青森県おいらせ町霊能力修行女子高生虐待事件
三沢署は5月30日、青森県内に住む女子高生をカッターナイフで切り付け、頭髪を丸刈りするなどしたとして傷害、暴行の疑いで、いずれもおいらせ町緑ケ丘、無職女性K容疑者(44)と無職女性M容疑者(35)を逮捕する事件が起きている。
2人の逮捕容疑は共謀の上、2016年12月ごろから今年1月4日までの間、2人の自宅で、女子高生の右腕をカッターで切り付け、ハエたたきなどで尻を殴打し一ヶ月の怪我をさせたほか、頭髪を電動バリカンで刈るなどの暴行を加えた疑いとの事。
県警によると、K容疑者は女子高生の母親。M容疑者は自称霊能力者。2人は暴行の事実を認めているが、修行の一環と供述しているとの事。
県警によると、娘は1月、隣接する同県三沢市のビニールハウス内にいるのを住民が発見し、警察に通報。上下スエット姿の丸刈りで、県警に「闇の中を見る修行」をしていて寒くなったため、暖を取っていたと説明したとの事。
女子高生は前日の4日夜から市内の公園で「闇の中を見る」という修行をしており、「寒くなってハウスに入った」と話しているとの事。
娘も当時は「修行」と思い込み、被害を受けているという認識はなかったとの事。
M容疑者は県警に「自分は霊が見える」などと説明。K容疑者はM容疑者と数年前から付き合い始め、信じるようになったという。娘は昨年夏からM容疑者宅に住み込みで「修行」させられており、高校にも通っていなかったとの事。
県警によると、両容疑者は暴行の理由について「修行に集中させるためだった」と供述しているとの事。
K容疑者は「修行をするから学校を休ませる」と娘が通っていた高校に伝え、娘は学校に姿を見せなくなった。
不審に思った学校側は関係機関に連絡していたとの事。県こどもみらい課は「個別の事案については答えられない」としているとの事。
取り調べに対し、母親のK容疑者と自称、霊能力者のM容疑者は「娘が霊能力を身に付けるための修行の一環で、何が悪いのか」などと供述しているとの事。
K容疑者の娘は1月に保護されて現在は学校に通っており、「当時は霊能力者になるため修行していたが、正しいことではなかった」と話しているとの事。
警察は2人が娘を正常な判断ができない精神状態にしていたとみて詳しく調べている。
こんなところですね。
虐待としては珍しいケースかと思います。
この手の虐待は、多くの場合、病の娘を治療する為にやむを得ず厳しい治療や除霊などの行為を行ってしまい、最悪の場合、殺害してしまうわけで、その時、悪意は無いわけです。
今回の場合も母親には悪意は無いのかもしれませんが、生命の危機や健康回復の為と言った差し迫った状況では無いのにも関わらず、あるかないか分からない霊能力を信じて、修行と称して虐待行為を行ってしまったわけですね。
立場としては、母親と自称霊能力者ではその目的が違う可能性があるので、別けて考える必要がありますね。
情報が少ないので今の段階ではなんとも言えませんが、自称霊能力者については、女子高生を霊能者にする事が目的では無かった可能性がありますね。
このあたりは、今後の取り調べや公判を待つしか有りませんね。
問題は母親ですよね。
この母親は娘を霊能力者にして、その後はどうするつもりだったのだろう?
ここで二つの見方ができます。
1)娘を霊能力者にして、娘を幸せにしようとした場合。
2)娘を霊能力者にして、自分が幸せになろうとした場合。
いずれにしろ、人が幸せになるには、ある程度の経済的な裏付けが必要なので、霊能力者になると、「お金が稼げる」と盲信してしまった可能性はありますよね。
しかし、一方で、霊能力者が社会的に成功しているのか?と言うのも一般常識として考えると、それもかなり特殊な場合でなければ無いのではないか?と思ったりもします。
一般的に「自称霊能力者」と言う人がいたら、半数以上の人は懐疑的に見ると思うんですよね。
このあたりは、自称霊能力者を母親が信じていく経緯なども不明なのでなんとも言えないですね。
初期の報道なので、単純に漏れているだけなのかもしれないのですが、この報道には被害者の女子高生の「父親」の情報が抜けています。
もしかすると、母子家庭なのかもしれません。
もしかすると、女子高生がこの二人に抵抗せずに、意味不明な修行を受け入れていたのは、母親を裏切れなかったからなのかもしれませんね。
もし母子家庭なら、母親を1人にしてしまう事になるので、優しい娘は母親を見捨てる事ができなかったのかもしれません。
青森と言えば、イタコで有名な恐山があるところなので、もしかすると、そういったイタコ信仰みたいな物が背景にあるのかもしれないのですが・・・
ただ、イタコになる修行ではないんですよね。
とりあえず、このあたりについても続報を待つしかなさそうです。
親がしっかりしないと、子供が苦労すると言う言葉が脳裏に浮かびましたが、しかし、追い詰められた人間を巧みに誘導し、洗脳した可能性もあるので、このあたりはなんとも言えないですね。
普通に不自由なく暮らしている家庭なら、子供を霊能力者にさせる為に学校を休ませて修行させるような事は選択しないと思うんですよね。
なので、やはり、何か事情があったのかな?
