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2007/05/31

会津母親殺害事件その13

続報です。鑑定留置が決まりました。
1)殺人と死体損壊容疑で送検された少年の精神鑑定のため、8月30日までの鑑定留置を会津若松簡裁に請求し、認められたとの事。

2)少年は東京都内の施設に移され、今後、精神医学の専門医の鑑定を受ける。

3)少年の拘置期限は6月5日までだったが、鑑定留置期間中は拘置を中断する。

警察がどう考えているか分からないが、私は精神鑑定は必要だと思います。
その理由ですが、犯行の動機として少年が話しているのは
・「学校に行けと母親がうざかった」
・「食事の支度や食器の片付けをしない弟を殺そうと思った」
の二つなんだよね。その前は「誰でもよかった」と話している。

母親の動機にしろ、弟の動機にしろ、私は殺害するほど強烈な恨みにはならないだろう?と言うのが疑問な点です。

殺人事件の犯人の殆どはまず、自分が逮捕されない事を考えますよね。
それなのに、この少年は事件の直後には自首する事を考えている。
「どうせ逮捕されるから」が自首した理由と話していた。

私はこの点が事件後どうなってもかまわないとした覚悟の犯行と見て「間接自殺」を考えています。
(6/1追記 単純に自暴自棄になっているってのも有りだね)

ですが・・・それだけでは下の説明ができないんだよね。
頭部と右腕の切断した理由を、「弟と母親への憎しみを隠すために、マスコミにセンセーショナルに取り上げてほしかった」と話している。

まず、憎しみを隠す必要があるのか?
殺害の動機を隠す必要があるのは普通は犯人が逃亡している場合などに、捜査陣をかく乱し動機から犯人像をしぼらせない場合だよな。

でも、今回は自首しているので動機から犯人像をしぼらせないような行為は必要ない。

次に「マスコミにセンセーショナルに取り上げてほしかった」と言う点なんだけどさ、これはいろんな意味で実践しているよね。
・母親の殺害
・頭部の切断、さらに自首に持参
・腕を切断し、植木鉢のオブジェの作成(当初はバラバラにして天井から吊るすつもりと話している)
・犯行後のネットへ最期の日記の書き込み
・早朝にタクシーで堂々と出頭

恨みを隠すよりもセンセーショナルに報道してもらう事の方が主な目的だったのではないかな?

これはつまり、「目立ちたい」とか「注目されたい」と言った事なんじゃないの?
そう考えると「成功願望」とかが背景にあるのかな?と言う気もしてます。

少年は中学までは学業も、スポーツも優秀な成績だったし、顔もイケメンとか言われてましたから、いろんな意味で周囲から注目されていたと思います。

ところが、高校では成績も振るわず、学校にも馴染めないまま、不登校の状態になってしまいました。

少年は「周囲の自分に対する評価は低い」と感じていたのではないだろうか?
このあたりから、以前のように注目されたいと言った成功願望に繋がったと私は考えています。

・・・しかし、これだけでは事件の全てを説明できません。
本やDVDに少なからず影響を受けたと私は考えています。

これらの幾つかの要素が複雑に入り組んで動機となっていると思うのですが、はっきりした事は精神鑑定の結果を待つしかないでしょうね。

いずれにしても、今はなぜこの事件が起きたのか?その理由を究明する事が最大のポイントです。
現在、そして将来子供を育てようと考えている人間や教育現場の人間は真剣に考えなければなりません。
なぜなら、全ての子供にこのような事件を起こしてしまう可能性があるかもしれないからです。

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