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2006/11/03

世田谷一家殺人事件再考その51

今回は迷探偵にゃんこさんの推理を紹介します。

犯人の所持品から見つかった「砂」には2種類のものがありました。
1)ヒップバック、ジャンパーからみつかったカリフォリニア州の砂
2)ジャンパーポケットから見つかった三浦半島の砂
さらに
3)飼育用のエサを食べた鳥の糞
も発見されました。

1)2)に関しては従来、スケートボードやサーフィンとの関連から、犯人の
渡航経験を裏付けるものと言われてきましたが、私はちょっと別の見方をしてみます。それはどういうことかというと、

「カリフォルニアや三浦半島に行かなくても、砂のほうからこちらにくることもある」ということです。

「カリフォルニア」「三浦半島」はいずれも「観葉植物」の産地です。
(一応「砂」そのものの輸入についても調べてみましたが、砂の主な輸入先は中国のようです。)それらの観葉植物の世話を趣味、あるいは仕事とする場合、自然と園芸用具を無造作にポケットに入れ、砂が残留するということはありうる。さらに熱帯の「鳥」を飼育している場所、そんな場所はイメージできるはずです。

「様々な熱帯植物が陳列された、例えばサボテン園のような施設」です。

さて、こうした場所を趣味で維持していると考えると無理があります。やはり仕事でかかわっていたと見るのが自然でしょう。では、犯人はそうした場所の管理維持に関わっていたのでしょうか。いや、先の「原発を含む非破壊検査業」という、「臨時雇いで現場の移動の多い」仕事との類縁性から考えて、私は

犯人は「造園業」に関わったことのある人物と思うのです。

「造園業」の線について警察は当然調べていると思うのですが…
なぜなら、被害者宮澤さんは「造園」と深いかかわりのある人ですから…
以下は実在の企業や個人に関わることなのでぼかして書きます。

webでこまめに被害者宮澤さんの経歴について調べてみると、大学卒業後、短期ですがある「造園関係の研究所」に勤めていることがわかります。この研究所は大学の先生が、いわば、自分の活動拠点としてそう名乗っているようなもので(しかし、時には株式会社として紹介されていることもあります)小規模のもののようです。「造園」といっても伝統的な日本庭園ではなく、公共施設などの園庭を設計する立場です。「ランドスケープ」という概念を用いて心地良い空間を提供するというのがその研究所の目的であるようです。

研究機関ですから、もちろん実際の施工はできるはずもありません。ところがこの先生はある会社の理事を務めており、その会社が「造園業」をしています。実際の施工はここに依頼することが多かったのではないでしょうか。仮に「I社」としましょう。

私はこの「I社」で、あるいはその下請け会社で犯人は日雇い労働などをしていたのでは?と思うのです。
それはこの「I社」が、造園だけではなく、

「廃棄物の処理」をも業務としているからです。

ちょっと話は戻って、被害者宮澤さんのコンサルタントという仕事ですが…

近年、構造不況と市場の自由化に伴って、注目されはじめた業種ですが、その実態はよく知られていないかもしれません。宮澤さんが手がけていた「CI」など代表的な業務ですが、こうした企画広告宣伝的な手法の一方で、リストラクチャリングやガバナンスの明確化、具体的には「人事問題」が重要な業務でもあり、そうしたところから、自ら覚えはなくとも「逆恨み」を買う可能性のある仕事と聞きます。

また、週刊誌などが明らかにしているように、「副業」という形で宮澤さんはいくつかの仕事を抱えていたという事実もあるようですが、これもよくある「できるコンサルタント」の特徴で、複数の業種にまたがって仕事をすればするほど、人的資源の交流が出来るというわけです。週刊新潮は大阪府警関係者の談話として、宮澤さんが「労働者の口入れのような仕事にもかかわっていた」と書いています。

不幸にしてなくなられる直前にも「空港のラウンジ」の設計という、どちらかといえば「土木畑」の仕事もこなしています。

私はそうした仕事のなかに、宮澤さんが大学卒業後すぐにかかわった「造園」関係の仕事も継続的に入っていた、と思うのです。

そして、そうした人的資源の交流として、「I社」ないしその関連の下請けに(それが安全で合法的なものであっても)廃棄物関連の仕事を依頼していたとしたら?宮澤さんにはまったく覚えなく、また事実無根であっても、「逆恨み」の原因ということになりかねないのでは?

