群馬県館林市小桑原町拳銃ストーカー殺人事件
2月19日(水)午後3時ごろ、群馬県館林市小桑原町のディスカウントストア「トライアル館林小桑原店」の駐車場で、軽乗用車の運転席で女性が頭と鼻から血を流しているのを店員の男性が発見、通報したする事件が起きている。
女性はすでに死亡しており、頭に銃で撃たれたような2カ所の傷があることから、群馬県警は殺人事件と断定し、20日未明、館林署に捜査本部を設置した。
県警によると、死亡した女性は群馬県大泉町寄木戸、職業不詳、女性(26)。
以前に住んでいた栃木県で元交際相手の男から暴行されたなどとして栃木県警に被害届けを出し、同県警が昨年11月、男を検挙したことがあるとの事。
被害者の車のドアの鍵は掛かっていなかった。
現場は東武伊勢崎線・館林駅から南に約1・5キロの住宅と農地が混在する地域。
捜査本部などによると、被害者は19日午後2時50分ごろ死亡したとみられる。
両側頭部には拳銃で撃たれた傷が2カ所あったが、薬きょうなどは見つかっていない。
車内には同店で買った商品があり、買い物直後に殺害されたとみられ、直前には知人と携帯電話で連絡を取っていたとの事。
捜査本部などによると、被害者は昨年11月1日、当時住んでいた栃木県佐野市内で30代の男性から暴行を受け、栃木県警に相談。同県警は、男性を暴行容疑で逮捕した。2人の間には交際トラブルがあったといい、被害者は12月3日に現住所に転居後、大泉町に住民基本台帳の閲覧制限を申請していた。
男性は罰金刑を受け釈放された。その際、ストーカー規制法に基づき文書で警告を受けた。行方が分からず、群馬県警は、事情を知っているとみて捜査しているとの事。
被害者が初めて栃木県警に相談したのは昨年11月1日。当時住んでいた同県佐野市で、元交際相手の男と押し問答になり、手首をつかまれるなどの暴行を受けたと被害届を提出した。
栃木県警は翌2日に暴行容疑で男を逮捕。
同22日に男が罰金を支払い釈放された後、ストーカー規制法に基づく文書警告を出した。
男の釈放に合わせ、被害者は男の土地勘がない群馬県大泉町の知人宅に身を寄せる。
さらに、12月3日に同町のアパートに引っ越し、同5日には住民票の閲覧制限を申請した。
栃木県警は「被害者に転居を勧め、閲覧制限についても助言した」と話す。
ところが、男はその後も被害者の実家に手紙を送りつけ、被害者に「会いたい」などと復縁を求める電話やメールを繰り返した。被害者はそのたびに栃木県警に相談。一方で、被害者から男に連絡することもあり、「被害者側が完全に拒否しておらず、ストーカー規制法に基づく措置が取れなかった」(栃木県警幹部)との事。
12月22日には佐野市内の飲食店で、被害者と被害者の父親、男の3人で面会。
栃木県警は「会わないで」と被害者を説得したが聞き入れられなかった。結局、被害者は「別れたい」、男は「別れたくない」と平行線で終わったとの事。
栃木県警は同26日、男に改めて「面会やストーカー行為をしないように」と注意。
この注意は断続的に今年1月10日まで続いたとの事。
転居先の群馬県警は12月3日、栃木県警から被害内容を引き継いだ。その後も、被害者から栃木県警に相談があるたびに群馬県警にも伝えられた。ただ、群馬県警が被害者のアパートを確認したのは同18日、初めて安否確認の電話をしたのは同20日だったとの事。
その後も1月24日に2回目の安否確認をしただけで、被害者には直接会わなかったとの事。
群馬県警幹部は「(最寄りの)大泉署に来てほしいと頼んだが、後日行くという返事で危険性の訴えもなかった」と釈明している。
栃木県警幹部は「男が大泉町のアパート周辺に現れたという話はなく、転居先が男に漏れていた認識もない。真摯に対応したと考えている」と強調している。
女性がトラブルを訴えていた元交際相手の男性(39)とみられる遺体が21日、栃木県鹿沼市郊外の路上で見つかった。群馬、栃木両県警は自殺とみている。
両県警によると、同日午前8時50分ごろ、同市口粟野(くちあわの)の路上に止めていた軽乗用車内で男性が血を流しているのを近隣住民が発見、110番した。
男性は既に死亡し、車のナンバーが元交際相手のものと一致しており、身元の確認を急いでいる。
車は内側からロックされ、中から拳銃のようなものを発見。両県警は拳銃自殺の可能性が高いとみている。
県警館林署捜査本部は21日、栃木県鹿沼市内の車から見つかった遺体を、元交際相手の同県栃木市の男(39)と断定した。
捜査本部は20日に殺人容疑でこの男の逮捕状を取り、公開捜査に踏み切る準備をしていたことも明らかにした。
捜査本部によると、男は頭から血を流し、運転席に拳銃のようなものが1丁あった。
男が被害者を殺害した後、自殺したとみて詳しく調べる。
男は20日夜~21日朝に死亡したとみられ、今のところ遺書は見つかっていないとの事。
