台湾新北市テーマパーク粉塵爆発事故
6月27日、台湾北部の新北市にあるウォーターパーク「八仙楽園」で可燃性の粉末が爆発する事故が起きている、28日までに確認された負傷者は計498人に上った。
負傷者は43カ所の病院に搬送された。うち202人が重体となり、182人は集中治療を受けているとの事。
60人あまりは手当てを受けて帰宅した。負傷者のうち485人は台湾人で、残る13人は日本や中国本土、香港、シンガポール、マレーシアから来ていたほか、3人の国籍がまだ確認できていないとの事。
消防局によると、事故は現地時間の27日午後8時半ごろ、同園で開かれていたイベント「カラー・プレイ・アジア」のステージ上で可燃性のカラーパウダーが爆発して起きたとの事。
同パークによると、この日は外部の企業が園内の一角を借り切って「カラー・プレー・アジア」と題したイベントを開催していた。
行政院長(首相)は、原因などについて捜査する間、カラーパウダーを使ったイベントを禁止すると発表した。安全性が確認されるまで禁止措置を継続するとの事。
警察はこの爆発に関連して、イベントの主催者や照明係、機材係など5人から事情を聴いているとの事。
このうち容疑者とされる2人は検察で取り調べを受けた後に保釈され、台湾からの出国を禁止されたとの事。
重傷者は37の病院の集中治療室で治療を受けている。同高官は、色の付いた粉末を大量に吸い込んだため呼吸器もやけどをしたことから負傷の程度が重くなっており、重傷者にとって今後24時間が非常に重要だと述べたとの事。
カラーパウダーはコーンスターチなどをさまざまな色に着色した粉で、イベントで大量にまかれていた。
可燃性の粉が空気中に高濃度で浮遊しているところに引火して爆発する「粉じん爆発」が起きたと見られているとの事。
たばこや高熱になった機材から引火した可能性が指摘されており、爆発時を撮影した動画には、会場が一瞬で火の海になる様子が映されていた。地面に積もった粉にも火がついたと見られるとの事。
台湾では2年ほど前から、音楽イベントや長距離走などでこうした粉が使われ、人気になっていたとの事。
負傷者の多くは10代や20代の若者で、水着やTシャツ、サンダルなどの軽装だったため、やけどの程度がひどくなった可能性があるとの事。
現場は禁煙だったにもかかわらず、大量のたばこの吸い殻やライターが落ちていたことが新たに判明したとの事。
火災が起きた現場では、警察が29日も現場検証を行う予定です。現場には、40本ほどのたばこの吸い殻や複数のライターが落ちていたことがわかったとの事。
台湾当局は、「イベントの主催者がカラーパウダーの危険性を認識していたのに、十分な安全対策をしなかった」とみて捜査しているとの事。
業務上過失傷害の容疑で送検されたイベント会社の社長が、28日夜、保釈された。
地元メディアは、社長が過去にも同様のイベントを開催し、カラーパウダーの危険性を指摘された際、「自分たちが使用するパウダーは製造過程が違うので問題ない」と話していたと伝えているとの事。
しかし、台湾当局は、「安全対策に問題があった」とみて捜査を進めているとの事。
全身90%のやけどを負って入院していた女性(20)が29日午後に死亡した。この火災による死者は初めて。
死亡した女性は台湾中部・台中の専門学校を卒業したばかりだった。同じく小学校を卒業したばかりの弟らと一緒に来場し、火災に巻き込まれた。弟も重度のやけどを負い、入院しているとの事。
台湾メディアによると、準備されたパウダー約3トンのうち既に7割が使われ、会場の粉じん濃度が高くなっていた可能性があるとの事。
こんな事故ですね。
2013年の京都府福知山市花火大会露天商爆発事故を連想しますね。
あの事故の時も夏祭りの花火大会で大勢の見物客が集まったところで発生しました。
気付いた時には、ガソリンの雨が降り注ぐ大惨事です。
負傷者60人、重傷者16人、その内、死者3名となる大事故でした。
比較するわけでは無いですが、この台湾の事故は負傷者が498人で福知山の事故のざっと10倍の規模の事故です。
爆発が発生した瞬間の映像も残っているようですが、一瞬で火炎に包まれています。
現場はパニックだったでしょうね。しかも、運悪くプールで開かれたイベントだった為に、殆どの人が水着などの軽装だった。
負傷者多いのですが、現場でのトリアージなど行われたのか気になりますね。
事故は突然起きる事が多いのですが、結果には原因があります。
この事故の場合、主催者が以前から問題のカラーパウダーの危険性を認識していた可能性があるようです。
そして、もう一つが、本来、禁煙のはずの現場にたばこの吸い殻や複数のライターが落ちていたと言う事ですから、もし、現場でタバコを吸っていた人がいてその火によって爆発が起きたとしたら、こちらにも責任があるでしょうね。
日本でも、最近はカラーパウダーを使うイベントが行われているようです。
早速、検索すると、そのHPにはこの台湾の事故を受けて安全性を検証する為、開催を一時保留しているようです。
使用しているカラーパウダーも異なりますが、妥当な判断だと思います。
一方でこちらのイベントは過去11カ国で250回開催しているが、これまで爆発、火災事故は起きていないとの事です。
検証が終わらないとなんともいえませんが、使用したカラーパウダーの問題なのかな?
