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2014/08/01

東京都三鷹市女子高生ストーカー殺人事件その6(一審判決懲役22年)

判決が出ました。一審判決は懲役22年。
8月1日、裁判員裁判で、東京地裁立川支部は起訴された罪の有期懲役の上限となる懲役22年(求刑・無期懲役)を言い渡した。裁判長は「強固な殺意に基づく高い計画性が認められ、動機はあまりに身勝手で同情の余地はごく乏しい」と述べた。

判決によると、被告は昨年10月8日午前、女子生徒の自宅に侵入し、少なくとも6時間以上、女子生徒の帰宅を待ち伏せた上、逃げる女子生徒を追いかけ、首や腹などをナイフで突き刺すなどして殺害した。

判決は「1週間計画を練った上、被害者を6時間以上も待ち伏せて急所を多数回刺しており、強固な殺意と高い計画性があった」と指摘。「別れ話を切り出され、被害者が築いてきた全てを壊そうと考えた動機も身勝手だ」と批判した。

一方、幼少期に慢性的に虐待を受けていたことが事件に一定程度影響したと判断。「同情の余地は乏しいが、若く更生の可能性もある」とした。

被告は殺人(有期懲役の上限20年)、住居侵入(同3年)、銃刀法違反(今回のようなナイフ所持の場合は同2年)のすべての起訴内容を認めており、量刑が争点だった。
判決は、殺人と住居侵入を一連の行為とみなした上で、殺人と銃刀法違反の上限の量刑を科した結果となったとの事。

裁判長は、被告の母親らによるネグレクト(育児放棄)や虐待が動機に一定程度影響したとした上で「反省を深めているとは認められず、謝罪の言葉すらない」と指摘。

男女関係のトラブルによる被害者1人の他の殺人事件と比較した結果、「量刑の幅の上限付近に位置づけられる重いものだが、有期懲役と質的に異なる無期懲役とまでは言い難い」と結論づけたとの事。

こんな所ですね。
死刑は難しいと思いますね。過去に被害者一人で死刑になった事件はいろいろあるけど、私が思い浮かぶのは三島女子大生焼殺事件かな。
2002年静岡県三島市で、女子短大生(当時19歳)が強姦(ごうかん)、焼殺された事件で殺人罪などに問われた36歳無職の被告上告が棄却され死刑が確定した。

見ず知らずの19歳の女性を、拉致、強姦して最後は生きたまま焼殺ですからね。
死刑は当然かな。

それ以外だと、愛知女性拉致殺人事件(闇サイト殺人事件)は通りすがりの女性を拉致後に殺害した事件でしたね。強盗殺人事件の裁判で3人の内、控訴を取り下げた1名は死刑が確定、他の1名は控訴で無期懲役、自首した1名も無期懲役でした。
一審で裁判長は闇サイトを悪用した手口について「発覚が困難で模倣性も高い種類の犯行。厳罰をもって臨む必要性が誠に高い」としてK田司(38)、H慶末(よしとも)(33)の両被告に求刑通り死刑を言い渡した。

最近だと、2009年10月の千葉大女子大生殺害放火事件、21歳の女子大生のアパートに忍び込み、帰宅した女子大生を拉致、殺害して放火した強盗殺人放火事件で一審判決は死刑ですね。
裁判長の言葉としては「犯行は執拗で冷酷非情。更生の可能性は乏しく、殺害された被害者が1人でも死刑をもって臨むのが相当」

三島女子大生焼殺事件や千葉大女子大生殺害放火事件を考えると、被害者が一人で死刑になるには、強盗、強姦と「強」の字が二つぐらい必要なんでしょうね。

一方の闇サイト事件では社会的な影響も考慮すれば、死刑もやむなしと言う事だったのでしょうが、結局控訴審では無期懲役に減刑されましたから、その手の理由では死刑は難しいのかもしれませんね。
今回も「ストーカーに対するメッセージ」と言う意味あいもあったかもしれませんが、判決ではそのあたりは考慮されなかったんでしょうね。

