世田谷一家殺人事件再考その74
今回はハンカチを滑り止めにした場合について実験してみました。
例によってハンカチに穴はあけてないので、実際とは多少違うと思いますが雰囲気は十分分かるでしょう。 ハンカチを滑り止めにする場合は2通りが考えられます。
一つは左の写真のように包丁の柄を被い、刃の側に結び目を作ってその出っ張りをストッパーにする場合ですね。
ハンカチには結び目もあったとの事なので、この可能性はありますね。
しかし、この方法の場合は、ハンカチは包丁に結ばれた状態で発見されると思うのだが、それなら、使用方法は明確なわけですが、発見された時は包丁とハンカチは離れた状態で発見されている。
次にハンカチを手の甲に巻きつけて滑り止めにする場合です。
左の写真は順手(セイバーグリップ)に握った場合。 同じ順手を反対方向から見たところ。
逆手(アイスピックグリップ)に持ったところ。
ハンカチを滑り止めにする場合には色々気付く事があります。
1)犯行を事前に想定していた。
以前にも書いたのですが、当然ハンカチを事前に準備しなければこの滑り止めの方法は使えないので事前に準備していたと言うのは間違いないでしょう。
それから、今回新たに気付いたのは、手に巻き込むように使用した場合に、「犯人は固い物を刺す事を想定していた。」のでは?と言う疑問が出てくる。
この滑り止めは滑り止めと言いながら、効果があるのは突いた時だけなんだよね。
普通人間を刺し殺そうとしたら、腹とか胸を刺すのが一般的だと思うんだよね。
その意味で犯人は最初から被害者の頭や顔を刺す事を考えたいたのかもしれない。
そうすると、ますます「怨恨」と言う線が濃くなってくるんだけどね。
2)2枚の同じハンカチの意味は?
現場から発見されたハンカチは2枚、どとらも同じ黒のハンカチだった。
これについて疑問浮かばないかな?
私が疑問なのは、通常の生活でハンカチを2枚買うのなら、違うデザインの物を選ばないかな?
全く同じハンカチを2枚購入するのはちと疑問だね。
そこで私が考えたのは、このハンカチはこの犯行の為に購入した物でデザインは気にしていなかった。目立たない黒っぽい物ならOKと言うのが犯人の判断だったのではないだろうか?
そして、ここで気付くのは「2枚のハンカチは同時に購入している」のではないのか?
と言う事です。もう時間も経っているのでデータが残っているか分からないけど、今はPOSシステムで商品の販売データは管理されていると思うのです。同時に同じハンカチを購入したデータが残っていれば捜査に役立つかもしれないね。
しかも、犯行を想定して購入したのなら、包丁の購入時期と同じ時期に購入していると思う。
3)犯人はなぜ自分の手を怪我するかもしれない事を知っていたのか?
1)で書いたように事前に犯行を想定していたとしたら、「自分の手を怪我する可能性」を知っていたと言う事になる。
この事件の報道ではあたりまえのように、伝えられているが、一般人の中に刃物で人を刺した時に自分の手を切ってしまう事がある。と言う事をどれだけの人が知っているだろうか?
川崎の通り魔事件などでも逮捕された人間が自分の手を怪我していたけど、事件報道などで特に犯人が逮捕されたような事件の報道では殺害の動機や手口などが報道されるだけで、犯人が手に怪我をした事は殆ど報道されない。
例え報道されても記憶に残らないでしょう?
例としては町田の女子高生殺害事件でも犯人は手に怪我をしたが、それを覚えている人は殆どいないだろう。
その点で犯人像を考えると
A)警察官、事件記者、私のような事件に興味を持って調べている人間
B)ナイフマニア
C)格闘技経験者
ぐらいが思い浮かぶのだが・・・・
A)の場合は「指紋」と言う致命的ミスをするとは思えないんだよな。
B)は可能性はあると思うのだが、それなら自分のナイフを試したいと思うのではないか?
杉並親子殺害事件の犯人も自分のナイフを凶器に使っている。
C)はあまり自信がありません。
刃物その物に興味は無いが、人を攻撃する知識はあったと言う点から連想した物です。
しかし、それなら急所を狙うんじゃないの?ってのも疑問な点だね。
4)ハンカチは包丁を隠す為だったのか?
ハンカチは隠す為だった可能性もあるのだが・・・・
そうすると、時間が問題になる。
何の時間かというと、包丁を使うまでの時間だ。被害者宅に侵入してから包丁を使うまでに長男を既に殺害している。
また、衣服を畳んだりしていて時間の余裕はあったはずだ。
それなら、包丁を隠す為のハンカチは返って邪魔な存在のはずで、ハンカチを外して包丁を使うと思うんだよね。
とりあえず、こんなところかな。
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