続報です。
1)逮捕された長男の無職男性容疑者(30)が、「インターネットを解約されたのは、(事件前日の)16日だった」と供述していることが19日分かった。
捜査幹部や次男(24)の関係者によると、父親らは、事件の約2週間前にいったんインターネットを休止した。
しかし、容疑者が勝手に復活させたため、12日頃から家族との間でトラブルが激しくなり、同署に相談するなどした上で、16日に再び父親が解約したという。
2)自室に引きこもり状態だった容疑者は、2~3年前からインターネットのオークションサイトで洋服や写真集などの買い物を繰り返すようになったとの事。クレジットカードの利用額は200万円以上に膨らみ、商品が届いてもほとんど開封せず、自室には段ボールが山積みになっていたらしい。
3)容疑者(30)が郵便物を勝手に処分するため、家族がポストを片付けたところ、同容疑者が窃盗に遭ったと110番していたことが20日、県警豊川署への取材で分かった。
事件前の12日から15日には、家族らも警察に計8回、容疑者とトラブルになるたびに通報などしていたことが分かっている。
同署は家族間の関係が修復不可能な状況に陥り、事件につながったとみているようだ。
4)長男高之容疑者(30)の借金をめぐり、次男(24)が20日に弁護士に相談する予定だったことが19日分かった。
容疑者が父親から給与やクレジットカードなどを取り上げていたことも判明。父親名義のカードを使いネットオークションで買い物を繰り返し200万円を超える借金があったといい、家族らは法的対応策を検討しようとしたようだ。
県警豊川署は、こうした家族の動きが容疑者を刺激し、事件につながった可能性もあるとみて調べているとの事。
5)容疑者(30)=殺人容疑などで送検=のインターネットでの買い物について県の機関や警察に相談していた家族が、ネットやクレジットカードを停止するよう助言されたとみられることが一家の関係者の話で分かった。結果的にネットの使用回線を家族が止めたことが事件の引き金となっており、専門家は「警察などは引きこもりの専門の相談機関を家族に紹介すべきだった」と話している。
殺害された男性(58)の次男(24)の会社関係者によると、次男は「警察や県の機関からクレジットやネットを止めた方がいいと助言された」と話しているらしい。
これに対し、県警豊川署幹部は家族から今月13日に「(容疑者が)父親の身分証で勝手にクレジットカードを作り、買い物をしている」と相談され、カードの取引停止を助言したことを認めたうえで、ネットの停止については「助言したことはない。引きこもりとは分からず対応に問題はなかった」と話したとの事。
6)殺害された父親(58)の毎月の給料を無職の長男、男性容疑者(30)が管理していたことが分かった。
父親の同僚によると、父親は約30年前から豊川市内のガス会社に勤務。次男(24)の会社関係者らによると、給料を管理していたのは容疑者で、20万~30万円の収入から父親に5万円、母(58)に4万円を毎月渡し、残りを自分で使っていたらしい。
こうした状態について、次男は会社関係者に「父が兄に強く言えない」と話していたらしい。父親自身も親族に「私が言うと(容疑者が)怒るんだよ」と困った様子で話していたとの事。
7)逮捕された容疑者(30)が最初に母親(58)、次にめい(1)、その後父親ら3人を刺したことが19日、分かった。
同署によると、同容疑者は17日午前2時すぎ、2階で寝ていた母親に懐中電灯を照らしながら「誰がネットを解約した」と問い詰めたという。
同容疑者は弟が解約したと聞き、1階の台所から包丁を持ち出し、まず2階で母親を、次に同じ部屋にいた姪を刺した。
その後、再び1階に下り、父親ら3人を刺したという。
同容疑者は逮捕直後、「父親にネットを止められた」と話しており、供述が矛盾することから、同署はネット解約をめぐるトラブルの経緯を詳しく調べているようだ。
いろんな事が分かってきましたね。
・・・しかし、引きこもりとの報道ですが、だいぶ印象が違います。
とは言え、明らかに容疑者に対する家族関係は破綻している。
父親の給料を容疑者が管理していたと言うのが特に気になります。
なぜ、この家族はそんな状況を許してしまったのかな?
特に父親は容疑者に負い目でもあるのか?
約15年前から引きこもりと言う事なので現在30歳だから15歳頃、中学卒業か高校入学の時期に引きこもりになったのかな。
とにかく「私が言うと容疑者が怒る」、容疑者が怒るから注意もできないなんて、親としておかしいと思うのだが・・・暴力でもあったのかな?
このあたりの事情が知りたいですね。
憶測ですが容疑者にはなんらかのメンタル面の問題があったかもしれないけど、結局、それを放置してしまった事で病状が悪化していたのかもしれないね。
2010/05/07追記(続報)
一部の報道で、容疑者が父親の給料を管理していた理由は父親が容疑者の自立させようとの目的だったらしい。(一社のみの報道なので信憑性はクロスチェックが必要です)
引きこもりの息子に大金を渡す事がどうして自立する事につながるのか私には理解できませんね・・・・
まあ、考えられる理由としては、お金を使う為に社会との係わり合いを持つからかな?
