黒子のバスケ脅迫事件その2(容疑者逮捕)
容疑者逮捕です。
まずは続報です。
1)逮捕されたのは、大阪市東成区の派遣社員、男性容疑者(36)。
男性容疑者は15日午後3時ごろ、東京都渋谷区の商業施設「恵比寿ガーデンプレイス」近くの路上で、郵便ポストに脅迫文を投函しようとしているところを追跡していた捜査員に確保された。「ごめんなさい。負けました」。容疑者は観念したようにそう述べ、一連の事件について「1人でやった」と供述しているとの事。
2)逮捕時に所持していたリュックサックには、今月末に都内で開催予定の高校のバスケットボール大会や、「コミックマーケット」と呼ばれるイベントの主催者などに開催中止を求める脅迫文約20通が入っていた。封書はこれまで届いたものと同様に、宛先を印刷した紙が表に貼られていた。
容疑者は身柄を確保された後、麹町署に任意同行され逮捕状を執行されたが、「脅迫文を投函するために15日に上京した」と供述しているという。
3)警視庁捜査1課は17日、威力業務妨害容疑で逮捕した大阪市東成区の派遣社員、男性容疑者(36)を東京地検に送検した。
4)「一連の事件に共犯者はいない。すべて自分一人でやった」と供述している。
送りつけられた脅迫文などでは、複数の人物の関与が示唆されていた。警視庁は容疑者が捜査を攪乱(かくらん)するために共犯者の存在をほのめかしていた可能性があるとみている。
「黒子」の関連の菓子に毒を混入したと記した今年10月の報道機関あての脅迫文では、自身を示す「わし」のほかに、共犯者として「喪服」という人物が登場。「(喪服は)上智で最初の事件を起こしたときは埼玉に住んでおった」「今はわしが親族名義で借りとる東京多摩地域の賃貸で過ごしとる」などと記されていた。
5)容疑者特定の決め手となったのは、男が所持していた特徴のあるリュックサックだった。
警視庁の捜査員は、防犯カメラに映っていたリュックサックと同じリュックサックを持った男を、JR大阪駅の高速バス乗り場で発見した。
15日午前6時台の高速バスで、大阪から東京に向かった容疑者。
バス乗り場で、いわゆる「見当たり捜査」していた警視庁の捜査員は、黒地に白いラインのあるリュックサックを持った容疑者を発見した。
そのリュックサックは、これまでの防犯カメラの解析から、捜査線上に浮上していたものと
よく似ていて、捜査員は、そのまま容疑者と同じバスに乗り込んだ。
容疑者と捜査員を乗せたバスは、午後2時すぎに、東京・新宿駅前に到着。
その後、渋谷区へと電車で移動した。
身柄を確保される前、容疑者は、ポストに脅迫文を投函していたという。
1度目の投函を確認した捜査員は、さらに、容疑者を尾行した。
徒歩で5分ほど離れた場所にあるポストの前で、容疑者に声をかけた。
捜査員に声をかけられた容疑者は、若干抵抗したあと、「ごめんなさい、負けました」と連行に応じたとの事。
6)容疑者は「作者とは面識がなかった。バスケ漫画の成功に、やっかみがあった」と話しているとの事。
7)容疑者は「証拠を残さないよう細心の注意を払っていた」と供述しているとの事。
約500通にも上る脅迫文、脅迫文の消印は、「銀座」(東京)、「さいたま新都心」(埼玉)など関東圏や、「住之江」(大阪)、「尼崎」(兵庫)など近畿圏のほか、福岡、静岡、愛知県などで、計16か所で投函されていた。鑑定の結果、封筒や脅迫文書、切手からは指紋が一つも検出されなかったが、防犯カメラの映像が決め手となって浮上した。
8)容疑者は「上智大に置いた容器入りの硫化水素は、市販の洗剤と染料を混ぜて発生させた」と供述している。
容疑者宅からは「硫化水素発生中」などと書かれた紙片や、「黒子のバスケ」の単行本、少年ジャンプなども押収された。
9)2012年10月、逮捕容疑となった上智大(東京都千代田区)に対する業務妨害事件の犯行声明とみられる文章が千葉県浦安市のインターネットカフェからネット掲示板に書き込まれたが、それ以外の書き込みは発信元特定が困難な海外サーバーが使われていた。
