« 茨城バラバラ事件の謎!その7 | トップページ | 世田谷一家殺人事件再考その67 »

2007/01/26

世田谷一家殺人事件再考その66

今回は犯人が書類を風呂場に散乱させた事について考えてみよう。
これを考える上で関連する情報としては
・1階の引き出しを2階の風呂場に運んだ(2005年秋の週刊現代)
・1階の書斎から書類を大量に持ち出し、浴室で物色(2002年1月の週間文春)
・犯人による室内の物色の跡は、2階部分に集中していた。2階の居間では、タンスや机などのほとんどの引き出しが開け放されたり、ひっくり返されたりしていた。仕事関係の書類などが床に散乱していたほか、ふろ場の浴槽内にも書類が持ち込まれ、散乱していた。
1階はほとんど手つかずで、本棚わきには、何かの支払い用とみられる現金がポリ袋に入ったままの状態で置かれていた。(2001年1月朝日新聞)
・室内の暖房を一晩中つけずにいた(2002年2月新潮45)
・アイスクリームのカップは風呂場に1つ、キッチンに1つ、1階PC脇に2つ(2005年秋週刊現代)

風呂場に散乱した書類は1階の書類か2階の書類かは不明だが、とにかく犯人は風呂場に書類を散乱させたのは間違いなさそうだ。

これをどう考えるか?と言う事なんですが、まず前提条件として、犯人が風呂場に入ったのは何か理由や目的があったとします。
かといって手がかりは何もないんだよね。そこで、風呂場のイメージから考えます。
風呂場から連想するイメージを列挙すると
1)水、お湯
2)シャワー、浴槽
3)寒い(冬の風呂場は寒いだろう、当時はまだ風呂場暖房とか無いしね)

次に現場の家の中の場所としてのイメージは
4)2階
5)公園側の閉ざされた空間
6)犯人の侵入路

最後に書類のイメージは
7)重要な物、汚してたり、ぬらしたり、破いてはいけない物
8)廃棄するなら、シュレッダーなどで安全に廃棄しなければならない物

これらのイメージから犯人の目的を推理します。
そこで、現場で重複するイメージを消去していくと
1)水、お湯は2階のキッチンにもある。風呂場の必要性はない。
3)寒い。部屋が暖房されていなかったと言う情報もあるけど、仮に暖房があったても、トイレや廊下などなら相当寒かったはずで、風呂場の必要はないだろう。
4)2階。2階である場所は他にもある。

と言う事で5)と6)あたりに意味がありそうだ。

(07/01/26以下追記、書類のイメージについての記述が抜けてました)
書類についてはどうかと言うと
ハサミで切ったり、手で破いたりしたとしても、書類を破棄した事にはならない。
書類の断片から警察は内容を読み取るだろう。
つまり、これらの行動は犯人にとってあまり意味が無いだろう。
もし、現場で書類を破棄するなら、小さくちぎってトイレに流すか、燃やすだろうね。

さて、ここからはいつもの妄想です。
現場の家は玄関が1階に一つだ、勝手口もないようだ。つまり、警察や誰かがこの家に入ってくるとしたら、1階の玄関からだろうね。あるいは訪問者が1階窓から何で倒れているみきおさんを見て緊急事態と判断しても、1階の窓を破ってはいるぐらいでしょ、いずれにしても誰かが入ってくるのは1階だろうね。

そして、1階で夜中に明かりが点いていれば、不審に思う人間もいるだろうし、ペンライトなどを使ったとしても、逆に小さい光が移動していれば不審に思われるだろうな。
犯人が1階をあまり物色していないと言うのはこのあたりが理由だろうと思う。

だから、1階の書類を2階に運んで調べる行動はそれなりに自然に思える。
問題はなぜ風呂場なのか?と言う点だね。
2階のリビングもあらされているので、風呂場に運ぶ必要は無いだろう。

