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2017/05/05

愛知県名古屋市77歳女性殺人事件その8(一審、無期懲役)

一審判決は無期懲役です。***ごめんなさい長文注意です***

***(1)***
仙台市内の私立高時代に同級生だった男性が17日、検察側の証人としての証言。
元名大生とは高校3年間、全て同じクラスで友人だった。人当たりが良く、友達も多かった。周囲とのトラブルや言動に意味不明な点はなかった。テンションが異常に高いということもなかったとの事。

化学の知識が豊富で、高校3年時、既に大学の内容が書かれた本を読んでいた。化学の実験が一度あったが、他の授業と大して変わらない様子だったとの事。
高1の早い時期から少年事件など犯罪に関する話を日常的にしていた。神戸市の連続児童殺傷事件やオウム真理教などの話は数回聞いた。話題にする理由を尋ねると、「だってすごいじゃん」と言われたとの事。

高1の時、冗談で「いつか本当に事件を起こすんじゃないの」と聞くと、「やるなら少年法で守られている間にやりたいよね」と返されたとの事。
特に興奮している様子はなかったとの事。

元名大生が薬品を教室に持って来ているのを2度見掛けた。高2の春から夏ごろに硫酸タリウム、秋ごろに硫酸銅。休み時間に教室で瓶に入った状態で見せていた。
硫酸銅の中身を言わずに「なめてみて」と言われた。瓶には青い結晶状の薬品が入っていた。私は断ったが、半分、興味本位でなめた男子がいた。この時も教室に10人前後はいた。周りの目を気にする様子はなく、普通の声で話していたとの事。

元名大生は薬品を購入していたことを知られ、先生に指導されたことがある。元名大生が薬品を学校に持ち込んでいたことは高2当時、先生たちも確実に知っていた。薬品の持ち込みは、ほとんどみんなが知っている事実だったとの事。

(2012年の)劇物混入事件の被害男性(20)が「タリウム中毒」と診断されたことは知っていた。男性が車いすで登校した際、あまりにも様子が変だったため、担任に教えてもらった。
薬品の知識が断トツにある元名大生に「盛ったのはお前じゃないのか」と冗談半分で尋ねると、「そんなわけないだろう」と強い口調で返された。こうした語り口は後にも先にもこの時だけで強く印象に残っているとの事。

***(2)***
第2回公判で、元名大生は知人の女性=当時(77)=を殺害した動機などを詳述したとの事。

女性を殺害したことは間違いない。人が死ぬ過程を見たかった。一番抵抗されにくいと思う撲殺にした。女性の殺害を決めたのは犯行の1週間前。2014年12月7日、女性に誘われた宗教の集会後に解説を頼み、私の自宅に向かった。女性は本当にうれしそうだった。途中で殺害をやめようと思ったり、迷ったりしなかったとの事。

聖書の解説中、背後に回った。かばんからおのを取り出し、女性の頭に力いっぱい振り下ろした。木魚をたたくような感触だった。女性は「私を殺すの?」と聞いたので「はい」と答えた。「どうして?」との問いには「人を殺してみたかった」と答えたとの事。

女性は倒れ、意識を失った。5分ほど観察し、まだ息があったので「首を絞めたらどうなるか」を知りたくて女性のマフラーで力いっぱい首を絞めた。ナイフの刺さり具合を試したくなり、血を掃除しやすい浴室に運んだ。自分のバタフライナイフで首とふくらはぎを刺した。計4、5枚、携帯電話で写真を撮った。実験記録として残しておきたかったとの事。

女性の携帯電話の衛星利用測位システム(GPS)機能が作動すると思い、電話をかけて電源が切れていることを確認した。居場所が特定されると、女性がここにいることがばれると思ったとの事。

人体の断面図を見たくなり、ホームセンターにのこぎりを買いに行った。家に戻ると浴室に女性の化粧品の嫌な臭いが充満していたので切断を断念した。
殺害後、ツイッターに「ついにやった」と書き込んだ。人を殺した事への達成感があったのかもしれないとの事。
「少年法は偉い。少年法マンセー(万歳)」という他人の投稿を再投稿したが、深い意味はないとの事。