続報を待ちましょう。
| 固定リンク
コメント
目に見えないものを信じる土壌があり、それらしい言動や現象を目の当たりにし、有名人との繋がりを匂わされれば、100人に1人くらいは信じる人もいるでしょう。
信じ込んだ相手に「貴方の娘には素質がある」とか言われたら、舞い上がるのは必至です。ここでレッスン料を巻き上げるのがスカウト詐偽なんかでの手法ですね。
母親としては娘には特別な素質があり、導く人物がいる。これは運命!娘は霊能力者として活躍するのだ・・などと盛り上がったことでしょう。
娘も修行と信じ込んでいたという報道から、母親と同様に霊能力者になる道を真剣に考えていたと思われます。
もしかしたら、母娘のどちらかが「何か」を感じることができるのかもしれません。それであっさり信じ込んだ可能性もあります。
その「何か」が実は電磁波や気圧変動だったりする人もいるわけですが。
投稿: つれづれ | 2017/06/01 00:12
つれづれさん、おはようございます。
なるほど、スカウト詐欺の手口でしたか。
親としては子供の成功を願う物ですから、成功すると言われれば、多少の投資は必要と思うんでしょうね。
娘さんは学校に戻っているとの事で、正常な生活に戻ったのでしょうが、母親も時間をかけて、現実を受け入れられるようになると良いですね。
投稿: ASKA | 2017/06/01 05:48
母親は執行猶予3年の懲役1年6ヶ月です。
霊能力を身に付ける修行と称し女子高校生を虐待したとして、傷害、暴行の罪に問われた、被害生徒の無職母親(44)の判決公判が8月4日、青森地裁八戸支部であった。裁判官は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡したとの事。
量刑理由で裁判官は、被害生徒が被告の思い通りにならないことにいら立ち、犯行に及んだ-と指摘したとの事。
被害生徒が継続的に受けた暴行は「理不尽な虐待というほかない」とした上で、「(被害生徒の)精神的打撃は大きく、将来的な影響も懸念される」としたとの事。
一方、被害生徒には後遺症などはなく、被告の暴行は「共犯者の言葉に従った側面も否定できない」と、くむべき事情もあると指摘したとの事。
判決などによると、被告は2016年12月ごろから17年1月までの間、おいらせ町で長女である女子生徒の右腕をカッターナイフで切りつけたほか、ハエたたきの柄などで殴る暴行を加え、けがを負わせたとされる。
また、16年12月ごろ、知人の無職女性=6月に罰金の略式命令=と共謀し、被害生徒の髮をバリカンで丸刈りにする暴行を加えたとされるとの事。
とこんなところですね。
ちょっと、虐待の理由に驚きました。
「被害生徒が被告の思い通りにならないことにいら立ち、犯行に及んだ」
結局、娘の成功を望んだわけでも、自分の幸せを望んだわけでもなく、「ただの嫌がらせ」もしくは、「ストレスのはけ口」、あるいは「反抗的な娘を服従させて支配欲の充足」程度の動機だったんですね。
たまたま、知り合いに自称霊能力者がいて、それを口実に虐待行為を行ったと言う事なんでしょうね。
娘もその口実を信じて、修行だと思っていたと・・・
「事実は小説より奇なり」と言う事でしたね。
娘に後遺症がないかどうかは、今の段階で、まだ、症状が出ていないだけで、将来出てこないとも限りませんから、注意した方が良いでしょうね。
それよりも、結局、こんな動機で、およそ母子関係を破綻させるような虐待ができた経緯の方が知りたいですね。
投稿: ASKA | 2017/08/08 18:51