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2018/08/23

千葉県我孫子市ベトナム女児殺人事件その17(一審判決 無期懲役)

判決公判(7月6日)

1)千葉地裁は「被告は、本来、児童を守るべき立場であり、その信頼を裏切り、幼い被害者を狙った犯行は、卑劣かつ悪質」などと指摘した一方で、「検察官は、死刑選択をやむを得ないとする具体的・説得的な根拠を示していない」として、無期懲役を言い渡したとのこと。

2)判決で、千葉地裁は「被告側は遺体から検出されたDNA型が捜査の過程で汚染された可能性があると主張するが、具体的な根拠はない」と指摘。

そのうえで、「遺体から検出されたDNA型から被告が本件の犯人であることが強く推測される」「被告は本来児童を守るべき立場であったにもかかわらず、幼い被害者を狙っていて卑劣かつ悪質な犯行だ」と述べたとのこと。

3)弁護側は即日控訴したとのこと。

4)女児の父親は、「無期懲役の判決は納得できない。これぐらいの処罰が、娘に対して公平ではない」と話したとのこと。

こんなところですね。
被告の犯人性は認めたけど、死刑を選択するには至らないと言うところですね。
死亡が1人なので、死亡が1人で死刑を選択するにはそれなりに高いハードルがあると言う事なんでしょう。

似たような事件のケースをみると
2004年の奈良女児殺害事件が求刑が死刑で、判決が死刑です。
(弁護団が控訴したが、被告が自ら控訴を取り下げて死刑が確定した)
ただ、この事件は本人が更生は不可能として、自ら死刑を望み、さらに、犯行内容もちょっと、マジにサイコパス的な部分もって死刑は当然かと言う部分はありますね。

他には女児一人を殺害して死刑になった事件は記憶に無いですね。
広島女児殺害事件も無期懲役でした。

奈良女児殺害事件から死刑になる為の条件としては
A)更生が不可能である事の証明
「反省の気持ちも更生する自信もない。早く死刑判決を受け、第二の宮﨑勤かT(附属池田小事件の死刑囚)として世間に名を残したい」という被告の述べた供述を検察官は朗読した。

ただ、奈良事件の被告はどうも、自ら死刑になる事を望んでいて、生きる事がめんどくさくなってしまったのかもしれませんね。

一方、こちらのベトナム女児殺害事件では、被告は全面否認しているので、反省していないと言うのとはちょっと違う面もあって、更生が不可能であると言うのは難しいかもしれません。

B)悪質性
悪質性では奈良事件は群を抜く悪質さなんですよね。遺族に娘の被害者の写真付きでメールを送ったり、その後も、今度は妹を狙うとメールした、このメールにも被害者の写真が添付されていた。

殺害方法は水死(だけど、実は睡眠薬を飲ませて入浴させたら水死していたとの説あり)
遺体から歯を抜いたりしてます。

遺族に対する、このメールは悪質度を相当に上げていると思います。
一方の、ベトナム女児殺害事件では、さすがにこんな事は無いので、悪質性を強調するには、犯行内容の詳細を出す以外に無いような気がします。

「拘束具を用いて女児の身体の自由を奪うなど、陵辱の限りを尽くした常軌を逸した犯行だ」このあたりですね。

ただ、それが、期待通りの効果があるのかは疑問かも・・・

他には、公判での遺族に対する暴言「通学路で拉致されたのは親の責任」あたりを強調すると言うあたりでしょうか。

C)前科がある
A)を補強する材料になると思いますが、奈良女児殺害事件では女児に対する強制猥褻事件の前科があります。

一方のベトナム女性殺害事件の被告には前科の噂があるものの、真為は定かでは無い。

こうやって見ると、このベトナム女児殺害事件で裁判官に死刑を説得するには、検察側が何かあたらしい情報を出して、裁判官を説得する以外に方法が無いような気がしますね。

私としては、その可能性の一つが別の女児に対して、同様の犯行を実は行っていた事の証明かな?と思います。

公判の中に出ている証拠の中に被害者が「もう一人いる」を示唆する証拠があります。手錠についたDNAが3人分あり、内一人が被告の物、残り二人分の中に被害者のDNAが含まれている。

つまり、この手錠につながれた人物がもう一人いたと言う事だと思うわけです。

このもう一人の被害者が名乗り出て、公判で被告の犯行を証言すれば、更生が難しいと言う説得の材料にはなるかもしれませんね。
(ただ、セカンドレイプにならないように細心の注意が必要ですね)