しかし、犯人にとって予想外の事が現場で起きたのではないか?と私は考えています。
それは例の「ドスン、ドスン」と言う隣家にまで響いた大音響だ。
他の人間にはただの物音だろうが、殺害現場にいる犯人にとっては、それだけではすまないだろう。
「誰かが来るかも?」と考えても不思議じゃないよね?
そこで、犯人はこの家の中で最も逃亡しやすい場所へ逃げ込んだのではないか?
と言うのが私の推理です。
しかし、まだ探し物は見つかっていないので、風呂場に書類を持ち込み探しながら、様子をみていたと言う所かな。

しかし、そこで問題が発生する。
風呂場に逃げ込んだのは良いのだが、ではいつまで隠れていればよいのか?その判断が犯人にはできなかった。
風呂場の外で物色を続けたが続けたいが(07/01/27訂正)、誰が何時くるか分からないと言う状況で強いストレスを受けていたんじゃないかな?
それで、手元にあった不要な書類をこれまた、手元にあったハサミで切って暇つぶしをしたり、冷蔵庫からアイスクリームを出して食べたりしたのではないだろうか?

そうこうして時間が経過し、もう大丈夫だと判断して、長居を決め込んだんだろうね。

とこんなところが私の推理です。
ただし、例えばキッチンの流し台には夕食の食器などがあって、使えなかったと考えると、「水」や「お湯」と言うのも考えられる。
例えば、水に濡らすと文字が浮かぶ物とか、逆に水に溶ける水溶紙とかね。
しかし、この方向で考えるとモナザイトに絡む核物質の不正取引なんて事を連想してしまうけどね。

さて、私の推理通りに犯人が逃げやすい場所に隠れていたと言う事になると、もう一つの事がわかる。
つまり、「探し物が見つからなくても誰かが来たのなら犯人は逃げよう」と考えていたと言う事なんだよね。
これは重要な事で、犯人にとって探し物はそれほど重要な事ではないと言う事なんだよね。
もし、犯人の人生を左右するほど重要な物なら、物音に不審に思い現場を訪れた人間も殺害して探し物を探すのではないだろうか?
しかし、この時、犯人は利き手の手の平に傷を負っていて、戦闘できる状態ではなかったかもしれない。

もっとも、逮捕されてしまえばほぼ死刑なわけで、逮捕されない事を優先したとも思えるけどね。

今回の内容だけみると、犯人は意図しない大きな物音に驚いて、風呂場に隠れて様子を見ていたなんて犯人像になり、私としては若年者のオドオドしたイメージになるけどな。

今回の推理は正直な所、あまり自信がありません(^_^;)

|

« 茨城バラバラ事件の謎!その7 | トップページ | 世田谷一家殺人事件再考その67 »

コメント

千切る。疲れたから、鋏で切る。ダメ押し水漬け。
とりあえず、書類はパアになった・・・ってこと?

投稿: ナガイ | 2007/01/26 13:30

ナガイさん、こんにちは
本文に説明が抜けていましたね。追記しました。
そうですね。それでは書類を廃棄した事にはならないので、それらの行為には特に意味は無かったと思います。
暇つぶしと言う所かなと思っています。

投稿: ASKA | 2007/01/26 15:41

記事などを探していたときに、こういうブログに遭遇しました(もうご存知でしょうか?)。
http://ultrabigban.cocolog-nifty.com/ultra/2006/08/post_7529.html

やはりお風呂場の書類については警察も緻密な捜査済みで、結果的にそこから犯行につながるものは見つからなかったという事だと思うのです。でもこのブログを見てそれが「何」だったのかすごく気になったし、「立ち退き料」の事も気になります。

小説の中の話だけども…宮部みゆき著「模倣犯」に登場するある少年は、ゲームセンターで友人に「うちに大金が入るらしいんだよ」と軽口を叩いていたのを偶然に聞いた犯人一味によって家族を皆殺しにされるのですが、そういう可能性もなきにしもあらずだなぁ…なんて。