確かに、軽い付きまといのようなストーカーの場合には抑止効果があると思いますが、今回のような確信犯というか、相手を殺そうと思っているような人間には、抑止効果は無いかもしれません。
なにしろ、「もうどうなってもかまわない」と思っている人達が相手ですからね。

今回の判決で裁判長は「量刑の幅の上限付近に位置づけられる重いものだが、有期懲役と質的に異なる無期懲役とまでは言い難い」としてますね。
無期懲役としなかったのは、被告が22歳と若く、更生の可能性があるとの判断なんですね。

更生の可能性がホントにどのぐらいあるか?はわかりませんが、それはこれからの長い服役生活の中で被告自身が事件とどう向き合うのか?がポイントになるんでしょうね。
事件に向き合う事ができれば、更生できるんじゃないかな?

参考リンク
東京都三鷹市女子高生ストーカー殺人その5(公判開始)
反省させると犯罪者になります

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コメント

この事件での絶対に許せないリベンジ・ポルノはスルーなのかな?

投稿: Class 10 | 2014/08/02 05:32

Class 10さん、おはようございます。

そうですね、報道された情報では、リベンジポルノについての言葉無かったようですね。
表向きには量刑には考慮されなかったみたいです。

ただ、普通に男女間のトラブルでの殺人事件だと、量刑は弁護側が主張した懲役15年ぐらいになってもおかしくありませんから、リベンジポルノも考慮しての懲役22年なのかもしれませんね。

投稿: ASKA | 2014/08/02 07:11

親しい人にだけ見せたありのままの姿を
記録され世に出される
女性としてはこれほど恥ずかしい事はないでしょう

セカンドレイプ的な行為ですね


ASKAさんはリベンジポルノされた事はありますか?

また写真とか撮られた体験などあれば聞かせて下さい

投稿: デッヘへ | 2014/08/02 07:41

ASKAさん、ご回答をありがとうございます。この事件の記録がネット上に残る限り、画像はなくともリベンジ・ポルノの件はついて回ります。どこかに画像が残されていると思うと遺族はたまらんですよ。

投稿: Class 10 | 2014/08/02 10:46

ASKAさんこんにちは
判決でリベンジポルノについて触れられていないとのことですが、起訴状に書かれていないものは判決に反映するのは難しいのではないでしょうか。
判決の懲役22年は起訴内容に対する有期刑としてはほぼ上限ということでしたが、起訴内容が「殺人」「住居侵入」「銃刀法違反」の三点しかなかった点が私には驚きでした。
脅迫、強要、強姦、ストーカー行為、名誉毀損等、被害者が受けたありとあらゆる苦痛をひとつも事件化していない、とても無機質な起訴内容になっていて、私はこんな起訴状を書いた検察官にも問題があるのではないかと思っています。
特にストーカー規制法に関する罪状が含まれていないのは、ストーカー被害相談当日に殺害されるという事態に、裁判での審理が警察の不手際に及ぶことを避けるために検察が意図的に起訴内容から外したのではないかとすら疑っています。下に私がこの裁判について思うところを書いてみました。http://mitsuo.blog.jp/archives/1006995582.html

また、遺族は「死刑の恐怖と懲役のリスクは比べものにならない」と言っていますが、私は基本的には死刑制度反対派なのですがこの事件について考えると、死刑は抑止力になるんじゃないかと思うようになりました。
この犯人は自分のリスクも計算していて、自分の犯罪が死刑にはならないことが前提で犯行を計画していると思われるので、この殺人が死刑になると思ったらこの犯行を計画していなかっただろうという気がしています。
報道される遺族のコメントから、裁判での遺族の歯痒さが伝わってきて胸を締め付けられる思いがしています。

投稿: mtz | 2014/08/03 17:22

刑罰を科す、という意味では、刑法47条があるので、最も罪の重いものから2つを有罪とすれば、それ以上はいくら積み重ねても刑期は延びません。
もちろん、犯罪行為の悪質さを示すのには意味があるでしょうが、それらを罪として起訴し有罪とするための立証には手間がかかる割には実益がないのでしょう。もちろん、検察官はこれらの事情も考慮した上で求刑しているのでしょうけど。求刑どおりの判決が勝ち取れていないので、十分でなかったという意見もあって当然かと思います。