私の論点の弱いところを最後に白状しておきます。

★「I社」は「放射性廃棄物の処理」なんてぶっそうなことまではしていません。(少なくとも表向きは)

しかし、こうした業種から、犯人は後に非破壊検査系の仕事に移行していったのかもしれませんし、「下請け会社の労働者」として別の親会社の依頼を受けたのかもしれません。

また、廃棄物処理に犯人が係わっていたかもしれない、という論拠には、例の「早朝のネットサーフィン」があります。犯人が見ていたHPは、「劇団四季」を別とすれば、

科学技術庁、化学会社、大学の研究所(!)

です。どうもこれは宮澤さんの「お気に入り」をたどったとしか思えない…もし犯人が自分で検索してみていたとしたら、それこそ、造園⇒廃棄物処理or非破壊検査ということになります。「お気に入り」を見ていたとしても、犯人は…

「自分と宮澤さんの接点を再確認し、痕跡が残っていれば消したい」

と思っていたか、

「(事実無根でも)宮澤さんが自分たちに不利な仕事をさせた証拠をさがしている」

の、どちらかではないでしょうか。

「風呂桶に書類をぶちまけての探し物」

も、同様の動機でしょう、きっと。
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ここまでがにゃんこさんの推理です。
簡単にポイントをあげると

1) 遺留品の「カリフォルニア」「三浦半島」の砂は砂自体が観葉植物と一緒に輸入されている可能性がある。
2) 熱帯の鳥の糞と観葉植物から「様々な熱帯植物が陳列された、例えばサボテン園のような施設」が連想される。
3) みきおさんは造園業に関わりがあった可能性がある。
4) 「原発を含む非破壊検査業」という、「臨時雇いで現場の移動の多い」仕事との類縁性から考えて、犯人は「造園業」に関わったことのある人物と思う。
5) みきおさんと関わりのあると思われる造園業者は「廃棄物の処理」をも業務としている。
6) みきおさんは、コンサルタントの立場から人事問題や口入れなどにより逆恨みされる可能性がある。
7) ネットサーフィンの理由は
「自分と宮澤さんの接点を再確認し、痕跡が残っていれば消したい」
あるいは
「(事実無根でも)宮澤さんが自分たちに不利な仕事をさせた証拠をさがしている」

とこんな所なんだけど、
1)の砂が輸入されたかもしれないと言うのは新しい見方だと思う。
3)のみきおさんが造園に関わりがあったと言うのは未確認だけど、可能性はありそうだね。
4)犯人が造園業と非破壊検査に関係がある人物と言うのは遺留品を説明する上では、矛盾がなさそうだね。
5)の廃棄物の処理と言うのは、意外にモナザイトと結びつくかもしれないね。
にゃんこさんは、放射性廃棄物の処理は表向きしないと言う事だけれども、私が調べたモナザイトの情報をみると、モナザイトのような放射性物質が一般の廃棄物処理場に捨てられた事もあったと言う事が分かっています。
一般の廃棄物処理業者が放射性物質と知らずにモナザイトを処理した可能性がありますね。
例えば、大規模なラドン温泉設備の解体廃棄の仕事をしたとしても、作業者はその中に放射性物質があるとは気づかないでしょう。
あるいは、逆に上層部が作業員に知らせずに作業させていたかもしれませんね。
それがみきおさんの口利きで仕事をしたのなら、みきおさんを逆恨みしても仕方ないでしょうね。
これは妄想ですけどね。

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コメント

今回も私の長文とりあげてくれてありがとうございます。

「造園の研究所」「先生」「I社」については、実在の会社、人名であることを考えて、こちらにご迷惑をかけないために、明らかにしませんでした。(「先生」の「I社」における役職「理事」も事実とは少し変えてあります。)

実名ズバリではなく、私がやった「検索方法」を2~3日のうちにお教えします。自分でもどうやったかうろ覚えなので、もう一回やってみます。今日はもう遅いので…

それから、「地蔵」のこと、覚えていますか?警察は事件に関係あるものと考えています。「地蔵」が宮澤さん宅の近くに置かれたのはたしか、未明のうちだったと…

1)石の地蔵を徒歩で運ぶことはできません。自転車やバイクで運ぶのも無理でしょう。最低クルマ。軽トラが理想です。
2)石の地蔵をどこで買いますか?石工屋ですか?事件後3ヶ月間の「あの地蔵」を売った石工屋はすぐに調べられそうです。いかにも足がつきそうです。