仙台でも人を殺そうと思い、翌12月8日、帰省した。パソコン、おの、ナイフ2本、薬品類を持っていった。血の付いたズボンを妹に「洗って」とお願いしたとの事。

被害女性を殺したかったのではない。生物学的なヒトであれば誰でもよかった。被害女性に恨み、憎しみ、社会への復讐心もなかったとの事。
大学入学後、「この人は殺せるか」という基準で人間関係をつくった。当初は大学の同級生や同じサークルの男女2人を候補にした。自宅に呼びやすい、という理由からとの事。
被害女性に決めたのは最も早く家に上げられるから。10月上旬に初めて会ったときの印象は、優しそうなおばあさん。観察しやすい自宅で殺害することにした。
身近な人や家族を殺したいと思ったことはある。突然、殺したくなる。高校の時に妹を殺そうと思い、ナイフを突き付けたとの事。

勾留中に水中毒を観察したいと思い、自分自身を「ヒト」として実験し、大量に水を飲んだ。拘置所から注意され、監視を強化された。自殺を図ったわけではない。
おのは高校1年の時、ナイフは高校2年の夏ごろ、仙台で入手した。人を殺したいという気持ちはずっと続いていた。「殺さずにはいられない」という感覚。法に触れる、悪いことと分かってはいたとの事。遺族の気持ちは考えていなかったとの事。

今も自分の中で整理できていない。理解し反省しないといけないと思ったが、反省がどういうことなのかいまいち分からず、考え続けているとの事。
昨年5~8月に精神鑑定があり、医師から処方された薬を飲んだ。「人を殺さない自分になりたい」と思うようになった。人を殺したいと思う頻度や、人を殺す夢を見る回数は減ったとの事。

殺さずにはいられない。名古屋に来てから何度も衝動に駆られた。殺人欲求が頭を占め、数日寝なくても平気になる。反対に気分が落ち込み、大学を休みがちになった時期もある。まるで「波」。理由はよく分からないとの事。
「非常に重篤な精神障害が影響し、犯行時は善悪を判断する能力がなかった。刑事責任は問えない」。弁護側は一貫して無罪を主張したとの事。

元名大生の特徴として(1)他人の心情に共感できない(2)興味の対象が極めて狭い(3)衝動的に行動する-の3点を挙げ、「ブレーキの利かない車」に例えたとの事。

***(3)***
高2年の2012年、中高の同級生男女2人に劇物の硫酸タリウムを飲ませたとされる事件の動機などを詳述したとの事。

中学1年の時、父から毒キノコの話を聞いた。種類や致死量を調べ、人に食べさせたいと思った。その後、神戸市の連続児童殺傷事件や仙台市の筋弛緩剤点滴事件、地下鉄サリン事件などを調べたとの事。
化学の成績が良く、高校1年の冬ごろ、毒劇物に興味を持った。硫酸タリウムを含む薬品7種類を12年夏までに購入した。理由は「コレクション」と「人への投与」が半々。見ているだけでうっとりする。ぼんやりと「誰かに投与したい」と考えていた。高校には3種類を持ち込んだ。同級生に「すごくまずいからなめてみて」と硫酸銅をなめさせた。自分でも亜硝酸ナトリウムなどをなめたとの事。

同4~5月、鎮痛剤や酔い止めを20~40錠一気飲みし、体の反応を試した。先生に注意された。同じ頃、カミソリで腕に深さ1~2ミリの切り込みを入れた。皮膚の断面を見たかったとの事。

同3月頃、静岡県伊豆の国市の女子高校生による05年の母親殺害未遂事件を知り、タリウムや化学犯罪に興味を持った。当時の自分と同年齢の元少女に共感を覚えた。硫酸タリウムは12年5月20日に購入。「これで人を殺せるかも知れない」と魅力を感じ、翌日から瓶を肌身離さず持ち歩いた。買ったことを妹に教え、同級生も知っていたとの事。

同5月27日、女性に硫酸タリウムを飲ませることを決めた。とても仲が良く、呼び出しやすかった。「転校する。会えるのはきょうが最後」とうそをついた。カラオケ店のトイレに行った際、飲み物にタリウムを入れた。目的は中毒症状の観察。殺害目的の「毒殺」とは別。死ぬかも知れないとは思わなかった。
女性の症状をメールで聞き、観察した。脱毛や手足のしびれがあると分かり、興奮した。「見舞いに来て」とメールがあり、観察しようと行った。犯行がばれておらず安心したとの事。