投稿: FA | 2014/08/03 21:27

FAさん。併合罪の説明ありがとうございます。
私は刑法について詳しくはないのですが、刑法47条は罪に対する刑罰を有期刑とされたときに初めて意味を持つもので、殺人罪の法定刑は最高で死刑なので有期刑に限定することが無ければ併合罪には余り意味はないのではないでしょうか。
そして今回「有期懲役と質的に異なる無期懲役とまでは言い難い」とされ有期刑が選択されたのは、起訴状にあった三点の罪についてのみ裁かれたからではないでしょうか。強姦や脅迫、強要、ストーカー行為、リベンジポルノ等の被害者が受けた苦痛に対する罪は、それ自体は裁かれることなく量刑判断の参考資料として採用され、裁判員はその悪質性を認めて併合罪を使った有期刑としての上限の判決を出したわけです。

しかしもしも、強姦や脅迫強要ストーカー行為、リベンジポルノ等も「罪」として裁かれていたならば、「有期懲役と質的に異なる無期懲役とまでは言い難い」という判断そのものが違っていた可能性もあると思います。
法は起訴事実についてのみ刑罰を課すことになるのでこの事件は三点の罪についてのみ裁かれたわけで、それついて「有期懲役と質的に異なる無期懲役とまでは言い難い」となっていて、もしすべての罪を俎上に上げこの犯罪に正面から向き合えば「有期懲役と質的に異なる無期懲役とまでは言い難い」という判断はなかったかもしれません。
少なくとも「男女トラブルの殺人で被害者が1人」という紋切り型の判決文にはならなかったのではないでしょうか。

この裁判は控訴したとしても裁判員が出した一審判決より二審での判決が重くなることは考えにくいので、検察側は控訴しない方向で遺族を説得しているかもしれません。犯人もこれまでの言動から控訴しないことも考えられるのでこのまま確定してしまうかもしれません。
私はこの事件について、検察は被害の残酷さを考えて死刑を求刑しても良かったと思うし、判決においては劣悪な成育環境が原因で人格が歪んでしまった犯人に対して一定程度の同情を示して無期懲役の判決で決着して欲しかったと思っています。
この裁判は、被害者遺族の苦しみをさらに深めるようなとても後味の悪い裁判でした。

投稿: mtz | 2014/08/04 10:40

こんばんは。
懲役22年…妥当というご意見もありますが、過失ではなく、殺めるべくして住居に侵入し執拗に実行でこれでは…

最近、ASKAさんを女性と決めつけて、何かを聞こうとするコメントを散見され、残念に思います。
これからも性別は不詳を貫いた方が、ASKAさんの推理や考察を拝読し易いと思いますよ

投稿: どん | 2014/08/04 22:44

どんさん、こんにちは!他記事のコメント欄にて別の方と混同して声をかけてしまい、大変失礼致しましたm(_ _)m

おっしゃる通りASKAの事件簿は記事が参考になるのが魅力ですよね^^コメント欄も興味深く、運営委員会の性別や人数などを問題にしている人は私の身近にはいないですね

投稿: トモナガ | 2014/08/06 08:54

おはようございます。
被告、控訴しましたね。流れとしては当然なのでしょうけど…。でも、控訴が受理されればこの事件が風化されるのを少しでも遅らせる事もできるのかもしれない、と考えています。
再度事件を考察し、最大限罪を償う機会になればと思います。

PSトモナガさん、過日の件お気遣いありがとうございました。

投稿: どん | 2014/08/09 07:59

mtzさん
私も詳しくないのですが、おっしゃるとおり有期ならということです。おそらく検察は無期をとれるだけの罪状を並べたつもりだったのでしょうが、不十分だったということでしょうね。
強姦に関しては、親告罪なので、告訴がなくて並べられなかったのかもしれません。あれば、住居侵入よりも重いので並べるはずですが、その辺はよくわかりません。

