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2017/08/28

埼玉県東松山市16歳集団暴行死事件その3(17歳少年一審判決)

17歳の少年について、さいたま家裁は昨年11月8日、「最後まで積極的に関与し、特段の指図を受けることなく自らの意思で一連の行動を行った」として検察官送致(逆送)とした。さいたま地検は同17日に、傷害致死罪で起訴していたとの事。

公判は8月21日から5回開かれ、23日に被告人質問が行われる見通しで、判決言い渡しは28日の予定との事。
事件では少年5人が傷害致死の非行内容でさいたま家裁に送致された。うち被告と18歳の少年が傷害致死罪で起訴され、18歳の少年は7月に懲役6~9年の不定期刑が確定したとの事。他の3人は少年院送致の保護処分となったとの事。

初公判8月21日
被告は「間違いありません」と起訴内容を認めたとの事。

起訴状によると、昨年8月22日未明、他の少年4人と共謀し、同市の駐車場や河川敷で、被害者の顔や胸を殴る蹴るなどして意識がはっきりしない状態にした後、川にあおむけに沈めて溺死させたなどとしているとの事。

冒頭陳述で検察側は「一時間以上にわたり少年ら5人の暴行は執拗かつ強烈で、死亡する危険性が高い悪質なものだった。被告が果たした役割は主導的で重大」などと指摘し、刑事処分相当と主張したとの事。

弁護側は「被告が被害者を川に沈めたのは、暴行で失った意識を戻すため。
(犯行の背景には)被告の育った家庭環境(「幼い頃に実母が失踪して、養母から虐待を受けていた」)や(主に若年で発症する)1型糖尿病が影響している」などとして、少年院送致の保護処分が相当と主張したとの事。

第2回公判8月22日
被告人質問で少年(17)は「被害者にうそをつかれ、なぜうそをついたんだという怒りがあった」などと、暴行した理由について話したとの事。
弁護側は、被害者の頭を何度も川に沈めるなどした少年に「事件のとき、楽しいという気持ちはあったのか」と質問。「暴行していたときテンションが上がっていた。今、考えると自分の行為が暴行を加えた5人の中で一番、被害者を苦しめたと思っている。謝罪の気持ちでいっぱいです」などと話したとの事。

検察側によると、17歳少年は被害者の顔を川に沈める暴行を繰り返したとされる。被告人質問で検察側に行為の理由を問われると、「殴る蹴るの暴行をしたくなかったので、ゲーム感覚だった」と話したとの事。

17歳少年ら5人の少年は一人ずつ、被害者に暴行を加え、保護処分となった少年(16)の暴行後、被害者は意識を失ったとされる。その後、心臓マッサージを行うなどしたが、意識は戻らなかったとの事。その際の心境について、17歳少年は「全く反応がないし、もう被害者は死んでしまったと思った」と振り返り、「自分が被害者を(河川敷の)奥まで運んだ。見つからないようにするため、草を上に置いた」と説明したとの事。

事件から1年が経過したことについて、「毎日、事件のことを振り返っていたので1年という感じはしない。自分の行為が一番、被害者を苦しめたんだと思うし、自分があんな行為をしなければこんなことにはならなかった。これからも謝罪や反省の気持ちを忘れないようにしていきたい」と供述したとの事。被害者や遺族に対して「本当にただただ謝罪の気持ちでいっぱいです。被害者には止められなくてごめんねと言いたい」と話したとの事。

第3回公判8月23日
弁護側の証人として出廷した精神神経科学の研究者は「養育環境や1型糖尿病の影響が大きい」と犯行の背景を述べ、「専門家のケアが必要」と指摘したとの事。

弁護側によると、少年が2歳のときに実母が失踪、養母からは身体的虐待を受けていたほか、15歳で1型糖尿病を発症。高校中退や家出が重なり、親の管理下で必要な医療を受けていなかったとの事。

出廷した理化学研究所の医学博士は「不適切な養育で心的外傷を負い、他者への情緒的共感性に乏しく、素行に結び付いた」と指摘したとの事。
1型糖尿病について「犯行時、持続的な高血糖で適切な状況が判断できなかった」とした上で、「心理的な専門家によるアプローチが可能な医療少年院でのケアが必要」と述べたとの事。

第4回公判8月24日
検察側は「死亡させた結果は重大」「被害者の遺体を草で覆い隠すなど自己保身を優先させていて非難に値する」として懲役6年以上10年以下の不定期刑を求刑したとの事。

検察側は論告で「被告は先陣を切って暴行し、被害者の顔を川に沈めるという死亡結果に直結する行為をした。果たした役割は主導的だ」と指摘したとの事。
り患している1型糖尿病の影響については「被害者に心臓マッサージをするなど、状況に即した合理的に行動しており、意思決定に支障が生じるほど判断能力が低下していたとは言えない」としたとの事。

弁護側は弁論で「川に沈めた行為は意識を取り戻すためで限りなく過失に近い。犯行には養母の虐待による反応性愛着障害などが影響しており、医療少年院での情緒的教育などが必要」と述べたとの事。

別の報道だと
弁護側によると、17歳少年は幼少期から実母や養母からネグレクトや身体的虐待を受けていた。高校1年で1型糖尿病を発症したが、治療は自身の管理に任され、「医療ネグレクト」の状態だったとの事。
治療を怠り、一時は気を失い病院に運ばれたことも。高校中退などで生活規則が乱れ、治療は長続きしなかったとの事。

