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2013/02/08

栃木県小山市城北中2女子殺人事件

2月5日(火)午前6時10分ごろ、栃木県小山市城北のアパートから「娘の首を切った」と119番通報する事件が起きている。

駆け付けた消防隊員が倒れていた中学2年の女子生徒(14)を見つけ、病院に搬送したが意識不明の重体、その後5日夜に死亡したとの事。

県警小山署は殺人未遂の現行犯で、アパート駐車場にいた母親で無職、女性容疑者(37)を逮捕したとの事。

容疑は、同日午前5時50分ごろ、自宅アパートの室内で、長女の首を包丁で切りつけた疑い。同署によると、「切りつけたことは間違いない」と容疑を認めているらしい。
室内からは血のついた包丁が見つかったとの事。

容疑者は長女と2人暮らし。長女が通う中学校などによると、容疑者は「娘が口をきいてくれない」と悩んでいたらしい。

時系列に情報を並べると
2月2日(土)に容疑者から「風邪ではないが、休ませてほしい」と連絡があり、長女は部活動を休んだ
らしい。

2月2日午後、容疑者から学校に「ご相談があるのでお会いできますか」と担任に電話があり、学校を訪れたものの、5分ほどして「頭が整理できないので帰ります」と帰宅してしまったらしい。

2月3日(日) 部活動顧問や教頭らが容疑者の自宅アパートを訪ねたが、容疑者に「今は困る。会わせられない」と断られた。

2月4日(月)も長女は登校しなかった。

2月4日 教頭や学年主任などが訪問したが、断られた。
2月4日昼 担任や学年主任は、元夫や県南児童相談所に連絡し、相談した。相談前に、元夫が自宅で長女の無事を確認した。元夫が毎日容疑者と連絡を取って学校に報告することにしたらしい。

2月5日5:50 事件発生
2月5日6:10 自ら119番通報する。
2月5日 児相も、この日、会議を開いて対応を相談しようとしたらしい。

とこんな感じですね。
普通に14歳と言うのは難しい年頃だと思います。母娘の2人暮らし。
母親は無職ですがどうやって生計を立てていたのか?
誰か経済的支援をしてくれる人物でもいたのかな?
そのあたりの事情も母娘関係を微妙な物にしていたのかもしれません。

母親としては、1人しかいない娘に全精力を注ぎ込もうとしても不思議じゃないですよね。
「この子が私の全て」と言うような状態なのに、娘の方は話もしてくれない。
母親に何か「見捨てられ感」とか「喪失感」とかがあったのかな?

とにかく母親は相当なストレスがあったと思います。

事件の当日も事件発生は朝5:50頃です。ぐっすり寝て起きてから事件を起こしたと言うよりは、一晩中悩んで正常な判断ができないような状態で事件を起こしたのではないでしょうか?

20分後、自ら119番していますから、犯行後は冷静になって「ハッと我に返った」と言う事なんじゃないかな?

憶測ですが正常な判断が出来ない状態でも、なぜ、最愛の娘を刺してしまったのか?
やはり「失いたくなかった」って事なのかな?

この事件を防ぐには?って視点で見ると、やはり前兆と思えるような不自然な事も幾つか起きていましたから、もう少し早く、周囲が対応できていたら、この事件を起こす事は無かっただろうと思います。

2日の言動、3日の言動がかなり怪しいですね。
容疑者はかなり「まじめ」な性格だったんでしょうね。
「風邪じゃないけど休ませる」と連絡してますし、その日の午後には、わざわざ学校に相談しにきて「頭が整理できないので帰ります」と5分も経たずに帰ってしまうなんて相当な葛藤があったのではないか?と思います。

だから、学校側も翌日、翌々日に家庭訪問してるし、元夫や児相にも相談している。
このあたりの学校の対応は良かったと思います。
一方の児相もこの事案の情報が持ち込まれたのが事件発生の前日ですから対応が遅れたと言うのは少し酷な気がします。
4日の相談でも、元夫が毎日報告する事にしてますし、初見の対応はそれほど間違っているようにも思えませんね。情報もそれほど多くなかったと思いますし。

・・・しかし、事件は防ぐ事ができませんでした。
そう考えると、ポイントは
A)4日の段階で事件を予見できたのか?
B)2日以前に母娘に異変は無かったのか?

A)については
4日以前に暴力などが無かったようだし、精神的に問題が無いようなら危急の案件では無いと判断してもしかたないのかな?

一つだけ方法があるとしたら、4日の段階で専門家に面接してもらう事ぐらいでしょうか?
児相は4日の段階では学校や元夫からの伝聞情報しか知らないでしょうから、もし、専門家が面接していたら異常に気付いたかもしれません。

かと言って、それだけ人的資源とコストを児相が確保できるのか?って問題はありすけどね。

B)については
やはり、娘の通う学校で娘の口からなにか、母親に対しての不満など友達や担任が何かきいていなかったのか?
と言うあたりが気になりますね。

2日以前に何かあれば、学校や児相の動きももっと早い時期になったと思いますね。
かといってこちらも難しい所ではありますよね。娘がそんな事を誰にも話さない場合も考えられますし・・・

でも、この2人だけの家族の社会との接点は多分少ないと思うので、その少ない周囲の人間しか異変に気付く事はできないだろうと思います。

いずれにしても、精神鑑定の話がでると思います。

続報を待ちましょう。

最後に亡くなった女子中学生のご冥福をお祈りします。

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コメント

>今は困る。会わせられない
この言葉が引っ掛かります。先生方に会わせられない状態ってことでしょうか。
となると、元夫が娘の無事を確認した手段が気になります。直接姿を見たんでしょうか?

周囲が動き始めた翌日の事件なら、娘を元夫や児相に奪われるという感覚もあったかもしれませんね。

母親が不安定に見えたなら、身内や信頼できる友人などについていてもらうのも一案だったかもしれません。夜通し悩むにも、一人より他人と話した方が少しはマシな考えも出てきますし。
もちろん、該当者がいない人もいますし、話したから解決するとは限りませんが。

投稿: つれづれ | 2013/02/09 07:42

宇都宮地検は殺人容疑で送検された母親の女性容疑者(37)を精神鑑定のため、鑑定留置するとの事。

投稿: ASKA | 2013/02/23 20:49

精神鑑定…
何かつじつまの合わないことを言っているのでしょうか。

記事でみる言動は、親子関係に悩んで揺れる母親に見えますが…。
離婚理由や今までの人間関係を総ざらいしなければ見えてこない動機があるのかもしれませんね。

投稿: つれづれ | 2013/02/26 23:18

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