東京音羽女児殺害事件
1999年11月22日午前11時50分頃、東京都・文京区の音羽幼稚園で2歳女児が行くえ不明になる事件が発生した。
当時、幼稚園(園庭)には園児を迎えに来た母親が多数いた。この中に行方不明になった女児の母親もいた。
50分頃、女児の母親が、娘の姿が見えないことに気づく。ほかの母親達も園内を捜しはじめ「女児を見なかった?」と周りに声を掛ける。
自転車の後側に長男、前側に長女を乗せて、自宅に帰ろうとした主婦(犯人)の所にも、女児の母親は声を掛けている。
その時、犯人は首を左右に振り、口元に薄笑いを浮かべていた。その時にバランスを失ったため、前籠に入れていた黒バッグが落ちたため、それを拾い上げて走り去った。
午後1時30分頃、女児の母親は、大塚警察署に女児の行方不明を通報するとともに、会社役員の父親が急遽帰宅。営利誘拐の可能性があるとみて、脅迫電話の待機をすることになる。が、当日・翌日と脅迫電話は鳴らなかった・・・
犯人の当時35歳の主婦は、11時30分頃、自宅マンションから600メートルほど離れた音羽幼稚園に長男を迎えるため、2歳になる長女を自転車に乗せてやってきていた。
3日後の11月25日午後3時40分頃、僧呂である夫に付き添われ、犯人(35歳主婦)は有楽町の丸の内警察署に自首した。
丸の内署から連絡を受けた大塚警察署の係官が駆けつけて、犯人に事情聴取する。
そして、犯人の供述通りに静岡県の実家の裏庭に女児が埋められていたため同日、犯人を殺人容疑で逮捕した。
これが事件の概要です。
世間を驚かせるのが、実はこの犯人と被害者の母親は同じ幼稚園に子供が通う、仲の良い母親同士だと思われていた事だった。
この事件が他の児童殺傷事件と異なるのは事件の動機なんだよね。
犯人は、昭和39年1月21日静岡県大井川町で出生。静岡日赤病院で看護婦として勤務した後、平成5年4月に10歳年上の僧呂と結婚し、東京都文京区のマンションに居住した。
内向的な犯人は、近所に友達もできず孤独な生活だったようだ。
翌年の平成6年1月に長男が生まれると、近くの公園へ頻繁に行くようになる。
その年の夏、被害女児の母親も、長男を連れて公園で遊ばせていたため二人は知り合う。その後、仲良くなったようだ。
ところが、長男が幼稚園に進むと状況が変化してくる。
被害女児の母親は他の園児の母親とも仲良くなり交流が活発になると、相対的に犯人との交流が少なくなる。
しかも、子供同士も趣向が変化して子供同士も交流が少なくなる。
そして、人間関係がうまく築けない犯人は次第に孤立感を深めていく。その結果犯人の中に歪んだ感情が芽生えてきたようだ。
被害女児の母親の行動全てが、自分に対する当てつけと思うようになる一方、周囲から「仲の良い母親同士」という関係の維持に犯人は相当無理をしていたようだ。
「女児の母親が居なければ、こんな辛い思いをしないですむ」という思いが、「女児を殺せば、二度と女児の母親と会わないですむ」という思いに変化し、それは日増しに強くなっていく。
犯行当日、犯人は長男を迎えるため音羽幼稚園に着くと、園庭の隅で遊んでいる被害女児を目撃する。周辺には誰も居なかった。
そこで、咄嗟に女児を抱きかかえて、境内の公衆トイレに入り、女児が巻いていたマフラーで絞殺。その後、いつも持参している黒バックに女児を入れ、なにくわぬ顔で再び幼稚園に戻り、長男と長女を自転車に乗せて自宅に帰ろうとした。
被害女児の母親が声を掛けた時に落としたバッグに女児が入っていたのだ。
そして、帰宅後に自分の子供を夫の寺に預けて、遺体とともに静岡の実家に向かい、遺体を埋めたと言うのが全体の流れです。
この事件については本なども出てますし、より詳しく知りたい方は本や他のwebページを参照してください。
私はこの事件は児童殺傷事件の中では特殊なケースだと考えています。
まー、事件の背景や犯人の事情はそれぞれ違うので一緒くたに考えるのが間違いかもしれませんけどね。
それにしても、こうやって事件の内容をみると犯人が自首しなかったらこの事件は解決できなかっただろうと思います。
犯行は大胆ですが、偶然にも誰にも見られていませんし、犯人が疑われる動機や証拠も見つからなかったでしょう。
私としては、動機から事件を推理する事の危険性を考えさせられた事件です。
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コメント
〇〇みつ子事件がこれですよね。 私は違うカテゴリーでコメントされた方から 事件内容は知りました。
犯人の自白がなければ、事件解決の糸口さえ見付からなかった。
動機は犯人しか分からないものだった。 『子を殺せば、その親に会わなくてすむ』と殺意に変わって行ったのでしょうね。 女児がひとりになるチャンスを狙っていたんですね。
動機の線で捜査しても、全く浮かび上がらない人物であった訳ですよね。
投稿: | 2008/11/16 07:09
意外な犯人というのはそうですね。
ただし、親への憎しみや苛立ちを、その子供に向けるという意味では典型的な事件で、
詳細を調べると加害者にも僅かながら同情出来る点があったような記憶があります。
投稿: | 2008/11/16 10:47
しかし、バッグに殺害した女児を詰め込むとはね! たまたま誰にも目撃されず。
いざという時には早業になれるのかも。
投稿: | 2008/11/16 11:17
同情はしないなあ
身勝手ですもんね。
ひがみねたみそねみ。
心で思うだけなら誰にもあることかもしれないが。殺人までする大胆さがあるなら自分の為になにか一歩ふみだしたらよかったのに。
裕福に暮らしていたんだろうし、子供だって二人もいて。人に依存する人生をおくってきたんだろうな。見た目もきっとパッとしないんだろう。
だったらそれはいくらでも変えられるんだから。子供を殺める人に私は一ミリも同情しません。
残された二人のお子さんの幸せを願います。
投稿: | 2008/11/16 17:59
幼稚園の母親同士って、裏にはドロドロしたいろんな部分があるから怖い。
女性同士の付き合いって、表と裏は全然違う。特に子供が絡むとなおさら。
確か当時は『殺人はいけないことだが、加害者が被害女児の母親に恨みを持つ気持ちもわかる』という主婦の意見も多かったと記憶してます。
投稿: | 2008/11/17 10:34
幼稚園の母親同士って、表から見えない裏には、ドロドロしたいろんな部分があるから怖い。
女同士の付き合いって、表と裏は全然違う。特に子供が絡むとなおさら。
確か当時は『殺人はいけないことだが、加害者が被害女児の母親に恨みを持つ気持ちもわかる』という意見も多かったと記憶してます。
投稿: | 2008/11/17 10:35