同5月28日の朝までに男性にタリウムを飲ませることを決めた。女性に飲ませ、テンションが上がった。別の同級生男性も候補だった。前日に薬さじ代わりに買った耳かきで何回もすくい、うっとりした。男性は隣の席で観察しやすそうだと思った。男性のペットボトルに硫酸タリウムを耳かき3杯分、目分量で0.8グラム入れたとの事。
タリウムは1グラムで成人が全員死ぬ量らしいが、当時は半数が死ぬ量と認識していた。0.2グラムで死亡例があることは知っていた。男性が飲んでくれて満足感を得た。男性が会員制交流サイトに中毒症状を書き込んでいると知り、偽名で登録した。男性に脱毛や視力低下などの中毒症状が出ていることを確認、記録したとの事。

同7月17日から男性が再登校し、説明しにくい恐怖を感じた。2日後、2度目の投与(0.4グラム)をした。初回分はほぼ排出されただろうし、人間はタリウムに耐性ができるのではと思い、再投与による反応を知りたかったとの事。

硫酸タリウムは無味無臭の白い粉末。0.1グラムの摂取で中毒症状が生じ、1グラム飲めばヒトは死ぬ。山形県天童市内の薬局で年齢を偽り、25グラム購入した。この小瓶に何人分もの「生命」が入っている。見詰めて、うっとりした。
「合計で致死量を超えた」。男性に再び混入した日、妹に教えた。「もし死んだらどうするの」と聞かれ、答えた。「別にいいよ」との事。

家族は対象にしなかった。静岡の事件は身近な母親に投与して犯行が発覚したから。また、硫酸タリウムは発症に必要な量が0.1グラムと著しく少なく、自分で飲んで気持ち悪くなるのは嫌だと思ったとの事。

同5月30日、無人の教室で仲が良かった別の同級生女性の水筒に硫酸タリウム約0.8グラムを入れた。振っても溶けず、その場で水筒が入っていたリュックの中に捨てた。無関係を装い、一緒に片付けたとの事。

父親に薬品が見つかり、同5月31日ごろ仙台北署から事情聴取された。「化学実験のため」と話し、うまくごまかした。同6月上旬、自分の行為は違法で、逮捕されると思うようになった。山形まで逃走する準備をした。自首することが頭をよぎったが、怖くてできなかった。2人の症状を記録した実験ノートは友達に見られそうになり、同7月上旬ごろ捨てた。証拠隠滅目的ではないとの事。
妹に「他人の人生を狂わすのは面白い」と冗談でメールを送った。男性の人生を狂わせた自覚はあったとの事。

被害者の考えを知り、反省しなければと思うが、反省という言葉がぴんとこない。押収されたタリウムや塩化バリウムなどは返してほしいが、また人に投与してしまう不安もあるとの事。

法廷で元学生は、事件で使用したとされるタリウムの入った瓶を検察官に示され「欲しいという気持ちもあるし、持っていれば使うかもしれないという不安もある」と話したとの事。

***(4)***
タリウムの被害女性は事件後、髪が全て抜け落ち、生活の全てに介助が必要になった。自殺も考え、「なぜ、私だけ」と毎晩泣き続けたとの事。
「恐ろしい薬物の実験台にされた。人間のすることではない。友達だと思っていたのに…」。検察側は女性の叫びを代読したとの事。
被害男性男性は視力をほぼ失い、転校を余儀なくされた。研究職に就く夢を諦め、はり・きゅうを学んでいるとの事。
法廷に直接立ち、「すごく歯がゆい。元の体に戻してほしい。事件前に時間を戻して、と叫びたくなる」と打ち明け、「厳刑を望む」と訴えたとの事。

弁護側は「中毒症状を観察したいとの衝動に突き動かされた犯行で、殺意や計画性はない。薬品への興味を同級生に公言している」と指摘。重い精神障害を理由に「責任能力は認められない」と無罪を主張したとの事。
2人の胸中を知った元名大生は「目に見えない苦労があったんだ」と後の審理で語ったとの事。