この方法が自立する為に正しい方法かどうかはわからないのですが・・・
この引きこもりと言う状態をどう受け止めるのか?ってのがポイントかと思います。
本人が自分自身の力で改善する事ができるのか?
それとも、専門家の力が必要なのか?
引きこもりは人格障害と言う見方もありますから、専門家に相談するのが良いかと思います。
少なくとも専門家は成功事例などの情報もあるはずですから、相談するだけでも価値があると思います。
2010/10/09追記(続報)
名古屋地検岡崎支部は7日、精神鑑定を行っていた長男男性容疑者(30)を殺人と殺人未遂、現住建造物等放火の罪で名古屋地裁岡崎支部に起訴した。刑事責任能力に問題はないと判断したとみられる。
起訴状によると、高之被告は4月17日、同居していた家族を自宅で包丁で刺し、岩瀬さんと当時1歳のめいを殺害、母親ら3人に重傷を負わせ、2階自室に火をつけ2階を半焼させたとされる。
被告は十数年間、自宅に引きこもっていたとされ、逮捕直後の県警の調べに「インターネットを解約されたことに腹が立った」と供述。地検はこうした供述や乳児を含む5人を計約40カ所にわたって切りつけて家に火をつけるという特異な手口から、裁判で責任能力が争点になる可能性が高いと判断。鑑定医に依頼し、5月から約4カ月半、起訴前鑑定を行っていた。
名古屋地検は鑑定結果を明らかにしていないが、責任能力に問題はないとの結論が出たとみられる。
2011/12/10追記
12月7日、愛知県豊川市の自宅で昨年4月、会社員Iさん(当時58歳)ら家族5人を包丁で殺傷したとして、殺人罪などに問われた長男で無職の男性被告(31)の裁判員裁判の判決が名古屋地裁岡崎支部であった。
裁判長は「短時間に5人を手加減なく突き刺した凶暴な犯行」と述べ、被告に懲役30年(求刑・無期懲役)を言い渡したらしい。
検察側は公判で、捜査段階で実施した精神鑑定を基に、被告には完全責任能力があったとしたうえで、「引きこもり状態だった被告が、インターネットの解約をきっかけに家族の皆殺しを図った悪質な事件」と主張。これに対し、弁護側は「被告は発達障害などの影響で、自分の行動を制御する能力が著しく低下しており、心神耗弱だった」とし、殺意もなかったと主張。量刑も懲役10年以下にすべきだとしていたようだ。
判決は、被告には完全責任能力があり、殺意もあったと判断したらしい。
裁判長は殺意と責任能力を認定し「凶暴で残虐な犯行で結果は重大だが、幼い頃から自閉症障害を抱えていたのに支援を受けられなかった。無期懲役刑はいささか重い」などと判決理由を述べたらしい。
約15年間ひきこもり生活を送り、知的障害と自閉症のある被告の殺意と責任能力の有無が争点となった。判決は
・被告は普段から凶器の包丁を調理に使い危険性を理解していた
・被害者の顔や首を多数回強く刺した
・事件時に混乱した様子がなかった
とし、殺意を認定したらしい。
また事件時に
・弟の妻が「私は関係ない」と言ったのに対し「関係ある」と答えた
・弟の妻の逃走を阻止しようとした
などから「状況に対応した行動をとっていた」と指摘。幻聴や幻覚を伴う精神障害ではないことも合わせ、責任能力があったとしたとの事。
一方で「家族を含めた誰からも自閉症障害に気付いてもらえず、支援を受けることができなかった」などとして、有期刑上限の懲役30年としたらしい。
弁護側は、被告に事件時の記憶がないことなどから「殺意はなかった」として傷害致死罪の適用を主張。「犯行時はパニックで心神耗弱状態だった」などと責任能力も限定的と主張していたらしい
自閉症で誰も気づかないと言うのは、高機能自閉症と言う事かな。
つまりもっと早く、治療していれば、この事件は防げたと言う事なんだろうね。
だけど、周囲が気づいていないのはともかくとして、本人は自覚があったのだろうか?
本人に自力で受診しろとか、家族に相談しろとと言うのは酷な事なのかな?
本人も周囲も気づかなければ、結局治療はできないよね。
その意味では、15年の引きこもりと言う時点で何らかの異常を疑うべきなのかな?
