和歌山県紀の川市小5男児殺人事件その5(物証)
まずは続報です。
1)捜査関係者によると、県警が現場の空き地周辺から採取した足跡を鑑定した結果、容疑者が6日夕に任意同行を求められた際に履いていたサンダルの底部の模様や形状とよく似ていたとの事。
2)捜査本部によると、刃物は容疑者宅から3本押収された。いずれも刃渡り約40センチで殺傷能力が高く、うち2本は刃体が湾曲し狩猟や軍隊などでも使われる「ククリナイフ」のような形状だった。詳細な鑑定の結果、1本から血液反応を検出した。鑑定の結果、被害者のDNA型と一致したとの事。
捜査本部は、容疑者が刃物を凶器として使った後、洗い流して証拠隠滅を図った可能性もあるとみて調べるとともに、一緒に押収した刃物のカバーなどの鑑定も進めるとの事。
これまでの調べでは、容疑者宅の靴箱の扉から被害者のDNA型と一致する血痕が見つかっており、ほかにも自宅の数カ所から血痕や血液反応が確認されている。
3)捜査関係者によると刃物の存在を家族が知っていて、報道を見て「犯人はうちの子かと思った」と話しているとの事。
4)現場近くのやぶには、鋭利な刃物で切られた植物が多数、落ちているとの事。容疑者のパソコンからは植物の切り口の写真が押収されていて、試し切りをしていた可能性もあるとの事。
こんなところですね。
押収された刃物から被害者のDNAが出た事で、容疑者には極めて不利な情報がそろってしまいましたね。
A)事件直前、直後の目撃情報
残念な事に犯行そのものの目撃情報はありませんが、ゴーグルをした容疑者と思われる男の直前、直後の目撃情報が容疑者であると断定されると、かなり厳しい事になりますね。犯行自体の目撃情報がないけど、容疑者の犯行と合理的に推定される可能性が高いと思います。事件当時に他に刃物を持った人間が同地区で目撃されていれば、反論の余地があるかもしれません。
B)犯行現場の足跡と容疑者のサンダルの模様がよく似ている。
C)容疑者宅の靴箱の扉から被害者と同じ型のDNAが検出
D)押収された刃物のうち1本から被害者と同じ型のDNAが検出
B、C、Dについては、容疑者の犯行だと考えれば、不思議な事では無いのですが、逆に容疑者の犯行では無いと考えた場合は、真犯人が偽装の為に、同じサンダルを使い、容疑者宅から凶器を盗んで、犯行を行い、犯行後に容疑者宅に戻した。と言う事になるわけですが、事件当時、「自宅でテレビを見ていた」と証言している容疑者としては、それに気づかなかったの?と言う素朴な疑問が出てきますね。
しかし、わざわざそんな手の込んだ事をする必要も無いだろうし、小学生を殺害する理由も他の人間には無いだろうね。
なので、容疑者側としては極めて不利な情報がそろっている事になりますね。
私の現在の見方ですが、やはり偶発的な犯行だろうと考えています。
理由としては、容疑者に不利な状況が揃いすぎている事。
犯行直前の目撃情報は本人が声をかけられているので、自覚していたはずです。
ちょっと離れますが、和歌山市の気象情報では日没は18時頃ですね。
事件発生の16時15分ならまだ明るい時間でしたから、目撃される可能性が高い事は本人も理解していたと思います。
そして、今回の報道にある「サンダル」です。
状況によっては、被害男児を追いかけるかもしれないし、逃亡する時も走る事になるかもしれません。
それなのに、「サンダル」は無いと思いますね。
被害男児との接点も分からないままと報道されてますが、ホントに接点は無いのかもしれませんね。
なんらかの出来事でついかっとなって殺害してしまった。
その為、容疑者自身、どうしてそんな事になったのか理解できないでいるかもしれません。
それに、犯行を認められない理由があるかもしれませんね。
いずれにせよ、もう少し、時間が必要なのかもしれませんね。
私の印象では、容疑者はそれほど、病的な状態ではなかったように見えます。
「ひきこもり」と言っても、たびたび、外出してますし。(多分、刃物を振り回してのストレス発散)
1年前ぐらいには、剣道の道場にも顔を出していたようですし。
刃物の試し切りをしたようですが、それでも、周辺で動物虐待事件があったわけでもなさそうです。
刃物だと、つい、生き物で試したくなる人がいますからね。
犯行直前に声を掛けられた時も会話が成立してますよね。
近隣でのトラブルもないようですし。(人格障害あたりだと、近隣トラブルが多発したりしますね)
こんなところで、私としてはきっかけさえあれば、社会復帰できるぐらいの状態ではなかったのかな?