弁護側は「他者への情緒的共感性が育たなかった上、治療を怠ったことで認知機能が低下した。専門プログラムが用意されている医療少年院での処遇が不可欠」と保護処分が相当としたとの事。。

弁護側は、被害者が意識を失った後に顔を水に沈めたとされる17歳少年の行為を「意識を回復させるためで、ほかの少年との総意で行われた。少年だけの責任にはできない」と主張したとの事。

最後に少年は最終意見陳述で「被害者やご遺族に与えてしまった苦しみは自分が何をしても許されない。自分が死ぬときまで、謝罪や反省の気持ちを忘れないことが一番の償いだと思う。こんなことになってしまい、本当にすみませんでした」などと話したとの事。

判決公判8月28日
裁判長は懲役5年6月以上9年以下(求刑懲役6年以上10年以下)の不定期刑判決を言い渡したとの事。
裁判長は「暴行は共犯の少年4人とともに1時間以上も一方的に行われ、何度も顔を川に沈めるなど執拗なものだった。暴行に積極的に関与した責任は重い」とした。
裁判長は「一連の暴行で意識混濁した被害者を川の中に沈めるなど、死亡に直結する行為に及んでおり、悪質で役割は重大」と指摘したとの事。
裁判長は「被告の少年は、顔を何度も水に沈めるなど被害者の溺死に直接関与する行為を行っていて、暴行に主体的に関与し続けた」と指摘したとの事。

弁護人は少年院送致の保護処分を求めていたが、判決は「社会的に許容されるとは言えない」と退けたとの事。

こんな所ですね。
18歳リーダー少年の判決が懲役6年以上9年以下(求刑・懲役6年以上10年以下)でしたが、同じ量刑にしましたね。
この17歳少年は従属的な存在だと思っていたのですが、一番、積極的に暴行を行っていたと言うあたりの悪質性が、リーダー少年と同格の量刑と判断された理由かな?

18歳少年の公判でも出ましたが、こちらの17歳少年の育成環境に問題があると・・・2歳の時に実母が失踪して、養母に虐待され「愛着障害」があると言う事ですね。
ここからが微妙なんですが、「他者への情緒的共感性が育たなかった」のは愛着障害の為?と思って調べたら、どちらかと言えば、「虐待の結果」ですね。
そして、ググった論文など読むと、共感性の欠如に愛着スタイルが影響するかも?と言う話なのかな?
(このあたりは、専門家にまかせましょう)

いずれにせよ、愛着障害があって、虐待を受けていた。
ちょっと、興味深かったのが「1型糖尿病が事件に影響していた」とする話ですね。
弁護側の主張ですが「犯行時、持続的な高血糖で適切な状況が判断できなかった」としています。

それは検察側に「被害者に心臓マッサージをするなど、状況に即した合理的に行動しており、意思決定に支障が生じるほど判断能力が低下していたとは言えない」と否定されていて、この指摘に同意ですね。

で、「川に沈めた行為は意識を取り戻すため」と言う主張だけど・・・この時の状況が分からないけど、被害者が「呼吸をしていたのか?」

状況としては
保護処分となった少年(16)の暴行後、被害者は意識を失ったとされる。その後、心臓マッサージを行うなどしたが、意識は戻らなかったとの事。その際の心境について、17歳少年は「全く反応がないし、もう被害者は死んでしまったと思った」と振り返り、「自分が被害者を(河川敷の)奥まで運んだ。見つからないようにするため、草を上に置いた」

起訴状では
「被害者の顔や胸を殴る蹴るなどして意識がはっきりしない状態にした後、川にあおむけに沈めて溺死させた」なんですよね。

そうすると、「意識が無い状態になった後に、あおむけに沈めた」と言う事なのかな?
でも、1時間以上、4人で交代で暴行していたんだよね?

検察側によると、17歳少年は被害者の顔を川に沈める暴行を繰り返したとされる。被告人質問で検察側に行為の理由を問われると、「殴る蹴るの暴行をしたくなかったので、ゲーム感覚だった」としてますよね?

なので、呼吸している、意識のある状態の時から、川に沈めていたんじゃないのかな?
(このあたり、ご存じの方がいたら、教えてください)

心臓マッサージをしたのは良いけど、それなら、すぐに救急車を呼ぶべきだったし、それまで心臓マッサージを続けるべきでしたね。
結局、遺体に草を掛けて隠したように、事件の発覚を恐れて救急車を呼ぶ事はできなかったんでしょうね?

ここ3件ぐらいの判決を見てみると、どうも「育成環境に問題があった」が事件の遠因になりそうなんだけど・・・
そうすると、被虐待児を救出するのが、将来の凶悪事件の予防になると言う事になりそうですね。

しかし・・・これを大々的にやるには、今よりも児童相談所などの体制を強化する必要があると思うのだけど・・・
予算の枠は決まっているのだから、無駄な予算は減らして、こちらに予算を振って欲しいですね。
今、話題の政務活動費とか、こちらに振ってもらった方が有効活用できるのではないのかな?

参考リンク
埼玉県東松山市16歳集団暴行死事件その2(18歳少年一審判決)
愛着障害 子ども時代を引きずる人々
(愛着障害はあの「酒鬼薔薇事件の犯人」にもあったと言われています)

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