投稿: FA | 2014/08/18 23:27

どん トモナガ…(-_-)

投稿: | 2014/08/19 19:22

裁判が差し戻されました。
「起訴していないリベンジ(復讐)ポルノによる名誉毀損罪を実質的に処罰する判決で、1審の審理の進め方には誤りがある」という理由です。
これはもっともな話で、裁判員が悪いのではなくこれは被害者の苦痛をまったく無視した起訴状を書いた検察の責任です。検察の無能ぶりに腹が立って仕方ありません。

投稿: mtz | 2015/02/06 17:33

mtzさん、おはようございます。

論点整理が不十分とも言われてますね。
そこはプロがやっている事なので、裁判員には判らない事ですね。
1審を差し戻す事になると、量刑が軽くなる可能性がありそうです。

リベンジポルノが実際の事件で問題になったのが今回が初めてだったからかもしれませんが、それはプロなら最初から考えていておかしくない部分だと思いますが・・・
残念な結果ですね。

投稿: ASKA | 2015/02/08 10:21

ASKAさん、おはようございます

この事件はストーカー被害相談当日に殺害されるという悲惨な事件で、警察の不手際も悔やまれる事件です。そして更に裁判での不手際。遺族のことを思うと本当に可哀想で仕方ありません。

私がブログに書いたことを転載させて下さい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
三鷹ストーカー殺人の裁判が差し戻された。起訴状にないリベンジポルノが判決に過大に影響しているということのようだ。犯した罪に比べて裁判員判決が重過ぎるようなニュアンスを匂わした新聞もある。しかしそれは違う。起訴されていないことを裁いているから差し戻されたのだ。

前にも書いたが、この事件は「殺人」「住居侵入」「銃刀法違反」で起訴されている。これはいったい何の事件の話なのかと思うような起訴内容だ。強姦や脅迫、強要、ストーカー行為、リベンジポルノ等の被害者が受けたありとあらゆる苦痛に対する罪がひとつも起訴状に書かれていないのだ。犯行の悪質性を象徴するリベンジポルノを裁くための罪状を立件しないまま、裁判の中では最重要点として立証して行くという検察のやり方が間違いなのだ。
これは一審を裁いた裁判員が悪いのでも、裁判員判決を差し戻した高裁が悪いのでもない。被害実態とかけ離れた起訴状を書いた担当検事と、漫然とした公判前整理手続きを行った林正彦裁判長の怠慢がこういう結果を招いてしまったのだ。担当検事はこれをどう始末するつもりなのか。その責任は重い。被害者遺族にとって、大切な娘をこれ以上にないほど残酷な目に遭わせて殺した犯人を、法の下で正しく裁いてもらうために頼れるのは検察以外にないのに、この不手際は誰がどう始末をつけるのだろう。
返す返すも、司法に裏切られ続けている被害者と遺族が本当に可哀相でならない。

投稿: mtz | 2015/02/08 10:56

殺人などの罪に問われた被告の男を懲役22年とした一審・東京地裁立川支部判決を破棄し、審理を地裁に差し戻した2月6日の東京高裁判決について、東京高検は2月20日、上告を断念したと発表した。一審で裁判員を選び直し、審理がやり直されるとの事。

殺人のほか、銃刀法違反、住居侵入の罪に問われたのは男性被告(22)。高検の次席検事は「判決を慎重に検討したが、適法な上告理由が見いだせなかった」とのコメントを出した。

高裁は昨年8月の一審判決について、「起訴されていない名誉毀損(きそん)罪を実質的に処罰しており、違法だ。一審の裁判官の審理手続きに誤りがあった」と指摘していた。

結局、最初からやり直しなんですね。
ミスは誰でもあるとは言え、しかし、高裁で指摘されるまで、誰も気づかなかったのかな?検察側も弁護側も裁判長も誰も気づかなかったの?

