犯罪について思う事(児童虐待を防ぐには)
みなさん、こんにちはASKAの事件簿のASKAです。
大阪西区姉弟育児放棄虐待死事件に多くのコメントを頂きありがとうございます。
色々な意見がありました、そこで私の犯罪について日頃感じている事も書いておこうと思います。
うまく説明できる程まとまっているわけでもなく、漠然と感じているというレベルなんですが・・・
まず、犯罪者は犯罪者になるべく生まれてくるのでしょうか?
そんな事はないですよね。
生まれたての赤ちゃんには無限の可能性を持っていて、将来どんな人間になるのかは未知数だと思います。
ではなぜ犯罪者になってしまうのか?犯罪を犯してしまうのか?
それは、本人の生まれ持った資質に加えて、教育やストレス、友人関係などの環境による物じゃないかな?と思っています。
つまり、犯罪はある条件が揃った時に発生してしまうのではないか?と感じています。
特に資質の部分は絶対条件ではなく、他の条件だけでも犯罪は起こると思います。逆に資質の部分で犯罪を防いでいる面もあると思います。その条件は人によって違います。
だから、誰もが犯罪者になる可能性があるのではないでしょうか。
それは、今回の虐待事件のような酷い事件も含めてです。
誤解されそうですが、だから犯罪を犯しても仕方が無いと言う事では無いんです。
苦しい状況でも犯罪を回避する方法はあるはずですからね。その方法を選択できるかどうかも、犯罪者とそうでない人との差かもしれません。
なので、厳罰化すれば犯罪がなくなるか?と言うとそうでもないのではないかと・・・
例えば、道路交通法が改正されて厳罰化されても、交通違反の数は減ったがゼロにはなってないですよね。
もちろん、数を減らす効果はあると思います。
別の視点で虐待事件の厳罰化に躊躇するのが「冤罪」の可能性です。
虐待事件は基本的に家庭と言う閉じた空間で起こる事が殆どですよね。
なので、目撃者が居ない事が大半だと思います。
この事件簿でも取り上げた岡山児童虐待死事件には事故死と言う見方(岡山児童虐待死事件その2)もあるのです。
このあたりは法律の運用面で対応できるかもしれませんが・・・
それから今回の虐待死事件でも、早い時期に虐待を発見し虐待をやめさせるとか、子供達を救出し母親と引き離せば、最悪の事態は避けられた、その結果、母親も犯罪者にならずに済んだかもしれません。
その意味では児童相談所や警察にがんばって欲しいと思います。だけど、それにはやはり、仕事をしやすい環境が必要だと思います。児童相談所の職員にも守るべき家族と生活があるわけですから、法律の整備が必要だと思います。
虐待を発見するには、周囲の目も必要ですね。なので我々一人ひとりが周囲の出来事に注意する事が必要ですね。
私の学生時代の恩師がこんな話をしていました。
「君は今日、ここに来るまでに赤い車に何台すれ違ったか、答えられるかい?」
「今は答えられないけど、明日は答えられるはずだよ。」
「明日はここに来るまで何台、赤い車とすれ違うか注意しているからね」
身の回りの事に注意するだけで今までとは見える物も違ってくるはずです。
そして、本質的に虐待や犯罪を発生しないようにするには長い目で社会的な取り組みが必要だと思います。
つまり、条件が揃わないようにする。それには経済的な支援も含まれると思いますが、今回の虐待死のようなケースは別だと思います。経済的に追い込まれた結果ではないようですし。
やはり、子供の頃からの教育も大事だと思います。道徳とかね。
相手の立場になって考える事のできる思慮深さと言うか思いやりと言うか・・・
それから、お金で買えない物もあると言うか、お金よりも大事な物もあると言うか・・・説明が難しい所ですけど。
で最後に孤立させない事かな。
今回の虐待死の場合でも以前から虐待の兆候はあったように見えます。
もし、相談できるような友人がいれば、子供の事を相談していたのではないかな?
