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2010/06/26

新宿バラバラ事件の謎!その16(2審判決)

控訴審判決が6月22日、東京高裁であり、裁判長は、懲役15年とした1審・東京地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。

判決は、被告を「心神喪失状態」とした1審の精神鑑定の信用性を否定し、「被告は犯行時、客観的に物事を判断できる状態にあり、完全な責任能力があった」と判断したとの事。

1審判決は、検察、弁護側双方の鑑定医が「精神障害で心神喪失状態」とした鑑定結果の信用性を認めたが、「責任能力の判断は鑑定結果に拘束されない」とし、犯行経緯や動機などを総合判断して完全責任能力を認定した。
一方、同高裁が職権で行った鑑定では「精神障害は認められない」と正反対の結論が出されていた。

この日の判決は、1審での鑑定について、「精神障害が犯行の動機形成や行動に与えた影響という最も重要な点を十分に説明していない」と指摘。
精神障害とする結論についても、被告が鑑定医の問診や公判で、夫に対する憎しみが動機と訴えた供述を十分に検討していないことなどから、「合理性、説得力に欠ける」とし、「鑑定の信用性は低い」と結論付けた

その上で、控訴審での鑑定結果を踏まえ、
〈1〉犯行経緯や、夫から暴力を振るわれる恐怖などから犯行に及んだとする動機は合理的
〈2〉犯行後に隠蔽(いんぺい)工作を行っている
などから、完全責任能力を認めた。

弁護側は量刑が重すぎると主張したが、「一連の犯行はあまりにも無残で刑事責任は重大」として退けたとの事。
被告は控訴審には一度も出廷せず、この日の法廷にも姿を見せなかったようだ。

1審から争点だった責任能力、精神鑑定の結果については、1審の判断を支持と言う事ですね。

2010/07/01追記
被告(35)は29日、最高裁への上訴権を放棄した。検察側は1審判決を控訴しておらず、2審判決が確定する。

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コメント

 思い出しますね。この事件、一審判決後、本人は控訴しないと言っていたんですが、たしか同日か、最大でも一週間以内ほどの違いで、別のバラバラ殺人事件の一審判決があって、その量刑とのあまりの不均衡に弁護側が控訴したと記憶しています。
 その別の事件とは、夫が妻に対してDVを繰り返したあげく、とうとう妻を殺し、死体をバラバラにして捨てたというもので、被告に完全な責任能力が認められ、情状も最悪であったと判断された上で、懲役9年とされたもの。どうみても、悪質度では三橋被告の事件よりはるかに刑が重くて然るべきと思えるのですが、実際の裁判ではなんと三橋被告より2/3の刑しか課されなかった、という落語みたいなオチになっていた訳です。
 DVの被害者として追い詰められたあげく反撃すると懲役15年で、DVの加害者として虐待し抜いたあげく殺せば懲役9年だと、裁判所が「相場」を示したことになり、それは高裁レベルでも確認されたということですね。

投稿: あすなろう | 2010/06/26 12:54

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