東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その3(警察のミス)
続報です。
1)事件発生時に被害者から110番を受けた警視庁通信指令本部が、通報場所の位置情報を確認せず、武蔵野市にある被害者の自宅に警察官を向かわせていたことが分かった。
このため事件現場への到着が遅れた可能性がある。警視庁は手順にミスがあったことを認め、「位置情報の確認をすべきだった」としているとの事。
警視庁によると、被害者の相談を受けていた武蔵野署は、緊急時に迅速に対応するため今月20日、被害者の携帯電話番号を「110番緊急通報登録システム」に登録した。被害者は21日午後5時5分12秒に携帯電話で110番。通信指令本部がこれを受けたが、「助けて、きゃー」という悲鳴で会話にならず、担当者の呼びかけに応じなかった。通話状態は10分45秒にわたり続いたという。
この際、緊急通報登録システムの登録内容に基づき、通信指令本部に被害者の名前や武蔵野市にある自宅住所が表示された。同本部は武蔵野署に自宅に向かうよう指示。しかし、携帯電話の位置情報を手動で確認する作業を行わず、現場の場所は把握しなかったとの事。
今回のように110番の通報者が会話できない状態の場合、位置情報を確認することになっている。通信指令本部は「住所地が表示されたので、そこに確認に行かせることに集中してしまった」と釈明しているとの事。
容疑者は21日にJR武蔵小金井駅近くで被害者を待ち伏せし、午後5時過ぎに襲撃したとされる。被害者の110番から1分45秒後に、現場にいた目撃者から「男が女性の首を刺している」と110番があり、通信指令本部は小金井署に指令して現場に警察官を向かわせた。警察官が現場に到着したのは被害者の110番から約7分後の5時12分14秒だった。
今回の事態を受け警視庁は6月中にも、緊急通報登録システムに登録している電話番号から通報があった場合、自動的に位置情報が表示されるシステムを導入するとしているとの事。
2)容疑者(27)が「(犯行直前に)被害者がスマートフォンを取り出して耳に当てているのを見た」と供述していることが分かった。
被害者が110番通報していた可能性があり、警視庁小金井署は容疑者が通報を恐れ、襲いかかった疑いがあるとみて調べているとの事。
3)容疑者(27)の自宅から、被害者の写真11枚が押収されていたことがわかった。
4)容疑者(27)が「待ち伏せしていた駅で被害者を見かけ、声を掛けたが無視されたので、追いかけた」と供述している。
5)凶器の折りたたみナイフについて「インターネットで購入した」とも供述。
同署幹部によると、京都市右京区の容疑者宅からは、被害者がギターを持つ姿などの写真8枚のほか、被害者と容疑者が一緒に写った写真3枚も見つかった。
容疑者は被害者のライブ会場を度々訪れており、2人が一緒に写った写真は会場で撮影したとみられる。容疑者は被害者にファンレターも渡していたほか、今年1月17日のライブでは腕時計などをプレゼントしていた。
こんなところですね。
最初から襲うつもりで、待ち伏せて、凶器も用意していたわけだから、何もしなくても、襲われていたんでしょうが、通報されたので、その時点で襲うしかなくなったかな?
当日の時系列を見直すとこんな感じですね。
17時頃 JR武蔵小金井駅近くで被害者を待ち伏せ。
その後 被害者を見かけ、声を掛けたが無視されたので、追いかけた。
その後 ライブ会場建物付近で、被害者にプレゼントを返した理由を問い詰める。
被害者が曖昧な返答をする。
17時5分12秒 被害者がスマフォで通報しようとした。
(通報を受けた通信指令本部は発信者の位置確認をせずに、自宅へ急行指令を出す。)
直後 容疑者が持っていたナイフで襲う。
17時6分57秒 目撃者が女性が刺されていると通報。
何かあったら通報して欲しいと言うのが警察のアドバイスだったので、口論になったと言うか問い詰められた段階で通報しようとしたのは、言われた通りの対応ですね。
でも、駅で待ち伏せされていた事には、声を掛けられた段階で気付いているわけだから、歩きながらでも通報するとか、あるいは、ライブ会場側に男性に迎えに来てもらうように連絡するとかしていたら、状況は変わっていたかもしれませんね。
警察のミスもあったようですが、プロでも慌ててしまったんでしょうね。
多分、通報の直後に刺されていたなら、その状況の音声は通報を受けた担当者の耳には入っていたはずですから、今、正に凶行のライブ中継を聞いては、訓練された担当者も慌ててしまったんでしょうね。
システム的に改善できるのであれば、改善して欲しいですね。
参考リンク
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その2(続報)
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その4(過去にも事件)
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コメント
まぁ……被害者から通報が入った時に被害者の家に捜査員を行かせるっつナニそれなんですが。
つうか携帯電話やスマホのGPSからの位置情報を調べなかった事自体話になりませんね。
まぁそれもこれも最初に犯人がストーカーをやらかし別のアイドル?からの訴え(なんか相談レベルで止まってなそうな)があった時に犯人の名前をデータベースに入れなかった事が不幸の始まりですよね。
しかしまぁ武蔵野署と小金井署の連携の悪さといい間違った場所を指示した警視庁の通信センターといいマジで小学生以下ですよね……(特に武蔵野署はトーマスの事件で偉いさんのクビ飛んでんのにナーンも学習しちゃいねぇし)。
サミットなんかに無駄に人員割かないでいいから通常業務をちゃんとやれ……って言いたいです。
投稿: 大高忠敬 | 2016/05/27 18:16
私も、以前ストーカーではないが、近所トラブルで中傷ビラを貼られたり、気味の悪い絵手紙を送られたりして警察に相談したことありますが、1日に何件も相談がありまして云々と必ず「忙しいんだよ。ウザイ」対応になりますね。今回の事件もそういう回答。私ら、一般企業に勤めていて「忙しいから」を理由にすると、それは通用しない!なのに、公務員は簡単にそれが言えるって不公平‼
投稿: 野原しん子 | 2016/05/28 10:54
大高忠敬さん、野原しん子さん、おはようございます。
この事件は小さな警察のミスが目立ちますね。
まー、ストーカー事件は全てが凶悪事件となる事も無いから、警察も緊張感が薄いのかもしれませんね。
警察も限られた人員で全ての訴え、相談を対処するのは大変でしょうが、何かシステム的に対応する方法はないのかな?
せめて、端末から情報の登録、確認ぐらいはやって欲しいですね。それをしないで、事の重軽の判断をするのはちょっと危険な気がしますね。
現在の状態だけでなく、過去の記録も参考に重軽の判断が必要だと思います。
投稿: ASKA | 2016/05/29 09:36
警察が現場に駆けつけるのは
相対的に見れば、たとえば救急隊や消防隊や
近隣の病院に直接連絡したときなんかと比べると遅いんだよね。
近くに運よく交番があって、人がいれば別ですが。
スピード重視の手続きを構築してほしいと思う。
投稿: | 2016/05/30 04:13
桶川事件、三鷹事件など警察は過ちを繰り返す。ミスでは済まされない。同じ殺人、傷害でもなぜかストーカー犯罪はモチベーションが低い。警察内部の事情に何か重大な支障がありそうです。桶川事件などは、ネットの情報を改めてよんでみると、信じがたい腹立たしさを感じます。甘く見る、放置する、事件後は責任回避と最悪でした。実は内情は未だに変わってないのではと疑念をいだきますね。
投稿: 空地 | 2016/05/31 07:24