今後はこのような事が無いようにしてほしいですね。

投稿: ASKA | 2015/02/21 11:15

殺人罪などに問われた男性被告(23)=1審で懲役22年、高裁で差し戻し判決=が被害者の画像をインターネットに投稿した行為を処罰すべきだとして、遺族が児童ポルノ禁止法違反容疑で告訴したとの事。
遺族の代理人弁護士が17日、発表した。東京地検立川支部は告訴を受理し、同法違反での追起訴に向けて追加捜査を始めた。

代理人弁護士によると、今月10日に告訴状を提出し、13日付で受理されたとの事。
検察が追起訴すれば、裁判所が従来の起訴内容と併合して差し戻し審で審理するか、別の裁判とするかを判断する。検察側は併合審理を求めるとみられるとの事。

被告による画像投稿は「リベンジポルノ」として社会問題化したが、遺族は当初の捜査段階では「被害者の名誉が一層傷つけられる」と告訴を見送ったとの事。
2審判決が「起訴されていない画像投稿を罪と認定し、実質的に処罰した疑いがある」と審理を差し戻したことから、画像投稿が判決に反映されず、刑が軽くなる可能性が出てきたとして、告訴を決意したとの事。

代理人弁護士は「2審判決は被害者の両親にとって極めて不当で受け入れがたいもの。両親は被告の行為がもれなく処罰されることを求めて告訴した。捜査、公判を通じて被告の犯罪が明らかにされると考えている」とコメントした。

なるほど、リベンジポルノが前回の裁判で告訴されなかったのは
「被害者の名誉が一層傷つけられる」と告訴を見送ったって事だったんですね。

ところが・・・判決では起訴されていないリベンジポルノが裁かれてしまった。
その為、懲役22年の裁判は差し戻しとなりました。

で、差し戻し審では誤って裁かれたリベンジポルノの分、刑が軽くなる可能性があるので、今度はリベンジポルノを告訴したと言う事ですね。

前回の裁判でも起訴されていない、リベンジポルノが実質的に処罰されているのであれば、併合審理となっても不思議では無いですが・・・ここは裁判所の判断待ちですね。

投稿: ASKA | 2015/07/18 08:40

東京都三鷹市で女子高校生(当時18歳)が殺害された事件で、高校生の画像をインターネットのサイトに公開したとして東京地検立川支部は8月7日、元交際相手の男性被告(23)=1審で懲役22年、高裁で差し戻し判決=を児童ポルノ禁止法違反罪などで追起訴した。今後、東京地裁立川支部が従来の起訴内容と併合して差し戻し審で審理するか判断する。との事。

起訴状によると、被告は2013年7月22日~10月6日、画像13点をインターネット上のアダルトサイトに保存し、同年10月6日と8日に交流サイトや掲示板にアダルトサイトのURLを投稿したとしている。

公判の行方に注目しましょう。

投稿: ASKA | 2015/08/08 08:10

続報です。
1)被告は初公判で、すべての起訴内容を認めました。

2)3月9日の被告人質問で、殺害に至った動機について「他の異性に奪われる焦燥感と彼女を失った喪失感で、つらく、悲しく、あやめざるを得なかった」と述べたとの事。

3)裸の画像を公開した理由について「自分の存在証明だった」「自分が得てきたものを世に残したかった」「被害者はすべてだった。交際していた事実を自分の価値として残すために拡散した」と述べたとの事。

「画像を拡散させなければただのストーカー殺人として片付けられてしまう」と語り、リベンジポルノ行為は自分が被害者とかつて交際していたことを世間に知らせる狙いがあったと主張したとの事。

4)被告は被害者を殺害する2日前に画像を投稿していましたが、これについて「自分の意志だけでは殺害を決意できず、背中を押す意味でやった」と述べましたとの事。

こんなところですね。
とりあえず、判断は裁判員に任せますけど、なんとも独りよがりで自分勝手な言い分ですね。

「他の異性に奪われる焦燥感と彼女を失った喪失感で、つらく、悲しく、あやめざるを得なかった」
カッコ良く言い換えただけで「他人に取られるぐらいなら、殺してしまおうと思った」と言う事でしょ?