と考えています。
今の状況だと、このまま送検されると思います。
公判までの間に何か劇的な変化があるかもしれません。
(変化が起きる可能性はありますが・・・それに気づけるか?が問題かな)
続報を待ちましょう。
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コメント
きわめて短絡的な犯行でしょうね。
概ねASKAさんと同様の考えです。
犯行の背景を妄想してみると・・・
被害者の小学生との接点は、剣道練習場でしょうか。
そこで、容疑者は何らかの逆恨みの感情を一方的に持った可能性があると、報道されている情報から推測します。
容疑者は、罪に問えないほどの精神障害を患っているようには思えませんが、やはり何らかの精神障害はあると考えます。
普通の人には何でもないことが、容疑者の頭の中でどんどん増幅していき、その結果今回の悲惨で最悪の結果をもたらしてしまったように感じます。
投稿: たんまん | 2015/02/15 08:00
「男の子のことは以前から知っていた」「からかわれた」という供述をしはじめているようですが、容疑者の幻覚・幻聴じゃないといいけど…。
被害者の男児のお兄ちゃんも以前、容疑者に追いかけられた経験があるようですから、この兄弟が他人をからかうような性質だった可能性も否定できないかな。子供と言っても世の中には憎ったらしいことをわざと言ったりやったり平気でする子がいることも悲しいかな確かなので。あるいは、別に悪意はなくとも思ったことを素直に口に出してしまうのが子供でもありますね。それが容疑者の逆鱗に触れたのかも知れないな。
過去に起こった事件でも不快なことをされた(あるいはそうだと感じた)側がそこで自制できるかできないかで、事件になるかならないかの境目になるのでしょうかね…。
投稿: | 2015/02/15 12:16
小学生の頃勉強も順調で楽しく過ごせたのに、中学や高校で勉強に挫折するなどして引きこもりかそれに近い状態になった人が、勉強が出来て大人達に可愛いがられている小学生に激しく嫉妬することは時々あるそうです。もちろん、不登校引きこもり気味だけど、年下の子供を可愛いがる心根の優しい少年もいますし、結局本人の性格によっていろいろですね。
容疑者が、被害者にからかわれた と言っているそうですが、被害妄想的なモノかもしれんと思います。だって夜外に出てヌンチャクだのナタだの振り回している気持ち悪い男に近づきたくないですよ。小学生だって あの人変だなってわかりますから。わざわざからかったりしないような気がします。
自分の家族が近所のあの坊やはお利口で良い子だねと噂してるのを聞いて勝手に嫉妬して腹を立て妄想が膨らんだ可能性も。
投稿: まーぷる | 2015/02/17 01:34
被害者家族は事件のあった地域に引っ越して来てからまだ1ヶ月くらいだったみたいだから、容疑者が常日頃から刃物を使ったりした奇っ怪な行動を取っていたことに対して、他の近隣住民よりも危機認識というか、警戒感は薄かったかも知れないですね…。
投稿: | 2015/02/17 10:15
こっちの事件は、その後どうなってるんですかね?すっかり報道も減った。
投稿: びろりん | 2015/03/02 00:16
2015年6月30日まで精神鑑定のための鑑定留置がおこなわれ、責任能力ありと判断されたようです。
2015年7月3日に殺人と銃刀法違反で起訴の運びとなったとのこと。
今は裁判中なのか、それ以降の続報は発見できませんでした。
「庭にいた時にからかわれたから」といった動機につながりそうな供述もあったようです。
投稿: つれづれ | 2015/11/23 18:00
公判開始です。
被告の男は両手を大きく広げながら「事実は全部違います。僕はやっていない」と起訴内容を全面否認したとの事。
事前の主張と真逆の発言だったことから、弁護士が焦った様子で裁判の休廷を求めたとの事。
起訴状によりますと、紀の川市の無職・男性被告(24)はおととし2月、近所の小学5年生男児(当時11)の右胸をなたのような刃物で突き刺し頭を切りつけるなどして殺害したとして、殺人などの罪に問われています。
「肺も心臓も貫通していて、ズタズタにされていた。私は望むものは極刑以外にないです」(男児の父親)