***(5)***
仙台・放火殺人未遂事件
玄関ドアの郵便受けから揮発性の高い透明な液体を注いだ。独特の甘い匂いが広がる。「ドンッ」。マッチを落とすと、爆発音とともに三和土に勢いよく炎が上がったとの事。
元名古屋大女子学生(21)=事件当時19歳=が2014年12月13日未明、仙台市青葉区に住む60代女性ら3人が寝ている木造2階の住宅に放火した事件。
18歳だった同年8月30日未明以来、放火は2回目だ。前回はなかったセンサーライトが反応し、明るく照らされた。放火後、すぐにパーカのフードをかぶり、自転車のライトを消してその場を離れたとの事。

放火は再び失敗した。引火性が極めて高い化学薬品「ジエチルエーテル」をインターネットで調達し、実験動画で予習したとの事。

6日前の12月7日、名古屋市内の自宅アパートで77歳の知人女性を殺害した。
直後に帰省したのは「逃走」のためではない。<次は仙台でも人を殺そう。高校の同級生がいいかな>。漠然とそう考えていたとの事。

焼死体に興味を持ったのは高校2年の時だ。法医学者上野正彦氏の著書「毒殺」を読み、やけどの痕が生前と死後で違うことを知った。焼死体を観察してみたい。他のことが考えられないくらい、願望で頭がいっぱいになる時があるとの事。

相手は葬儀に参列できる関係がいい。ちょうど妹から同級生男子数人の話を聞いた。誰でも良かったが、一戸建てで土地勘がある立地を対象とし、家ごと燃やして焼死体を作る空想を膨らませたとの事。

大学に入り、夏休みに帰省した際、「毒殺」を読み返した。2年前以上に気持ちが燃え上がった。すぐペットボトルに灯油を入れ、火炎瓶を自作した。高2に空想した通りの方法で1回目の放火を実行に移したとの事。

15年1月に殺人容疑で逮捕された後、初めて知ったことがある。妹の同級生を狙ったはずなのに、実際は同姓の別の家だったとの事。

4カ月間で2度、「勘違い」で放火された女性は、いずれも自力消火に成功した。薬品が使われた2度目は、発見が数分遅れていれば、家族3人は命を落としていた可能性が高いとの事。

女性は2度目の事件後、センサーライトに加え、アラームも設置した。元名大生逮捕の報まで不眠や恐怖で憔悴していたとの事。
女性は「2度も命を狙われ、怖くて不安で仕方がなかった。勘違いで放火されてはたまらない。厳しく処罰してほしい」と憤ったとの事。

元名大生が「2回目の放火は、逮捕後の取り調べまで忘れていた」と供述したのは、当時、相当、酔っていたからだったとの事。
近々逮捕されることを恐れ、放火事件前夜を「最後の晩餐」と位置付けた元名大生。妹と酒盛りし、ほぼ1人でウイスキーボトル1本(720ミリリットル)を空けたとの事。

***(6)***
元学生の母親が16日、名古屋地裁の公判に証人として出廷した。母親は高齢女性が殺害された数週間後、名古屋市の元学生方アパートを訪ねようとした際に拒まれ、「部屋に入ると遺体が入っているかもしれない」と言われたことを明らかにしたとの事。

元学生の母親が16日の公判に証人として出廷して謝罪した。元学生の言動を振り返り、異変がありながらも「事件を起こす少年とは違うと勝手に決めつけていた」と話したとの事。

母親は冒頭で現在の心境を聞かれ、事件の被害者や遺族らに対し「親としておわび申し上げたい」と涙声で述べ「ありのままを伝えたい」と話し出したとの事。
「私たち夫婦がもっと違うふうに接していたら(娘は)この場にいなかったと思う。娘に対しても申し訳ない」と述べたとの事。

2014年12月、女性殺害後に仙台市の実家に帰省した元学生から「人を殺したかもしれないけれど、夢か現実か分からない」と打ち明けられたと証言した。以前から同様の発言をしていたため「またかと思った」との事。

事件を起こす少年少女は学力低下が著しかったり、過酷な家庭環境で育ったりしている印象があり「経済的にバックアップしているし、現役で大学にも合格するぐらいだから、うちは違うと思っていた」と話したとの事。

