世田谷一家殺害事件再考その117(日記と作業委託説)
昨年末の新情報で新たに
みきおさんは亡くなる前日まで、日々の行動と出費を細かく日記に付けていた。それを見返してもトラブルは見当たらない。
と言う情報が出ています。
犯人の持ち物と現場から同じ染料が出ていること。犯人のDNAが現場のスリッパから出ている事を考えると、犯人は顔見知りだった可能性があり、日記にトラブルが無いと言うのは謎です。
そこで、この謎を解く為に考えたのが、実はトラブルは起きていたが、日記を書く前にみきおさんが殺害されてしまった為に書かれていないと言う事です。
日記は前日分までしか記載されていなかった、それは、みきおさんが当日の日記を一日の最後に記載する習慣だったからだと言う説明ができます。
つまり、トラブルは12月30日に起きていたと言う事になります。
そして、染料の事も絡めて考えた新たな仮説が「作業委託説」です。
まず、染料がどうして現場のガレージ一箇所からしか、その痕跡が出ないのか?と言う疑問を考えます。
つまり、染料のビンや染色された物がなぜ出ないのか?
宮沢さん一家の趣味や仕事なら、染料自体のビンや染色された物が出るはずでしょ?と言うわけです。
ここで私が考えた説明は「染料のビンも染色した物も誰かに渡した為、現場には残っていない」と言う説明です。
つまり、現場では一時的に染料を使ったが、使い終わった染料や染色された物は犯人に渡して、現場には残っていない。
でこんな事が起きるとしたらそれは何か?と考えて、出した結論は「作業委託」です。
犯人が宮沢さんに「染料で何かを染色する作業を委託した」。作業に必要な機材(染料等)は犯人が提供し、成果物として染色された物を納品し、作業の為に借り受けた機材(染料)を犯人に返却した。
こう考えると、染料自体、染色された物が現場に残っていない事が説明でます。
さらに、作業自体はガレージの中で短時間で行われた。犯人立会いで蛍光発光の確認をガレージで行ったとすれば、ガレージからだけ発見された理由が説明できます。
そして、この作業委託説が都合の良い点が色々あります。
A)納品時に納品書、請求書、領収書が発行され、その控えと原本を宮沢さんが保管しているはず。
これは犯人の名前や社名、日付が記載されているはずで、犯人にとって非常に都合が悪い物になります。
つまり、犯人が書類を浴槽にばら撒いたのはこの伝票を探す為だったと説明できるわけです。
B)作業委託時の作業指示がメールか電話で犯人から伝えられているはずです。
この為、犯人はPCの中にこの指示書が残っていないか調べなければなりません。これがPC操作の理由になります。
ただし、メールが削除されていたら流石に捜査本部は見逃さないと思います。
なので、作業指示は電話で行い、PCには請求書や納品書のデータが残っている為、そのデータを削除したと考えています。
ただ、まったく別の可能性もあります。
犯人はなぜ、宮沢さんに作業を委託したのだろうか?と言うのも疑問です。
可能性は二つ考えていて。
B-1)12月30日と言う日付から、一般の業者はすでに年末年始休みに入っていて、作業依頼できなかった場合。年明けにどうしても間に合わせなければならなかったのかもしれません
そこで、個人的に知り合いだった宮沢さんに急遽依頼したと言う場合。
B-2)B-1)にも関係しますが、実はこの作業は宮沢さんしかできない作業だった場合です。
色の微妙な調合のレシピを宮沢さんしか知らないとか、蛍光染料の固定方法を宮沢さんしか知らないと言う場合ですね。
この場合に、宮沢さんのノウハウをPCの中から探そうとした場合も考えられると思います。
染料に関連してもう一つ考えなければならない事があります。
この作業委託説にはまったく逆のパターンが可能性として考えられます。
C-1)宮沢さんが作業を請け負う場合。
これはここまで考えてきた場合です。
犯人のラグランシャツ、ヒップバッグから染料が発見されていて、犯人自身が染料を使う事が分かっていますから、そうなると、犯人が元受(1次請負)で宮沢さんはそこから作業を請け負う、2次請負、3次請負だった可能性もあります。
ただし、何度も染料を使う作業を宮沢さんが行っているのであれば、宮沢さん自身の身の回りにも染料が出てくるはずなんですよね。だから、この場合は、この染料を使う作業は「この時が始めてだった」しかも、作業自身はガレージの中で簡単に終わる物だったと考えないと矛盾がでそうですね。あるいは、いつもは犯人の職場で作業していたとかね。