ということは、

★深夜に軽トラックに石地蔵を乗せていく。地蔵は事件後に買ったものではなく、どこかにストックとしてながらく保管し、自らが管理していたものである。あるいは、すでにある場所に設置されていたが、盗んでもバレないことを自分は良く知っている。

なら、OKでしょう。さらに、輸送中に「職務質問」に出会っても…

「あ、私、造園の仕事してるんで」

と言えば問題がないはずです。

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2006/11/04 01:26

さて、検索の方法ですが、やってみて思い出しました。
1)「宮澤みきお」「コンサルタント」で検索をかけ、最初の1ページを丹念に確認すると、ある週刊誌の記事の転載から、宮澤さんが「○○研究所」に所属していた旨がわかります。

2)続いて、その「○○研究所」だけで検索すると、その研究所の主催者がわかります。この方が「先生」です。
どこで読んだか、忘れてしまいましたが、この方は宮澤さんが東大の農学部にいたころの先生でもあったはずです。

3)この「先生」の名前だけで検索を書けると、じつは「○○研究所」の名前は「研究所」の部分の名前は別の呼び方になっている場合のほうが多いことがわかります。おそらくこちらが正しい組織名なのでしょう。

4)さらに「先生」の名前だけで検索の状態で4ページ~5ページほどの部分を良く探すと、「先生」の名前と「I社」の社名が連記されていて、「先生」の「I社」における役職もわかります。

5)「I社」の社名がわかったら、その社名でHPを検索してください。ここをよくさがすと、「I社」が「日○廃棄物コ○サ○タ○ト協会」に所属していることもわかるはずです。

以上で検索したキイワードを使ってさらに検索をかけると他の情報も出てくるかもしれません。(例えばI社の廃棄物処理に関する簡単な実績など。)

以上の説明になにか問題があるようでしたら、ご遠慮なく、この文を削除してください。

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2006/11/05 00:14

このところ、私ばかり連投してすみません。

次回は「犯行の動機」について、私の「完全な妄想」を書いてみようかと思っています。

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2006/11/05 00:20

にゃんこさん、こんにちは、長文お疲れ様です。
お陰様で検索の方、うまく行きました。
にゃんこさんの推理の裏付けを見つける事ができました。
この研究所でみきおさんがどんな仕事をしていたのかが気になりますね。
契約社員だし・・・先生の個人HPがあったので、そこで紹介された研究所の業務は「江戸時代の宿場がある福島県下郷町の地域計画を初め、青森県弘前市弘前城跡三の丸(弘前公園)の計画・設計等の業務を行ってきた。」
とありますが、それほど経営の実態はなさそうですよね。
その意味では卒業後の進路に悩んだみきおさんを、進路が決まるまで一時的に雇用した形にしたのかな?なんて考えてしまいます。
なにしろ、この期間もみきおさんはアニメ関係の活動をしてたりしてますからね。
もしそうなら、先生とみきおさんは意外に強い結びつきがあったように思います。
このルートで何らかの仕事があった可能性はありますね。

にゃんこさんの「完全な妄想」楽しみにしています。
まーこのブログは時間の制約がありませんから、気の向いた時に書いてもらって大丈夫ですよ。
気楽に書いてください。

投稿: ASKA | 2006/11/05 12:46

大変古い話題を持ち出して申し訳ありませんが、みきおさんの大学の恩師はAK氏で現在の会社名はI社からC社に名称変更されている所でしょうか?

投稿: 事件解決を望む者 | 2013/11/12 12:09

※不適切なら掲載しないで下さい
「ダム」「非破壊検査」で検索するといろいろ出ます…

投稿: 事件解決を望む者 | 2013/11/12 20:46

チタン酸バリウム磁器から成る水中ソナーはダムの水質調査に使われるようです
また蛍光塗料もダムの検査に使われるようです 理系音痴なので詳しい方のフォロー欲しいです

投稿: 事件解決を望む者 | 2013/11/14 18:09

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