« 福岡県久留米市5歳女児虐待事件 | トップページ | 反省の為+4年? »

2012/07/28

精神分析の名著 - フロイトから土居健郎まで

精神分析の名著 - フロイトから土居健郎まで (中公新書)
偶然、本屋の棚で見つけたのですが、購入には迷いがありました。
内容を読むと、私のような素人が読んで理解できるのか?と言うのが不安点でした。
しかし、その反面読んでみたいとも思いました。

私自身は事件推理やあるいは人間観察の為の知識としてメンタル系の知識に興味がありました。精神分析といえばフロイトは頭に浮かぶのですが、その後現代まで続くその業績はどんなものなのか?と言うのは殆ど知りません。そのあたりに強く惹かれました。

結局購入したのですが、フロイトから始まる精神分析家16名の代表的な21冊を解説してくれています。
21冊のうち、土居建朗の「甘えの構造」以外は専門家向けに書かれた論文が殆どなので読みやすく要約してあるとは言え、素人にはかなり難解です。
私としては多分、3割ぐらいしか理解できていないと思います。
「まあ、こんな感じ」と言うぐらいですが、それでも良いかな?と思って、難しい所は読み飛ばしてしまいました。

ただ、序説の精神分析の歴史や各人物の解説は非常に分かりやすく、私の興味を満足ささせてくれました。

「あとがき」にもありましたが、この本は学派=学校になっているのではないか?
と言う事で、素人にとってはこの1冊を読むことでなんだか、「精神分析を一通り勉強した気になれる」点はお得感満載です。
逆に、専門家には物足りないだろうなと言うか、多分、基本的な事しか書かれていないのだろうなと思います。(専門家なら知っていて当然と言う意味で)

ここに書かれている21冊の中で各学派の代表的な本は各1冊づつぐらいは読んでみたいと思いました。
しかし、それにはもっと勉強が必要ですね。
とりあえず、「甘えの構造」は読んでみようと思います。

それから、本題とは違うところで、面白いと思った点は
・精神分析家になろうとする者は慣例として自分自身が訓練分析を受けると言うのは知りませんでした。(どんな物なのかちょっと受けてみたい気もする)

・境界例や自閉症、統合失調症等についても精神分析的アプローチが行われていたと言うのも、ちょっと驚きでした。

・児童の精神分析についてクラインとアンナ・フロイトの論争があったと言うのも興味深いですね。

・「症例ドミニク」みたいな面接の詳細が記載されている本には強く惹かれるので、一度読んでみたいが、価格の問題はあるな中古でも2600円か・・・

・精神分析が「根拠が無い」とか「フロイトは飲み屋の親父と同じ」みたいな事を言う専門家の本も見たが、その理由が分かったような気がする。
結局、精神分析は目に見えない「心」を扱うので症例などから仮説を立ててどうなっているのかを考える為に人によって異なる仮説が作られる事になり、そのあたりが根拠が無いと云う事に繋がっているのだろうと思います。
でも、私としてはそれでも、現実の症状や心の動きを説明できるのであれば、完全ではないだろうけど、十分価値はあるだろうと思います。

|

« 福岡県久留米市5歳女児虐待事件 | トップページ | 反省の為+4年? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 福岡県久留米市5歳女児虐待事件 | トップページ | 反省の為+4年? »