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2016/02/11

神奈川県川崎市中1少年殺人事件その15(一審判決)

殺人罪などに問われたリーダー格の無職少年(19)=事件当時18歳=の裁判員裁判の判決で、横浜地裁は2月10日、懲役9年以上13年以下の不定期刑(求刑・懲役10年以上15年以下)を言い渡したとの事。

裁判長は「手口の残虐性は際立っている」としつつ「成育環境から生じた年齢不相応の未熟さが殺意の形成に影響している」「主導者として最も重い責任があるのは明らか」と述べたとの事。

裁判長は判決理由で、少年は年長者3人がかりで被害者に1時間余りもの間、カッターナイフで首などを切り付けたと認定。全身の傷痕は43カ所に及んだほか、被害者は命じられるまま真冬の川で2回も泳がされ、最後は放置されて自力で移動しながら絶命したとし、「凄惨というほかなく、手口の残虐さは際立っている」と非難した。被害者が味わわされた恐怖や苦痛は甚大で、「無念さは察するに余りある」と強調した。

裁判長は、被害者を真冬の川で2回泳がせ、岸に戻るとさらに切りつけることを繰り返した経緯から、「殺意が弱かったとか、殺害をためらったなどとは評価できない」とした。

また、「カッターナイフでほおを切るうちに、報復や逮捕を恐れて殺害を決意したとの動機は、通常では到底考えがたいほど極めて自己中心的で短絡的」と指摘したとの事。

別の少年からカッターナイフを差し出されたことが大きな契機となったとしつつ、「殺害は自身の判断で、少年自身の責任は大きい」とした。

犯行は「極めて自己中心的で短絡的な発想」とする一方、背景には少年に共感性の欠如や問題解決力の脆弱(ぜいじゃく)さがあったことも認めた。

少年の自己中心的な発想には、共感性の欠如や未熟さが表れているとしたうえで、父親から暴力を受けるなどした成育環境が「相当に大きな影響を与えている」と判断。
殺害に計画性がないことも踏まえ、「不定期刑を選択すべき事案で、その上限が相当とまでは言えない」と結論付けたとの事。

判決によると、少年は2015年1月17日午前2時ごろ、被害者のなれなれしい態度に腹を立て、横浜市内の駐車場で顔を殴って左目にけがをさせた。さらに、この暴行を被害者が告げ口したと邪推して怒りを募らせ、2月20日午前2時ごろ、職業不詳の少年(18)と別の無職少年(18)=いずれも傷害致死罪で起訴=とともに、河川敷で被害者の首をカッターナイフで何度も切るなどして出血性ショックにより死亡させて殺害したとの事。

少年の弁護人は閉廷後の記者会見で「成育環境の問題点を十分理解した上で判断してもらえた」と述べたとの事。

リーダー格の少年は主文を告げられた後、証言台前の椅子に座り、うつむいたまま判決理由の朗読に聴き入った。最後に裁判長から「分かりましたか」と問われると、消え入りそうな声で「はい」とだけ答えたとの事。

こんなところですね。
懲役9年以上13年以下の不定期刑(求刑・懲役10年以上15年以下)
遺族から刑が軽いとのコメントが出ていますが、少年事件だとなかなか重い刑にはならない事が多いですね。
比較的近い状況の広島県広島市東区16歳少女殺人事件
(16歳少女を拉致監禁、車中で凄惨な暴行後に殺害、遺体遺棄事件)
では、主犯の少女16歳が懲役13年です。

少年事件だと、殺人事件になる事がほとんど無いのも理由の一つですね。
暴行中に死亡したケースでは殆どの事件が傷害致死になってます。
暴行中にエスカレートして殺害してしまう為、殺意の立証が難しいのでしょうね。

今回の事件はその意味では、殺人罪として裁かれているので、似たような事件の中でも重い刑だと思います。

殺人事件でもおかしくない、大阪府河内長野市少年集団暴行死事件
(19歳少年を格闘技経験者の2人がたこ殴りにして死亡させた事件)も傷害致死罪でしたし。

刑についてはこのあたりにして、今回の場合は成育環境の問題点を十分理解した判決と言う事で、この成育環境の問題がなければ、不定期刑には成らなかったかもしれませんね。

しかし、逆に言うと、成育環境に問題がなければこの事件は起きなかったと言う事でしょうか?

神奈川県川崎市中1少年殺人事件その13(この事件を防ぐには2)
でこの事件を防ぐ方法も考えましたが、成育環境(つまりは、家庭環境)に問題があったとしたら、防ぐ為の鍵になる家庭自体が事件の原因になっていると言う事で、少年自身の仮定教育により事件を防ぐ事ができないと言う事なんですよね。

もし、この事件を防ぐのだとしたら、被告少年の両親の教育からやり直さないといけないと言う事になり、虐待の連鎖ではないけど、事件の連鎖が起きているのかもしれませんね。

だからこそ、子供の教育は注意しないといけませんね。

参考リンク
神奈川県川崎市中1少年殺人事件その14(家庭訪問)
神奈川県川崎市中1少年殺人事件その16(3人目の判決)

