東京都目黒区夫婦殺傷事件
1月10日午後4時40分ごろ、東京都目黒区上目黒の住宅で、住人の男性(87)が、訪ねてきた男に「殺してやる」と、いきなり刃物で腹を刺され、悲鳴を聞いて駆けつけた妻(81)も手を切り付けられる事件が起きている。
男は逃走しており、警視庁捜査1課と目黒署は殺人未遂事件として行方を追っている。
夫婦は病院に搬送され、夫は午後11時20分過ぎに死亡が確認された。妻は右手を切られたが軽傷らしい。
警視庁によると、
インターホンが鳴ったため、応対に出た夫に男はいきなり「殺すぞ」と叫び、馬乗りになって刺したという。夫の悲鳴を聞いて妻が出てきたところ、男がかまで夫に襲いかかっていた。妻も男に突き飛ばされるなどした。
悲鳴を聞いて駆け付けた近所の男性がスコップで立ち向かい他の3人とともに取り押さえようとしたが、男は逃走した。夫婦は2人暮らしで、妻は「知らない男だった」と話しているという。
玄関に鎌が落ちていたほか、現場から約80メートル離れた路上に果物ナイフが落ちているのが見つかったようだ。
両方とも血が付着しており、警視庁は凶器の特定を急いでいる。男性の家から奪われた物はなかった。
男は身長約160センチで50~60代くらい。黒っぽいジャンパーにグレーのズボン姿で、黒っぽいボストンバッグを所持していたとの事。
現場は東急東横線中目黒駅から南西約300メートルの住宅街。
男は妻の悲鳴を聞いて駆け付けた近隣住民によって夫から引き離された後も、果物ナイフを取り出すなど執(しつ)拗(よう)に夫を襲っていたことが11日分かったようだ。
検死の結果、夫の死因は胸部を刺されたことによる失血死とみられることが判明。
捜査本部によると、11日の司法解剖の結果、夫の死因は刃物で腹部などを刺されたことによる出血性ショック死だった。一部の傷は内臓に達していた。
左手には約10カ所の傷があり、体を守ろうとした際にできたとみられる。
2人は鎌を取り上げ、男を夫から引き離したが、直後に男は果物ナイフを取り出し、再び夫に襲いかかったらしい。
夫は病院への搬送時、周囲に「百貨店の配達があった」と話していたといい、男が宅配業者を装った可能性があるようだ。
玄関にあった鎌は古い品で、泥などで汚れており、柄の部分に血のようなものが付着していたらしい。
警視庁目黒署の特捜本部は、返り血を浴びた男が車通りの少ない路地などを抜け、自宅の約500メートル北東にある東急東横線と東京メトロ日比谷線の中目黒駅方面に逃走した可能性が高いとみて、男の行方を追っているとの事。
捜査関係者によると、男は事件後、被害者方の東側の坂道を逃走。妻の悲鳴を聞きつけた近くの男性が跡を追ったが、途中で見失ったらしい。
その後、同庁で路上を調べたところ、自宅から約200メートル北東の裏路地まで断続的に微量の血痕が確認されたらしい。
被害者方の北東約200メートルの路上で東急東横線中目黒駅方面に徒歩で向かう犯人とみられる男が目撃されていたことが分かったようだ。
しかし、さらに約100メートル北東の中目黒駅の防犯カメラでは男の姿は確認されていないという。捜査本部は男が現場周辺を把握し、電車以外で逃げた可能性があるとみているとの事。
捜査本部によると、男は被害者夫妻に果物ナイフで切り付けた後、黒色のボストンバッグ(縦約40センチ、横約50センチ)を持って逃げたらしい。
夫を刺した男が現場の玄関先に黒いボストンバッグを置き忘れ、逃走する際に取りに戻っていたことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は男の身元の特定につながるような物が入っていた可能性もあるとみて捜査しているとの事。
捜査関係者によると、男は大手百貨店の配送を装って被害者宅を訪問。持参した黒のボストンバッグ(縦40センチ、横50センチ)を玄関先に置き、応対に出た夫を刺した。その後、救出に駆けつけた男性らを刃物で威嚇しながら敷地の外につながる石段を下りて逃げようとしたが、突然、もう一度玄関先に戻り、置いたままになっていたボストンバッグを取って逃走したらしい。
警視庁の事情聴取に対し、妻が凶器の鎌について、「似たものが自宅にあった」と話していることがわかった。また、現場に駆けつけた住民は「ナイフは、男が自分の服のポケットから取り出した」と話しており、果物ナイフには研いだ跡がないこともわかったようだ。
警視庁は、鎌は被害者宅の玄関に置いてあったもので、また、男は新品のナイフを購入し、計画的に犯行に及んだ可能性があるとみて調べているらしい。
捜査関係者によると、被害者宅には左側頭部から後頭部にかけて打撲痕があったが、素手で殴った痕とは異なる状態だった。玄関付近に残された鎌には、柄に血痕が残っていたらしい。鎌は古い物で、妻は「自宅玄関に、もともとあった鎌と似ている」と話したらしい。
男は10日午後4時40分ごろ、インターホンを押して大手百貨店を名乗り、夫が玄関ドアを開けると、いきなり暴行を加えて転倒させ、馬乗りになったとみられる。
捜査本部が改めて事情聴取したところ、妻は駆け付けた際、「男に馬乗りされた夫が鎌を持っていた」と説明したようだ。
捜査本部は夫が男ともみ合いになり、玄関にあった鎌で抵抗した可能性もあるようだ。
大原さんが襲われる約10分前、自宅近くの歩道で犯人と酷似した不審な男が複数の住民に目撃されていたことがわかった。
同庁は犯人の男が、被害者宅に押し入る機会をうかがっていた可能性が高いとみて調べている。
不審な男が目撃されたのは、被害者宅から西に数十メートル離れた「区立蛇崩川(じゃくずれがわ)緑道」。複数の住民が、黒っぽいボストンバッグを持った男が立ち止まったり、ゆっくりと歩いたりする姿を見かけていた。男はがっちりした体格で顔が浅黒く、黒いハーフジャンパーを着ていた。妻(81)は犯人の男について「色が黒かった」などと証言しており、特徴も一致するとの事。
参考リンク
東京都目黒区夫婦殺傷事件その2(第一印象)
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