「被害者はすべてだった。交際していた事実を自分の価値として残すために拡散した」
これも、単純にこんないい女と交際してたんだよって自慢したかっただけじゃないの?

「画像を拡散させなければただのストーカー殺人として片付けられてしまう」
画像を拡散しても、ただのストーカー殺人ですからね。

事件を美化している印象です。自分に酔ってるんじゃないの?

投稿: ASKA | 2016/03/09 18:04

ASKAさん こんにちわ

なかなかご立腹のようですね。

犯人を擁護するつもりはないのですが、私はいくらかこの気持ち理解できます。

1)2)3)については彼の真摯な気持ち伺えれます。

本当に好きだったんだと感じ取れますし、演じてた自分の限界を越えてたのかも?
とも感じます。

嘘の学歴で塗り固めた虚構の自分に対し、心許した彼女に真の自分を見せた結果ではないのかな?

偽の自分とそこに共感した彼女に対した制裁の気がします。

真の恋愛は難しく、簡単な事なんですね。

投稿: テキスタイル | 2016/03/10 19:30

殺人と児童ポルノ禁止法違反などの罪に問われた無職、男性被告(23)の差し戻し審の裁判員裁判で、東京地裁立川支部は3月15日、懲役22年(求刑・懲役25年)の判決を言い渡したとの事。

差し戻し前の1審判決や起訴状によると、被告は13年10月8日午前、三鷹市の高校生の自宅に侵入。同日夕、高校生の首や腹を所持していたナイフで刺して殺害した。また、10月6日と8日、高校生の画像13点を保存したサイトのURLをインターネット上で公開し、不特定多数が閲覧できる状態にしたとされる。

1審は画像投稿を「殺害と密接に関連する」と重視して懲役22年としたが、東京高裁は「起訴されていない罪で実質的に処罰した疑いがある」と審理を差し戻した。その後に遺族が児童ポルノ禁止法違反容疑で告訴し、検察が追起訴した。

いったん判決が出た後に検察側が追起訴したことについて、やり直し裁判で弁護側は「公訴権の乱用で違法だ」と主張していた。

検察側は「被害者を強い未練と恨みから、徹底的におとしめようとした犯行で身勝手極まりない」と指摘し、懲役25年を求刑した。

判決は「(画像投稿の)性質、内容を踏まえれば、被害者側の意向が当然考慮されてしかるべきだ」として追起訴に問題はないとした。その上で殺害について、「被害者方に少なくても6時間に渡って潜伏し、強固な犯意に基づく計画性の高い犯行」と指摘。画像投稿の目的も「被害者への恨みや、尊厳を傷つけることにあった」と述べた。

まー、前回と同じ懲役22年ですね。
手続き上の問題が今回で解消したので、文句の無い判決と言う事でしょうね。
とりあえず、被告側は控訴するのかな?

今回の裁判での主張にも、反省している様子はうかがえませんからね。
自分の世界に逃げ込んでいると言う印象ですね

このあたりは難しいところではあるんですよね。
正直に話した事が反省していないように見えてしまう可能性がありますし・・・

そこは置いといて、本当に事件に向き合っているかは、これからの被告の行動に表れるんでしょうね。

続報を待ちましょう。

投稿: ASKA | 2016/03/15 17:28

東京都三鷹市で2013年、元交際相手の女子高校生(当時18歳)を殺害したとして殺人罪などに問われた無職、男性被告(24)に対する差し戻し審の控訴審が11月29日、東京高裁で始まった。弁護側は懲役22年とした差し戻し後の1審判決を「重すぎる」と主張、検察側は「軽すぎる」と訴え、ともに破棄を求めて結審した。判決は来年1月24日。

被告は被告人質問で「ご遺族に申し訳ない。賠償を果たしていきたい」と謝罪。量刑の重さについては「判断は弁護人に任せている」と述べたとの事。

一方、被害者参加した遺族の代理人弁護士は「娘の画像を投稿した犯罪が新たに起訴されたのに、なぜ最初の1審と同じ懲役22年なのか納得できない」とする母親の意見陳述を読み上げたとの事。

さて、こんなところですね。
死亡は1人だし、罪状に「強」の字もないので、極刑は無理ですね。
かといって、更生の可能性から無期懲役も難しい面があり、有期刑の中でどこまで刑が重くなるか?と言うあたりが焦点なのかな?