ただ、もし「あるもの」もしくは「大金」を狙っていたとしても、一家全員を殺してでもそれを手に入れようとするのは相当な覚悟のいる、一か八かの大勝負だったろうと思うのです。なのにこの犯人は、まるで見当がつかない暗証番号を推測しようと?キャッシュカードや身分証明書類を並べて、ただただ10時間以上もその場で過ごしていたとすれば、ずいぶん間の抜けた犯人ではないですか?これほど大きな危険を負いつつ、結局この犯人が手に入れたのは、たかだか20万程度の現金家族と、4人のあまりにむごい死だけだった。

私はやはり、犯人は「隠れた異常性を持った若者」で、その他はすべてフェイクだった、という説から抜けだせないなぁ。

投稿: kishi | 2007/01/26 19:42

kishiさん、こんばんは
紹介していただいたブログは大変興味深いですね。
80年代から90年代の狂乱の時代と言うのはバブルの事を指しているんでしょうね。
あのころはと言うとやはり、地上げに絡んだ土地取引と言う事かな?
でも、みきおさんの経歴の中に不動産業に関わった記録はないけどな。
コンサルタント業はそういった仕事もするのかな?
少なくとも仕事関係でのトラブルの線はありそうですね。

投稿: ASKA | 2007/01/26 20:30

ASKAさん、みなさん、今日もこんばんはー( ̄▽ ̄)

ASKAさん>うん、それか、仕事のつながりで得られた情報をもとにした、ちょっとした株関係の収益(インサイダー?)なんてのは?その辺は私は知識がないので(他の知識もないけど)よくわからないのですが…。今でこそインターネットを利用した副業で収益を得ている人ってたくさんいるようですが、あの当時でも、みきおさんは会社に属していながらも、趣味のアニメとか?で活発に個人的な活動をしてたみたいですからね。個人的に何かやってたかも?

投稿: kishi | 2007/01/26 21:31

kishiさんまたまたすごいもの発見ですね…

自説への誘導ではないのですが、「再開発」「廃棄物処理」「造園」「土木建設」「地方公共団体」…いろんなキー・ワードが思い浮かびます。
現在でもそうですが、「コンサルタント」という仕事、実体が見えにくいですね。

犯人の書類の扱いについては「長考」です(笑

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2007/01/26 22:23

ニャンコさん、こんばんは
そうですね、バブルと言えば、「土地」と「株」ですね。
株券も書類の中にあるかもしれないですね。

投稿: ASKA | 2007/01/26 23:14

「株」って詳しくないんですが、名義の問題とかあるんじゃないでしょうか?株に縁のない貧乏人なもんで(笑

ちょと自分なりの整理メモを書いてみます。

絶対条件)薄くて書類に挟まるもの…(ナガイさん説)

1)(持ち去られたと仮定してですが)持ち去っても分からないもの。
 A どの家庭でも必ず一つあるとは限らないもの。
 B 複数あるから一つなくなっても分からないもの。

2)(見つけたが、持ち去っていないと仮定して)何かの情報が書いてあるもの。犯人以外の人間には「特殊な情報」としての価値が分からないもの。

3)見つからなかったと仮定すると…
 A 犯人が探していないところにまだそれはある。
 B もともとこの家にそれはない。(ないから、年賀状、PCに手を出した。もしかしたら年賀状やPCの情報が手がかりになるかもしれないもの。あるいはそれによって犯人の欲求は満たされた?)