初めてだったとすると、周囲の人間が宮沢さんがこの作業をしている事を知らないと言う事になり、事件後の手がかりが消えて、聞き込みしても情報が出てこないと言う事も説明できます。
C-2)宮沢さんが作業を発注する場合。
こちらも、実は成り立ちます。宮沢さんが作業を発注して、犯人は納品物だけを持って訪問、ガレージで宮沢さん立会いで納品物のチェックを行った場合。そして、宮沢さんが納品を拒否した場合は染料、染色された物、どちらも現場に残されないと言う事になります。この場合は伝票が残されないですが、宮沢さんが発行した作業指示書がPCに残ります。さらに、何度か発注した相手なら、これまでの伝票類が残っているかもしれません。
しかし、この場合、最大の問題は日記になります。宮沢さんが発注側なら、事前に発注する事が分かっているので、前日の日記に明日、Aさんに発注するなんて記載があってもおかしくありません。
このあたりを踏まえて、作業委託説で事件の概要を考えて見ましょう。
1)12月30日、昼間、以前から何度か仕事をした事のある犯人から急な作業委託の注文が入った。
2)犯人から電話で作業内容が指示され作業可能と宮沢さんが返答、作業を受託する。
3)犯人は必要な機材を持って宮沢さん宅を昼間に訪問、短時間に作業を終了して納品書、請求書、領収書を発行。
4)ところが、夜になって事態は一変する。納品物に問題があり犯人が返金を宮沢さんに迫る為に訪問。
(トラブルの原因は分かりません。作業の指示ミス、作業ミスなど考えられますね。色違いだったとか)
5)ここで口論になるが、結局、作業の指示ミスだった為に宮沢さんから返金されず、追い返される。
6)お金に困窮していた犯人はどうしても、返金してもらう必要があり、強盗を決意、宮沢さん宅に侵入、事件を起こす。
(あるいは立場上の問題などもあるかもしれません、会社にそんな指示ミスで損害を報告できないとかね)
7)トラブル元のみみきおさんを殺害、トラブル内容を知っているかもしれない泰子さんを殺害、泰子さんと一緒にいたにいなちゃんも同時に殺害する。最後の礼君は一人残されるのを不憫に思い殺害、この為、一人だけ殺害方法が違う。
8)殺害後に犯人自身の手がかりを消す為に、伝票類を物色、同時に返金してもらうべく、現金を物色する。
これによって、2階の浴槽に書類がばら撒かれる、そして、PCの中の情報も物色消去される。
9)この後が問題で朝まで現場に居たのか?それとも、深夜に逃亡しているのかは不明です。
さらに、トラブルがこの日1日で起こっているので、外部にこのトラブルが漏れる事がありませんし、日記にも記載されません。
だから、宮沢さん周辺に目だったトラブルが無いと言う点も説明できますね。
舞台や演劇だけでなく、例えば、アニメがらみでフィギュアの色付けなども考えられるかもしれません。
とは言え、裏づけが全く無い妄想なんですけどね。
| 固定リンク
コメント
日記にトラブルが書かれていないのと泰子さんが必要以上に刺されている事。事件前に電話で泰子さんが口論していた証言などを考えると、犯人の目的は泰子さんであった可能性もあるのではと思います。
塗料は、泰子さんが何かを発注していたのかもしれません。
話は変わりますが某動画サイトでは、みきおさんの所属していた劇団の人の動画があります。脚本を書いていたとかそういう内容だったと思います。
投稿: フリフリ | 2013/07/15 01:34
フリフリさん、今晩は
情報ありがとうございます。みきおさんは劇団活動をしていたんですね。
状況は泰子さんとみきおさんをそのまま入れ替えても成り立つとは思います。
その場合、泰子さんと染料やその他の物質との関連性が何か?と言う事になりますね。
科学実験の教材と言う事なら、全て説明できるかもしれません。科学実験を授業でやっていたのか?と言う情報が欲しいですね。授業と言うよりは息抜きの遊びと言う事かもしれませんが・・・
投稿: ASKA | 2013/07/16 20:55
怨恨説は無いと思う。みきおさんも奥さんも、只々、我が子を守る為、最後の最後まで必死に犯人に抵抗をしたので、必然、犯人は必要に刺したのであろうと思う。故行きずりの強盗であると思う。被害者宅の周りは、公園であり、夜になれば人通りも途絶え、泥棒なり強盗なりの格好の餌場であったのであろうと思う。だから、夜中の犯行を選んだのであろう。故に、"必要に刺した"="怨恨"であるとは言えないであろう。よって、窓に格子を付けるとかしていたら、犯人も犯行を諦めていたものと思う。