10)容疑者の自宅マンションの住民によると、同容疑者は約1年前に引っ越してきたという。しかし、今年10月に毎日新聞社を含む報道機関に届いた脅迫文では住んでいる場所について、作者(31)と「面識があった頃は千葉市内」と記載。他にも「上智で最初の事件を起こしたときは埼玉」「今はわしが親族名義で借りとる東京多摩地域の賃貸で過ごしとる」などと記していた。
11)上智大学(東京都千代田区)で、硫化水素入りの容器や「俺は藤巻忠俊が憎い。漫画をやめろ」などと書かれた脅迫文が置かれているのが見つかった。
2週間後の10月26日にも、2ちゃんねるの閲覧者の質問に答える形で、「(動機は)端的に言えば復讐(ふくしゅう)」「藤巻の居所が分かっていれば、とっくに刃物持参で押しかけている」などと書き込みがあった。
今年10月に産経新聞などに届けられた脅迫文では「動機は藤巻への怨恨(えんこん)や」「藤巻と黒子の存在を許してきたこの世を俺は許さない」と繰り返している。
同じ脅迫文では「もし人生をやり直せるのならマンガ家になりたい」「今の日本で最も価値の低い命から最も価値の高い命への反乱」などと書かれていたが、容疑者は日雇いの派遣社員で、家賃4万円のワンルームマンション暮らしだった。
12)今年10月に大手コンビニチェーンや報道機関に届いた脅迫文には、千葉県浦安市のコンビニエンスストアに毒入り菓子を置いたとの記述があり、回収された商品からはニコチンが付着したウエハース菓子が見つかっている。検出されたニコチンは致死量の100分の1程度と微量で、たばこに水を付けて抽出したとみられる。
13)容疑者は高校を卒業して専門学校に進んだ後、別のアニメ関係の専門学校に入り直した。「漫画やアニメ、ゲームのクリエーターを目指したが、約1年で中退した」と供述している。現在は派遣社員として働いていた。
14)容疑者(36)の大阪市東成区の自宅から「郵便書簡」(ミニレター)と呼ばれる便箋(びんせん)の束が押収されていた。
こんなところかな。
「嫉妬」や「ねたみ」といったネガティブな感情は人間なら誰でも多少は持っている物でしょう。
普通の人はそれをうまくコントロールして表面に出ないようにしているわけです。
だけど、仕事や恋愛、経済的な面などでストレスが大きくなると、そういったネガティブな感情が表面に出てしまう事も時々あると言うのも、みなさんも同じだと思います。
今回の事件は容疑者のネガティブな感情が不幸な条件が合わさって、制御できない領域まで拡大してしまったのが原因かな?と考えています。
動機について成功者への「やっかみ」と話しているようですが、そこも、それほど単純ではないと思います。
根底にあるのは、現在の生活、現在の自分に対する強い不満なんだと思います。
もし、仮に容疑者が漫画家には成れなかったけど、仕事で成功して経済的にも恵まれた環境にいれば、この事件は起こさなかったと思います。
現在の生活や自分に強い不満があるから、その原因は何か?と考えて、「あの時、漫画家になれなかったから、こんな事になってしまった」と言う強い、後悔が生まれるのでしょうね。
一方で「黒子のバスケ」は成功している。そこで「やっかみ」が生まれのでしょうね。
「自分はこんなやりたくも無い仕事をしているのに、どうして、あいつだけ成功しているのか?」
最初は作者の在籍する大学への攻撃だった。それが成功してしまった為にどんどん、エスカレートしてしまったんでしょね。
元々、自分自身の評価が低いと考えていたと思いますが、犯行の成功と、それに伴う、世間の騒ぎが彼の達成感や満足感を刺激してしまったんでしょうね。精神的な報酬を受け取る事で依存症のような状態になっていたのかもしれません。
色々と考えて、逮捕されない為の工作はしていたようですが、そこは限界があるんでしょうね。
犯罪が進化するように、捜査も進化してますからね。
この事件は特殊な事件ではなく、誰がおこしても不思議ではない事件です。
自分の境遇に不満を持つ事は特別な事ではないので、問題はその不満をうまく解消する事なんだろうと思います。