弁護側は事前の手続きで、起訴内容を争わない方針を示し罪の重さが主な争点となるとみられていました。
ところが被告は「全部違います。僕はやっていない」と起訴内容を全面否認したため、弁護側の要請で裁判はわずか5分で休廷したとの事。
被告は裁判前、供述に不可解な点があったことから精神鑑定が行われていましたが、検察側は刑事責任能力を問えると判断していました。
被告については、和歌山地検がおよそ4か月間の鑑定留置で精神鑑定を実施し、刑事責任能力を問えると判断しているとの事。
午後3時過ぎに再開後、改めて認否を問われると今度は起訴内容を認めたとの事。
起訴状によると、被告は15年2月5日午後4時14分ごろ、同市後田(しれだ)の空き地で、男児の頭や胸を大型ナイフ(刃渡り約40センチ)で刺すなどして殺害したとされる。
公判は計7回開かれ、被害者参加制度に基づき、男児の父親(69)と兄(15)の意見陳述なども予定されている。
判決は今月28日との事。
さて、いよいよ、公判が開始されましたが・・・
どうも、被告人が精神的に不安定な印象ですね。
公判までに、弁護人とも話して、犯行を認める方針を決めていたでしょうから、全面否認では弁護人も慌てたでしょうね。
一時の気の迷いだったのか?
物証や目撃証言などもあるので、犯行自体を否認するのは難しいと思います。
その為、弁護人も犯行事実は認めて、量刑を争点にすると言う方針だったんでしょうね。
ここで、否認してしまうと「反省してない」と言う事になり、量刑に影響がでそうです。
午後になって認めているのですが、この後も波乱があるかもしれませんね。
弁護側は責任能力は争わないのかな?
公判の行方に注目しましょう。
投稿: ASKA | 2017/03/06 20:17
第2階公判で男の父親が出廷し、「息子へのアプローチの仕方が間違いだった」と謝罪したとの事。
7日の公判には被告の父親が証言台に立ち、遺族に向かって深く頭を下げた上で「息子は高校時代から引きこもりがちになり、家族に暴力を振るうようになった。心を開くのを待つというアプローチの仕方が間違いだった」と謝罪したとの事。
こんなところですね。
結局、「引きこもり」を家庭内の問題として処理しようとすると、「心を開くのを待つ」と言うような、時間が解決する的な方向になってしまう事は良くある事なんだろうと思います。
父親は普通に考えて、仕事をしている、昼間は家にいないし、帰宅してから、子供と向き合うと言うのも、何度かは試みただろうと思いますが・・・
うまくいかなくても不思議では無いと思います。
なにしろ、父親や母親は「ひきこもり」の専門家でも医師でも無いわけですからね。
そうなると、必然的に時間を掛けて、良くなるのを待とうと言う事になってしまうのかもしれませんね。
実際のところ、無理矢理、外に出して、仕事を見つけたとか、学校に送るとか言っても、本人にその意志がなければ意味が無いですからね。
かと言って、そうする為の動機付けとか、あるいは行動療法的なアドバイスなども難しいかもしれませんね。
なにより、親子関係が破綻しているようだと、親や親族の言う事に聞く耳を持たないかもしれないわけで・・・
外部の専門家に相談するのも一つの方法なのかな?と思いますね。
投稿: ASKA | 2017/03/07 20:03
初公判では起訴内容を一度全面否認したものの、その後「認めます」と一転させたが。9日の裁判で、またもや「否認」した。
9日の公判では、男児の父親がついたてで仕切られた証言台に立ちました。
「被告人の状態は裁判を見る限り、反省の気持ちを感じることはできない。私の思いとしては最初から極刑です」
その後の被告人質問で、被告はまたもや認否を一転させたとの事。
弁護人の「今回の裁判は君が被害男児を殺害したという事件だけど、間違いない?」との問いに
被告人は「認めない」「やってない」と主張した。
弁護人はすぐに休廷を申し入れました。約40分後に再開されましたが、被告は「答えない。認めないと罪が重くなると脅された」などと述べ、再び休廷。そのまま再開されることなく、午後5時過ぎ、公判は打ち切られたとの事。
さてと、色々大変な裁判になりそうですね。
現実逃避なのかな?
