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2008/11/08

東京足立女性監禁殺人事件

2004年1月26日夜、東京都足立区千住緑町の朝日新聞販売店の従業員寮で、段ボール箱に入った住所職業不詳の24歳女性の遺体が発見された事で発覚した。

警視庁捜査1課と千住署は1月28日、住所不詳、同店の元従業員、24歳容疑者と無職の少女(19)を死体遺棄容疑で逮捕した。
容疑者は昨年12月中旬から同区綾瀬3の少女のアパートで被害者と3人で生活し、被害者に約1カ月間、暴行を繰り返していたという。

調べでは、両容疑者は今月20日朝、アパートで被害者が死亡しているのに気付いた。遺体を段ボール箱に入れ、容疑者が22日から住み込みで働くことになった同店従業員寮に運び入れ、放置した疑い。
2人は容疑を認めている。アパートは少女が勤務していた風俗店が寮として借りていた。

被害者と交際していた男性容疑者は、少女のアパートで生活するようになり、昨年12月中旬ごろには被害者と3人で生活するようになった。
同課は、被害者から多額の金を借りていた容疑者が、金を無心する目的で被害者を呼び出し、少女と一緒に暴行していたとみている。少女は「昨年末から軟禁状態にして、食事や水を与えないこともあった」と供述しているという。

容疑者(24)と元風俗店従業員の少女(19)は、金を奪う目的で被害者を少女宅に軟禁したことが29日、警視庁捜査一課の調べで分かった。

容疑者らは被害者が疲労で逃げ出すことができないように一晩中、腕立て伏せを強要していたことも判明した。

会社員だった被害者の収入や貯金を生活費などに充てるつもりだったが、被害者が拒否したため、約1週間後の12月下旬から殴ったり熱湯をかけたりする暴行を加え、腕立て伏せを毎晩強要した。

同13日以降、被害者は熱湯をかけられるなど暴行を受け衰弱、服を与えられないまま同20日に凍死した。

こんな事件なんですが、実は警察の捜査ミスが発覚した。

被害者が殺害されたのは「家族からの相談があったのに警察が捜査しなかったため」として、両親が東京都などに損害賠償を求めた訴訟の判決が7日、東京地裁であった。
裁判長は「必要な捜査をしていれば殺害を回避できた可能性が高い」として、死亡と捜査ミスの因果関係を認め、請求通り2000万円の支払いを命じた。

裁判長は、被害者が行方不明になった後、両親や友人が警視庁多摩中央署に何度も相談し、捜索願を提出していたことを認定。
これを受けた警察は、加害者との間の過去のトラブルや、加害者の住所のほか、被害者が泣きながら知人に「捜さないで」と伝えた電話の内容を知っていたと指摘し、「警察は(殺害される約2週間前の)16年1月5日には、被害者が監禁され、命の危険が迫っていたことを認識できた」とした。

その上で「適切に情報を共有して捜査していれば、殺害前に小出さんを発見できた可能性は高い」とし、死亡と初動段階での捜査怠慢の因果関係を認めた。

この手の事件はけっこうあるんですよね。栃木リンチ殺人事件や姫路バラバラ事件とかね。

家族が行方不明になって、悪いやつに監禁されていると思われるような場合に警察に相談したり、捜索願いを出しても警察が動いてくれない場合にどうしたらよいのか?
考えたくはないが、考えなくてはならない時が来るかもしれないね。

2010/02/24追記
遺族が都などに2000万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は24日、一審同様、捜査怠慢を認めた。賠償額については、請求全額を認めた一審判決を変更し、都に計1000万円を支払うよう命じた。
裁判長は、被害者の母親や友人は、元同店従業員の男性受刑者(30)=殺人罪などで懲役13年確定=らとのトラブルや、被害者が泣きながら電話してきたことなどを同庁多摩中央署に伝えていたと指摘。

被害者が死亡する約2週間前には、同署は監禁されている可能性が高いと判断できたとして、「捜査権限不行使は著しく不合理で違法」とした。
その上で、監禁場所は容易に把握できたとし、「捜査によって解放されれば殺人行為も防止できた」と判断。捜査怠慢と殺害との因果関係も認めた。
 
一方、被害者が監禁場所のアパートに行ってから暴行が始まるまでの間に自ら立ち去れば、被害に遭わずに済んだとして、一審より賠償額を減額した。

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コメント


ASKAさん、この事件とまっったく関係ないんですけど教えてほしい事件があるんです。父親が泊まりの仕事で朝帰ると自宅で妻、息子がなくなっていて放火もされていた事件。犬を飼っていて犬が吠えたようすはなかったという。父親は犯人ではないとのことですが、その後何かの事件を起こし捕まったとかなんとか。何県だかわからず、どうしても気になって調べてるんだけどおもいだせないんです。こちらのカテゴリー一覧にはないと思うんですが。もしわかれば教えてください。

投稿: 名無し | 2008/11/08 21:02

名無しさんのおっしゃっている事件は、もしかしたら愛知県豊明市の事件ではないでしょうか?

投稿: | 2008/11/08 22:10

愛知母子殺害放火?
2004.9.9 愛知県

投稿: ナガイ | 2008/11/08 22:11

ありがとうございます!愛知県だった気がします!すっきりしました。コメントに関係なくて本当に申し訳ないです。未解決でも結構気にしていたので。事件も多くて忘れてしまうとこでした。

投稿: 名無し | 2008/11/08 22:14

この判例が出たからには、警察も事件が起きないと動けない事を理由に拒否は出来なくなるでしょう。
仮に警察が動かなかった場合は、この判例を持ち出して「事件が起きた場合は、警察の職務怠慢と事件の因果関係を認めてますよ?」と言ってやれば良いのです。

投稿: | 2008/11/14 08:37

被害者の両親が「娘が殺されたのは、警察が捜査を怠ったためだ」として、都に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷は計1000万円の賠償を命じた2審・東京高裁判決を支持し、都の上告を棄却する決定をした。

 決定は5月31日付。都の敗訴が確定した。

1、2審判決によると、被害者は03年12月~04年1月、元交際相手の男性受刑者(31)(懲役13年が確定)と当時未成年の女(27)(同)に都内の女のアパートで監禁、暴行され、同月20日に死亡した。被害者の母親や友人が03年12月、警視庁多摩中央署に捜査を依頼したが、同署は事件性がないと判断した。

投稿: ASKA | 2011/06/03 00:27

捜査怠慢を認めた司法判断の確定を受け、両親が6月13日、警視庁に謝罪や再発防止策を求める要請書を提出した。

要請書は、埼玉県桶川市のストーカー殺人事件(99年)など捜査怠慢が問題化するケースが相次いだことで、相談内容の確実な記載などを明記した「警察刷新に関する緊急提言」(00年)が公表されていたのに、教訓が生かされなかったと指摘。警視総監や捜査担当者による直接の謝罪や第三者機関による検証を求めた。

会見した被害者の母親(56)は「応対した訟務課長からおわびの言葉があったが、事務的、義務的で心からの謝罪と感じられなかった」と語った。訟務課は「経緯やご遺族の気持ちを踏まえ、謝罪した。相談事案に迅速・的確に対応できる諸対策を講じている」とコメントした。

投稿: ASKA | 2011/06/14 07:09

出会い系で被害者と加害者少年は知り合ったんですよね。恐ろしい。

投稿: | 2012/07/25 13:03

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