男の遺体は21日午前9時ごろ、鹿沼市の路上に止まった軽自動車の中で見つかった。拳銃のようなものに指を触れたまま運転席で死亡していたとの事。
車は家族名義で、男が普段使っていたという。
男は暴力団員ではなく、捜査本部は拳銃のようなものの入手経路を調べる。
さてこんな事件ですね。
まずは時系列
2013年
11月01日 当時住んでいた同県佐野市で暴行を受けたと被害届を提出
11月02日 暴行容疑で男を逮捕。
11月22日 男が罰金を支払い釈放された後、ストーカー規制法に基づく文書警告を出した。
その後、男の釈放に合わせ、被害者は男の土地勘がない群馬県大泉町の知人宅に身を寄せる。
12月03日 群馬県大泉町のアパートに引っ越し、同5日には住民票の閲覧制限を申請した。
その後も、電話、手紙、メールなどがあり、栃木県警に相談。
12月03日 転居先の群馬県警は栃木県警から被害内容を引き継いだ。
12月18日 群馬県警が被害者のアパートを確認した。
12月20日 群馬県警が被害者に安否確認の初めての電話をする。
12月22日 佐野市内の飲食店で、被害者と被害者の父親、男の3人で面会。交渉は平行線
12月26日 栃木県警は男に改めて「面会やストーカー行為をしないように」と注意。
この注意は断続的に今年1月10日まで続いた。
2014年
01月24日 群馬県警が2度目の安否確認の電話をするが、直接会う事はなかった。
02月19日 14:50頃 群馬県館林市小桑原町のディスカウントストア「トライアル館林小桑原店」の駐車場で殺害
15:00頃 遺体発見、通報
02月20日 捜査本部は殺人容疑でこの元交際相手の男性の逮捕状を取り、公開捜査に踏み切る準備をしていた。
02月21日 09:00頃 鹿沼市の路上に止まった軽自動車の中で元交際相手の男性(39)の遺体を発見
こんな感じですね。
トラブル発生は昨年の11月、ストーカーで相談、転居や住民票の閲覧制限などしている。
この間に元交際相手は暴行容疑で逮捕、ストーカー規制法に基づく文書警告も受けている。
だけど、被害者は自分で解決の道を探るべく、元交際相手と独自に交渉。しかし、平行線。
栃木県警は断続的に1月10日まで元交際相手に警告を続けていた。
年が明けて今年、1月24日に群馬県警が2度目の安否確認の電話をするが、特に危険性を訴える事はなかったとの事なんですが、その約1ヶ月の2月19日に事件は発生している。
この空白の1ヶ月の間に何があったのか?
昨年末の独自交渉では平行線だったわけだから、被害者側としては問題が解決したとは思っていないと思うんですよね。
それを裏付けるように、住所を栃木に戻そうと言う事も無いようです。もっとも、短期間に引っ越しを繰り返すと経済的な問題もありますからなんとも言えないです。
元交際相手側としては、拳銃を入手して、元交際相手(被害者)を射殺して、その後、自殺(無理心中)する事を年明けの2ヶ月間で決心したと言う事なんでしょうね。
凶器に拳銃を使うあたりが少し変わっていると思う所です。
簡単に入手出来る物でもないでしょうし、仮に入手ルートがあっても、安い物じゃないでしょう。
普通に考えれば、入手が簡単で安価な包丁などの刃物を凶器に選びそうな所ですが、拳銃を選んだのには、元交際相手としては、特別な理由があったんでしょうね。
犯行場所はディスカウントストアの駐車場、買い物を終えて、車に戻った直後かな?射殺してます。
これは、被害者を尾行か待ち伏せしたと言う事なので、被害者の住所や行動範囲が漏れていた可能性がありますね。
ストーカー事件で、最終的に被害者を殺害してしまう事件は、これまでも何度もありました。
だから、ストーカー事件を知る人間ならば、この展開を予想する事もできたでしょうね。
警察も被害者の安全確保を優先する方針を発表してます。
続報を待ちましょう。
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コメント
ストーカー殺人は防ぎようがないですね、防ぎようがありますか?ないでしょう!例えボディーガードつけても不意をつかれたら殺されるし…幼い子供いたのに、可哀想に
犯人一人で死ねば良かったのに
投稿: | 2014/02/22 15:24
名無しさん、こんばんは
確かに難しい事件ではあるのですが・・・
でも、他の事件に比べて、比較的展開が予想しやすい事件なんですよね。前兆もあるし、時間的猶予も比較的長いですから、対策できる可能性は高いように思います。
投稿: ASKA | 2014/02/22 19:19
人を一人射殺した犯人が拳銃持って逃走してるのに、市民に何の情報も流さない警察は、あんまりだと思います。
犯人が逃走資金を望んだり自暴自棄になったりして殺人を重ねたら、どうするつもりだったのか?
