福岡県小郡市警察官家族3人殺人事件
6月6日午前9時15分ごろ、福岡県小郡(おごおり)市小板井の住宅で「妹が自殺している」と110番通報する事件が起きている。
県警によると、この家に住む無職の母親(38)と小学生の長男と長女が室内で死亡していた。現場の状況や家族の説明から、母親が2人を殺害し、無理心中を図ったと県警はみているとの第一報。
小郡署などによると、亡くなったのは小学4年男児(9)と1年の女児(6)。と母親(38)。
子ども2人は2階の布団の上でうつぶせに倒れ、首に絞められたような痕があった。母親の遺体は1階の台所で見つかったとの事。
一家は両親と子ども2人の4人暮らし。父親は県警の警察官で、6日早朝に出勤。午前8時半ごろに小学校から「男児と女児が来ていない」と父親に電話があり、父親から連絡を受けて訪ねてきた姉が遺体を見つけ通報したとの事。
父親と姉は県警に対し、「母親は最近、育児のことで悩んでいる様子だった」と説明しているとの事。
福岡県警は6月7日未明、「無理心中の可能性がある」としていた当初の説明を一転させ、「3人とも殺害されたと断定した」と発表したとの事。
同日、小郡署に捜査本部を設置し、改めて捜査を始めたとの事。
捜査1課や小郡署は当初、「無理心中の可能性がある」と説明。だがその後、母親の司法解剖の結果、死因は首を圧迫されたことによる窒息死と判明し、3人とも殺害されたと判断した。遺体の状況などから、3人は6日午前0時から9時ごろにかけて死亡したとみられるとの事。
一家は夫婦と子ども2人の4人暮らし。夫は県警の警察官で、6日午前7時前に出勤。
夫は県警に対し「出勤時、3人は寝ていた」と説明しているとの事。
発覚当初、「無理心中の可能性がある」とした理由について、県警は7日未明、
(1)母親が殺害されたのかどうか外見ではわからなかった
(2)母親の姉が「妹が自殺している」と通報した
(3)母親の夫と姉が「母親が育児のことで最近悩んでいる様子だった」と話した
――ためだったと説明したとの事。
玄関は無施錠だったが、室内に荒らされた形跡はないとの事。
母親の遺体は1階の台所で見つかっていましたが、遺体の頭部に焼かれたような形跡があったとの事。
母親は1階の台所にあおむけで倒れており、遺体の一部にはやけどのような痕があった。男児と女児は2階の布団の上にうつぶせの状態だった。室内は荒らされたような痕跡はなかった。ひもは見つかっていない。
また、室内にはボヤとみられる火事の跡もあり、警察が、事件との関連を慎重に調べているとの事。
母親が見つかった1階台所には油がまかれ、遺体のそばに練炭のようなものが燃えた跡もあったとの事。
母親の首に目立った痕跡はなかったが、強く圧迫されたような内部出血が確認された。
母親は首の骨にひびが入っていた上に内出血も確認されるなど強い力で首を絞められたことが分かった。
被害者一家は2年前にこの家に引っ越してきたということだが、近所では仲がよい様子も目撃されていたとの事。
福岡県警は6月8日、妻を殺害したとして、夫で警察官の男性容疑者(38)を殺人の疑いで逮捕した。今後、子ども2人が死亡した経緯などについても事情を聴く方針との事。
県警によると、容疑者は県警通信指令課に勤務する巡査部長。死亡したのは妻(38)、小学4年の長男(9)、小学1年の長女(6)で、一家は4人暮らし。
子ども2人の死亡推定時刻は6日午前0~5時ごろ。容疑者は県警に「前夜は4人で一緒の部屋で寝た。6日午前6時45分ごろに仕事で家を出る時、3人はまだ寝ていた」と話していた。遺体の状況と容疑者の説明が合わないことなどから、県警が事情を聴いていたとの事。
容疑者は「そのようなことはしていません」と殺人容疑を否認しているとの事。
「県民の皆さまに心よりおわび申し上げます」。現職警察官の逮捕を受け、6月8日午後7時から福岡県警本部で会見が開かれた。
K警務部長は冒頭、謝罪の言葉を述べた。
県警によると、現場の状況や容疑者の出勤状況などから、「第三者による犯行は困難」と判断。妻(38)に対する殺人容疑で逮捕に至った。死亡していた2人の子供についてK部長は「これからの捜査で明らかにしていく」とだけ説明したとの事。
会見中、言葉を選ぶように質問に答えていたK部長。「県民の信頼回復に努めたい」と何度も声を絞り出したとの事。
関係者によると、容疑者は2002年に採用され、主に地域部門で勤務。容疑者は平成14年10月に巡査となり、交番や駐在所で勤務する地域部で約9年過ごした。機動隊や筑後署自動車警ら係を経て、昨年8月から110番通報に対応する通信指令課に配属との事。
