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2014/05/01

韓国旅客船「SEWOL(セウォル)」号沈没事故

4月16日午前8時58分ごろ、韓国、南西部の全羅南道珍島郡の屏風島北20キロ沖海上で、仁川から済州島に向かっていた6825トン級の旅客船「SEWOL(セウォル)」が何らかの原因で浸水し、救助を要請したがその後沈没する事故が起きている。

旅客船は船首で「ドン」という音がした後、左舷が傾きはじめ約2時間後には完全に沈没した。
旅客船には修学旅行中だった京畿道・安山の高校生325人、引率教師15人、一般客89人、乗務員30人と計459人が乗船していたほか、150台余りの車両ものっていた。

4月25日時点で犠牲者が185人、行方不明者は117人となった。

事故の原因は色々な情報が出ているけど、およそ人災と思われる要素が多い。
1)沈没した船は鹿児島の船舶会社「マルエーフェリー」が日本国内の造船所に依頼して建造。1994年6月に完成し、12年10月まで国内で運航していた。総トン数が6586トン、定員は804人で、貨物と旅客を運んでいたという。

船は清海鎮海運に売却された後、5階建て、定員921人の客船に改造されて、13年から主に仁川―済州間で運航されていた。

2)セウォル号は事故当日、韓国船級が指示した積載量より2500トン以上超過した3608トンもの貨物を積んでいた。

沈没したセウォル号は13年2月に4、5階の客室を増設し、総重量が211トン増加。韓国船級協会は、安全検査を実施し「セウォル号の客室重量が増えた分、安全性を確保するため、貨物の積載量を最大1077トンに制限する必要がある」と韓国海洋水産省に伝えていた。

しかし同省は、13年3月にセウォル号に運航許可を出したにも関わらず、海洋警察庁と韓国海運組合に対して貨物の積載量は通知していなかった。

普通、船舶は出航前に貨物量の検査が行われるが、海洋警察庁と韓国海運組合はセウォル号の正確な積載量を知らないため、超過していても取り締まることはなかったという。

3)高速で急旋回した事により、積荷が片寄りバランスを崩して浸水を招いたと見られている。
事故当時、操船していたのは経験1年半の女性3等航海士だった。
合同捜査本部関係者は5月1日、積載していたコンテナがしっかり固定されていなかったと明らかにした。

セウォル号の甲板には、小型コンテナ数十個が2段に積まれていた。本来なら、鎖でしばったコンテナの四隅を留め具を使い、船体や他のコンテナと固定しなければならない。しかし、同船では鎖ではなくロープで固定し、留め具を全く使っていないか、四隅のうち2カ所だけに使用。船体下部に積んでいた自動車も、十分に固定されていなかった。

4)急旋回で異変が起きたのが8:50頃、沈没したのは11:00過ぎ、この間120分以上の時間があった。
しかし、船長は乗客に対して船室で待機するように館内放送していた、9:38には乗客を置き去りにして船員ら全員が脱出。

9:50には船員15名を含めた80人が救助された。

10:14になり、乗客に海に飛び込むようにとの館内放送。
11:00過ぎに沈没
乗客の避難誘導がなく、船内にとどまるように指示した事が被害を拡大させた。
指示に従わなかった人間が助かると言う、皮肉な結果となった。

5)船長と操船していた20代の女性3等航海士、操舵手の3人を逮捕した。船長は乗客を救護せずに船から脱出したことによる特定犯罪加重処罰法違反など5つの容疑、航海士ら2人は業務上過失致死などの容疑。

こんな事故ですが、沈没の原因はまだ不明ですが、人災と言われても仕方がない状況ですね。

実は、沈没した船と似た状況の事故が日本でも起きていました。
フェリーありあけ号の事故は2009年11月、三重県沖の熊野灘で発生。
航行中に高波を受けて船体が傾き、コンテナを固定していたチェーンが破断するなどして荷崩れした。
最終的に横倒しになった。座礁したため沈没は免れた。

乗客7人と乗員21人は全員無事だった。
閑散期で乗客が少なかったことに加え、船が大きく傾いた約35分後、船長が乗客を船内

最上部に誘導するよう指示したことが奏功した。
船長らは船に残り、最後は海に飛び込んで救助された。運輸安全委は「積み荷を効果的に固定していなかった」と指摘しつつ、「船長が指揮する態勢ができており、非常時の対応が組織的に行われた」と事故後の対応は評価した。

セウォル号とありあけ号は同じ日本の造船所で建造され、2隻はかつて同じ運航会社に所属するフェリーだった。韓国紙は船の規模や傾き方が似た事例として取り上げ、死者が出なかったことを強調したとの事。

記事にはしてみたけど、この事故が私達の参考になるのか?と言うのは少々疑問のある所ですね。
今回の事故についての報道をみると、何もかもがダメだよねって印象しか残らないんですよね。

乗客を置き去りにした乗員は論外ですし、初動も救助体制も官僚や政府の動きもダメでしょ?