実はここが一番難しい所かもしれません。
本人が隠そうとすれば、周囲の人間も気付くことができないかもしれませんからね。
その意味では匿名でも良いので、電話やインターネットで相談できるような場所は必要だと思います。
2010/09/30追記
児童虐待を防止しようとした場合。児童虐待は必ずしも経済的貧困が原因では無い場合もあると思います。経済的援助では防げない事件もあるわけでそういった事件を防ぐ方法としては育児の負担を軽減する方法があると思います。
例えば核家族の場合、多くは父親が昼間仕事をしてその間、母親が育児をする場合が多いと思います。
そういった場合に、父親が残業、休日出勤などを行えばその分、父親が育児に参加する事ができず、結果的に母親の育児の負担が大きくなります。
母親の負担を軽減する為に父親が育児に参加し易くするような社会的な取り組みが必要だと思います。
考えられる物としては
・企業内で乳幼児を持つ家庭での労働時間規制(残業規制)、単身赴任、長期出張の規制。
・企業内で男性の育児休暇を取得しやすくする。
・幼少期から父親が育児に参加するべきと言う教育も長い目で必要ですよね。
ただし、自営業などではそうも言っていられない状況もあるでしょうし、企業にしても不景気で苦しい状況では難しい面もあると思います。
その意味では政府には景気がよくなる努力をしてもらう必要があると思います。
2010/10/01追記
もう一つ、「しつけ」と「虐待」の境界があいまいな為にしつけのつもりが虐待になっている場合があります。
ここは専門家の意見を聞きたいところですが、私が思うに
子供のいたずらなどを止めさせる為に叩くなどの体罰を行う場合が危ないと思います。
行動分析学では行動の基本法則として
嫌子消失による行動の強化と言うのがあるようで
嫌子とは嫌な事ですね。子供のいたずらなど親として嫌な事が体罰によって一時的にでも止まるので無意識の内にこの行動が強化されてしまうのではないか?と素人ながらに考えています。行動分析学についてはこちらが分かりやすいです行動分析学入門-ヒトの行動の思いがけない理由(集英社新書)
つまり、しつけの為の体罰は子供を静かにさせる為に行ってしまい、何度も繰り返し行う事で無意識の内に強化されてエスカレートしてしまうのではないだろうか?
必ずしも体罰が悪いとは言わないが、しかし体罰を使わないしつけの方法もあるはずで、そう言った方法を両親に広く紹介するような事も有効かと思います。
2010/10/10 しつけと体罰についての記述を追記
2010/09/30 児童虐待を防止する内容の追記とタイトルを「犯罪について思う事」から「犯罪について思う事(児童虐待を防ぐには)」に変更
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コメント
同意します。
投稿: 緋燕 | 2010/08/11 20:56
こんばんは。生まれながらの資質の話矛盾してます、アスカさん目の前の物に集中しすぎて周りがみえてないですね。
ひらめき不足かな?
投稿: 通りすがら | 2010/08/14 01:44
通りすがりさん、こんにちは
資質の話は私も上手く説明できていないと思います。
だけど、資質が絶対条件では無いと感じています。
例えば「カルネアデスの舟板」の話とかね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%8D%E3%82%A2%E3%83%87%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%9D%BF
投稿: ASKA | 2010/08/14 10:13
ASKAさんの、意見にとても賛同します。やはり、「社会環境」や「システム」によって、作り出される犯罪者っているとおもいます。厳罰だけでは「計画的事件」は減らせても「突発的事件」は減らせないでしょう(はっきり言いますが)虐待をするような精神状態は異常です(その時点でもう刑法とか先の我が身など考えられる精神状態じゃないですから)。だからこそ、犯罪者の批判に走るのではなく「何でこんなことになったの(したの)?」を追求していくASKAさんの姿勢は素晴らしいとおもいます。
投稿: ながぴー | 2010/08/27 01:02
ASKAさんへ
私は、難しい事は
あまり解りませんがでも、サイトに書かれてるのは、分かりやすく丁寧に書かれてると思います。
犯罪が、少しでも
無くなって欲しいです。
投稿: | 2010/08/27 19:39
「悪いことをする人がいない組織をつくる3つの視点」というのが、
8/27のYahoo!ヘッドラインに出ていました。
「動機」「機会」「正当化」が揃えば、不正が起きるという考え方です。
投稿: アヒル | 2010/08/28 04:04
私が、生まれてすぐに 幼い兄は6才で病死です
私は次女です
私は、身体が、弱く小さい頃の記憶は、いつも泣いてました兄姉に暴力をふるわれる日々、5才位から身体も強くなって行きました
