青森母子放火殺人事件その8
青森県八戸市のアパートで昨年1月、母親と弟妹の3人を殺害したとして、殺人と死体損壊、現住建造物等放火などの罪に問われた無職の長男(19)の判決が27日、青森地裁であった。
裁判長は、完全責任能力を認めた上で、「極めて自己中心的と言うほかない」と述べ、求刑通り無期懲役を言い渡した。
長男は逮捕後に殺害状況などを具体的に供述し、捜査段階の1回目の精神鑑定で精神障害を否定された。
しかし、家裁送致後の2回目の鑑定で長男は殺害状況を「覚えていない」と説明し、「特定不能の精神病性障害」と診断されたことから、責任能力の有無が争点となった。
判決は、長男の供述調書から「犯行時の記憶があった」とし、1回目の鑑定結果に基づき完全責任能力はあったと結論づけた。
判決によると、昨年1月9日、当時18歳だった長男が、母親(当時43歳)と中学3年の次男(同15歳)、同1年の長女(同13歳)の首をサバイバルナイフ(刃渡り約25・5センチ)で切って殺害。母親の遺体の腹を切り、自宅アパートに放火し約70平方メートルを焼くなどした。
求刑が無期懲役だから、それ以上の刑は無しなんだろうけど、もし被告が成人だったら、迷わず死刑を求刑していたんじゃないかな?
なにしろ、3人を殺害ですからね。
「不遇な成育環境が人格形成に影響を与えた」・・・か、事件の公判では話題になる事も多いんだけどね。
例えば、同じ家で育った複数の子供の中の一人が重大な犯罪を起こしたとして、他の子供達がまっとうな生活をしていたとしたら、生育環境が不遇と言う主張に説得力があるのかな?
とは言え、同情できる材料にはなるかな。被害者側からみれば理由にはならないだろうけどね。
参考リンク
青森母子放火殺人事件その7
| 固定リンク
コメント
無期懲役が求刑されたのは、おそらく被害者が家族だったためではないでしょうか。赤の他人なら死刑を求刑していたように思います。
「不遇な成育環境」なる言葉がよく出てきますが、それが事件のひとつの原因であったとしても、減刑の事情として酌量されるのはどうも違和感を感じてしまいます。
そういう環境に育った人間がすべて、凶悪事件を犯すわけでもないですしね。万引きや引ったくりとは根本的に違うと思います。
投稿: ヒロシ | 2009/03/29 10:04
同じ環境で同じ条件で育ちながらひとりだけずれてしまったら、それは自分が悪いんだから情状酌量はおかしいというのもしかりです。けど・・・。生育環境が何人にひとりはおかしくする可能性があるようなものだったら?それでも、おかしくなる方がおかしいのであって、情状酌量はいらないでしょうか。なんか、悩んじゃうなあ。
投稿: ナガイ | 2009/03/29 18:11
それに、もうひとつ。青年心理ですけどね。十代の心理は1年違うと大きく違うことがありますね。兄が弟や妹と違う心理であることは仕方ないと思うのですよ。一絡げでいいものかどうか・・・
投稿: ナガイ | 2009/03/29 18:17
みなさん、こんばんは
「一絡げでいいものかどうか・・・」
確かにそうですね、家庭環境はそれぞれ違うわけだから、「一絡げで良い」と言うわけではありませんね。
児童虐待などでは、子供全員が虐待されるわけではなく、特定の子供だけが特に酷く虐待される事がありますね。
そのような場合では子供の中の1人だけが人格的に問題を持ってしまう事も考えられると思います。
ただ、この事件でどうか?と言うのは分かりませんね。
投稿: ASKA | 2009/03/29 21:58
青森県八戸市のアパートで2008年1月、母子3人が殺害された事件で、殺人などの罪に問われ、1審・青森地裁で無期懲役の判決を受けた当時18歳の長男(22)の控訴審第2回公判が24日、仙台高裁で開かれた。
精神鑑定を行った鑑定医が証人として出廷し、長男が心神喪失の状態ではなかったとの診断を示した。
弁護側は初公判で、犯行時の被告は、てんかんの影響で心神喪失状態に陥り、刑事責任能力はなかったと主張。弁護側の請求で、3回目の鑑定が行われた。
鑑定医は脳波検査の結果などから、てんかんを否定し、「解離性障害」だったとした。その上で、当時は症状が重く、心神耗弱だった可能性がある一方、犯行後も記憶が残っていることなどを踏まえると軽かった可能性もあると指摘。いずれの場合も、善悪の判断や行動の制御が全く出来ない心神喪失の状態になるほどではなかったとした。