いずれにせよ、否認すると、争点が犯人かどうか?と言う点に絞られてしまうので、今、出ている証拠を見ると、被告に不利な状況だと思います。
それで、被告による犯行と認定されてしまうと、反省していないとなって、量刑の面でも不利になると思うけど・・・
でも、責任能力を争う事はできそうだけど・・・精神鑑定の結果は責任能力「有り」なんですよね。
それとも、やはり、記憶の抑圧や改ざんなどなのか?
続報を待ちましょう。
投稿: ASKA | 2017/03/09 20:24
裁判員裁判の公判が13日、和歌山地裁であった。被告は前回公判(9日)の被告人質問で起訴内容を否認したが、この日は「間違いありません。やりました」と述べたとの事。
被告人質問後、被害者の兄(15)の証人尋問があり、事件約1カ月前、被告の自宅前で、黒い傘のようなものを持った被告に追いかけられたと証言。
被告が逮捕後、被害者兄弟ににらまれたことがあるなどと供述したことに対しては、「(にらんだことは)ありません」と答えた。
事件から2年たっても、弟の死が「悲しい」として極刑を望んだとの事。
今回は容疑を認めたようですね。
よほど、葛藤があるのか?精神的に不安定な状態は脱したのかな?
続報を待ちましょう。
投稿: ASKA | 2017/03/14 20:48
論告求刑公判が3月21日、和歌山地裁で開かれた。検察側は懲役25年を求刑し、結審した。判決は28日に言い渡されるとの事。
被告は、事件当時に心神耗弱状態だったとされており、量刑が最大の争点。
公判では、事件後に精神鑑定を行った鑑定医が、被告が統合失調症または妄想性障害を発症しているとした上で、「(刑事責任に)全く問えないということはない」と証言していたとの事。
検察側は論告で、被告が犯行後に血液が付着した凶器を洗い流したことなどから、「事件の発覚を免れようとするなど目的にかなった行動をとる力があった。厳しい非難を加えることは十分に可能」と主張。
被害者参加制度に基づき、男児の父親(69)が代理人弁護士を通じて「本来は極刑を望むが無理であれば無期懲役が相当」と求刑意見を述べたとの事。
弁護側は、妄想が犯行に影響していたと主張。「すべては被害妄想から始まった。治療やカウンセリングが必要」とし、情状酌量を求めた。
こんなところですね。
殺人事件で死亡したのが一人なので「無期懲役」以下の求刑になるでしょうが、罪状に「強」の字は無いので、懲役25年としたと言うところでしょうか。
おそらくは有罪にはなるだろうけど・・・問題は量刑になりそうですね。
25年からどのぐらい減刑されるのか?
減刑される要素としては
1)精神鑑定の結果出ているメンタルの問題
2)引きこもりでの、家庭環境、育成環境など(問題があればの条件付き)
3)年齢が24歳で更生が期待できる?
このぐらいかな、やはり、一番大きな減刑要素はメンタルの問題ですね。
5割引になると、12,3年ぐらいになる可能性もあるかもしれませんね。
しかし、逆にそうなるとしたら、そんなメンタルの状態の被告を治療もさせずに放置していた、周囲の問題はどうなの?って問題はあると思いますね。
被害者や遺族にしたら、被告がメンタルに問題があろうがなかろうが、被害者が理不尽に殺害された事に違いが無いですからね。
ただ、引きこもりだと社会との接点が無いので、周囲の人間も異変に気づかないと言う可能性もありますから、簡単な事では無いと言う事かな。
しかし、そうなると、熊や毒蛇に咬まれた事故と同じなのか?と言うとそれも何か感情的には納得できない気がします。
判決を待ちましょう。
投稿: ASKA | 2017/03/21 19:35