一審では無意識にリベンジポルノ部分を判断に加えて、22年、差し戻し審では正式にリベンジポルノを判断に加えて、22年・・・このあたりが妥当な線なのかな?

しかし、最近増えている、ストーカー事件に対する抑止効果を期待して、1、2割ぐらい重くしても良いかな?とは思いますね。

判決は来年1月24日です。判決を待ちましょう。

投稿: ASKA | 2016/11/29 20:21

控訴審判決です。

東京都三鷹市で2013年、高校3年生の女子生徒(当時18歳)を刺殺したなどとして殺人罪などに問われた無職男性被告(24)の差し戻し控訴審で、東京高裁は1月24日、懲役22年とした差し戻し後の1審・東京地裁立川支部の裁判員裁判判決を支持し、いずれも量刑を不当としていた検察・被告側双方の控訴を棄却する判決を言い渡したとの事。

裁判長は「1審の量刑判断に誤りはない」と述べたとの事。

弁護側は、検察側が差し戻し後にリベンジポルノ行為で被告を追起訴したことについて「起訴権の乱用だ」とも主張したが、判決は「遺族の意向に沿い、違法ではない」と退けたとの事。

被告は幼少時に虐待を受けていたようですね。
フィリピンで生まれ、母親は日本人男性と結婚し実子である被告を置いて来日、被告は1歳10ヶ月で日本へ。
その頃から虐待・育児放棄が始まる。
被告が4歳の時に母親は離婚、その後も母親が連れ込む男性たちに虐待を受け続けており、彼が家を出るまでそれは続いた。
虐待は火あぶりだとか、頭から水漬けだとか。中学生のときはお母さんが家に帰ってこないので、ずっと水も電気も止まった部屋の中に一人で暮らしていた。ご飯は近くのコンビニに行って店長に分けてもらっていたとの事。

それから、公判時の被告の話方もかなり、違和感のある話方だったようですね。
「被害者を愛していたのか」という質問に対し「いや、恋はしておりませぬ。恋慕でございます。恋慕と恋は違うでございます」といった口調で答えていたという。こうした言い回しは裁判を通して一貫していたとの事。

こんなところですね。
まー、酷い虐待を受けて育った事には同情するけど、だからと言って許される罪では無いですからね。
しかし、時間の経過とともに、被告のメンタルに変化があるようですね。
「いや、恋はしておりませぬ。恋慕でございます。恋慕と恋は違うでございます」
以前の公判ではこんな話方はしていなかったでしょ?

罪を犯し、逮捕されて拘置所や刑務所に入って、時間が経過すれば、次第に罪と向かい合うケースもあると思いますが、この被告については、罪と向かい合うのでは無く、自分の中に逃げ込んでしまっているような印象ですね。
自己正当化と言う感じなのかな?

それが、酷い虐待の結果なのかもしれませんが・・・いつか、この被告が罪と向き合う時が来る事を祈ります。
もし、その時が来ないのであれば、更生は難しいかもしれませんね。
更生しないまま、世にでれば、再犯が心配になります。

投稿: ASKA | 2017/01/26 20:39

判決が確定しましたね。事件に真剣に向き合った裁判員の方達の努力や思いを無にしたやり直し裁判など、司法に振り回された被害者遺族にとって実に酷い裁判でした。

2013年の逮捕から未決拘留で3年以上経っているので、刑期はあと20年もありませんね。事件から22年後の2035年、被害者の両親が80歳を超える頃に、犯人は40歳そこそこで刑期を終えるわけです。場合によっては30代で仮釈放されるかもしれません。被害者遺族にとって自分の人生が終わりに近づく頃、自分の娘を殺し嬲り者にした男が社会復帰し、40歳からの新しい人生を始めるのです。
被害者遺族にとってこれほどむごい判決があるでしょうか。

