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2007/01/20

逆恨み説

今回は迷探偵ニャンコさんの説を紹介します。
1)動機あるいは犯人像
20前後の男性。金はあまりないが発売直後のエアテックジャケットを通常着用。
黒のハンカチには流行りのコロン。凝り性ではないがオシャレ。友人は多い。身長180近い。
仕事は造園関係の下請け業か?。その後不如意ながら廃棄物処理の仕事(非破壊検査)に携わる。(ユニクロエアテックジャケットの砂、ヒップバックの内容物から。)
仕事ではいつも「その場での行動力」を問われる危険な作業をしている。足のサイズは大きい。人物特定されるのを嫌い、「スラセンジャー」は犯行用に購入した。国籍は不明だが、東京周辺に一年以上は住んでいる。韓国との関係はある。

家族、友人あるいは仕事仲間が放射能の影響で死んだ、あるいは病気になった(という妄想を持っている)。
劣等感からの社会への憎悪というより、宮澤氏個人と関係者を強く恨んでいる。

自分の行動を「正義」と思い込んでいる。

2)家族全員を殺害した理由
放射能廃棄物を扱うはめになった原因が宮澤氏にあると思い込んでいる。家族ないし親密な人物を失った腹いせに「同様の思い」をさせたいと考えた…
ただし、宮澤氏の殺害だけは絶対にやり遂げたいと思っていたため、長男だけは音のしない方法で殺害している。

3)書類を物色した理由
宮澤氏と自分(達)の関係がわかるような書類を抹殺したかった。あるいはその関係を再確認したかった。

4)PCを操作した理由
自身が関係した造園業を仲介した大学の研究室、放射能処理に関しては科学技術庁など、すべて3)と同様の理由で宮澤氏のブックマークをチェックした。(怪我によりマウス操作のみ)
劇団四季のサイト閲覧、チケット予約失敗の意味は不明。(あるとしたら、閲覧履歴が残ると思い、偽装のつもり。)
また、5)に言う「届け物」が届くまでの時間つぶしの意味もある。

5)長時間現場に留まった理由
殺害後の怪我の治療と「届け物待ち」。
殺害を行なう「度胸」は十分な犯人も、殺害後の怪我の治療と、血だらけの身なりの始末には困り、動揺した。侵入時は実は「ユニクロエアテック」ではなかった。着ていた上着が血だらけなため、家族あるいは親しいものに携帯で連絡を取り、エアテックを持ってこさせた。家族ないし親しい人物は、犯人が宮澤氏を恨みに思う経緯を良く知っており、仕方ないことと思う。通常着用しているエアテックを届けようと犯人に現場の住所を問い合わせた。このとき年賀状が利用される。朝になりようやく届けられたエアテックを犯人はなにかの袋から取り出したが、畳んだままで着用する間もなく逃げ出した。(着ていた血だらけの上着はその袋に突っ込んで持ち帰った。同時に、PCのコードも引き抜いた。)
この期間、家族ないし親しい人物と携帯でやり取りをしながら。怪我の治療もこの人物の指示によるものである可能性あり(自衛隊、軍隊、ボーイスカウトなどの経験のある人物か?)

6)現金を盗んだ理由
犯人の所得は低い。3)の行動の派生的な意味合いでアシのつきにくい現金のみ盗んだ。偽装的な意味合いを含めた「行きがけの駄賃」。
あるいは連絡を取っていた人物の教唆。

7)この説のポイントや弱い所など
「ポイント」
A 遺留品のほぼ全てに整合性を与えた。(上着畳みを含む。)
B 現場の実行犯は一名と見られているが、行動は分裂症ぎみ。これを説明するために「消極的な共犯者」を設定した。
C 殺人という「一大事」で現れる「行動の特性」と、犯人の職業を関連付けた。

「弱い所」
A ポケットの砂=カリフォルニアは検疫で輸入が想定できない。(研究職と見るか?)
B ヒップバックの「ガラス球」は非破壊検査で試験用に用いるものよりサイズが大きい。
C 殺害方法は「怨恨」とわかるやり方だが、女性2人の殺害方法が一部で流布している通りなら、若干ずれる。

その後、「やましさ」を感じた犯人は家族(ないし親しい人物)とともに現場近くに「地蔵」を置いて手向けとした。「地蔵」は造園業の経験があるため、出元がバレにくい方法で入手(盗み?)した。職務質問にも耐えられる状況で運び込んだ。

「12月30日」
造園はじめ土木業一般は公共事業(予算消化)との関連から「年末」は忙しい。28日までは仕事の可能性あり。
一方、「宮澤家一家」が揃い、かつ「公文式」が営業されておらず、家族以外の人物がいない時期も「年末」。
年始は親戚、知人などが挨拶に来ることを警戒した。

以上が迷探偵ニャンコさんの説です。
私も今分かっている情報を上手に説明しようとすると、こう言う推理になると思います。

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コメント

ASKAさんこんばんは

推理を取り上げていただいたことお礼申し上げます。

ついでにと言ってはなんですが、その後気がついた「弱いところ」をいくつかあげておきます。

4)犯人は風呂場に書類をぶちまけている。それはいいのだが「手で破る」はともかく「ハサミで切った」ものもある。これは説明できない。

5)2枚の黒ハンカチは犯行用なのか?そこでまでして用意するくらいなら、なぜ包丁のサイズにあったバックを持ってこないのか?さらに、包丁を包むことが目的なら、なぜ「ドラッカーノワール」を使ったのか?「たまたま持っていた」なら、なぜ2枚なんだ?