まじめで堅実な勤務態度だったといい、ある県警幹部は「問題のある職員ではない。われわれが期待する仕事はしていた」と明かしたとの事。県警によると、借金問題などはなく、家庭内のトラブルを周囲に相談したこともなかったとの事。
外部から侵入した形跡なく
母親の指には何かをひっかいたような痕があり、爪から微物が見つかったことも判明。県警は微物のDNA型鑑定を進めているとの事。
DNA型鑑定の結果、微物のDNA型が殺人容疑で逮捕された夫で県警通信指令課の巡査部長、容疑者(38)と一致した。
捜査関係者によると、県警は事件が発覚した6日以降、容疑者から任意で事情を聞き、容疑者の腕にひっかき傷が残っていることを確認したとの事。
逮捕された警察官の男は遺体が発見される前に妻に4回、電話を掛けていたことが分かりました。警察は偽装工作の可能性もあるとみて調べているとの事。
姉は「妹が自殺している」などと伝え、県警通信指令課で通報を受理する立場にあった同容疑者が110番として扱い、処理していた。
男児と女児は、生まれつき周囲と接するのが苦手な面があり、母親が2人の発育について、悩みを抱えていたとみられることが、分かりました。
県警が現場からゴムチューブを押収していたことが分かった。子ども2人の首にはひものようなもので絞められた痕があり、県警は凶器として使用された可能性があるとみて調べているとの事。
捜査関係者によると、ゴムチューブは筋力トレーニング用に市販されているもので、家の1階から見つかった。燃やされた跡があり、証拠隠滅を図った疑いがあるとの事。
捜査関係者によると、容疑者は逮捕容疑について「事実ではありません」と否認を続ける一方、夫婦関係がうまくいっていなかったという趣旨の供述をしているとの事。「妻とは不仲だった。子育てをめぐって口論があった」と話しているとの事。
自宅の中や玄関付近から家族など普段から出入りのある人物以外の指紋や足跡が検出されなかったとの事。
母親の首には、複数の皮下出血の痕があり、首を絞められた際に激しく抵抗したとみられることがわかった。
捜査関係者によると、母親の遺体の周囲に油がまかれ、その上を何者かが踏んだような足跡があった。足跡は容疑者の足の特徴と一致したため、県警は油をまいたのは容疑者とみている。近くに置かれた練炭のようなものには火が付けられ、母親の前頭部は毛髪などが燃えていた。県警は母親が自殺したように偽装した上で、証拠隠滅のために火を付けた疑いがあるとみているとの事。
容疑者は事件前、警察の警部補への昇任試験を受けていて遺体発見の前日、この2次試験で不合格になっていたとの事。
時系列
6月6日
06:45頃 父親が出勤(家を出る)
08:40頃 学校から子供二人登校していないと父親に電話。その後、母親の携帯電話に3回、容疑者から電話。
その後近所に住む姉に容疑者から様子を見るように依頼。
その後 母親の携帯電話に4回目に電話した時に姉が電話に出て、母親が死亡している事を告げる。この電話を110番通報として容疑者が処理した。
09:10頃 姉が遺体を発見。
09:15頃 妹が自殺していると110番通報。
母親の死亡推定時刻は0:00から9:00の間(その後、0:00から6:00に変更されています)
子供の死亡推定時刻は0:00から5:00の間
6月6日 事件発生当初、無理心中の可能性が疑われる。
6月7日 殺人事件と断定。
6月8日 容疑者を逮捕。
6月9日 容疑者を殺人容疑で福岡地検に送検。
こんなところですね。
私が気になるのは、犯行の順番です。子供の方が母親より死亡推定時刻が早いので、子供二人を先に殺害している可能性が高いですね。
子供の首は絞めた跡が明白で、殺人と断定される事は想定内でしょう。
問題は母親です。母親の首は一見して目立った外傷がなく、絞殺と判断できない状態だった。
そして、練炭(実際には木炭だったようです)などの自殺の偽装をしたのだとすれば・・・
子供を殺害し、母親を殺害して無理心中に偽装した計画的な事件に見えるのですが・・・私はここが疑問なんですよね。
確かにそう見えるけど、それにしては、母親の自殺の部分の偽装がちょっと杜撰ですね。
そもそも、計画的な犯行にしては、あちこちに「ほころび」が多いです。
計画的犯行なら、自分が絶対に容疑者リストに挙がらないように計画するはずじゃないですか?
