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2009/05/30

中央大学教授刺殺事件その13

続報です。
1)犯行時の状況について「小便器に向かう被害者を背後から襲った」、「言葉を交わさず、背後からいきなりやった」と供述している。

2)捜査本部は容疑者が平成16年3月の卒業前に被害者に「卒業したくない」と相談したことを把握。容疑者を知る卒業生によると、容疑者は「研究室に残り、研究を続けたい」「卒業に必要な単位を落としてでも残りたい」と被害者に訴えた。
卒業生は「進路でもめたと聞いた。先生はげんなりした様子だった」と証言。
容疑者は被害者との相談を経て就職を決めた

当時、被害者は、容疑者について「人前で研究を発表することが多い大学院では苦労するのではないか」などと語り、容疑者から進学か就職かを決める相談を受けた際には、最終的に就職を選ぶよう助言したという。

3)「事件の前日に大学に行った」と供述しているようだ。
被害者は1月14日午前の2限目の講義直前に殺害された。事件前日も2限目に講義を持っていたことから、決行日に備えて行動を確認していた可能性があるという。
容疑者は「初めての実行で計画通り殺害できた」という趣旨の供述をしているらしい。

4)「襲撃後、大学構内を出て駅へ向かう途中、手に付いた血を洗い流した」と供述しているようだ。捜査本部は犯行直後に留学生に目撃された容疑者が、大学から急いで逃走しようとしたとみている。

捜査本部の調べによると、山本容疑者は東京都文京区の同大後楽園キャンパスの1号館の4階トイレで被害者を刺殺後、トイレの出口付近で留学生とすれ違った。容疑者は中央階段で3階まで降り、3階からは人目につきにくい非常階段で逃走していた。

5)容疑者は「大学を辞めたかった」とも話しているようだ。
大学時代の心境については「勉強についていけず、大学をやめたかったが、面倒をみてくれた両親のことを思うとやめることができなかった」と話しているという。

6)殺意を持った時期について、2007年夏に実家を離れた以降だと説明しているようだ。
「卒業後、ほとんど教授には会っていない」とも話しているようだ。

時系列を整理すると(私の推測)
99年 04月 大学入学、1年の時に単位が殆どとれず
03年 04月 留年
04年 03月 卒業前に被害者に「卒業したくない」と相談した。
04年 04月 被害者教授に卒業論文の指導を受けて卒業。
04年 04月 食品会社に就職
04年 05月 希望の仕事ではないと退職
05年 01月 電子機器製造販売会社に勤務するが、本採用されず。
06年 12月 別の電子機器メーカーに就職するが3ヶ月で退職。
07年 夏    被害者に殺意を持ち始める
07年 09月頃から自宅近くのホームセンターと洋菓子工場でバイト
08年 05月 被害者が容疑者を「問題のある男」と話す
08年 06月 洋菓子工場のバイトを「パソコンの道に進みたい」から辞める。
08年 冬    凶器の枝きりバサミを購入
09年 01月 事件発生

とりあえず、こんなところだけど・・・やはり最初の就職の経緯が気になる。
普通に考えて、最初の食品会社の就職は卒業する前年の03年の夏から秋頃には内定していたと思う。

とすると、この時期には容疑者は就職する事を考えていて、就職先も食品会社で良いと考えていたと言う事だよね。
教授も推薦書を書いていたのなら、容疑者の就職先も知っていたし、多少なりとも進路相談も受けていただろう。

ところが、卒業間際の04年3月には「留年しても卒業したくない」と方針転換している。
この間に容疑者に方針転換させるなにか?があったと思うのだが・・・
常識的に考えて留年する事が就職に有利に働くとは思えないんだよね。

この時の教授の判断も間違いではないと思うし・・・
容疑者の成績などから考えて、教授としては大学院に進んでも就職に有利にならず、むしろ不利になると考えたんじゃないかな?
大卒より院卒の方が初任給高いしね。採用する方もそれなりの実力を要求するだろう。

容疑者の「卒業したく無い理由」が動機の遠因に繋がるかもしれないね。
殺意を持ち始めたのが07年の夏頃と言う事だが、この時期の前には電子機器メーカーなど専門職の会社の就職に2度失敗している。
このタイミングを考えると「挫折」と言うのが直接動機に繋がりそうだけどね。

しかし、その場合は秋葉原通り魔事件などと同じように、被害者は誰でも良かったはずだよね。

被害者を選んだ理由は本人に語って欲しい。
もしかすると、犯行時の容疑者の心の中には挫折や妬み、社会に対する怒りなどネガティブな感情が渦巻いていたのかもしれないな。

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コメント

憧れ。と、劣等感。思い出すのは金閣寺です。
金閣寺放火事件も訳のわからん事件です。文人が金閣寺を美だと言うのは彼らの審美眼によるものですが、たかが見習いが本当に美を感じたか否か。他に目に入るものが無かったからといえば、それまでですが。

投稿: ナガイ | 2009/05/31 18:37

ナガイさんに賛成。読んでみれば解る。
容疑者から見て、被害者は「完全な存在」に見えたのだろうし、一方では「自分の庇護者」でもあったんだろうな。しかし、一方的に「思われた」ほうは迷惑な話。刃物で挑戦されても困る。

男の子は、ちゃんとした「敵」を見つけて敵と「ケンカ」すべし、ただし「敵」は「自分より強いヤツ」というルールを守るべし。

投稿: 迷探偵にゃんこ | 2009/06/01 21:50

今までの《教育論》からは「問題を起こさないコ」の犯行になる。
親とか先生に従順で。親や先生から《自立》を与えられてる(笑)
完全な《形容矛盾》ですね。自立は《与えられるもの》ではない。

親に反発し、先生に反発し、他の人に反発し、自己主張する中で、
自分が「人と違う」と自覚して「自立する」ものと違いますかね?
今までの問題児は、自立を《与えられる》ことを、拒否していた。
いわゆる反抗期。先生や親に反発して非行に走れば、問題児です。

ところが、この「犯人」は。これ以上ない「イイコちゃん」(笑)
先生に指示されて動くなら出来るけど。自分の意志ではできない。
指示のなかった1年では単位を落とし、指導を受けて卒業できた。
高校までだったら、それで済んだけど。大学・大学院では、無理!
当然、社会人でも無理!誰かの指図が必要なら、いらないですよ。

「葛藤があった」とすれば、社会に触れ、自我が芽生えていたが、
「起きている問題を、自分で処理する」自我形成の方向に進まず。
「先生に(解決法を教わってないと)不満を持った」んでしょう。

一人前のオトナが。自分の無能を、指導教授に責任転嫁していた。
親から、誉められ《与えられ》ていた、プライドを維持するには。
もはや、教授を《殺害する》ことしかなかった...と、考えるのが、
一連の「伝えられる状況」からは、もっとも妥当かと、思えます。

奇妙な事件だけれど、これは、昔からある《親殺しの神話》です。
神話は寓意です。思春期の自立(=親離れの象徴)こそ、親殺し。
思春期の心のうちで起きる、精神的な《親殺し》の、実体化では?
殺害動機の解明は、これからですが。そんな「予感」がしてます。

投稿: あんぐらー | 2009/06/02 00:54

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