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2016/06/21

栃木県宇都宮市猛毒リシン殺人未遂事件その2(一審判決)

一審判決、懲役4年(求刑懲役5年)です。

 

宇都宮地方裁判所は、「混入されたリシンの量は死に至る量で悪質かつ危険な犯行だ」として懲役4年の判決を言い渡したとの事。

 

「夫に電話で『お前焼酎に何か入れてるだろ』と言われて、気付かれたんだなと思った。けど、ばれたらばれたでいいやという気持ちがあった」(被告)

 

先週行われた被告人質問でこのように答えた宇都宮市の無職・女性被告(33)。
被告は、去年10月、別居中だった陸上自衛官の夫(当時35)の自宅で、「トウゴマ」の種子をすり潰すなどして抽出した猛毒の「リシン」を、焼酎の紙パックに混入し、夫を殺害しようとした殺人未遂の罪に問われていた。

 

検察側は、「多数の毒物を調べた上、およそ3か月間被害者を殺害しようと何度も毒物を混ぜ入れた」などと指摘し、懲役5年を求刑したとの事。

 

一方、弁護側は「1度目に失敗した方法で特に工夫することなく、また犯行に及んでいて、強固な殺意はなかった」などと、情状酌量を求めたとの事。

 

そして、21日の判決、裁判長は、「夫と寝食を共にする第三者が飲む可能性もあり、悪質かつ危険」と指摘。ただ、夫から振り込まれた生活費が少なかったことがきっかけになったことについては「自己中心的かつ短絡的だが、病気の影響や家族関係から、他の方法がないと思い込んで決意した点は一定の同情の余地がある」とも述べたとの事。

 

別の報道では
裁判長は、「焼酎に混入されたリシンの量は、死に至る量で、悪質かつ危険な犯行だ」と指摘しました。
そのうえで、「被害者は、リシンの入った焼酎を実際には飲んでおらず、被告は、一貫して罪を認め、反省の態度を示している」などと述べ、懲役5年の求刑に対し、懲役4年の判決を言い渡したとの事。

 

「夫に気付いてもらって、『何でこんなことしたの?』って話し合いをしたかった。こんなバカなことはやめよう。人生明るく過ごそうと思っていた。そしたら逮捕されました」(被告)

 

被告人質問で、逮捕されるまでの胸の内を語っていた被告。判決後、裁判長に向かって一礼し、法廷をあとにしたとの事。

 

こんなところですね。
判決は懲役4年ですね。実際に死者が出たわけでも無いので、こんなところだと思います。

 

判決だけみると、被告の自己中心的な犯行と思ってしまうけど、考えると、意外に奥の深い事件なのかもしれませんね。

 

夫婦が結婚した時は、まさか、こんな事になるとは2人とも思ってもいなかったでしょうね。
今回の公判では、事件の直接の切っ掛けは「夫から振り込まれた生活費が少なかったこと」とされていますが、それはちょっと、違いますよね。

 

本来の原因は被告がトレーディングカードのお店の経営に失敗した事なんですよね。
開店の為に夫婦の貯金を使い果たし、さらに、莫大な借金をしてしまった事。
経営難の為に人件費が払えずに自分で過度の労働をする事になり、結果的に家庭をなおざりにした。

 

その結果として、夫婦関係の破綻と過労による、メンタル面の不調(判決の中では病気としか表現されていませんので、詳細は不明ですね)

 

その結果が別居であり、夫から渡される生活費が少なくなってしまった事なんでしょうね。

 

夫の側も、子供との生活を守らなければならないし、家のローンなどあれば、それほど、経済的に余裕があるわけでも無いでしょうから、渡された生活費が少ないと言われても、そりゃあ、仕方が無い面もあると思います。

 

なので、本来の原因から言えば、なぜ、そんなお店を開店してしまったのか?
全て、そこに集約されてしまいますよね。

 

多分、夫は反対したと思うんですよね。他にも、親類や友人なども反対したと思うんですけど・・・
夫は妻の情熱に押されて、「家庭に負担を掛けない」と言う約束で渋々ながら、許したんじゃないかな?

 

開店した場所も悪いですよね、競合他社がひしめく場所に開店して、自分のお店だけは儲かると考えたのだろうか?

 

トレーディングカードが好きなのは良いでしょうし、その関係の仕事がしたいなら、そういったお店でアルバイトなりパートをすれば良かった。

 

この開店の裏には表にでていない事情があるのかもしれませんね。

 

理由はどうあれ、この開店を切っ掛けに人生の歯車が狂ってしまった。
しかも、その狂った歯車は夫婦関係を壊し、家庭も壊してしまった。
一番可哀想なのは、お子さんですよ。母親が父親を殺人未遂なんて、子供にしてみたら理解できない事でしょうね。

 

夫にしろ妻にしろ、失敗した時のリスクを考えて行動するべきと言う事なんでしょうね。
被告がお店を開店するとき、もし、このお店が失敗したらどうなるか?と考えたら、開店は躊躇したかもしれませんよね?

 

逆に家族はそのリスクが許容できる物なのか?を良く考えて、反対する時は断固反対しなければならいと言う事かもしれませんね。

 

ただ、妻が夫に無断で街金から借金なんて事も良くある事なので、事前に相談しているだけでも、まだ、良い方だったのかもしれません。

 

最後にもう一つ、猛毒のリシンが素人にも作れてしまうと言うのも、ちょっと驚きました。

 

色々考えさせられる事件でしたね。

 

参考リンク
栃木県宇都宮市猛毒リシン殺人未遂事件

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コメント

被告は元自衛官で職場結婚だったそうです。そういう知識があっても不思議ではないかもしれません。

どうやら結婚後バイト先でトレカに触れハマってしまったようで、開店時に1000万以上かけていたようです・・・。しかしアルバイトの学生が盗難して閉店、結果300万以上の借金が残ったようです。開店時にTVのバラエティで取り上げられていたようですね。

正直無茶苦茶ですね。

投稿: 裏銭 | 2016/06/22 09:50

リシンって何か聞き覚えがあるな、と思ってたら、「ブレイキング・バッド」で出てたかも。

>「夫に気付いてもらって、『何でこんなことしたの?』って話し合いをしたかった。

致死量の毒物でしたよね???何か後付けの言い訳のような気がします。

投稿: 名無し | 2016/06/22 20:18

自己保身のセリフです。
致死量を知っていたはずですから計画的殺人でしょうね。
毒婦がまたでましたね。

投稿: 空地 | 2016/06/22 21:09

みなさん、こんにちは

裏銭さんへ
結局、趣味の域から抜けられなかった、プロに成れなかったと言う事かもしれませんね。巻き込まれた家族が可哀想です。

名無しさん、空地さんへ
まー、リシンの事を調べた時点で致死量を知っていたでしょうし、裏銭さんの指摘のように、元自衛隊なので、軍事ネタとして予備知識もあったかもしれませんね。

結局、まだ離婚は成立していないんですよね。
なので、旦那が死亡すると、遺産の半分は妻である容疑者に、残りの半分は子供達へと分配されるけど、子供達は未成年でしょうから、それも妻が管理するとなれば、実質的に遺産は全て容疑者の物になりますよね。

裁判では出てないけど、それを借金返済にでも使うつもりだった可能性も疑えますね。

でないと、死亡してしまう可能性のある物は使わないと思うんですよね。
死んでしまったら、よりを戻す事もできませんし。

しかし、メンタルの問題でそういった論理的な思考が出来なかった可能性もありますけどね。

投稿: ASKA | 2016/06/24 10:16

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