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2007/01/26 23:42

さん付けじゃなくて良いですよ…(ノ_・*)

私の中での検索心得その1は「あきらめないこと」ですから(`・ω・´) 。20ページでも30ページでもひたすら検索結果を読み続けてると、たまーーーにこういうのに出くわします(ひま人…)。この事件に関して事情を聞かれた人などの日記を見ると、捜査の一端が見えてきますね。ただ、やはり「あまり公にするものではない」という常識的な心理が働いているからでしょう、聞かれたことに詳しく言及しているようなものにはあまり出会ってません。ほんとにちょっと触れてあるくらいのもので良ければ、一応メモしておきますね(^_^)(ってまた個人サイトだだ流しだけど…汗)

http://everyday-everynight.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/post_18e2.html
http://blog.dreammail.jp/tonao/archives/2006/10/post_328.php
http://lucyjuicy0315yasubo.001.burogu.jp/000103993.html

投稿: kishi | 2007/01/27 00:13

犯人は漠然と探し物をしたわけではない。
対象の明確なイメージが存在した。
形、サイズ、保管されそうな場所。それらは、あらかじめ念頭にあった。
探索すべきか除外が可か。それらも即座に判断できた。
探し物と併行作業で、書類カット&湯漬けも行った。

もう一度振り返ると、
犯人はどこらやってきたのか。
ズボンのポケット以外は空っぽでやってきた。
(ズボンのポケットは裸銭だけで、カギも置いてきたかな?)
庖丁一本 ハンカチに巻いて
殺しに行ったのは修行?行かねばならなかった?
まずは修羅場の大立ち廻りで4人殺害。
その後、せっせと書類調査。誰か来る寸前まで悠々滞在し、
来たら、あっという間にあばよ・・と去った。
そして裏にメーカー名が書いてある靴を履いて、
どこかへ消えてしまった。

投稿: ナガイ | 2007/01/27 05:18

ところで、これまでは主人と犯人の関係説が大半。
(主婦と犯人の関係説は、塾を介したものばかり。)
しかし、探し物は主人の仕事面ばかりでなく、
この家の私的面に及んでいるみたい。
探し物は大きなものではない。大型でない定形外封筒に入る程度の物。
厳重保管物ではなく、そこらに(簡単に)収納されているもの。
古いものではなく、最近のもの。
この家に人しか知らないものではなくて、他人が知っているもの。

投稿: ナガイ | 2007/01/27 06:29

犯人が3人いて実行犯を2人と考え、1人が医療関係者などとして、1人が血に慣れていない者で、もう1人が見張り役?とする。

ハンカチの1枚に3cmの穴が開いていて、生地を穴に通して持ち手に指紋が付かないように、手に血が付かないようにしていた?というのは、2枚あることを考えると1枚を持ち手から包んで縛って、穴の開いたもう1枚を持ち手の下から通して4隅を手に持つような感じが考えられると思う。(シワの状態から?は、1つは顔を隠すためと言われているが、大きさからいうと刺身包丁にハンカチ1枚の穴を通したサイズて足りるのかは不明。)
この使用者が血が苦手な人なら、血でハンカチが染まらないように黒にしたのかもしれないし、香水を使ったのも(量が多ければ)匂い消しにしたのかもしれない。
医療関係者だった場合、怪我をしても自分で処置できたり、皮の手袋などを使っていたかもしれないので、その時は怪我は偽装で他人の型の輸血用のパックを持ってきていたのかもしれない。
バンドエイドを傷に貼っても、小さくて?血で肌に付かずに取れてしまうと思うし、役に立たないと思う。

風呂場で書類などを見ていたのは、血が苦手の人は1階も2階にも死体があり、嫌なのでそれらを見ないですむのが(狭いトイレより)風呂場だけだったからなのかもしれない。死体に引き出しなどが被せられたのも、知り合いの場合もあるが単に血などを見たくなかったからなのかもしれない。
死体などを気にしない人は、1階2階などで他のものを物色している?この人がパソコンも操作していた?

家のカギを外にも隠していたような事を読んだことがあるが、それが使われたということはないのだろうか?
当日、一家で外出した時に犯人が家に入って潜んでいた可能性は?(家が狭い?のでムリがあるかもですが…)

やはりお金が絡んだ(仕事関係の)ものなのか、恨みによるものなのでしょうか?

投稿: | 2015/02/22 00:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 茨城バラバラ事件の謎!その7 | トップページ | 世田谷一家殺人事件再考その67 »