世田谷一家殺害事件再考その97(2010年年末情報)
今年も年末の報道がありました。
1)犯人の遺留品のすべてが神奈川県厚木市内で購入できることが新たにわかりました。
捜査本部によると、小田急線本厚木駅周辺の厚木市内では、販売場所が特定されていないマフラー以外の遺留品を買いそろえることができ、同相模大野駅周辺ではトレーナーとマフラー以外の販売が確認されたようだ。
2)捜査本部がここ数年着目しているのは、犯人の遺留品から見つかった3種類の染料だ。捜査本部は犯人が染料を専門的に扱う工業関係者だった可能性を視野に、これらの染料の製造でトップシェアを占めるドイツの化学メーカーにも捜査員を派遣するなどして、流通ルートをたどっているようだ。
染料は、犯人が現場に残したヒップバッグの中から3種類、トレーナーの胸付近から、2種類を検出。宮沢さん方の車庫にある木製の収納家具からも3種類の染料が見つかっているが、犯行時はシャッターが閉まったままで犯人が出入りした形跡はなかった。犯人は、事件前に宮沢さん方に出入りしていた顔見知りの可能性もあるようだ。
3)犯人が宮沢みきおさん=当時(44)=らを殺害後、居間のソファで仮眠した疑いがあることが23日分かった。捜査関係者によると、2階居間にあったソファの端にはクッションが置かれ、頭が乗せられたようにくぼんだ跡が残っていた。
宮沢さん夫婦はきちょうめんな性格とされ、整頓しないで放置したとは考えにくく、捜査本部は犯人が仮眠した疑いがあるとみている。
4)パソコンを操作し、トラックの音で慌てて電源を切った可能性もあるという。
犯人は同日午前1時18分と同10時、宮沢さんのパソコンを短時間操作した後、電源を切断した。
10時ごろには、トラックが向かいの家に宅配をするため、宮沢さん宅前までバックの警告音を鳴らしながら近づいており、犯人は音を聞いて慌てて操作をやめた可能性がある。
5)道路に面した窓のカーテンには外を確認したように隅をめくり上げた跡もあったという。
6)トイレには大便が一部残っており、鑑定したところ、野菜のごまあえが見つかった。一家の食事や胃の内容物とは異なり、犯人が用を足したとみられる。
7)遺留品のヒップバッグの中から、短い毛髪が見つかっていたことが19日分かった。毛髪のDNA型を鑑定したところ、現場に残された犯人のものと一致した。
捜査関係者によると、毛髪は長さ数センチで色は黒く、2階の居間に残されたヒップバッグから見つかった。
8)現場には犯人が宮沢さん方を訪れるまで着用していたとみられるクラッシャーハットが残されており、逃走時には頭に何もかぶっていなかった可能性が高い。
9)一方、現場から行方が分からなくなっていた12年正月に届いた宮沢さん一家宛ての年賀状は、捜査員が聞き込み捜査のために持ち出していたことが判明。捜査本部はこれまで、犯人が宮沢さん一家との接点を隠すために処分したとみていたが、初期段階での捜査が混乱していたことを浮き彫りにした。
捜査関係者によると、事件発生直後に宮沢さん一家の交友関係を調べるため、聞き込みを担当した捜査員が「翌日までに返す」との約束で年賀状を持ち出したが、そのまま返却されなかったという。
10)現場に残されたトレーナーにシリコーンオイルという化合物の成分が付いていたことが新たに分かった。シリコーンオイルは潤滑油や化粧品の原料などとして幅広く利用されているが、染料の色むらを無くしたり、演劇の舞台装置を作る際などの発泡スチロールの加工にも使われている。被害者が事件当時、企業のシンボルカラーを決める仕事をしており、また学生時代には演劇活動をしていたことからその関連性や、シリコーンオイルや蛍光染料を仕事などで扱う人物が事件に関わっている疑いもあるとみて捜査をしている。
11)4人の発見時、服や布団が掛けられるなどして、顔が見えない状態だったことが25日分かった。
室内には色彩の専門書があったことも判明した。
事件は発生から間もなく10年。顔を隠すのは犯人が顔見知りだった場合の特徴との指摘もあり、警視庁成城署捜査本部は宮沢さんの交友関係などを改めて捜査している。
捜査関係者によると、宮沢さんは1階の階段付近、妻泰子さん=当時(41)=と長女にいなちゃん=同(8)=は2階踊り場、長男礼君=同(6)=は2階寝室で発見された。
泰子さんの顔にはたんすから物色されたとみられる洋服がかぶせられていた。礼君はベッド上で頭から布団が掛けられ、宮沢さんには机の引き出しが乗せられていた。にいなちゃんは泰子さんの脇でうずくまるように顔を下に向けていた。
4人とも顔が隠れた状態で、犯人が見えないようにした疑いがあるという。
2010/12/31追記
12)犯人の遺留品であるジャンパーに擦った跡がないことが26日分かった。
警視庁成城署捜査本部は犯人が浴室窓から侵入した可能性が高いとみる一方、ジャンパーの鑑定を踏まえ、玄関から入ったとの指摘も出ている。
捜査関係者によると、宮沢さん宅の2階浴室には縦約50センチ、横約40センチの換気用小窓が地上から約3メートルの高さにあった。
遺留品のサイズやヒップバッグのベルトの長さなどから体格を推定し、同様の人物で再現実験したところ、窓の下に建つフェンスを伝って侵入可能と判断した。
室内から見つかったスニーカー足跡の鑑定で、付着した土の量は2階廊下が一番多く、浴室窓から侵入した疑いを裏付ける根拠の一つとなった。
こんな所ですね。
9)のハガキの件は前向きに考えましょう。
いままで考え抜いても結論の出なかった謎があっさりと解決したのです。私はこの点は心から嬉しいです。
しかも、事件は少しシンプルな方向へ傾いていますね。犯人が持ち去った物は現金と逃走に必要な衣類だけになったのです。(これまで報道されている情報では)。明確に偽装工作と思われる行動は無くなったと思います。
3)の仮眠の件は以前から予測されてましたね。
4)の10時のトラックの音の件は興味深いですね。5)と合わせて一度考えてみようと思います。
7)の毛髪のDNAが血液のDNAと一致したのは当然と言えば当然なんだけど、DNA鑑定の誤りや偽装の可能性が低くなったと思います。
10)のシリコーンオイルも新たな物証ですね。これも一度考えてみようと思います。
11)は微妙な感じですが、いずれ考えてみましょう。
2010/12/31
12)は以前に侵入したと思われる風呂の窓に繊維が付着していなかった事の補足情報でしょうね。
ジャンパーにも窓にも擦った跡が無い事になりますね。
玄関侵入と考えると、足跡の泥の件が矛盾しますよね。ここをどう説明するか?が問題ですね。
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