母親は元学生が高校生だった時、劇薬物を所持していたとして警察に厳重注意されたことを把握した学校から呼び出された。「犯罪にも興味があり、通常の規範から外れている」「急に視力の悪くなった生徒がいるが、何か心当たりはあるか」と言われた。硫酸タリウムの所持は知らず「当時は娘のせいにされるのは心外だと思った」と振り返ったとの事。

元学生が大学1年の夏に帰省した際、犯罪者や犯罪を称賛する発言をしたため、たしなめたところ「あんたはもっと早く自分を精神科に連れて行くべきだった」と言われたと述べたとの事。その後、元学生を仙台市の発達障害の専門機関に伴い、面談を受けさせていたとの事。

母親は専門機関の職員から、元学生が「人を殺したいという願望は誰にでもある」と話していたと聞かされ、「(殺人を犯せば)処罰されるなどと理論で教えるしかない」と指摘されたとの事。

母親は元学生の小中学校時代の言動についても証言したとの事。

元学生が中学生の頃、1997年に神戸市で発生し中学3年の少年(当時)が逮捕された連続児童殺傷事件について話すと、元学生は「自分と同じくらいの年でそんなことができるなんてすごい」と語ったとの事。
その時のことを母親は「事件を美化するようなことを言っていて、がくぜんとした」と語ったとの事。
小学6年の頃、理科の実験で渡されたホウ酸を友人と集め、担任教諭の給食に混ぜようとしたことも明かしたとの事。

公判では元学生の妹に対する非公開の証人尋問の録画・録音が流され、妹は元学生から事件について告白されていたと証言したとの事。

妹の証言によると、元学生から高齢女性殺害直後に「今日、人を殺したんだよ」と電話で告げられ、その後の帰省時に「おので人を殴った」と伝えられたとの事。元学生が高校の同級生男性に硫酸タリウムを飲ませた際も「致死量より多く入れた」と聞かされていたとの事。妹は元学生について「頭がよくて要領もよくてうらやましい」と話す一方、顔を殴られたり、かまやナイフ類を見せられたりしたと述べたとの事。

また、公判では元学生の父親の調書も読み上げられた。それによると、元学生が高校2年の春ごろから薬品を購入していたことを把握し、猟奇殺人や毒物について調べていたことにも気付いていたとの事。

調書で「高校2年の終わりごろから成績が良くなり、薬品やナイフに興味を持たなくなったと思ったが、その後、上着のポケットに折りたたみナイフが入っていてがっかりした」と述べていたとの事。

***(7)***
検察側が妹に送ったメール12通の内容示す。

検察側は名古屋地裁の公判で、元学生が14年10月10日から女性殺害直後の同12月7日午後までに妹に送信したメールを読み上げた。捜査当局が妹の携帯電話を押収して解析し、明らかになったとの事。

メールでは、高校2年時の12年に硫酸タリウムを飲ませたとされる同級生の男性について「懐かしい」と記載していた。さらに「今のところ殺人未遂なら何回かあるけど殺人はないんだよな」「人なら誰でもいい」「未成年のうちに絶対殺(や)ってやるから」と書いていたとの事。

また、仙台市の元学生の実家から「2個体での実験の結果 神経炎 胃腸炎 手足のしびれ 脱毛の確認(硫酸タリウム)」と記されたノートが見つかっていたことも明らかにした。タリウム中毒になった2人の症状を記録したとみられるとの事。

このほか検察側は、元学生の父親の調書も朗読した。それによると、父親は元学生が高校2年の春ごろから薬品を購入していたことを妹に聞いて把握し、パソコンの検索履歴から元学生がインターネットで猟奇殺人や毒物について調べていたことに気付いていたとの事。

父親は調書で「薬品を取り上げ、警察にも相談した」「(元学生は)高校2年の終わりごろから成績が急に良くなり、薬品やナイフに興味を持たなくなったと思ったが、その後、上着のポケットに折りたたみナイフが入っていてがっかりした」などと述べていたとの事。

