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2011/10/28

指掌紋自動識別システム不具合問題

警察の指掌紋自動識別システムのプログラムに不具合が発見されました。
警察不祥事のカテゴリに書きますが、不祥事と言う程の事では無いと考えています。
とりあえず、警察関係のカテゴリがこれしか無いのでこちらに書いて起きます。

それから、警察や納入したNECを弁護するわけではないけど、プログラムの世界では大規模システムでの「完全テストは不可能」と言われています。従って「バグゼロ」も不可能と言うのが通説です。

だけど、今回はプログラム更新の前は正常に動作していたとの事ですから、最初の納入時にはテストできていた可能性がありますよね。
更新時のテスト漏れがあったのだとすれば、防げた不具合の可能性が高いと思います。
不具合の発見も警察の現場研修で発見されてますからね。

報道内容は以下の通り

10月27日、警察庁は容疑者から採取した指掌紋と犯人が犯罪現場に残した指掌紋をデータベースに登録して自動照合する「指掌紋自動識別システム」で、現場から採取した掌紋を数値化するプログラムの一部に取り違えがあり、照合に不正確があったと発表したとの事。

システムを納入したNECのプログラムミスが原因で、システムを更新した平成19年1月以降、約10万2千件が誤って登録されていたらしい。

掌紋が一致するかの最終的な確認は目視で行っているため、プログラムミスに伴う誤認逮捕はないが、余罪を見逃していた可能性があり、警察庁で再照合作業を進めているようです。

犯罪現場に残された犯人の掌紋については、都道府県警が採取後に画像をコンピューターに読み取って目視による補正をかけ、特徴点を抽出して警察庁の「遺留掌紋ファイル」に登録する。
一方、容疑者から採取した掌紋についても同様の手順を経た上で、警察庁の「押なつ掌紋ファイル」に登録。いずれの掌紋も登録と同時に指掌紋自動識別システムで相互に照合して類似の掌紋を選び出し、最終的に目視で確認して余罪の有無の確認や犯人の特定につなげているとの事。

問題があったのは、掌紋の特徴点を抽出して数値化するプログラム。19年1月にシステムを更新した際、指紋用のプログラムと取り違えたことが原因で、類似の掌紋を選び出す際に誤差が生じて照合が不正確となっていたらしい。

指掌紋業務の担当者への研修を行っていた今年5月、警察庁がプログラムミスに気付き、NECに調査を指示した。

この間に登録された掌紋は約10万2千件で、このうち殺人と強盗殺人の約1千件については、すでに正しく数値化した上で目視による確認も済ませたが、押なつ掌紋ファイルとして登録された容疑者と一致するものはなかったらしい。
このほか、強盗強姦や強盗致傷といった残る重要犯罪約3千件についても同様に目視による確認を急いでるようです。

警察庁ではさらに、11月上旬までに、正しいプログラムと入れ替えた上で、改めて遺留掌紋ファイルに登録し直し、特別体制で再照合作業を進めるとの事。

システムはリースで、警察庁は年間約39億2千万円をNECに支払っているとの事。

NECの話「今後、プロジェクト体制の強化を図ることで、このようなことが二度と起こらないよう再発防止に努めたい」

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コメント

 リース料にびっくりしました。装置を含めても、もう二桁安いのが妥当な料金かと。オリンパスの過去のM&Aもここまでボラれていなかったのではないでしょうか。

投稿: あすな郎 | 2011/10/28 20:08

そんなに税金使ってんの!?そんで結局、目視でやり直しって、どうなの。その作業の賃金だって、税金だよ。警察だって他にやることいっぱいあるだろーに。
価値ないシステムでしたね。
ぼったくり。

投稿: | 2011/10/29 00:13

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