それからは、兄姉以外に両親の言葉の暴力 『お前さえ産まれなければ次男の死に水や葬式』に出れたと言われる日々、 小学校に入る頃には、飯使い扱い 食べた後の洗い物からふとん引き又は掃除です10才位には、自殺未遂を何回も重ねてました。
母親に、掃除機の棒で、頭から身体に記憶が、無くなるまで叩かれました。母親は、やがて目を覚ました私の異変気づきびっくりした顔で
私を見て 一言こう
言いました。見えてるかと 頭と身体の節々が痛く 私は、トイレに行きたかったので トイレの洗面に
ある 鏡を見て 左目の白目の部分が鬱血私も、その頃から芽生えた、『犯罪』
中学の頃には、不良グループに入り暴走行為 又は兄や姉の
後を付けて仲間と一緒に袋叩きにしました。 親は被害届けを出せず 泣き寝入り
年月が経ち父親が、ガンになり父親の看病可愛いがった子供達には、見放され
母親は、血圧が高く一緒に入院になり
私が、父親の看病をしました。思った事は 手も足も出ない父親は、諸刃の剣と言う事です、母親も一緒です。この時思ったのは、父と母の命は、私の手の中です犯罪は、長年の積み重ねだと思います。私は、主人と出会ってなければ多分いいえ絶対に犯罪を犯してました。
長々と申し訳ありません。
投稿: | 2010/08/28 18:32
あと、格差のある社会より格差の無い社会の方が犯罪は少ないとありました。これは、実験でも証明されていたとおもいます。実験は確か、「スタンフォード監獄実験」です。こういう実験の賛否は置いといて、やはり「社会環境」、「システム」に人間が支配されやすいというのはあると思います。
投稿: ながぴー | 2010/08/28 19:18
厳罰を求めます。
但し死刑以外のです。衣食住に税金が、なんて意見もしごくごもっとで。
だけどもし、自分が遺族なら、他人に犯人を殺させるなんて
耐えられるのか?なんて考えたりも...。
なら、納税者の方々には悪いけど、一生監獄につながれる
苦痛を味わってもらいたい。
って思う自分がいることも否定できません。
投稿: | 2010/08/28 20:54
以前、私は、犯罪者を減らすという観点からの、虐待幼児救出の社会的取り組みの必要性と、幼児虐待の連鎖を断ち切ることの重要性について投稿させてもらいました。
個別の事例について、重罰を科すべか軽い刑とすべきかというセンシティブな点については、意見は言いたくありません。(そこまで個別事件の全貌を把握していません)
ただ、以前投稿した内容に関連し、一つの疑問を提起したいと思います。
仮に、二つの殺人事件があったとします。
一つは、
・妻子のある失業中の男性が、生活に困窮し、強盗を働き偶発的に人を殺めてしまった様な事件。
もう一つは、
・妻子のある失業中の男性が、生活に困窮し、ストレスから自分の子供に大火傷を負わし殺害してしまった事件。
二つとも仮定の事件であり、人を殺害しているという時点で大変な事件ですが、どちらが悪質性が高いと思われるでしょうか。
私には、凶悪というより、後者の方が極めて病的であり、且つ修繕不能な大きな欠陥を持った人間による事件に思えます。
(以前の投稿に関連していえば、”種の保存法則に関わる本能”が極めて欠落した人間です。)
前者の事件の父親は、ひょっとしたら、子供のミルク代に困った、妻子を守りたい、という心境から、そういう事件に至ったのか?という想像もできますが(豊かになった今の日本では余り起こり得ませんが、一昔前ならあったでしょう。)
後者の事件の父親は、逆に守るべき対象となる子供を、さしたる理由もなく殺害しているのです。
動機が金銭目的でもない、怨恨でもない殺人は、普通は快楽殺人の様な病的事件に分類されます。
ところが、幼児虐待による致死事件の様な場合は、何故か、育児ノイローゼによるストレスだとか、生活困窮状態が原因だとか、「正常な人間が、一時的に特殊な環境下に置かれた為に発作的に起こした事件」という見方をしたがる人が割と多く見受けられることに驚いています。
私は、全く逆に考えています。つまり、自分の子供の体に危害を加えることに躊躇がないのだから、本来はアカの他人の体に危害を加えることにも躊躇は無い筈。
ここで抑止効果になっているのは、刑罰や傷付けた相手からの仕返しだけだろう、と。つまり、自分の子供は、自分のモノだから何をしても良い、バレないという感覚から、抑止効果が働かずに自分の欲望通りの行為をしている結果が幼児虐待なのではないでしょうか。
この様な人間は、もし子供がいなかったら、偶然見つけた猫を踏み殺したりしてストレスを発散している場合もあると思います。正直、自分の身の回りにいたら不気味です。
幼児虐待犯と、快楽殺人犯の共通点は、自分以外の身体を、あくまでモノという対象でしか捉えられなくなっていることでしょう。そして、このモノを傷付ける行為を、繰り返します。
「正常な人間が、一時的に特殊な環境下に置かれた為に発作的に起こした事件」の犯人だとすれば、繰り返し繰り返し長期に亘り、子供の身体を傷付ける行為を繰り返すでしょうか?
