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2017/02/28

東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その6(一審判決)

裁判員裁判で、東京地裁立川支部は2月28日、懲役14年6月(求刑・懲役17年)を言い渡した。

1)裁判長は「一方的な恋愛感情に基づく逆恨みの犯行で、酌むべき動機は一切ない」「理不尽な犯行に巻き込まれ、シンガー・ソングライターとしての活躍が困難となった被害者の処罰感情は強い」と述べ、懲役14年6月(求刑懲役17年)を言い渡したとの事。

裁判長は「臓器などが集中する部位を34カ所も刺すなど犯行態様は危険かつ悪質だ」と指摘、一定の計画性があり殺意は非常に強固だとした。
被害者は心的外傷後ストレス障害(PTSD)で日常生活に困難をきたしていると述べ、量刑について「最も重い部類に属するべきだ」と説明したとの事。

裁判長は判決後、裁判員からの言葉として「被害者の夢を奪った重大さを自覚してもらう必要がある。自分をコントロールし、ルールを守って社会で生活することを、身に付けてください」と述べたとの事。

2)裁判で検察側は、事前にナイフを購入していることなどから「一定の計画性があり、強い殺意があった」と主張。
「他に類を見ないほど悪質で、反社会的な犯行」として、同じような事件でのこれまでの量刑にとらわれるべきではないとした。また被害者の代理人弁護士は、無期懲役にするべきだと訴えていたとの事。

一方の弁護側は、犯行直後に被告が119番通報していることなどを挙げ、「衝動的な犯行で計画性はない」と反論。
同じような刺傷事件での刑の重さを考慮すべきだと主張していたとの事。

3)判決前に被告に最終意見陳述の機会が与えられ、「被害者やご家族にご迷惑を掛けた上、被害者の意見陳述中に大声を出して怖い思いをさせて申し訳ない。被害者には二度と近づかない。刑務所でまっとうな人になりたい」などと述べたとの事。

4)弁護側は「明確な殺意や計画性はなかった」と情状酌量を求めたが、判決は「殺意は非常に強固。計画性も認められる」と指弾。一方で前科がなく、犯行事実を大筋で認め、謝罪や賠償を申し出ていることを考慮し、求刑から減刑したとの事。

5)裁判長は「被害者の夢を奪った重大さを自覚し更生してほしい」と説諭したとの事。

こんなところですね。
予想通りの判決でしたね。求刑が17年なので、1割引きで約15年と言うところですね。

でもなー、被告は15年経てば、元の生活に戻るけど、被害者は15年経っても、元の体には戻らないんだよね。
死亡するよりは罪は軽いよねっていう、杓子定規な印象は否めないですね。
でも、現行の法律の枠の中で考えたら、そうするしかないのかもしれませんけどね。

謝罪は反省が無くてもできるからね。そして、賠償と言っているけど、ちゃんと払うのか?ってのも問題ですよね。

とりえあず、本当に罪と向き合っているかどうかは、控訴するかと言うところに表れるかな?

約15年と言うのは被告にとっては妥当な数字かと思います。
争点の殺意は認定されていますが、ここを崩す証拠や証言は出せないと思います。

凶器は事前に準備して、「死ね、死ね、死ね」と言いながら刺して、34カ所も刺してる。
これで、殺意を否定するのは無理でしょ?
被告側としては、これ以上軽くなる要素は無いと思いますね。

一方で、検察側としては量刑を不服として、控訴する可能性が高いかな?

私としては、これまでもストーカー事件が数々起きていて、酷い事件もありました。
ストーカー事件全体の抑止効果を狙って、もう少し重い刑にしても良かったと思いますね。

参考リンク
東京都小金井市女性アイドル刺傷事件その5(公判開始)

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コメント

殺人未遂罪などに問われた無職男性被告(28)が3日までに、懲役14年6月とした東京地裁立川支部の判決を不服として、東京高裁に控訴したとの事。

被害者側も控訴の意向だったようですが、被告側も控訴したようですね。
検察側が控訴するのは被害者の意向もあるので、可能性は高いと考えていましたが、被告側も控訴するというのは、「刑が重すぎる」と言う事なんですよね。
罪を認めて刑を受け入れるって事じゃないので、やはり、事件とは向き合ってないんでしょう。

それは置いといても、控訴するのは被告側には不利になる可能性が高いと思います。
理由としては、一審判決で殺意は認定されており、更に、減刑される要素は全て認められているでしょう?
被害者に対する謝罪と賠償、それ以外に減刑する要素ってあるのかな?

逆にそれら減刑要素の評価が下がる場合もあって、そうなると、刑が重くなる可能性もありますね。

気になるのは119番通報した事による減刑分の評価がどうなんだろなーと言うあたりですね。
最後に瀕死の被害者に「生きたいか?死にたいか?」と聞いてますよね。
もし、「死にたい」と言えば、そのまま通報しなかったのではないの?

それに、最初から助けるつもりなら、そんな質問をする必要はないからね。無条件で119番通報しているはずです。
なので、死んでも構わないと言う未必の故意はあった。まー、殺意は今回認定されているわけですが・・・

なので、119番通報はただの「偶然」あるいは「気まぐれ」なんじゃないの?と言う印象です。

もっとも、求刑が17年に対して判決14年6月なので、その差、2年6月でしかないですから。
2審で量刑が変わるにしても、プラスマイナス1年程度の範囲なのかな?と思いますね。

続報を待ちましょう。

投稿: ASKA | 2017/03/03 19:23

犯人が119番通報をしたのですか?
自分勝手なことをし続けて、ナイフで「死ね」と言いながら34ヵ所も刺しておいて「生きたいか?死にたいか?」と聞いたとか??
(「死にたい」と言っていたらトドメを刺す気だったのだろうか?)
「自分が助けてやった」という優越感みたいなのを持ちたかったのだろうか?
全部、自分の事しか考えずに相手の気持ちを少しも考えようともしない。。
犯人にも同じようなことが起きないと判ってもらえないのかもしれないですね。被害者女性がどれだけ物凄い恐怖でいる(いた)かということを。

投稿: | 2017/03/03 23:34

名無しさん、こんばんは

>「自分が助けてやった」という優越感みたいなのを持ちたかったのだろうか?

あったと思います。被害者の全てを支配している。と言う支配欲とか、あったと思いますね。
この手の人には、自分がその立場にならないと、人の痛みは分からないかもしれませんね。

投稿: ASKA | 2017/03/06 19:06

一審判決確定です。

東京都小金井市で音楽活動をしていた女子大学生(21)を刺して重傷を負わせたとして、殺人未遂罪などに問われ、一審東京地裁立川支部で懲役14年6月の判決を受けた男性被告(28)が、控訴を取り下げたとの事。

取り下げは3月29日付。

検察側は控訴しておらず、一審判決が確定したとの事。

控訴を取り下げましたね。
控訴しても、これ以上の減刑を期待できないと言う判断なのか?
それとも、罪に向き合い、罪を受け入れたと言う事なのか?

公判中の報道をみると、罪を受け入れると言う印象では無いのですが・・・どちらだったのかな?

この後の服役生活の中でさらに心境の変化があるでしょうが・・・良い方向に変化して、更生できると良いのですが・・・あとは結果を待つしかありませんね。

はたして、この裁判の結果が本当に妥当な物だったのだろうか?と言うのは疑問として残りますね。
控訴して2審での判決も見てみたかったのですが、残念です。

投稿: ASKA | 2017/04/03 22:26

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