投稿: ASKA | 2012/01/24 21:02
長男(22)=事件時18歳=の控訴審第5回公判が5日、仙台高裁であり、被告人質問が行われた。長男は、前回の父親と叔父の証人尋問を経て、「後悔を確信した」と心境の変化を語った。
長男が法廷で証言するのは1審の09年3月の青森地裁以来、3年4カ月ぶり。眼鏡に黒いシャツ姿で、後ろ髪は肩まで伸ばし、表情を見せずに淡々と質問に答えた。
長男は事件を起こしたことを認めながらも、当時の状況を「思い出せない」と証言。弁護人から「どうすれば事件を止められたか」と質問され「母、弟、妹をちゃんと見て、話して向き合えばよかった」と話した。
1審では被害者への謝罪の意を示さなかったが、裁判官から「後悔が謝罪の気持ちに変わるか」と尋ねられると、「自分から向き合えばなる」と語った。
また1審同様に「フォーリー」と呼ぶ女性の幻覚が見えると話し、証言台の前を指して「真正面にいて、笑っている」と述べた。定期的に暴行や殺傷衝動が抑えられなくなることを「激情の時期」や「冷酷の時期」と1審で自ら表現した点について、「今は激情の時期。落ち着かない」と語った。
自分で幻覚と認識できる幻覚ね・・・普通は幻覚と現実の区別がつかないのでみんな困っているのだと思うのだが・・・
「激情の時期」に「冷酷の時期」波があると言うのは分かるけど、自分自身の状態は普段は冷静に把握できるのかな?
続報を待ちましょう。次回公判は9月6日
投稿: ASKA | 2012/07/06 19:01
控訴審で、仙台高裁は11月29日、無期懲役とした1審・青森地裁判決(09年3月)を支持し、被告側の控訴を棄却した。弁護側は「てんかん性障害の影響で心神喪失状態だった」と無罪を主張したが、裁判長は「精神鑑定結果から、てんかんは認められない」と退けたとの事。
判決によると、長男は08年1月9日、同市の自宅アパートで、パート従業員の母(当時43歳)と中学生の弟(同15歳)、妹(同13歳)の3人をサバイバルナイフで殺害、母の腹部を切り裂くなどしたうえ部屋に放火したとの事。
1審で弁護側は保護処分が相当として家裁への再移送を主張。地裁は「悪質で保護処分は許されない」として求刑通り無期懲役を言い渡し、弁護側が控訴していたらしい。
審判決も無期懲役で控訴審も無期懲役を支持したと言う事ですね。
結局、なぜ、家族2人を殺害したのか?の解明には至っていないと言う印象ですね。
投稿: ASKA | 2012/11/29 11:52
最高裁第3小法廷は26日までに、殺人や死体損壊など四つの罪に問われた当時18歳の無職長男(24)の上告を棄却する決定をした。
無期懲役とした一、二審判決が確定する。二審の仙台高裁では弁護側が無罪を求め、長男の責任能力の有無が最大の争点となったが、一審に続き完全責任能力が認定された。
決定は24日付。
一審の青森地裁では、判決は初回鑑定を採用し、長男の完全責任能力を認めた。
動機については「昼夜を問わず酒を飲む母親や、母親の交際相手になついた弟妹への憎しみ、家庭崩壊の原因をつくった父への憎しみを晴らすため」と指摘。
その上で、「3人の尊い命が奪われた結果は極めて重大」とし、検察側の求刑通り無期懲役を言い渡した。
仙台高裁の控訴審では3回目となる精神鑑定が行われたが、判決は一審判決で採用された鑑定結果を重視し、弁護側が無罪主張の根拠とした長男の前頭葉てんかんを否定した。
3回目の鑑定で新たに示された「解離性障害」の罹患を認めた上で、その症状は軽度から中程度であると指摘し、「善悪の判断能力や行動制御能力は著しく障害されていない」として一審判決を支持した。
長男が起訴された罪は、殺人、現住建造物等放火、死体損壊、銃刀法違反の四つ。
無期懲役ですか・・・
家族全員を殺害し、出所しても戻る家も家族もない。
生き残っている別れた父親は憎んでいる。
まー救いの無い事件ですが・・・
服役中に何か変わるのか?何も変わらないまま、出所しても、社会に居場所は見つからないと思うんですよね。
2008年の事件からもうすぐ6年、しかし、その間に2回控訴してますから、事件を受け止めていないんでしょうね。
まだ時間はありますし、刑も確定したわけですから、これから事件を受け止めて欲しいですね。
投稿: ASKA | 2013/12/27 12:18