部屋に留まるようにアナウンスが流れていたので、従順な少年少女達はそのアナウンスに従ってしまったと言う事なのですが、ここも疑問がありますね。(決して非難しているわけではありません)

もし、船が沈んだら、もし水が入ってきたら、屋内では閉じ込められて逃げる事ができないと思わなかったのかな?
ここは国民性の違いなのかもしれないですが・・・

日本は地震が非常に多い国で、過去にも震災と名のつく大地震が何度も起きています。
それで、関東大震災が起きた9月1日を防災の日として、全国的に防災訓練を行うのが慣例になっています。
毎年必ず行われる。小学校に入った時から、就職しても毎年行われます。

地震が起きたら、火災が起きたらどうするか?を子供の頃から、毎年、教育訓練されてきました。
海辺の土地なら、津波への避難訓練もしているでしょう。
それも、学校はもちろん、家庭レベルでもおこなわれます。

津波教育については、「津波てんでんこ」「命てんでんこ」と言う標語まである。
これは、津波が来たら、「肉親にもかまわずに、各自で逃げろ」「自分の命は自分で守れ」と言う事です。

補足:あらかじめ互いの行動をきちんと話し合っておくことで、離れ離れになった家族を探したり、とっさの判断に迷ったりして逃げ遅れるのを防ぐのが第一である。

なので、同じ状況になっても、日本人だったら、アナウンスに従わずにすぐ外に出られる場所、海に飛び込める場所に移動したのではないか?と思うんですよね。(反面、日本人は従順である事もまた確かな事なのですが・・・)

この事故から教訓を得ようとすると、結局最後は「人間力」って事になるのかな?と思いますね。
人を育てる事が大変でも一番重要な事だと改めて思いました。

最後に行方不明者の一刻も早い発見と、亡くなった方のご冥福をお祈りします。

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コメント

現地の合同捜査本部が事故調査の中間報告を行い、事故の3台原因を公表した
1)運航会社が2012年にセウォル号を日本から購入した後、修理、拡張など改造の過程で船体左右のバランスが崩れた。

2)事故当日に船が積載可能な最大量の2倍近い2142トンを積載し、傾いた際にバランスを取り戻すことができなかったことを指摘。また、船体が傾き、貨物の自動車やコンテナの固定ができなくなったことも傾きをさらに大きくさせた。

3)船が傾き、危機的状況となった時に船長が操縦室から逃げ、経験の少ない3人の航海士が操縦を担当したことだという。急に船の向きを変えたため、船は転覆、沈没した。

とこんな事らしいのですが・・・ちと疑問もあるね。
1)の改造した事で船体の左右バランスが崩れた?ってあるのかな?
私は船の事は素人だけど、船が水に浮かぶ物だから、重心というかバランスが保てなければ、そりゃ傾くのは分かりますよ。
そんな素人にも分かるような事なんですが、そんな危険な改造を本当に運行会社はやったのだろうか?
もし、そうなら「普段からこの船は傾いていた」って事になるよね?

なので、1)の改造の問題よりも、2)の貨物の固定が不十分で船が傾いた時に一気にバランスが崩れて横転してしまったと言う方が自然な気がしますけどね。

最終報告を待ちましょう。

投稿: ASKA | 2014/05/16 21:00

船ってのは設計上、重力と浮力のバランスを考えて作られてます。集客目当ての増設及びその人たちが乗船したら傾きやすくなりますね、
また積載量に応じて底のバラスト水で調整しますが過積載にしたが為に重心保つ水がほとんどなかったようです。
タンカーが空荷で移動するために海水をいっぱい積んで現地まで移動する際、そのバラスト水を放出して港の生態系を変えてしまう問題が以前取り上げられましたよねプランクトン等で。
韓国は以前にもデパートが手抜き工事で崩落したこともありましたが全体に利益優先の欲張り体質が改善されてないようですね。
今回の事故は普段からやってた無理な過積載と天候不良での出発、未熟者による代理操舵が重なったものですな。

投稿: 湖南スタイルoff | 2014/05/18 09:02

そんな事より本家ASUKAさん大変な事になりましたね、犯罪者の仲間入りにですよ、
ASUKAの事件簿の運営に影響なければよいのですが

投稿: 湖南スタイルoff | 2014/05/18 09:12

バラスト水を減らしてまで過積載していた報道、私も目にしました。何をそんなにコンテナに詰めていたのか、そして何を見て急旋回したのか。ことによっては船長が早々に船を放棄したのは沈みかけたからではなく…ってことも?

