強制わいせつ罪の成立要件を見直し
強制わいせつ罪の成立に「犯人の性欲を満足させる意図(性的意図)」が必要かどうかが争われた刑事裁判の上告審で、最高裁大法廷は11月29日、「一律に必要とすべきではない」とする判決を言い渡し、「必要」としていた最高裁判例を47年ぶりに変更したとの事。
大法廷は判決で「性的被害の有無や内容、程度にこそ目を向けるべきで、性的意図を成立要件とした過去の最高裁判例は維持しがたい」と指摘、被告の男(40)側の上告を棄却した。被告を懲役3年6月とした1審・神戸地裁、2審・大阪高裁の実刑判決が確定するとの事。
こんな裁判がおきていたんですね。
確かに「犯人の性欲を満足させる意図」が必要と言うのは変な話ですね。
被害者にとってはそんな犯人側の事情は関係ないですからね。
しかもその条件が、約半世紀も維持されていたと言うのがまた、驚きです。
民法とか刑法とか、現代にそぐわないものは、どんどん変えていった方が良いのでしょうね。
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コメント
今回の判決は譲渡目的での撮影をした人物が被告で、被害者に性的虐待をおこなった点が強制わいせつ罪にあたるかどうかを争ったようですね。
今回の事件に関しては妥当な判決なように感じますが、慎重な運用が必要そうな判例です。
ものすごく穿った見方をすれば、性的な羞恥を感じた場合全てに適応される危険性があります。
例えば身体測定や診察で服を脱ぐ時とか、水着を着用する時とか、性教育の授業とか。
「性的被害の有無や内容、程度にこそ目を向けるべき」なので有罪判決にはならないかもしれませんが、日本では訴えられるだけで社会的な損失を被ることになります。
また、他の罪状でも意図を争う場合に持ち出されるかもしれません。
「加害者側の主観(意図)に関わらず、客観的な被害の有無や内容、程度にこそ目を向ける」と言い換えれば、傷害致死と過失致死と殺人の線引きは曖昧になり、極端な話をすれば人を死に至らしめればすべて殺人と拡大解釈も可能です。
判例や法律は、法治国家の根本に近い所なのでなかなか簡単には変えられないのでしょうね。
投稿: つれづれ | 2017/12/02 02:34
つれづれさん、おはようございます。
なるほど・・・悪用できる可能性があるわけですね。
電車で痴漢を演出して、恐喝しようとした事件などもありました。現在では防犯カメラの設置で難しくなりましたが、密室での事件では難しい事件になりますね。
変更しないのには、変更できない理由があるのかもしれませんね。
投稿: ASKA | 2017/12/04 06:02