元厚生官僚連続殺傷事件その7
続報です。
1)容疑者(46)が事件前、家財道具など身辺整理をするのに、さいたま市内のリサイクル店を利用していたことが分かった。「金はいいから持っていってくれ」と依頼している。
調べでは、リサイクル店に引き取らせていたのは、デスクトップ型パソコンや02年のさいたま市の住宅地図2冊など数十点。同店の男性店主(49)によると、ほかに洋服だんすやベッドのマット、灯油入りタンクなど軽トラック山積み1台分あった。住宅地図以外は価値がなく、地図代金も引き取り代と相殺だった。
今月10日に容疑者から引き取り注文の電話があり、翌日、店主が見積もりのため、さいたま市北区のアパートを訪問。「明日にでも引き取ってほしい」と言われ、12日午後3時ごろ引き取った。
住宅地図2冊には、30カ所以上のマンションに赤色のペンで丸印が付けてあり、うち2カ所には丸の上から「×」がつけられていた。パソコンには株取引に関するファイルやアニメキャラクターの少女の画像もあった。
当日は雨で、容疑者も積み込みを手伝った。店主が「引っ越すのか」と尋ねると容疑者は「引っ越しじゃないんだけど」と言葉を濁した。また、バール(重さ約20キロ)を積む際、容疑者は「鉄アレイより重いバールで体を鍛えている」と話したという。
2)容疑者(46)が報道機関にあてた出頭予告のメールは自宅からではなく、インターネットカフェなどから送信されたとみられることが27日、警察当局の調べで分かった。
容疑者の自室はもともとインターネットに接続できる環境にあったが、その後の調べでプロバイダーとの契約が切れ、接続不能になっていたことが判明した。
警察当局は送信場所の特定が、出頭前の小泉容疑者の行動を把握する手掛かりになるとみて捜査している。
警察当局によると、容疑者は昨年の所得額が納税基準に満たなかったため、本年度は住民税の請求がないという。
プロバイダーにも料金の支払いができなかったとみられ、警察当局は容疑者の逼迫した経済状況を示すものとみて、生活実態を調べている。
3)容疑者は襲撃のために準備した10本の刃物のうち、1本を退職した前後に購入したと供述している。
捜査幹部によると、容疑者の供述では、東京都内のコンピューター関連会社に勤務していた3年ほど前、複数の銀行で、それぞれ数十万円の無担保ローンを組んだ直後、会社から退職するよう迫られて職を失った。
その後は、さいたま市北区の自宅アパートでインターネットで株取引などをしていたが、ほとんど利益が出ない状態が続き、現在のローンの総額は約300万円にまで膨らんでいたとの事。
調べによると、同容疑者は少なくともコンピューター関連の会社4社で、システムエンジニアとして勤務。数年前には、業績が上がらず、同僚ともなじめずに退職した。
その際に「何で首にするんだ」と訴え、トラブルを起こしていた。調べには「働いていた時は結構な蓄えができた」と話している。
4)容疑者(46)が「事件は自分一人でやった」と供述していることが、警視庁と埼玉県警の共同捜査本部への取材で分かった。
捜査本部は、容疑者が資金援助を受けたり、携帯電話で連絡を取り合った形跡がないことから、計画段階から単独で実行したとの見方を固めた。ここ数年の生計はネットの株取引だったとみられる。
5)容疑者(46)が出頭前に実家に送った手紙に「飼い犬の『チロ』が保健所に殺された。その仇(あだ)をとった」などと書いていたことが26日、警視庁の調べで分かった。
「保健所にペットを殺され腹が立った」とする供述と一致。警視庁と埼玉県警は犯行動機を裏付けるものとみて押収した。
容疑者の手紙は出頭翌日の23日夜、山口県柳井市の実家に届いたが、父親(77)は内容を明らかにしていなかった。
父親によると、容疑者は小学生時代に野良犬を拾ってかわいがっていたが、気性が荒いため、父親が保健所に処分を依頼したという。手紙には処分された日付が「1974(昭和49)年4月5日(金)」と記されていた。
小泉容疑者は保健所の所管が地方自治体ではなく、厚生労働省と勘違いしていたとみられ、出頭直前に複数の報道機関のホームページに書き込んだ“犯行声明”にも「34年前、保健所に家族を殺された仇討ち」とあった。
6)容疑者(46)が、凶器に使った包丁の柄を付け替える工作をしていた疑いのあることが26日、警視庁の調べで分かった。
調べによると、容疑者は事件約1カ月前、さいたま市内の自宅近くのショッピングセンターで、事件に使った1本約3000円の柳刃包丁を購入したようだ。
刃渡り約20センチ、刃幅が約3センチで、柄には白い布が巻かれ、刃と柄の間にはプラスチック製つばが付けられており、滑り止めの細工をしたようだ。
7)容疑者(46)が警視庁と埼玉県警の共同捜査本部の調べに、。「もう人生に未練がなくなった。体力的にも今しかないと思った」と犯行を決意した理由を供述していることが26日、分かった。
8)捜査本部は26日、容疑者が殺傷事件を単独で実行したと断定。さいたま市の山口さん(66)夫妻殺害の殺人容疑で容疑者宅を家宅捜索した。
来週、同容疑で容疑者を再逮捕する。
9)容疑者が「元次官らの住所は1年以上前から図書館で調べていた」と供述していることも判明。「日暮れが早い11月を狙った」とも供述しており、1年以上、準備を進めていたとみられる。
10)犯行に使われた刃物は柳刃包丁で、この包丁を含む刃物計10本を9月までに順次購入し、試し切りしていたことも分かった。
「事前に購入した10本のうち、一番よく切れる刃物を凶器に選んだ」とも話しているという。
11)容疑者が10月中旬以降、犯行や下見に使った分も含めレンタカーを少なくとも5回借りていたことが判明。うち10月の2回は元次官や元社会保険庁長官ら殺害対象者宅の下見に利用した疑いが強い。
12)容疑者(46)が出頭の際に所持していた刃物について、さいたま市南区の山口さん(66)夫妻殺害事件で凶器として使った後、「血痕を洗い、2件目の事件で、もう一度使った」と供述していることがわかった。
13)容疑者(46)が警視庁の調べに、出頭した理由について「いずれ出るつもりだったから、潮時だと思った」と供述していたことが26日、分かった。
14)容疑者(46)が警視庁と埼玉県警の捜査本部の調べに「最初は大臣をやろうと思った」と供述していることが25日、分かった。元次官だけでなく、現役閣僚や閣僚経験者を狙う連続殺害計画を立てていたことが判明した。
さて、情報が多いね。収集整理するだけで時間がなくなってしまった。
今後のポイントについては私は「金の流れ」だと考えています。
つまり、容疑者に金を渡していた人物がいるのか?
これが、首謀者が他にいるのか?の手がかりになるだろうね。
参考リンク
元厚生官僚連続殺傷事件その6
元厚生官僚連続殺傷事件その8
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