投稿: 名無し | 2013/07/24 00:02
多くの人が知らないと思うので書かせて頂くと
しまってあったスリッパから犯人が残したDNAと同じものが検出された事が一昨年の警察発表で明らかになっています。
明らかに事件前に犯人が入った証拠です。
投稿: フリフリ | 2013/08/01 12:21
わたしは、興信所に依頼した アオキ が気になりますね。少なくとも半年前くらいからは情報収集はあるのではないかと思います。また、奥様に恨み?があったのではないかと思います。
投稿: サウナ | 2013/10/07 20:07
みきおさんはメモ魔といって言いほど日誌を詳細に書いておられましたがスケジュール帳はないのでしょうか?私たちは友人からのメールで「来月の16日遊ばない?」ときらたまずスケジュールをチェックしますよね?事件が起こらなければ2001年の1月から3月にかけて宮沢一家は大忙しだったに違いありません。土地に関する契約、新宅について建築家との打ち合わせ、新しい家具探し、引越し業者手配、役所の手続きなどこれらの事を3月末までに済ませなければいけない。これだけ2001年の四半期が多忙になる人がスケジュール帳を持ってないのはおかしな話です。
サウナさんが御指摘のように、事件が計画的なものなら「アオキ」が興信所に依頼した8月半ばより邪悪なプロジェクトが始まったのかもしれません。
投稿: 事件解決を望む者 | 2013/10/09 14:08
もう11月ですね
前のコメント欄にどなたも回答して下さらないので自分で考えてみました。
1.みきおさんはスケジュール帳を持ってない・スケジュールをメモする習慣がなかった
2.犯人が持ち去った
3.警察が被疑者の情報が含まれているので密かに保管している
1の可能性は前のコメント欄に書いたように非常に確率が低いです
2ですと犯人に関する情報が書かれていたかもしれない
持ち去ったスケジュール帳には犯人に繋がる情報があり日記にはそのたぐいの事は全く書いていなかったので安心して置いていったとも考えられます。皆様の意見を聞けたら嬉しいなと思います。
投稿: 事件解決を望む者 | 2013/11/02 06:27
事件解決を望む者さん、おはようございます。
スケジュール帳はあってもおかしくないですね。
1)日記をつけている人ならスケジュール帳もありそう
2)アニメイベントなどに参加するなら、年数回のスケジュール管理が必要。
3)運動会など子供関係のイベントもありますね
4)夫婦共働きなので、康子さんが仕事で子供の面倒を見れない時、みきおさんが代わって子供の面倒をみたり
5)引越しなどもあると思います。
ただ、スケジュール帳があるなら、その存在は友人や知人など周囲の人は知っていると思うんですよね。
スケジュール帳は人前で使う事が結構あると思います。
打ち合わせして、次の打ち合わせ何日と決まれば、その場で記入したりするでしょうね。
(金目の物ではないので、あえて犯人が持ち去る理由がありませんから、犯人の目の前でスケジュール帳に犯人とのスケジュールを記載していて、犯人がそれを覚えていたから、持ち去ったと言う事になるんでしょうね)
日記とか、スケジュール帳とかって旧い物も捨てにくいので、数年分が保管されていた可能性がありますよね。
この場合、今年の1冊だけ無くなっていれば、年賀状と同じで警察は注目するでしょうね。
逆に全て無くなっていたら、警察は見逃したかもしれませんね。
証拠として重要と警察が考えれば、警察が保管している可能性はあると思います。
それから、もし、自宅で打ち合わせと言うような事だと、康子さんも同じスケジュールを康子さんのスケジュール帳に記入しているかもしれないですね。
と言う事で、みきおさんのスケジュール帳を持ち去るなら、康子さんのスケジュール帳も持ち去らないといけなくなると思います。
現場から持ち去られたと思われる物については、警察は既に発表しているので、スケジュール帳もなくなっているのであれば、発表すると思います。
なので、もし無くなっているのであれば、警察はそれに気づいていない場合か、あえて発表していない場合だと思います。
投稿: ASKA | 2013/11/02 07:52