投稿: mtz | 2017/02/08 17:44

毎日新聞に遺族コメントが出ていました。
三鷹ストーカー事件:「懲役22年は軽すぎる」両親が心境 - 毎日新聞 http://mainichi.jp/articles/20170208/k00/00e/040/332000c#csidx7d1af6cd76505a7884fe13bb4b8b29f
最初の裁判では無期懲役の求刑だったのが、差し戻しで求刑25年に減らされてた理由が、遺族コメントで事情が分かりました。
・・・・
<2> 最初の第1審の判決について検察官が控訴しなかったこと
 最初の第1審で検察官は無期懲役を求刑しながら、懲役22年の判決に対して控訴しませんでした。控訴しなかったため、差し戻し審1審は殺人罪等について懲役22年を変更することはできなくなりました。被害者の立場を十分に代弁し尊重すべき検察に対しては、大変悔しく、残念です。それは自分たちの使命を放棄したとしか思えないからです。
・・・・
検察が失敗を重ねた結果のこの結末ということですね。ブログにも書きましたが、司法に振り回された遺族が可哀想でなりません。

投稿: mtz | 2017/02/08 19:30

「検察が失敗を重ねた」というのは少し違っていたかもしれません。
この裁判は、最初の起訴が間違っていたためにこんなことになってしまったと私は考えますが、間違った起訴に基づき進められた裁判で裁判員が出した一審判決については、仮に差し戻されずに裁判が進んでいたと仮定すれば、控訴しても量刑が増えることはなかったでしょうから、控訴をしなかったという判断自体は間違いとは言うことは出来ないですね。私も2014/08/04のコメントで控訴はしないだろうということを書いていました。

しかし前にも書いたように、この裁判が最初から犯人が犯した罪に正面から向き合ったものだったら、無期懲役の判決もあり得たと思います。遺族は死刑を望んでいましたが、犯人はそれ位の重罪を犯していると思います。全く反省する気配もありません。この差し戻し審は、そういう犯人が犯した罪に正面から向き合うための「やり直し裁判」であるはずだと私は思っていました。

この裁判で疑問に思ったのは、差し戻された裁判でなぜ求刑を有期刑に限定しなければならなかったのかということです。遺族コメントにその理由がありましたが、そもそも最初の裁判が間違っていたから差し戻された訳ですから、差し戻された裁判で「破棄された原判決に対する控訴がなかったこと」がやり直し裁判の求刑に影響するというのが、ちょっと理解できません。一審そのものが破棄されたのだから、それに対して控訴していたかとか関係なさそうな気がするのですが。

投稿: mtz | 2017/02/09 10:21

この男が自分のしたコトが何なのか理解しないまま40そこそこで社会に解き放たれた時が怖いです。自分のしたコトをいつまでも忘れないように社会のほうも忘れないようにするにはどうすればいいか。私が遺族なら民事訴訟を起こすでしょう。遺族も大変だけど。何とか新しい犠牲者が出ないようにしたい。
因みにこのタイプが本当の恋愛をするコトはないと思います。本来、恋した相手の幸せと安全と健康は何よりも大事にしたいコト。自分がソレを破壊するなんて!そんなのは恋愛ではない。この男は彼女に欲情していただけ。欲情と、自分が欲情している対象への支配欲、これで頭がいっぱいだっただけ。自分が可愛いという気持ちが強すぎて他者を愛するコトが出来ない人間ですね。
若いお嬢さん方がこういう男を見抜いて上手く避けて生きていってくれるコトを祈るばかりです。

投稿: まーぷる | 2017/02/09 12:17

本当に不幸な裁判経過、判決でしたね。
大罪だし、極悪犯でしたから、殺しても足りないくらいなのに、有期刑?
やはり、民事で再度懲らしめてやるしかないでしょう。
全く反省してないようだし、出所後も重すぎる十字架で潰れるくらいに苦しまなくてはなりません。

投稿: 空き地 | 2017/02/10 20:26

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