それにしても某芸能人が薬物使用を開始したのは今年に入ってからなんですかねぇ??こちらの事件簿としては妙なタイミングでって感じかと。まぁ芸能界と麻薬は日本に限らずどうしても…で。末端から順を追って丁寧にゆっくりと救済したい世界的課題ですよね…

投稿: | 2014/05/18 23:26

なかなか面白い見方ですね、
となると人災の可能性高いようですね。

ところでASKAさんが本家逮捕以降コメント入れてないようですがどうしたのかな?
まさか本人だったりして(笑)

投稿: 湖南スタイル off | 2014/05/20 20:35

ASKAさんが指摘してる貨物の固定が原因は的まずれみたいです。

ASKAさんはフェリー等の乗客船に乗られた事ないのかな?

日本国内なら自家用車はまず固定されません、トレーラー等は必ず固定されますが輪止め程度です。
つまり船事態正常積載量範囲なら船体の多少の傾きは元に戻る構造なんですよ、
かなりの傾斜まで耐えれるようです。

積み荷の固定が必要なのは高速艇などの急加速、急減速が可能な駆逐艦のような乗客船だけです。

重心バランスが悪い為に限界傾斜を越え
むしろ後から積み荷がズレて傾きよけいに修復できなくなったと見るのが
コモンセンスです。


投稿: | 2014/05/20 21:16

みなさん、こんばんは
湖南スタイル offさんへ
もちろん、私はあの「ASKA]さんとは違いますね。
ここ数か月、アベノミクスの影響か仕事が増えてしまって、なかなか時間が取れません。

名無しさんへ
とりあえず、事件簿の運営には問題ないでしょうね。

もう一人の名無しさんへ
そうですか、私はフェリーみたいなに大きな船に乗った事が無いですね。
なるほど、そんなに、積荷は固定されない物なんですね。だとすると、想定外の傾斜で一気に荷崩れして限界を超えてバランスを崩した。結果、復元できずに転覆って事なんですね。

投稿: ASKA | 2014/05/20 23:27

いやーぁ失礼でしたら謝ります。
船は重力、浮力、慣性が働きますつまり
分かりやすく申しますと

船舶が傾き始めたらまずテーブルのコップや皿等が滑り出し次に物や人と重さの軽い順に動き、1トン近くの自家用車や10トンクラスのトレーラーが傾きに応じるのは一番最後なんですよ、その時には人は壁に叩きつけられ身動き出来ないんです。

投稿: | 2014/05/21 19:29

みなさん、今晩は
名無しさんへ
失礼だなんてとんでもない。ご丁寧な解説ありがとうございます。わからない事は教えてもらうのが一番ですからね。

投稿: ASKA | 2014/05/22 00:55

このスレの最初の名無しだけ私です。ASKAさんはお気づきのようでしたが、別記事での書き込みの後だったので記入漏れ失礼しました><

投稿: トモナガ | 2014/05/24 12:36

韓国監査院は5~6月、50人余りの職員を投じて安全行政部、海洋水産部、海洋警察庁、韓国船級に対して、「セウォル号沈没事故の際の対応の実態」に関する監査を実施した。7月8日に中間報告が発表された。

8日、事故から84日を迎え、初めて政府機関による調査の結果が発表された。セウォル号を所有する清海鎮海運の積載量と定員数の無謀な増加、これを許した仁川港湾庁、船舶の検査認証機関である韓国船級のずさんな検査、海洋警察の不合理な審査が重なり、最終的に事故に至ったと結論付けられた。

事故発生後、海洋警察の不適切な救援活動により船内に取り残された乗客を救出する多くの機会を無駄にし、珍島海上交通管制センター(VTS)の怠惰により救助の「ゴールデンタイム」を失った。調査結果に基づき、監査院は検察側に11人を収賄などの疑いで調査するよう求めたほか、海洋水産部、海洋警察、安全行政部などの40人余りの関係者に対する処罰を検討するよう関連部門に要請したとの事。

安全云々以前の問題ですね。
間の悪い偶然もあったかもしれないけど、それにしても関係する部署全てに問題があったと言うのは社会全体に問題があると言う事なのでは?
ほかにも調査している部門があるので、そちらの報告を待ちましょう。

投稿: ASKA | 2014/07/09 20:43

 日本では、紫雲丸の事故で、多くの子供たちが亡くなったのを教訓にして、ほとんどの学校にプールを作り、水泳の授業を行う様になったはずです。
 韓国では、この事故(事件)で、何を教訓にする(した)のでしょう?

投稿: おきゅうと | 2016/01/24 22:06

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