« 東京都江戸川区高3女子高生殺人事件その4(一審判決) | トップページ | 大阪府大阪市都島区私立幼稚園放火事件 »

2017/05/27

千葉県我孫子市ベトナム女児殺人事件その15(起訴)

5月26日、容疑者が起訴されました。
千葉地検は26日、同じ小学校の元保護者会長男性容疑者(46)を殺人、強制わいせつ致死、わいせつ略取誘拐、死体遺棄罪で千葉地裁に起訴した。

1)起訴状によると、手錠などの拘束具を使って、女児(9)の自由を奪った上で犯行に及んでいた可能性があるとの事。

2)警察と検察は被害女児の名前を伏せて匿名で発表していますが、女児の父親は5月26日、「実名で報道してほしい」と訴えたとの事。

3)県警捜査本部などによると、女児は3月24日午前8時過ぎ、修了式出席のため自宅を出たまま行方不明になった。遺体は26日午前6時45分ごろに見つかった。首にはひも状のもので絞められた薄い痕があり、胃の内容物などから24日昼ごろまでに殺害された可能性が高いとみられるが、連れ去りや殺害の場所、凶器は特定されていない。また、衣服やランドセルは、遺棄現場から20キロ近く離れた茨城県坂東市の利根川河川敷で発見されたとの事。

4)被告所有のキャンピングカー内にあった所持品数点から、女児のものとみられるDNA型が検出されたが、車内の状況からこの車が殺害現場になった可能性は低いとの事。キャンピングカーの中でネクタイが見つかり、ネクタイからは女児のDNA型が検出された。ネクタイの形状や遺体の状況から女児の口を押さえつけた疑いがある。また軽乗用車の後部座席から女児の血液が採取されたといい、車内で殺害された可能性があるとの事。

5)捜査関係者によると、容疑者は逮捕後、黙秘を続けているが、遺体に容疑者の唾液が付着していたことなど複数の状況証拠があり、地検は、女児殺害に関与した人物は渋谷容疑者以外にいないと判断したとの事。

6)容疑者の認否について、地検は黙秘しているかを含め明らかにしていない。

7)地検は、収集した客観的証拠を踏まえ、被告がわいせつ目的で犯行に及んだ上で、女児を死に至らしめたと捉え、1つの行為が複数の罪を構成する「観念的競合」という概念に当てはまると判断。殺人と強制わいせつ致死の両罪を適用した。事件の悪質性と流れを明確にする狙いがあるものとみられるとの事。

こんなところですね。
起訴されていよいよ公判になるわけですが・・・難しい裁判になるかもしれませんね。
今回起訴された罪状は以下の4つです。
A)殺人
B)強制わいせつ致死
C)わいせつ略取誘拐
D)死体遺棄罪

A)の殺人とB)の強制わいせつ致死は、女児の死亡に被告が関係した事を合理的疑いが無いぐらいに立証しなければなりません。

C)わいせつ略取誘拐
拉致する瞬間の映像がドライブレコーダーにあるけど、映像の人物が本人か?と言うあたりは争われるかも?
わいせつの部分については、遺体が全裸だった事などから強く推定されるかな。

D)死体遺棄
遺体から被告のDNAが出ているが・・・それは、C)のわいせつ略取誘拐の時に付着したと主張できますね。
事件前に遺体にDNA付着と言うのは説明が難しいでしょ?前日以前の場合、入浴で洗い落とされるから、当日に付着したと説明するしかないわけで、家を出て数分で拉致された女児にどこで接触したのか?を説明できるか?がポイントかな?