6)「届け物」待ちにしては、待ち時間が長すぎる。まあ、これはいろんな場合を想定できるが…

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2007/01/21 00:39

ニャンコさん、こんばんは
4)のハサミの件は犯人がこの時、手に怪我をしていたからじゃないかな?
利き手の手の平に怪我をしていたので、反対の手でハサミを使ったと言うのはどうでしょう?
怪我をした手でも紙ぐらいは持てたでしょうし、ハサミなら利き手じゃなくても使えたと思うのですが・・・・

5)香水は意味がわかりませんね。普段が使っている物なら生活習慣と言う事かもしれませんけど・・・
2枚については、1枚が覆面用と言う気もしますが、覆面なら目だし帽のイメージが強いし・・・
ただ、普段から包丁を持ち歩いていて、包丁を包んでいたと言うのもありそうな気がしますが・・・それなら、包丁よりナイフですよね。

6)私は最初の頃、「迎えを待っていた」とか「主犯の指示を待っていた」なんて事も考えていました。
ただ、この場合は犯人の行動がただの「暇つぶし」と言う事になりそうで、この間の行動にあまり意味を持っていないのでは?なんて事になりそうなんですよね。(そうなると推理が難しくなりますよね)

投稿: ASKA | 2007/01/21 01:50

今日は書きすぎですが、気になっていた「ハサミ」の件について。

私が気になっていた点は「なぜハサミ」で切ったのか?ということなんです。自説では風呂場に書類をぶちまけたことにはあまり重きを置いていません。犯人は自分と宮澤さんとの接点を確認するか、その痕跡を抹消することが目的とすると、風呂場に持っていったのはせいぜい…

リビングや一階の窓は、通りに面してほかの住居がある。しかも(セットによってはっきりしたのですが)雨戸がない窓からは明かりが漏れる。風呂場の窓は公園に面していて明かりが点いていても気づかれにくい。

くらいか、と考えています。
そうすると、なぜそこで書類にハサミを入れるのかがわからない。「手で破る」くらいならイライラして逆上と取れます。しかし「ハサミ」は風呂場にないから、一階か、リビングから探してこなければならない。まあ、「持ってきた引き出しに入っていた」という見方もあるけど、どうして切らなきゃいけないのかが分からない。切ったって、そこに記されている情報がなくなるわけじゃないし…

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2007/01/23 23:43

>そこに記されている情報がなくなるわけじゃないし…

ほんとにそうですよね。意味不明。もしも自分とのかかわりを示す書類などだったとしたら、とりあえず持ち帰るとか、燃やす事を考えるだろうし、「バスタブでたき火でもするつもり?」なんて考えたりもしたけど水がはってあったみたいだし。バスタブに不要な書類などを投げ入れるシーンって映画なんかでありそうな気もするけど。

お風呂場にいたのは、犯行直後「騒ぎに気付いて誰か来るかも」と半ばビクビクしつつ、いつでもさっと逃げられるように侵入(=脱出)口であるお風呂場にいたのかな、と。でも誰も来ないし、だんだんくつろいだ気分になってきて、書斎、リビングなどをうろうろ。
あ、もしくは(あのセット写真を見ると)お風呂場の扉をあけておくとその前の踊り場(おそらく母娘が倒れていた)、1階へ続く階段(その下にご主人が倒れている)がまっすぐ見渡せるので、「まだ息があって逃げ出すのでは」という不安などから、様子を確認できる場所にたたずんでいたとか?

投稿: kishi | 2007/01/24 09:44

kishiさん
たしかに、逃げることなんかを考えると、一番いいんだよね、風呂場。こういうところはよく考えている犯人。
だけど、「やっていること」自体は意味不明。
このあとの続きは、ASKAさんの次のお題「書類運び」で…かな。

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2007/01/24 23:17

にゃんこさん
ムヒーッ。もう無理です無理です…。その「引き出しごと風呂場に運んだ」っていうの、私は今のところ記事で見てない気がするんですが、そういう報道があったんですか?