しかし・・・もし、この爆発に巻き込まれたら?と考えると、ちょっとどうすれば良いか?分かりませんね。
映像でみる限り予兆がありませんでしたから、事故を予見できるとしたら、カラーパウダーの危険性と粉塵爆発の知識がある人間だけでしょう。
一瞬で炎に包まれてますから、咄嗟に伏せる、しゃがむぐらいしか対応できないかもしれません。
しかし、足下も積もったパウダーが燃えているような状況だから、もう、走って逃げるしかない状況でしょう。
だけど・・・現場はイベント会場で沢山の人が密集している状態です。
どう考えてもパニックは必至です。
そう考えると、この種の事故が起きたら大災害になるのは必至と思えます。
もう、事故が起きたらどうするか?ではなく、事故を絶対に起こさないと言う方針以外にありませんね。
そういった意味で主催者側の責任は重大ですね。
最後に亡くなった方のご冥福と負傷者の方の早い回復をお祈りいたします。
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コメント
粉塵爆発は、非常に怖い事象です。
有名なのは、炭坑爆発。
このため、炭坑の坑内で使われる電気機器は、炭坑用防爆機器を使用します。
要は、坑内に可燃物である石炭の粉(粉塵)が蓄積しているので、着火しないためです。
では、石炭の粉だけか?
違います。
可燃物の粉なら、何でもです。
木材工場の火災で、粉塵爆発が起こり、死者が出ることもあります。炭坑ほど、機器に用心してないですが。
では、粉塵が舞う様な環境でしか、粉塵爆発は起こらないか?
いいえ、違います。
舞ってなくても、起こりえます。
そこに粉塵が有り、火種となりうるものがあれば、起こります。
爆発の程度は、蓄積した粉塵の量などによります。
例えば、木工所作業場内に多くの鋸屑(のこくず)が蓄積していたとします。
そこに火のついたままのタバコの吸殻を捨てる輩が居たとします。
蓄積した鋸屑は、すぐには、燃え上がりません。モグサの様に、ジワジワと燃えていきます。
燃料(鋸屑)の表面積が少なく、空気(酸素)の供給量が少ないから、ゆっくりとしか燃えません。
でも、タバコの吸殻が燃え尽きた後も、燃え続けます、静かに、ゆっくりと。燃料は、沢山あるのですから。
火縄銃の種火の様に。
この時、タバコを捨てた輩も、他の作業者も気付かないのです。それぐらい静かな燃焼なのです。
そして、悲劇は、突然起こるのです。
木工所の所長が、客先から帰り、作業場の扉を開け入ろうとしたというタダそれだけのことを引き金に。
開いた扉から、少しだけ風が吹き込みました、少しだけ。
そね風は、蓄積した粉塵を少しだけまきあげます。静かに燃えていた火種と共に。
まきあがった粉塵には、表面積が増え、沢山の空気が供給されます。
小さな粉塵爆発が起きます。 小さいけれど、爆発です。この爆風が、はじめにまきあげられた粉塵の量の何倍もの粉塵をまきあげます。そしてこれがまた爆発して…。
燃料である粉塵が無くなるか、空気がなくなるまで、無限に、しかも、一瞬のうちに。
爆発そのものが燃焼条件を作りながら成長するバックドラフトの様な…。
粉塵爆発が、怖いのは、以上の様な現象だからです。
起きてからでは、何も出来ません。
投稿: おきゅうと | 2016/01/24 17:38