みきおさんは、塗料を購入したこともなく、塗料を使用した作品を作ったわけでもなく、犯人が持ってきた作品を見ただけでは、と思っています。
犯行日以前に持ってきた時は昼間、蛍光塗料を使った作品なのでその効果を見るために車庫に入った。車庫の地べたに置くわけにはいかないので、汚れていないものを台にしようとした。道具入れの引き出しを取り出し、引っくり返して台にし、その上に作品を置いてしばし鑑賞した(几帳面なみきおさんでも、車庫内にキレイなもの、台にできるものはそのくらいしかないと思います)。
それで引き出しの裏側に塗料が微量に付着したが、他の場所には塗料の跡も塗料の容器も道具も技術書等も作品も、それに関わる記録もないのだと考えます。犯人は作品を抱えていたので、車庫内のどこも触ってはいず、指紋もない。ごく親しい入江さんも塗料について全く推測出来ない
作品の披露が訪問の主目的でなければ、こういうものを見たとわざわざ日記に書かなくても変ではないと思います。
投稿: おひょい | 2013/11/17 02:12
犯人とされる人のDNAが検出されたってスリッパに被害者たちの血液が付着していたかどうかの情報はありましたか?付着してたなら、事件(犯行)後に履いた。そうでないなら事件(犯行)前に履いてたんじゃないのかなと思う。
投稿: | 2015/06/20 15:08
犯人が宮沢さんに作業委託をしていたとすれば何かしらの連絡ツールに痕跡が残っているはずですし、警察がそれを見逃すとは思えません。
電話でやりとりをして領収書などは犯人が持ち去った場合でも、警察は宮沢さんの携帯、固定電話の通話記録から宮沢さんと関わりがあった人間をしらみつぶしに当たっているはずです。
警察がそこから犯人にたどり着けないという事は犯人は宮沢さんと全く接点の無い人間、もしくは連絡先を交換するほどの交友はないが顔見知りの人間だと思います。
現場の異様な状況から全く接点の無い者の犯行だとは思えないので私は後者であると考えています。
投稿: アムラー | 2018/07/30 06:33
お久しぶりです。こんばんは。
この事件何故かみきおさんがターゲットもしくは事件が起こった原因である事前提の様な感じにとらえがちですが、実はみきおさん全然事件には関係無いのではと思います。
投稿: 事件簿ファン | 2018/07/31 01:41
帰国したらとんでもない猛暑ですね。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASL830CGQL82UTIL075.html
https://mainichi.jp/articles/20180803/k00/00e/040/270000c
バリカンで苅った黒髪か見つかったそうです。
バリカン→理髪店。(美容院ではやらない)
投稿: 事件解決を望む者 | 2018/08/03 14:03
事件解決を望む者さん、こんにちは
バリカンには家庭用もありますよ。
私は二十数年前に買ったNational製家庭用バリカンを今も使っています。
それともう一つ、キワ剃り刃付きの電気カミソリが有りますよね。
キワ剃り刃を使って、もみあげ部分を切りそろえた場合もバリカンで切ったのと似たような切り口になるように思うのですがどうでしょう。
投稿: ROCK | 2018/08/04 15:35
髪を切った時のものが入ったとして細かいものにしては2種類のものが1つずつなのは不思議な感じがする。
同じ髪なら2本以上はあるのでは?
髪を切った後は結構、手や衣服に細かいのが多く付いてしまう気がする。
払っても静電気などで残ってしまうので、そういうのが残って入ったとしても、別々の2種類だけ2本が入っているとは思えない?
犯人が、わざと入れたようなことはないのだろうか?
血液といい、犯人が持ち込んだ第3者の物という可能性はないのだろうか?
血液は持ち込んだような物ではなく元から家にあった物に飛び散ったもので物証が残っているのだろうか?
(犯人が持ち込んで細工出来ないもの(服とか手袋、鞄などではなく、壁とか床、家具など)に不自然ではなく飛び散ったものが残っているのだろうか?)
投稿: | 2018/08/05 08:48
現時点で警察が、髪の毛情報を出す意味が理解できないです。なんだか捜査の限界に達したと言っているような感じがします。
投稿: 亀さん | 2018/08/06 16:38