***(8)***
情状面に関する被告人質問。まず弁護側が質問し、人を殺したい気持ちがまだあるか問われた元学生は「たまにあります」と答えたとの事。
「こういう事件を二度と起こしたくない」と語る一方、「いまだに殺したいという気持ちが湧くのでコントロールできず困っている」と話した。

被害者や遺族に対して「謝罪したい思いはあるが、仕方が分からない。反省したい気持ちはあるけれど、そもそも反省とは何かが分からない」と述べたとの事。

裁判中につらかった点として、被害者や遺族の調書が読まれた時のこと、自分に障害があると言われたことを挙げた。治療の機会があれば取り組むかを聞かれると「気持ちはあります」と話したとの事。

検察側は裁判中にどのような気持ちでいたかを尋ね、元学生は「被害者の言葉を聞くのがつらかった。自分の知らなかった苦痛が見えてきてショックを受けた」と答えた。高齢女性の遺族の感情に関しては「女性がいなくなって生活に不便が出るから怒りが出るのかと思っていた。女性を失ったことが怒りや悲しみにつながっていると知ってびっくりした」と述べたとの事。

***(9)***
名古屋地裁は24日午後、求刑通り無期懲役の判決を言い渡したとの事。
裁判長は「理由をしっかり聞いてほしい」と話した上で主文を後回しにし、「精神発達上の障害や双極性障害、いわゆる“そううつ病”を抱えていた事情はあるが、被告人の意思に基づいて犯行に及んでいる」と指摘。争点となっていた責任能力を認めたとの事。
「複数の重大かつ悪質な犯罪に及んだ事情は全体として誠に重く、年齢や精神障害の影響を踏まえても有期刑では軽すぎる」としたとの事。

責任能力の有無が最大の争点となった。検察側は完全責任能力があったと主張した。弁護側は起訴された全6事件当時に心神喪失だったとして無罪を主張し、名古屋家裁の検察官送致(逆送)決定により起訴されたこと自体が違法だとして公訴棄却も求めていたとの事。

最大の争点だった責任能力の有無について、判決は検察側の主張を認め「一連の事件でおおむね合理的な行動を取り、責任能力はあった」と判断。非常に重い精神障害を理由に「責任能力はなかった」とし、全ての事件で無罪を求めた弁護側の反論を退けたとの事。

10日の論告求刑公判で、検察側は「更生の可能性は極めて乏しく、生涯にわたる償いが必要だ」として無期懲役を求刑していたとの事。

殺人、放火未遂事件を審理した法廷で、元名大生は「人が死ぬ過程を見たかった」「生物学的なヒトなら誰でもよかった」などと衝撃的な発言を繰り返す一方、タリウム事件については「観察目的」と述べ、殺意を否定したとの事。

起訴状によると、仙台市内の私立高校に通っていた2012年5~7月、中学と高校の同級生男女2人に硫酸タリウムを飲ませ、殺害しようとしたとされる。14年12月には名古屋市昭和区の自宅アパートで知人の女性=当時(77)=を殺害し、6日後に帰省先の仙台市で青葉区の女性方に放火、住民3人を殺害しようとしたとされる。

裁判の被告人質問で元学生は「人が死ぬところを見たかった」「どうしても人にタリウムを投与したくなった」などと供述した。
裁判前に3人の医師が計4回の精神鑑定を行い、法廷証言で発達障害や双極性障害(そううつ病)があったとの見方は共通したものの、捜査段階の鑑定医(検察側証人)は「してはいけないことだと分かっていた」、家裁送致後の鑑定医(弁護側証人)は「障害の影響は抑止力が働かない程度だった」と見解が分かれたとの事。

これを踏まえ、元学生に精神面の障害があった点、人の死や人体の変化に強い関心を抱いていた点で検察側と弁護側に争いはなかったが、障害の程度や事件への影響で主張が対立したとの事。
検察側は「障害が各事件に及ぼした影響は限定的だった」として、計画性があり自らの行為の違法性を認識していたと訴えた。弁護側は「発達障害で人の死に興味が集中していたのに加え双極性障害のそう状態で善悪の判断も行動の制御もできなかった」と反論した。