いずれにせよ、検察側が死刑を説得する事は難しいのかもしれませんね。

とは言え、検察側は7月18日、女児の通学先の元保護者会長、被告(47)を殺人など四つの罪で無期懲役とした千葉地裁での裁判員裁判の判決を不服として控訴していますから、控訴審で検察側がどう説得するのか、公判の行方に注目しましょう。

亡くなった女児のご冥福をお祈りします。

参考リンク
千葉県我孫子市ベトナム女児殺人事件その16(初公判)

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コメント

ベトナム女児の本名は
非常に印象的な名前で覚えやすいです。
恐らく多くの日本人はみんな覚えてると思います。それだけ印象的ですから、新潟の女児は名前すら忘れてると思います。

本名部分は伏せました。ASKA

投稿: | 2018/08/29 19:28

名無しさん、こんばんは
たしかに、キャッチーな名前だと思いますが・・・1年後には覚えている人は少ないかもしれないですね。

奈良事件、今市事件、大阪の姉弟放置死事件など有名な事件もありましたが、名前は思い出せません・・・
ASKAの事件簿が匿名にしているからかもしれませんが・・・

私が暗記していると言えるのは、世田谷事件の4人の名前ぐらいですね。
どちらかと言えば、犯人側の名前の方を憶えているかもしれないです。事件名の通称に犯人の名前がついている物が多いからなのかもしれませんね。

投稿: ASKA | 2018/08/29 22:09

被害者が1人の女児殺害事件では、神戸市長田区の事件で一審死刑判決が出ています。高裁で無期懲役になりましたが。遺体をバラバラに損壊した点が悪質性が高い点です。
悪質性にもいろいろあると思います。今回の千葉の事件では、被告がPTAの会長で通学路の見回りもやっていた。その立場を利用しての犯行ですので、これ程悪質性の高い犯行も無いだろうと思います。一回ぐらい死刑判決が出てもおかしくないと思っていましたが…。

投稿: まーぷる | 2018/08/30 22:25

まーぷるさん、おはようございます。

おーそうでした、長田区の事件は一審、死刑でしたね。
猥褻目的で誘拐、暴行殺害、解体して、ゴミと一緒に遺体を遺棄すると言う、酷い事件でした。

このベトナム女児殺害事件では、裁判官のコメントで死刑の妥当性を説得しなかった的な部分があるので、この説得があれば、死刑判決が出てもおかしくなかったのかもしれませんね。

投稿: ASKA | 2018/08/31 06:06

検察官の主張が不十分だったんですね。次はもっと頑張ってもらわないと。
これでも私は半分くらい死刑廃止に傾いている人なんですけど、死刑制度がまだあるならばこの男に死刑判決を下さなくてどうする!と言う気持ちが抑えられません。本当に許せないんです。善良な市民を装ったあの狡猾さが。
長田区の事件の場合、バラバラにしてゴミと一緒に捨てたと言う点が残虐極まりない。でも、アレはまともな思考や感覚を持った人間から見て残虐極まりないのですが、犯人は残虐なコトをしてやろうと思ったわけではなく、ただ横着で何も考えない阿保だからあのようなコトをしたのだと思います。
こんなコト比べてもしょうがないけど、この千葉のPTA会長こそ本当の悪魔だと思います。

投稿: まーぷる | 2018/08/31 16:33

この輩の狡猾さは悪質です。反省も皆無です。なにしろ無罪を主張している。殺す前に受けた恐怖を考えると2度殺害されたようなもの。私には裁判官の目が節穴としか思えません。裁判官は神ではなく人です。しかし、コイツは悪魔だ。人でなし。

投稿: 空き地 | 2018/08/31 20:11

みなさん、こんばんは

まーぷるさんへ
長田区の事件でも2審では無期懲役となってますから、この事件でも死刑判決が出るチャンスは1審だったと思いますね。
それでも、検察側には頑張ってもらいたいと思いますね。

空き地さんへ
無罪主張イコール反省なしと言うあたりが、どう評価されたのか知りたいですね。

「娘は2度殺された」と訴えたのが広島女児殺害事件でした。あの事件も無期懲役でした。

死刑判決には、悪質で更生できないと言う説明(説得)が必要なんでしょうね。

投稿: ASKA | 2018/09/03 22:05

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