投稿: すぐやるゾウ | 2014/02/22 21:27
すぐやるゾウさん、今晩は
そうですね、私もそれは同意ですね
事件発生の19日の翌日20日には公開捜査の準備をしていたようですが、結局21日朝に元交際相手の遺体が発見されて、公開捜査はされなかったようですね。
21日朝に元交際相手の遺体が発見されたので、公開捜査を止めたのかもしれません。
微妙なタイミングですが、もし、21日に別の事件が起きていたかもしれないと思うと、20日に公開捜査していないと、危なかったかもしれませんね。
投稿: ASKA | 2014/02/23 00:41
三鷹ストーカー事件のとき、防止策を考察されてましたが、私はそもそも論として「ストーカー」は大きく二通りに分けられると考えています。具体的には、桶川事件のようにさまざまな嫌がらせ及び脅迫、恐喝行為を執拗に行った末の殺人と、今回のように犯罪としては手首を掴んだことによる暴行罪程度で、そこから殺人まで飛躍してしまうケースの二通りです。
そして、後者を「ストーカー」として取り締まることは、その対象者の殺意をむしろ増幅させているように見受けられます。というのも、殺人犯であれば自分が人殺しであることを、窃盗犯ならば自分が泥棒であることを自覚できますが、別れ話の延長線上にある“それ”がストーカーであると自覚するのは難しいように思うのです。
おそらく、どこかでは気付くのでしょうが、「いつどのタイミングで自分がストーカーになったのか」は、本人もよくわからないはずです。
桶川の事件がストーカー(=つきまとい、嫌がらせ等)が高じた末の殺人事件であるのに対し、三鷹や館林の事件は愛憎の末の殺人事件です。これらをひとまとめにストーカー殺人として事件化している限り、正直、同類の事件はさらに増えていくような気がするのですが…、どう思われますか?
投稿: deli | 2014/02/25 03:52
deliさん、みなさんこんばんは
deliさんへ
そうですね、犯人側の視点で考えると、いつ自分がストーカーになったか?は判らないでしょうね。
しかし、ストーカーか?どうかを判断するのはやはり、被害者側だと思います。
警察に相談してストーカーとして警告されるレベルになれば、被害者側もストーカーとして認識すると思いますね。
ただ、deliさんの言うように、個々の事件によって、事件の進行速度が違うのでそこは切り分けが必要かもしれませんね。
しかし、その場合も警察の担当者の判断に頼ってしまう事になるかもしれませんね。
投稿: ASKA | 2014/02/27 00:01
>ストーカーか?どうかを判断するのはやはり、被害者側だと思います。
私の友人がある警察署の生活安全化に勤務しているんですが、彼の話では警察に相談に来る大半が「別れたい」という個人的理由のものだそうです。
でも、警察としては相手が「話がしたい」と一度連絡してくるだけでも「つきまとい」と認定するよう、上からお達しが出ているそうです。
結果、本当は犯罪性のない場合でも、少なくとも彼のいる署では、相談者の別れたい意思が確認できれば、その一点のみで相手に警告を発しているそうです。
だから、
>ストーカーとして警告されるレベルになれば
といっても、実際は犯罪性など皆無でも警告が乱発されていて、ただ多くの場合は、たとえ身に覚えがなくても、「次は逮捕する」と言われればビビって連絡しなくなるので、それで解決なのだそうですが、それを恨みに思う人も結構いるとも言っていました。
そんなときは「こんな下らないことで自分の人生を壊すのはもったいない」と諭して帰すのだそうですが。
なので、被害者の親告や、警察の警告を以ってストーカーとするのは、実情と違うだけでなく、そうではない人間をストーカーに仕立てているという側面もあるようです。
私はそういう話を聞き及んでいたので、一概にストーカーと言っても、それが殺人にまで及ぶには、いくつかのルートがあって、そこを分けて考えることがすごく重要な気がします。
投稿: deli | 2014/02/27 15:11
deliさん、こんばんは
確かに、悩み相談レベルでストーカー認定されたのでは、納得できないですね。
そんなレベルで判断されるとは知りませんでした。
それだと、一方的にストーカー扱いされて、恨む人もいるでしょうね。
警察以外に相談できる場所が無いのが問題なのかな?
警察は相談されれば、ストーカーとして扱うしかないと言う事だと、警察の対応がストーカー化を後押ししていると言う事にもなりかねませんね。
最初の相談の段階で調停とか仲裁するような、ところが必要なのかもしれませんね。
投稿: ASKA | 2014/02/28 00:20