タリウム事件の殺意も争われ、検察側は「死んでも構わないと思っていた」、弁護側は「死ぬ可能性は念頭になかった」としたとの事。

***(10)***
判決前の最後の公判で、元女子学生は「いまでも人を殺したい気持ちが湧(わ)き上がってきて、本当に人を殺さない自分になれるか、また人を殺してしまうのではないか、不安定になることはあります」「いまの時点で方法を述べることはできませんが、克服したいと思っています。反省や謝罪・償いも、いろんな人の力を借りながら、一生をかけて考えていきたいと思います」と話したとの事。

***(11)***
判決で、3人の医師が行った計4回の精神鑑定について検討した。捜査段階で携わり裁判で検察側証人となったF医師(国立病院機構東尾張病院長)の「発達障害はあったが程度は重度でなく、双極性障害も軽そう状態にとどまる」との鑑定に高い信用性を認め、弁護側証人2人の鑑定は採用しなかったとの事。

その上で判決は元学生が各事件の際に計画的で状況に応じた行動を取っていたとも判断した。F医師の鑑定を踏まえ「障害の影響を一定程度受けつつも限定的で、最終的には自身の意思に基づいて犯行を決意し実行した」と指摘したとの事。

***(12)***
量刑については、元学生に対する治療の必要性を認めながらも、刑務所で対処でき再犯の恐れもあるとして「さほど重視できない」とした。
最長30年の有期懲役とでは差が大きいと指摘しながらも「仮釈放の運用で有期刑に近い最も軽い部類としての無期懲役とするのが相当」と結論付けたとの事。

一方で刑務所での処遇について「適切な療育及び治療について最大限の措置を講じられたい。仮釈放の弾力的な運用で比較的早期の社会復帰が図られることが適切」としたとの事。

***(13)***
裁判長は裁判員からのメッセージとして「判決は厳しいものになったが、いずれ社会に戻れると信じてしっかりと更生してほしい」と伝えたとの事。
さらに「社会に出していいとなれば、それが償いになると思う。刑務所の中で自分ができることをよく考えて」と語りかけたとの事。

また、公判中の弁護側主張に関し「心神喪失を理由とする無罪主張にこだわるあまり、量刑に関する適切かつ十分な主張がなかった。適切な弁護を受けていないのではとの意見もあった」と話したとの事。

裁判長が最後に「まだ若いので更生してほしい、必ずできると信じています」と諭すと、小さな声で「はい」と答えたとの事。

こんなところですね。
我孫子事件が間に入ってしまって、記事を書くのがだいぶ遅くなってしまいました。
久しぶりに背中が寒くなるような事件です。
彼女は本物ですね。
だけど、完成はしていない、もし、逮捕されなければ、この後も事件を重ねて、シリアルキラーとなって、快楽殺人者として完成していたかもしれませんね。

弁護側の主張する、正常な判断ができないと言うのは、証言を聞く限り、あり得ないと言う印象ですね。
ある種、無機質なコンピュータのような、合理的な判断を感情抜きで行ってますよね。
そして、悪い事だとも認識しているので、責任能力は有りと考えるしかないと思います。

被害者の方の証言は胸に刺さりましたね。友達だと思っていた、親友だと思っていたのに、実験動物のように扱われるとは、夢にも思わなかったでしょう。
そして、妹への証言で、「死んでも構わない」と言うのは未必の故意、その物でしょうね。
あげく、「人の人生を狂わせるのはおもしろい」ではね。
悪意の無い実験と観察だったと言うよりも、純粋な悪意と言う印象です。

今回の一連の公判の中で一番、重要だと思うのは、被告人の家族の証言ですね。
被告人自身が「もっと早く精神科に連れて行けばよかった」なんて言うあたり、「普通の人とは違う」と言う自覚はあったのかもしれませんね。
しかも、異常な言動が早くから出てますし、薬物の入手も事件に興味のある事も把握していた。
それでも、事件を防ぐ事ができなかった・・・・

まー親なら、子供が犯罪者になる事を望まないはずです。
だけど、一方で「そんなはずはない」と言う、希望にすがってしまったのかもしれませんね。

もっと早い時期に、適切なケアをしていれば、この事件は防げたのかもしれません。
判決でも、精神障害の影響はあったと認めているので、これらに対する治療やケアが早期に行われて、これらの障害の程度が低くなれば、この事件は起きなかったかもしれませんね。

知能に問題が無い、成績が優秀な分、見落とし易くなるのかもしれませんね。
親として、愛情を持って子供に接したい、しかし、一方で冷静な目で子供を見る事も必要なんでしょうね。

子育ては難しいけれど、大切だと言う事を再確認するような事件です。

と、ここで記事を終わるつもりだったのですが、最後にふと気になったのが、彼女は本当に快楽殺人者だったのか?と言う事。
一般的に快楽殺人と言うのは、性的興奮と結びついている事が多いのですが、この事件の場合、そういった情報がありません。
だとすると、快楽殺人では無いのか?