私は、幼児虐待犯は方向性としては、病的殺人犯と同じベクトルの犯罪者だと思っています。そして、人間の一つの大事な本能が欠落した、こういう人間の一部の中で、極めて稀に重症化したケース(性欲と倒錯した形で結びついてしまったケース)が、快楽殺人の様なモノになると考えています。
また、こういう事件が起こる原因を、離婚や経済的困窮状態(近時の犯罪者の環境)にあるとする様な短絡的な見方は、極めて危険だと思います。
1億3千万人近くの人間が暮らす日本で、離婚した人間や貧しい人間はたくさんいます。だけど、殆ど全ての人達は、子供を大事に育てている訳です。
経済格差が若干大きくなってきていると言われますが、そういう短絡的な見方は、貧困層に対する偏見・差別の意識をますます助長することにも繋がるのではないでしょうか?
幼児虐待事件が起きると、周りはどうしていたのか? とか、犯人の親(祖父母)はどう思っていたのか? とかいう意見が、よくでてきます。
これは、「虐待の連鎖」でかなり説明ができるんじゃないでしょうか? 祖父母も虐待または虐待に近い行為をしていた訳ですから、子供の虐待には無関心でしょうし、何せこういう虐待関係にあった親子は、子供が成人した段階で、大抵は関係が崩壊しているでしょう。
だから、本来 子供にとって親の次に近い血縁者である筈の祖父母が、助けになってくれることが少ないんじゃないでしょうか?
最近の幼児虐待に関連したテレビ等での報道を見て、コメンテーターの発言等を聞くと、何かピントがズレているというか、核心から程遠いというか、場合によっては上述した様な差別的な大変マズイ意見に聞こえることが度々ありました。
勿論、私は自分の意見が全て正しいとは思いませんが、何か短絡的過ぎる様な。。。
投稿: k-chan | 2010/08/30 02:05
育児放棄の方のコメントに出てくる年齢は23歳ぐらいが多い。これはたまたま、事件との関係からだろうとも思いますが。
現在の平均初婚年齢は。女性も28歳を超えているし、男性は30歳超だし。23歳で既に子二人というのは、女性として大幸運なのか。それとも(周囲を見ては)溜息なのか。
28歳過ぎてから結婚した女性は。適度に羽を伸ばしながら金も貯め。産休を得られる待遇を獲得し。相手の男性も。そう無思慮ではないんだろうからねえ。
投稿: ナガイ | 2010/08/30 07:30
23歳ぐらいが多いのではなく23と書いてあるのは全部同一人物です
私は二人の子供がいますが育てて大きくなっていくのが遊ぶより楽しい
子供を連れて友達と買い物に行くのも楽しいし
家族で子供をつれてたまにあそびにいけたらたのしいし一人でなんか遊びに行きたいとあんまり思わないな
1年に1回あるかないかでいい
毎日子供とあそんでられる環境のおかげだと思うけど
仕事してる友達のママもみんな子供がいることが自慢で大変だけどなんかうれしそうに見えます
投稿: | 2010/08/30 10:34
あ。
言い訳を書いたりしない方ですが。
コメントに出てくる年齢。というつもりだったのですが。
つまり、友だちの場合、同僚の場合、孫の母の場合など+投稿者ご本人の場合。逆算も含めて。私、私の友人、娘は33歳ですが、などというのはちょっと見なかったと記憶します。
ぼくにもちょっと早計錯覚があって。同じ年齢の子をもつと書かれているもので文章内容からして同じ年齢ぐらいかな?という早飲み込みも含まれていますから、錯誤で含んだ数もあるかもしれません。
投稿: ナガイ | 2010/08/30 11:51
同じ年くらいの子供がいますと書いたのも私で同一人物ですね
投稿: | 2010/08/31 00:21
<自己愛性人格障害>について興味があります。
知人に重度のその障害を患っていると思われる者がいるからです。
他人の気持ちを汲み取れず、他人の立場に自分を仮置きもできない。
指摘されるても、見直さず、考えを改める。などは絶対にできず
ひたすら我が道が正しい!として進みます。
結果、本人がつらい立場に陥っていますが、それすら気づいていないようです。
純粋すぎる故云々。犯罪者にはならない云々。
その病についてそのような説明も散見しました。
ですが当人は過去に間接的に他人を追いつめ
取り返しのつかない状況に追い込んだ事もあります。
追いつめたなどとは全く認識せずに、ひたすら正論、一般常識を説いただけだと
言っているようです。
その行為自体は犯罪としてはもちろん扱われていませんし
本人もその件について嗚咽まじりに悲しんだくらいです。
その人の行為は確かに<犯罪>ではありません。
ですが、釈然しません。
罰せられなかった。犯罪として扱われなかった。というよりも
本人が全く認識できていない。。。そこに釈然としないのです。
投稿: | 2010/09/13 11:08