なので、逮捕以降これまで黙秘をしている被告としては、起訴内容を全て否認する可能性が高いと思います。
その中で検察は本命の殺人を合理的疑いが無いぐらいに立証しなければならない。

しかも、顔見知りで車の指紋やDNAが事件以前に付着した物であると被告が主張する事も予想されるわけで、結構、難しいかもしれませんね。

ポイントは遺体遺棄時、13時以降に被告の軽自動車を運転していたのが被告であるかどうか?が重要なポイントになるのかな?
ここは、ガソリンスタンドの作業員や防犯カメラの映像などが決め手になるかもしれません。その他、ドライブレコーダーの映像とかね。

検察としては、「事件は単独犯で被告以外に事件に関わった人物は居ない」と言う前提条件から、遺棄したのが被告であるならば、略取したのも被告であり、遺体が全裸な事から略取の目的がわいせつ目的で有る。そして、その拉致から遺体遺棄まで他の人物が関わっていないなら、死亡に関わったのは被告しかありえない。
つまり、わいせつ致死と殺人を被告が行ったという論法を主張するんでしょうね。

弁護側はどういった主張をするのか?
全面否認も一つの方法だけど・・・普通ならそうするけど・・・その場合、一つのロジックが破綻すると、主張の信憑性を疑われる事になります。

遺棄してないと否認した時、でも車は被告が運転していた証拠や証言が出てくると、まずい状況になるので、判断が難しいところですね。
かと言って、略取だけしましたと認めたところで、では、誰が遺体を遺棄したのか?と言う事を説明できないといけないので、そうすると、「共犯者や真犯人がいる」と説明しなくてはならず、それはそれで結構、ハードルは高いかもしれません。

検察側、弁護側、五分五分の戦いになるかもしれません。無罪の可能性もありますね。
検察側が決め手になる隠し球をもっているのか?に注目ですね。

続報を待ちましょう。

参考リンク
千葉県我孫子市ベトナム女児殺人事件その14(殺人容疑で送検)

|

« 東京都江戸川区高3女子高生殺人事件その4(一審判決) | トップページ | 大阪府大阪市都島区私立幼稚園放火事件 »

コメント

ASKAさん、こんばんは。
罪状に関して
A)殺人
B)強制わいせつ致死
C)わいせつ略取誘拐
D)死体遺棄罪

とありますが、裁判となると容疑者もただ黙秘という訳にはいかないと思うんですよね。その上で被害者の遺体に容疑者の唾液が付着していた、とありますからC)に関してはほぼ認めざるを得ないと思うんです。そうでなければ唾液がつく合理的な説明ができませんから。

また、未成年者へのわいせつ行為ということで強制制も言い逃れはできないでしょう。『合意の上だった』で通る年齢ではありませんからね。

問題は被害者の死に容疑者が関わっているのかどうか、死体の遺棄に関わっているのかどうか、の2点ですね。

胃の内容物などから24日昼ごろまでに殺害された可能性が高いとありますから、容疑者が被害者を拘束後、また別の人間に連れ去られた・・・と考えるのは厳しいと思います・・・。となると共犯がいたという主張をするのでしょうか。

個人的に気になっているのは、夜に車に戻ってきたという映像ですね。容疑者が映っていればインフルエンザのはずなのにどこに外出していたのか?映っていなければ誰かに貸したという話もできるでしょうか、それなら誰に貸したのか・・・。容疑者はここをハッキリさせないといけません。

検察としては『連れ去りから推定死亡時刻が短すぎる=容疑者しか犯行不可能である』と主張したいところでしょうか。

投稿: 裏銭 | 2017/05/29 21:03

裏銭さん、おはようございます。

そうですよね。公判でも黙秘する事はできるけど・・・その場合、弁護人はどう弁護するのか?と言うのも気になりますね。

この事件では死亡が一人なので、死刑は難しいかもしれませんが、PTA会長の役職を利用したと判断されれば悪質度は高いと判断されるかもしれませんね。

黙秘しているのはその方が有利になると言う計算だろうと思いますが、公判が始まれば、検察から証拠などもいろいろ出てくるでしょうし、旗色が悪くなっていくなかで、黙秘を続ける事ができるのか?と言う心理的な部分で興味がありますね。

投稿: ASKA | 2017/06/01 05:33

続報です。

捜査関係者によると、遺留物のDNA型が被告と一致したことなどから千葉地検は起訴したが、被告は一貫して黙秘しているとの事。

あいかわらず、黙秘しているんですね。
事件から半年、公判まではまだまだかかりそうですね。

投稿: ASKA | 2017/09/26 19:47

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 東京都江戸川区高3女子高生殺人事件その4(一審判決) | トップページ | 大阪府大阪市都島区私立幼稚園放火事件 »