快楽殺人は殺人を行う事自体から快楽を得ている場合ですよね、この事件では、どちらかと言うと、「興味を満たす」為に犯行が行われています。
これが、「精神的報酬」と考えれば、快楽殺人と考えられますね。
ただ、一般的な快楽殺人とは少し、違うのかもしれません。

このあたりは、専門家の意見を伺いたいですね。

参考リンク
愛知県名古屋市77歳女性殺人事件その7(放火)

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コメント

怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。

ニーチェの名言ですが、彼女も最初は興味本位だったのでしょう。が、数ある事件や犯罪を知るにつれ彼女自身が怪物になってしまったのでしょうか・・・。

あと妹さんが彼女の中で大きなウェイトを占めているのが分かります。犯行の告白をしている訳ですからね。

薬物の犯行だけでなく、放火、撲殺、絞殺、死体損壊と手口も様々で単なる好奇心の域を大きく逸脱してますよね。

TVではあまり放送されなくなってしまいましたが、日本犯罪史上でも類を見ない特殊で残虐な事件だと思います。

投稿: 裏銭 | 2017/05/06 05:04

読んでて気持ち悪くなりました。

人間としての尊厳の欠片すらない加害者は、恐らく心が死んでいるのでしょうね。

肉体だけ維持する為の都合を弱いものに向けただけですね、これは長崎の女子高生にも共通しますが。
愛に恵まれなかった人格形成が垣間見れます。

加速させたのは、ネットの影響もあるのでしょう。

社会の為にも即刻死刑執行すべき対象と思えます。

投稿: テキスタイル | 2017/05/06 12:49

控訴審が始まりました。

高校時代に同級生2人に硫酸タリウムを飲ませたほか、名古屋大生時代に女性を殺害するなどして殺人未遂や殺人などの罪に問われ、名古屋地裁で無期懲役判決を受けた女性被告の女(21)=事件当時未成年=の控訴審が8月24日、名古屋高裁で開かれた。

弁護側は、刑事責任能力を認めた一審判決に事実誤認があるとして取り消しを求めた。検察側は控訴棄却を求めたとの事。

弁護側は、被告の完全責任能力とタリウム事件での殺意を認め、求刑通り無期懲役を言い渡した一審判決について、「鑑定の過誤に目をつぶり、数々の重大な事実誤認のうえで責任能力を認める誤りを犯した」と非難したとの事。
発達障害と、躁(そう)とうつの状態を繰り返す重い双極性障害が重なった被告には「自己の行動を選択、抑制できず責任能力がなかった」として全事件で無罪を主張したとの事。

こんなところですね。
一審判決が5月で控訴審が8月、3ヶ月で控訴審になるんだ・・・そんな物かな?なんとなく、2審って少し時間が空くような印象でしたけど。

今回も無罪の主張ですね。
一審の判決で裁判長がこんな話しをしてました。
公判中の弁護側主張に関し「心神喪失を理由とする無罪主張にこだわるあまり、量刑に関する適切かつ十分な主張がなかった。適切な弁護を受けていないのではとの意見もあった」と話したとの事。

これは、もし、罪を認めていたのなら、無期懲役よりも軽い量刑になった可能性があるのでは?と言う事なのかな?

今回はそのあたりを意識した弁護になるのかもしれませんが・・・・難しいですよね。
結局、無罪を主張するけど、有罪になった場合の量刑はこうですよって主張するわけですよね?

これは、上手にやれるのか?弁護側の腕の見せ所と言う事なのかな?

続報を待ちましょう。

投稿: ASKA | 2017/08/24 18:22

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