死亡推定時刻と容疑者の証言が矛盾するなんてのは、後付の証拠じゃないのかな?
それに、母親の遺体がどうして1階の台所にあるのか?と言うのも疑問ですね。
今の段階では、可能性としか言えないけれども、容疑者も「ほころび」には気付いていて、それを隠す為に、全てを灰にするつもりだったのではないかな?
ところが、火は途中で消えてしまった。
今のところ、私は計画的な犯行では無く、何らかの理由で突然、考えついた後付の事件だったのではないか?と考えています。
例えば、妻(母親)と口論から暴行事件となり、それを隠す為に、子供を殺害して無理心中事件に偽装しようとした・・・
でも、それだと、子供の方を先に殺害している事に矛盾するんですよね。
なので、最初の妻の暴行で妻が死亡したと勘違いし、慌てて無理心中事件を偽装したのかな?
そのあたりは、容疑者の供述を待つことにしましょう。
警察官の不祥事なんですが・・・結局、警察官だって人間だって事なわけで、追い詰められれば、やはり事件を起こしてしまうんでしょうね。
そういえば、昇進試験が不合格になっていたのは、事件前日のようですが、本人はこの情報を知っていたのかな?
だからと言って、それで家族を殺めてしまうような理由にはならないと思うので、複数のストレスが重なっていたのかな?
このあたりは、供述をまつしかありませんね。
亡くなった3人のご冥福をお祈りします。
参考リンク
福岡県小郡市警察官家族3人殺人事件その2(一審公判)
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コメント
姉が、妹が自殺したと考えたのは、台所に倒れていた妹の近くに練炭?が置いてあったからでしょうか?
でも油が撒かれたり、ボヤの跡があったりは見ていなかったから不審には思わなかったのでしょうか?
あと関係ないことで映像を見て気になったのは、前が大きな道路沿いの一軒家で、すぐ横には大きなマンションが建っていて、その間には隔たてる塀もなく巨大な圧迫感のようなものがあって、良くその家を購入する気になったなぁということです。気が休まらないというか、風水的にも良くないんじゃないか?と思います。
投稿: | 2017/06/13 00:21
名無しさん、おはようございます。
まー、身内が死亡していたら、やはり平常心ではいられないので、咄嗟に「自殺」と連想したんでしょうね。
近所に住んでいた姉妹と言う事で、表に出ていない「悩み」なども相談していたかもしれませんし。
家の購入はいろいろな事情がからむので、当人にしかわからない条件もあるかもしれませんね。
金額や、駅や学校に近いなどの立地など優先される物があったのかもしれません。
投稿: ASKA | 2017/06/13 05:30
名無しさん、見るとこは同じようですね。
中古で買った築2年の物件だそうですが、常に監視されてるような場所ですね。
恐らく鬼門だったかも知れません。
新築で建ててからマンションが出来たのかは知りませんが、せっかく建てたばかりの家を手離した前の所有者も気になるところです。
ひょっとしたら遊休地の税金対策で、土地所有者が建てたカモ知れません。
殺された主婦の悩みは旦那の転勤癖だったと報道されてます。
その前は千葉の成田に居たようですが、自分から転勤志願してたようで、その辺りが事件解明の鍵になりそうです。
転勤は子育てを考えれば無い方が良いに決まってます。
まぁ旦那さんには一切転勤出来ない長い牢獄生活が待ってるハズです。
投稿: テキスタイル | 2017/06/13 23:41
こんにちは。
風水とか鬼門とかは異次元の話なのでやめましょう。
そう考えるのは自由ですが。
私は一切そのような非科学的なものは無いという考えの持ち主です。これも自由ですね。
さて話を戻しますと、やはり夫婦間が破滅に近い状態では、揺らぎの中でケンカが絶えなくなりますね。