容疑者が報道のカメラに向けて笑顔を見せる映像が流れていましたが、容疑者は反省はしていないでしょうね。
それは、反省するのはこれからと言う意味です。
報道に笑顔を見せているのは、本人が逮捕されても、思い残す事は無いぐらい満足しているのでしょうね。
彼なにりに精一杯の努力をして、その結果、逮捕されたと言う事でしょう。
その結果が「負けました」と言う言葉なんでしょうね。
彼には、世の中と言う自分の敵と戦っていたと言う事なんだと思います。
もちろん、それは間違いなんですが、その間違いにも気づかないぐらい、のめりこんでいたのだと思います。
この事件を防ぐ方法があるとすれば、容疑者の対人関係、周囲の人間の協力と言った事なのだろうと思います。
多分、容疑者には愚痴を言えるような友人とか、一緒に遊ぶような友人は居なかったのだろうと思います。
ほとんどの人間は誰でも1度ぐらいの挫折を経験しているいると思います。
高校野球をやっていても、プロになれるのは、ほんの一握りの人だけですよ。
進学や、就職で全員が希望するところへ行けるわけでもありません。
だから、漫画家になれなかった事は動機の一つ、犯行に至るまでの条件の一つに過ぎません。
その上で、現在の日常や境遇に対する強い不満が直接の犯行のきっかけだと思います。
その不満を解消する為の一つの方法が友人や恋人にあるのではないか?と思います。
36歳になって、友人を作りなさいと言うのも、なんですが・・・
その意味では、幼少の頃からの友人関係のつくり方とか、社交性みたいな事は重要なのだろうと思います。
参考リンク
黒子のバスケ脅迫事件
反省させると犯罪者になります(反省するのはこれからと言う意味はこちらに書かれています)
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コメント
しみじみです。
確かに、達成感の笑顔、かぁ。
投稿: あげんぼ | 2013/12/20 00:36
「こんなクソみたいな人生やってられるか! とっとと死なせろ!」
被告人意見陳述で被告が最後に率直な心境を語った言葉がこれです。
本心なんだろうと思います。
まー、殺人などの凶悪事件にはならなかったのが不幸中の幸いですね。
以前から起きている人生に絶望して、起こすこの手の事件に対して、問題の本質は何も改善されていませんね。
アベノミクスが成功して経済が向上すれば、それによって改善されるかもしれませんけど・・・
しかし、それだけでは、再度不景気になれば、また同じ状況になってしまうかもしれない。
とは言え、好景気になったとしても、やはり、同じような事件は起きる可能性はあるんですよね。
全員が好景気の恩恵を受かられるとは限りませんしね。個々人の状況によっては、生活が向上しない人もいるでしょうからね。
だから、経済を良くすればそれが、解決策になると言う事でもないと思います。
投稿: ASKA | 2014/03/16 00:45
何年も経ってからのコメント失礼します。
この人は無差別殺人をする程の凶暴性はなかったけれど、「自分の最悪な人生を終わらせる前に何かやってやる!」と言うところは通り魔殺人の犯人と似ています。
実は、新幹線の事件で黒子のバスケ事件を思い出したと言う記事をどこかで読みましたので、なるほどと思い こちらに戻ってみました。
この手の 自殺したいけど1人でひっそりと死ぬのはイヤだ。他人に酷いことしてから死にたい(本人達は他人に酷いことする ではなく、社会に反撃する という感じなんだろうけども) という人に一番欠けているのは謙虚な気持ちだと思います。そして過剰なのは甘え。そこから言えるのは、どうしても親の教育に問題があったのでは?と言う推測。
でも、黒子のバスケ犯人が手記で説明しています。謙虚に努力するというのも生まれ持った能力で、自分にはその能力もなかった。。と。
それって能力だったのか。もしもそうなら本当に大変だ。
投稿: まーぷる | 2018/06/17 13:25