そうすれば、専門医を受診しようと言う動きが出てもおかしくないだろうね。
このぐらいしか、この事件を防ぐ方法はなさそうな気がします。
参考リンク
愛知県豊川市一家殺傷事件
犯人は旦那さんと顔見知りという前提で、1階から訪問。
玄関でジャンパーと手袋を脱ぐ。
(来客がこれらを脱がないのは不自然なため。むしろ、このために
本来は犯罪者が外すのは不自然な手袋まで取ってしまったと思います)
↓
ヒップバッグから柳刃包丁を黒いハンカチに包んで取り出し
旦那さんを1階で殺害。この段階で柳刃包丁は破損。
↓
ロフトにあがり、奥さんと長女を攻撃。
柳刃包丁が完全に壊れ、台所に洋包丁を取りに行き、
その後、2階でこの二人も殺害。洋包丁も壊れる。
↓
犯人の目的は金目当てなので、被害社宅のカードの暗証番号を解こうとする。
↓
警察や訪問客が来るとしたら1階の玄関からなので、
いつでも2階の浴室から逃亡できるよう、
玄関に置いておいたジャンパー・手袋等の荷物を2階のリビングまで移動させる。
↓
止血作業をしていた最中かその後に、子供部屋にまだ長男が寝てるのを発見。
すでに2つの包丁はなくなっていたため、手袋をつけて絞殺で殺害。
そのため長男に血がつかなかった&一人だけ殺害方法が違う。
(これ、犯人が殺害前に外してた手袋に犯人の血が着いてたのが↓一応、自分なりの根拠だったりします)
http://g2.kodansha.co.jp/?p=2801&page=10
>廊下には犯人が脱ぎ捨てた黒い手袋があったが、中はA型の血痕がこびり付いていたという。
↓
午前01時ごろ、カードの暗証番号が解けたかを、被害社宅のPCから
ちょうど被害者の「お気に入り」にあった劇団四季のサイトにつなぎ、
ネット予約をいれ確認しようとする。
(予約が成功なら番号が当たっていたと確認できます。
これなら顔がバレずに、番号を間違え続けて通報される事もありません。
また、間違え続け受け付け拒否されても劇団四季でなく
他の予約できるサイトにつなぎ直し、同様の手で何度でも試せます。
接続も被害者宅のPCからなのでアシが着きません)
↓
しかし一度目の接続で、劇団四季の予約を失敗してたと言われてるので、
おそらく「受け付けは午前10時から」とでも出て、失敗。
しかし、方法としてこの手は最良と判断した犯人は危険を冒してでも
被害社宅に午前10時まで居座り、再度の予約手続きをする覚悟を決める。
↓
その間、被害者と自分とのつながりがバレる危険のある染料を探そうとする。
しかし(染料を使った物はガレージにあるため)見つからない。
引き出しを浴室まで持ち込み、書類に塗られてないか浴槽の水につけてみる。
(盗まれてた年賀状も、犯人が以前に被害者へ出した物だったか、
あるいは染料が着いてたかしてたので持ち帰った?)
↓
午前10時になり、再度の予約手続きを試そうとPC接続。
その時に、カードの暗証番号か、あるいは染料の使い道のヒントが無いか
被害者PCの「お気に入り」にあった会社や研究サイトを見て回る事を思いつく。
しかし肝心の予約手続きを入れる前に、隣家の住人が尋ねてきたので
あわてて逃亡。結局、再度、予約手続きを試す事は出来なかった。
↑こんな感じの流れで、大体のつじつまは合うんじゃないでしょうか?
思うに、韓国製の靴がネックになって、警察内で「韓国系の流しの強盗」のイメージが着いてしまい。
それで玄関から入る犯人像より、浴室からの侵入説が強くなったんじゃないかと思います。
(流しの犯人が、人家の人間が1階にいる段階で玄関から入って来れるのはおかしいですから)
しかし住人が4人もいて、浴室すぐそばのトイレをいつ利用するかも
わからない状況で、犯人があえて浴室から侵入したかは正直、怪しいと思います。
2階の窓から侵入するのに、ヒップバッグを着けた上から
あんな厚手のジャンパーを着て、窓枠などに引っかかって落ちる危険もある帽子を被り、
住人に気づかれないような物音ひとつ立てずに入れるかも怪しい話です。
それに警察の想定する殺害順序の、
(狭い階段通路で)旦那さんが2階から降りてきた犯人と入れ替わり
あえて2階に逃げようとする状況も不自然すぎると思います。
犯人が2階から降りてきたのなら、まず1階の玄関から外に出て
人を呼んだほうが無難ですし、2階から入ってきた犯人も
まず1階にいる住人が玄関から人を呼ぶ危険を想定してないと変です。
これは、被害者と接点のない流しの犯人ではなく。
なんらか(おそらく染料関連)の顔見知りの犯人が、
玄関から訪問という形で入り、住人を外に逃げられないよう
徐々に上階に追いつめて進んで行った流れの方が、
犯人が犯行前の段階で考える発想としても自然だと思います。
------------ここまで------------
そして、この事件簿の常連のにゃんこさんの批評コメントもお借りします。
バリツさん今晩は
すばらしい推理ですね。
感服しました。
衣服が畳まれている件についても、ご主人か奥さんが、犯人が無造作にどこかに置いたエアテックを気を使ってたたんだ…と推測できます。
また、長男殺害の折にはすでにご主人の英文字入りトレーナーに着替えていた、と推測できます。(ラグランについた血は長男遺体、その周辺につかない)
PC使用の理由も無理がなく、合理的な説明ですし、(実際の予約の仕方がどうであったかは今となっては不明ですが)「十時まで待ったのは劇団のHPのため」という説明も興味深いですね。
------------ここまで------------
バリツさん、にゃんこさんありがとうございます。