はっ!報道と言えば。えーと、いま、過去の報道記事を整理しつつ、ブログを新規開設してアップしているんです。最初はASKAさんの資料庫コメント欄に書き込む形を取らせていただこうかと思っていたのだけど、あまりにも膨大な数があるので(wikiで引用されている例のサイトなどのも統合してますので)、おそらくあとから修正とかも必要になるだろうし、それではASKAさんにご迷惑かかりそうなので、いったんガシガシひとところにまとめてアップしてみよう、て感じでやってみてます。ここです↓。

http://blog.goo.ne.jp/kishi_kishi/

コピペの連続作業で左手がつりそうになってきたので今日はもうおしまい…。

投稿: kishi | 2007/01/24 23:54

kishiさんありがとう

ずいぶん便利になる。以前、ここは私と「くまのみさん(伝説の魔法使い)」くらいしかこなかったんですが、皆さんが集まってくれたおかげで大分情報が増えてきました。心強いです。

若干偏向ぎみの報道ですが、スラセンジャーは吉林省でも入手できたという情報です。よかったらこれも入れてください。

ttp://www.onekoreanews.net/news-syakai01_070117.cfm

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2007/01/25 19:37

>にゃんこさん

おー!ありがとうございます!早速、早速。(そか…たれこみ用のエントリーを作ろう……)
こちらこそ、いきなりおじゃまして居着いてしまってかたじけないです…。ろくな推理ができないみたいなので、情報収集係で頑張ります!(`・ω・´) ブログってもっと便利なものかと思ってたんですが、そうでもないんですね(初心者と発覚)。カテゴリーを、報道時期、キーワード(物音、トレーナー等)などで重複して設定しようと思ってたんだけど…むぅ。

投稿: kishi | 2007/01/25 22:20

たれこみ用エントリー、リクエストしようかと思ってた…
カテゴリーも同じアイディア持ってて、リクエストしようかと…
でもむずいんなら無理しないでね。

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2007/01/25 22:22

みなさん、こんばんは
kishiさん、労作のブログ拝見しました。ありがとうございます。
今度リンクページも考えてみますね。
ニャンコさんの言われるとおり、あまりムリしないでくださいね。
気長に行きましょう。
私もここまでくるのに、1年以上かかってますから。

投稿: ASKA | 2007/01/25 22:53

はい!ASKAさんもにゃんこさんも、お気遣いありがとうございます。そもそもは、ASKAさんのブログでまとめていただいた方がいいと思ってはじめたことですので、コピペするなりリンクするなり、扱いはすべてASKAさんにお任せします。新聞系の記事集めはちょっと疲れてきたのでここでいったん休憩して…、今度は雑誌系の記事を探してみたり、先日のセット写真をもとにして間取り図をおこしたりしてみようかなぁ…なんて思ってます(^_^)。

1年…長いですねぇ。今回、集めた記事を古いものから順に張り付ける作業をしていて、事件発生からの7年という時間を疑似体験したような気分で、なんとも胸が苦しく切なくなりました。朝、目が覚めて、ポストに入ってる朝刊を取り出しながら「1面に“逮捕”の文字がないかしら?」と思ったりまでするのです。そして、きっとご遺族の方々はそんな朝を7年間も続けているんだと思うと、本当にお気の毒で…。

ちょっと(だいぶ)話がずれましたが…。資料庫の内容については、リクエストでもなんでも気軽にお申し付けください!ぼちぼちがんばりまーす(^_^)

投稿: kishi | 2007/01/25 23:15

以上の自説の前提として次のような推理を立てました。その件はASKAさんに「世田谷一家殺人事件その49」で取り上げていただきました。

>ヒップバックから発見された
>・チタン酸バリウム
>・金属シリコン
>・微細なガラス球
>・モナザイト
>これらの物質について、ある共通するキーワードがあるとの事。
>それは「非破壊検査」と言う言葉。

ここから私は「非破壊検査」業の一部は放射性廃棄物の処理に係わっていた可能性を導き出し、犯人の「動機」を次のように推理しました。

「肉親あるいはそれに近い近親者などが、放射性廃棄物処理によって重病に罹った、あるいは死亡したこと(これが誤認の可能性もあり)を恨みに思った犯人の犯行。」

しかし、これはまったく逆の方向も考えられるかもしれない。すなわち…

「放射能廃棄物処理を行なっている小規模の業者が、宮澤さんにその違法性を指摘された。宮澤さんはその証拠となる何かを持っている。犯人は宮澤さんの口を封じるとともに、『自宅にある』はずのその書類を持ち去りたかった。そして2000年の年賀状には『その業者』からのハガキが含まれていた。」

つまり、犯人は「処理業者そのもの」ということになる。

宮澤さんのコンサルタント業のなかには建築・土木に係わるものが多かったようだ。また、これは推測だが、大学卒業直後の仕事から続くサイドワークのなかにもそのような仕事があったのではないか。(書類が『自宅にある』とした犯人の判断があったのならば後者のほうが適当かもしれない。)そうした関係の中から、直接の契約があった会社ではなくとも、「犯人たち」にとって著しく不利益な情報を入手し、「犯人たち」の業務の違法性を警察へ通報することを考えていたのかもしれない。

この場合、犯行は複数の人物によって計画され、実行犯は一人であったと考えられるだろう。ただし、「計画のまま放置されていたものを、思い余って実行犯ひとりが行なった」というが、状況から見てふさわしい気がする。

投稿: 迷探偵ニャンコ | 2007/02/02 23:58

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