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コメント

軽いね、しかも日本の刑務所って、甘いからね。殺人を犯して、9~13年って、やり直せる、でも死んだ少年はやり直せない、そして「忘れた」とか、あの時はあの時なんて、ごまかす、生まれた環境がって、生まれた環境が悪いならば、どうして跳ね飛ばさなかったんだろうか、自分が出て行くなり、生まれた環境が悪いから「助けてくれ」って当時の誰かに言えずに、それで一人を殺したならば、こいつは「ゲス」だな、で結婚して、子供が生まれる、その子供が同じようなことをしてくれないかな、あの女子高生コンクリ事件の一部の加害者にも結婚して、子供がいる、不条理だな、世の中って(あえて過激な文にしました)

投稿: 荒木 | 2016/02/11 10:52

殺人犯の少年にも人権があるということなんでしょうが、納得できない判決ですね。極めて残酷な殺し方をしており、人権などいらないとすら思えます。地獄に落ちて苦しんで貰いたい。殺人犯の家族も賠償金のために財産を奪われて生活に苦しめばよい。仇討ちできないのだから苦しんで生きてもらいたい。今回の反省とか償いは静かに楽にするものではないでしょう。

投稿: 空き地 | 2016/02/11 23:03

荒木さん、空き地さん、こんにちは

犯罪、特に殺人事件は常に理不尽ですね。
犯行自体や動機が理不尽なのもありますし、その刑についても理不尽と思う事も多いです。

社会全体として見た場合の合理的判断と言う事になると思いますが、それは、遺族感情とは相容れない物なんだろうと思います。しかし、それは仕方が無いのだろうと思います。
だから、法律や裁判で決めているんでしょうね。

ただ、本当にその刑が社会の為になるのか?と言うのは、時々、見直す必要はあると思いますね。

投稿: ASKA | 2016/02/13 11:58

未成年者による殺人事件の場合、親は証言台に立つと、自分にも責任があるというようなことを必ず言います。ならば、親にも罰則なり、専門家?の元で教育し直しでもさせなきゃダメかも。名古屋5000万円恐喝事件の主犯格の少年が、今度は銀行強盗で逮捕された時、母親がなかなか定職につけなくて、何をしたらいいか分からない時に、昔の仲間に誘われてしまったと、同じく服役していた仲間のせいにしていたし。

投稿: 鬼神の翼 | 2016/02/15 09:40

今月10日、横浜地裁は、殺人などの罪に問われたリーダー格の19歳の少年に懲役9年から13年の不定期刑の判決を言い渡した。

検察側と少年の弁護側がいずれも控訴の期限となる24日までに手続きをとらなかったため、判決が確定した。

刑が確定しましたね。
公判でも事実関係は認めていたし、事件と向き合っている印象はありますね。
ただ、9年から13年なので、これ以上争っても、せいぜい1,2年軽く成る程度なら、早く刑を確定して、服役した方がお得と言う計算があったのかもしれませんが・・・

刑が確定しても、これからが本番ですね。
本当に事件に向き合うことが出来るのか?そして、反省する事、更生する事が出来るのか?はこれからです。

ただ、一つ気になるのが、事件の原因に育成環境があったと指摘されている事なんですが、そこは、どうするの?って事なんですよね。
結局、本人が更生して社会に戻ってきても、戻るべき家庭に、問題があったら、本当に更生できるのだろうか?と言うのが素朴な疑問なんですが・・・

投稿: ASKA | 2016/02/26 04:47

続報です。
起訴された少年3人のうち傷害致死罪に問われた少年(18)の裁判員裁判の判決が3月14日、横浜地裁であり、同地裁は懲役4年以上6年6月以下の不定期刑(求刑・懲役4年以上8年以下)を言い渡したとの事。

裁判長は「被害者が暴行されると予期しながら呼び出し、助けることも早々に諦めて暴行に加わった」などと述べた。

少年は、リーダー格の少年(19)(殺人罪などで懲役9年以上13年以下の判決確定)ら他の少年2人より1学年下で、事件当時は17歳。3人の中では最も被害者と親しかった。

判決によると、少年は昨年2月19日深夜~20日未明、他の2人と一緒にいることを隠して被害者を無料通話アプリ「LINE(ライン)」で呼び出した後、川崎市川崎区の多摩川河川敷に移動。リーダー格の少年に指示され、被害者の首をカッターナイフで切りつけるなど暴行に加わり、死亡させたとの事。

こんなところですね。
一番従属的な立場だったと思いますが、懲役4年以上6年6月以下の不定期刑です。

もっとも、この彼が被害者を呼び出さなければ、事件はこの日には起きなかったのだろうから、責任はありますね。

たしかに、難しい状況だったかもしれません。
どうみても、何をするか分からない先輩の命令に逆らえば、今度は自分が暴行されるかもしれないって状況だからね。
もう、この時には、先輩と縁を切る覚悟をして、その場から逃走して、通報するしかなかったと思いますね。
そうすれば、被害者は死亡する事は無かったと思います。

そもそも、こんな人達との交際を続けていた事が問題なんだよね。
過ぎた事はどうにもならないけど、とにかく、交際相手は選びましょう。

投稿: ASKA | 2016/03/14 18:25

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