恐らく週に何度も小さいケンカ、小言のようなものがあったんでしょうね。
そういう積み重ねが殺意を持たせた。
ただ、殺意を持ってもしばらく実行できなかった。当然ですね。理性で抑えていたんでしょうか。
で今回、決定的な一言があった…そして爆発。
こんな感じではないでしょうか。
うちも似たようなものです。もちろん実行する事はないですよね。子供・社会性・周りへの配慮等々、ブレーキは何重にもあります。だから普通の家庭では犯罪に至らないわけですから。
今回、このブレーキがなぜ壊れたか…気になります。
投稿: 花咲く丘 | 2017/06/14 14:35
一見してあれって感じの環境なんですが、狭い国土ゆえに色々だなと。
投稿: 空き地 | 2017/06/14 23:06
askaさん、こんにちは。
記事の中の「姉が『妹が自殺している』と通報」というのは、容疑者の偽装の疑いがあるようです。容疑者としては姉を利用して、自殺を強調したかったのでしょう。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170619-00000007-pseven-soci
投稿: 通りすがり | 2017/06/19 17:00
みなさん、おはようございます。
テキスタイルさんへ
週刊誌などにも記事が出てますね。
職場に合わないと、すぐに移動願いをだしていたようですね。引っ越しが多いと奥さんや子供も大変だと思いますので、そのあたりで家庭内に不満はあったかもしれませんね。
花咲く丘さんへ
週刊誌の記事では、奥さんの交友関係などについても書かれてまして、夫婦関係は冷えていたのかもしれませんね。
空き地さんへ
国土が狭いので・・・と言うのは、同意です。
それに、引っ越しが多いので、どうせ、数年で引っ越すと言う妥協もあったかもしれませんね。
通りすがりさんへ
情報提供ありがとうございます。この情報は見逃していました。
確かに、身内から「自殺」と通報されると、自殺の可能性を疑ってしまいますね。
それを、立場を悪用して逆手に取るとは、意外に容疑者は冷静だったんですね。あるいは、通勤までの間にこのシナリオを考えていたのかもしれませんね。
投稿: ASKA | 2017/06/20 05:33
子供2人への殺人容疑で再逮捕された元県警巡査部長、男性容疑者(39)のスマートフォンの歩数計アプリが、3人が殺害された時間帯から当日早朝にかけて稼働していたとの事。
容疑者は午前6時に起床したと供述しているが、アプリの稼働状況と矛盾していることが判明。県警は容疑者がスマホを持って室内を移動したとみて調べているとの事。
捜査関係者によると、容疑者のスマホに入っている歩数計アプリを解析した結果、昨年6月6日未明~午前6時に何者かがスマホを持ち歩いていたことが分かった。室内は荒らされておらず、外部から第三者に侵入された形跡もないことから、県警は、スマホを持ち歩いたのは容疑者本人とみているとの事。
司法解剖の結果、妻(当時38歳)の死亡推定時刻は同5日深夜~6日未明、長男(同9歳)と長女(同6歳)は同6日午前0~5時だったとの事。
容疑者は同日午前6時45分の出勤時に3人は寝ていたとしているが、司法解剖結果と食い違うため供述は虚偽と判断。
さらに歩数計アプリの稼働状況から、午前6時まで寝ていたとの供述も信用できないとみて、アプリ稼働中の行動について容疑者を追及しているとの事。
こんなところですね。
スマホに証拠が残っていたとは、着発信履歴、閲覧履歴、メールは消す話は出てきますが、歩数計は気付きませんでしたね。
また、ドラえもんとかトンデモな言い訳はしてほしくないですが、どんな供述をするのか?
続報を待ちましょう。
投稿: ASKA | 2018/02/22 20:47