受傷時期の推定方法の確立
遺体の傷ついた皮膚から傷を負った時期を推定する新手法を、長崎県警科学捜査研究所(科捜研)の上級研究員(43)が確立し、警察庁長官賞詞を受けた。
これまで確立されていなかった受傷後1~5日程度の早期の受傷時期を推定できるとの事。
科捜研によると、先行研究では、傷を負ってから7日前後の遺体の受傷時期の推定法(ベルリン・ブルー染色法など)は確立されていたものの、それより早い時期は解剖医の経験や外形的所見に頼っていたとの事。
遺体の打撲痕を試料に用いて、受傷部位に発現する「炎症細胞」に付着するたんぱく質(CD14)に注目。たんぱく質を染色することで可視化し、これが受傷後1~5日間にだけ有意に発現することを発見したとの事。
また他の二つのたんぱく質を組み合わせることでより精度の高い受傷早期の推定方法を確立したとの事。
暴行された時期の推定は司法解剖での重要な証拠になり得るほか、ドメスティックバイオレンス(DV)の被害認定への応用が期待されるとの事。
こんなところですね。
実際に事件捜査にどのように活用されるかはこれからの報道をまつしかありませんが、大いに期待したいですね。
やっぱりすごいよ、科捜研! これからもがんばってください。
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コメント
記事のDV事件以外の活用法でパッと思いつくのは、「傷が死因に関係するか否か」「暴行を受けていた被害者の足取り推定」ですね。特に後者は行方不明になった後に遺体が発見された場合に役立ちそうですね。
生体にも活用できるなら、傷害事件などでも証言と受傷時期が矛盾しないか判定することもできそうです。
免疫系は体調や個人差が影響するので、こういった手法を確立するのは難しいと思いますが、まだまだ研究途上なんですね。
投稿: つれづれ | 2017/10/28 16:23