神戸クレーン倒壊事故
8月25日午前9時40分ごろ、神戸市中央区東川崎町の川崎造船神戸工場で、修理作業中の造船用クレーン(高さ約50メートル、重さ約800トン)が倒壊する事故がおきている。
この事故で、クレーンで作業していた兵庫県高砂市曽根町の同社社員ら3人が転落し、死亡した。
4人が重軽傷を負った。県警生田署は業務上過失致死傷の疑いで関係者から事情を聴いている。ほかに死亡したのは、神戸市灘区岩屋北町の同社40歳社員と同市垂水区美山台の55歳派遣社員。
調べでは、クレーンは土台部分(下部)とアームや運転席が付いた部分(上部)に分かれている。この日は地上から12メートルの地点の接合部にあるベアリングに異常があったことから同社の作業員らがベアリングを交換する作業をしていたところ、突然クレーンが倒壊したらしい。
同社によると、この日の作業には8人が従事。作業は、接合部でジャッキ4台を使って上部を持ち上げ、ベアリングを交換する予定だった。
55歳作業員らが上部をジャッキで持ち上げようとした際、当初のポンプ圧で持ち上がらなかったため、ポンプ圧を上げたところ上部がバランスを崩し、倒壊。作業していた55歳作業員らが巻き込まれたという。
同署は作業手順やジャッキに問題がなかったかなどについて調べている。
クレーンは浦賀重工業(現・住友重機械工業)製で昭和39(1964)年4月から同工場で稼働(稼動43年)している。7月に定期点検した際には異常はなかったという。
さて、43年も稼動していたクレーンです・・・
事故の原因は何だったのかな?
ただ、日本国内には古い工作機械は他にも沢山ありますから、老朽化が原因となると古い機械を所有している工場では十分注意が必要ですね。
07/08/29追記
調べでは、事故当時、死亡した55歳作業員ら作業員8人がクレーンのベアリング交換作業をしていた。クレーンは昭和39年から同工場で稼働しているが、ベアリングの交換は昭和40年代に1度行っただけ。今回の作業手順は、前回の作業に参加した作業員の経験をもとに決めていたという。
同社によると、作業では、クレーンの上部と下部を計12本のワイヤとチェーンでつなぎ、計30トンの力で引っ張るような形で安定を保つようにするなど事故が起こらないよう安全対策をとっていた。だが、一部から「ワイヤの強度が弱かったのではないか」という指摘もある。
これまでの調べで、マニュアルや作業計画書などがなかったことも判明しており、同署は同社の安全対策を詳しく調べているとの事。
作業手順書が無いのは問題だね。
| 固定リンク
コメント