
>どうせつまらない人生ならやりたい事やってやる、それで死
刑になってもかまわないさ」と言った自暴自棄な状態
私もそんな気がします。
そう考える人にでも死刑以上の刑がないから抑止力になるもの
がないですね。
投稿: コロ | 2006/07/06 01:14
コロさん、こんばんは
そうですね、死刑を覚悟している犯人にはもう、何も怖い物がありませんから、正直お手上げですね。
投稿: ASKA | 2006/07/06 22:55