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2018/11/05

大阪府高槻市番田駐車場女性殺人遺体遺棄事件その22 (初公判)

初公判 (11月01日)

1)被告は「経緯はどうであれ、私が死の結果を招いたことは、本当に申し訳ございません」と突然、土下座するような格好で遺族に謝罪したとのこと。

この時、裁判長に「別に機会があるから」と注意された時の被告の言葉は
「始まる前に、ずっと3年前の夏から伝えたくて」でした。

2)検察側は、男子の遺体の歯がピンクに変色していたのは、「首を絞められ窒息死したもの」と主張した。

3)被告は、刑事責任能力の有無も争う姿勢を見せているとのこと。

4)被告は検察官が起訴内容を読み上げている最中もハンカチで涙を拭い、小さな声で「ごめんなさい」とつぶやきましたとのこと。

5)裁判長から女子の死亡について問われた時の返答は
「殺すつもりはありませんでした。ただ気が付いたら、私の手が女子の首に触れていました」

6)裁判長から男子の死亡について問われた時の返答は
「殺意は全くありませんし、そのような出来事もありません」と殺意を否認した。

7)検察の冒頭陳述によりますと、被告と2人はもともと面識はなく、8月13日の未明に出会った。
その後、午前5時すぎに3人は車で移動を始めた。
昼すぎに被告は柏原市内のコンビニで粘着テープを2本購入。そして、男子の遺体についての医師の所見からの主張。

(検察側)「午後9時ごろまでに、被告が男児の首を圧迫して殺害し、遺体を竹林に放置した」

また午後7時ごろから午後11時すぎの間に女子の首を圧迫し、顔に粘着テープを巻きつけた。その後、刃物で切り付けていて殺意があったとの主張したとのこと。

10)弁護側の主張は、男児は車で走行中にけいれんを起こすなどし死亡したとして、保護責任者遺棄致死にとどまる。女子については、女子が騒いだため手で口をおさえるなどするうちに動かなくなったとしていて、傷害致死罪だという主張です。顔の粘着テープは身元が特定されないように巻き、ショック療法で生き返ると思いカッターナイフで切り付けたとしているとのこと。

11)検察側冒頭陳述で
被告が事件当日朝、スマートフォンで「睡眠導入剤」「子供」、午後には「死体」などのキーワードで検索し、実際に2人の遺体から睡眠導入剤が検出されたことなどから「被告以外に犯人はいない」と言及したとのこと。

12)弁護側は「女子の首を圧迫して死亡させたが、殺意はなかった」とし、傷害致死罪の適用を求めた。男子については「首は圧迫していない。何らかの体調不良で死亡した」と述べ、適切な救護措置をとらずに生命を危険にさらした際に「保護責任者」として罪に問われる保護責任者遺棄致死罪に該当し、殺人罪は無罪と反論したとのこと。

また、弁護側は、男子が被告の車で移動中、かなり汗をかいており、その後に死亡したとし、「女子から『警察に言う』と言われ、女子の首を押さえてしまった」と述べたとのこと。

13)地裁は起訴後に被告の精神鑑定を実施。「障害の傾向」があるとの結果が出て、刑事責任能力も争点となるとのこと。

14)検察側は「人格障害などは認められるが、犯行には影響しておらず、完全責任能力が認められる」と主張したとのこと。

15)弁護側は、被告が他人との意思疎通がうまくできない自閉スペクトラム症だとし、「男子の死亡後、不安や恐怖で頭がいっぱいになり、自分をコントロールできなくなった。心神耗弱状態だった」と主張したとのこと。

16)弁護側の冒頭陳述で、遊びに連れて行ってほしいと言われて2人を車に乗せたと反論。男子は「車に乗っている間に体調不良で死亡」とし、女子は「帰りたくないと言ったため静かにさせようと口をふさいだ」と殺意を否定した上で、当時は精神障害による心神耗弱状態だったと主張したとのこと。

17)検察側は冒頭陳述で、被告が15年8月13日午後9時ごろまでに男子を殺害し、大阪府柏原市の雑木林に遺棄したと指摘。午後10時半以降、自分の車で同府高槻市内の駐車場に移動して女子を別の車の下に入れ、刃物で切りつけてそのまま放置したと主張した。さらに当日、スマートフォンで「DNA鑑定、死体、あせ」などと事件の関与を示唆するネット検索をしていた、としたとのこと。

18)弁護側は冒頭陳述で、被告は2人を商店街で見つけ、家出を心配して声をかけると「遊びに連れて行って」と車に乗ってきたと説明。車内で男子がたくさん汗をかいていることに気付き、女子の助言で睡眠導入剤を渡した後、亡くなったと主張したとのこと。女子はその後も「帰りたくない」と話していたが、大きな声を出したので口を押さえ、気付くと手が首にあったとして、いずれも殺意を否定したとのこと。

こんなところですね。
殺人と言うか殺意が認定されるかで、量刑は大きく変わるでしょうね。
2人を殺害となると、死刑が出てもおかしくないケースです。

・・・が問題は、物証が少ない事なんですよね。
男子については死亡が他殺である事から立証しなければなりません。
歯茎の変色が窒息による医学的裏付けをどう、判断するのか?

女子については、死亡には関係している事を認めたが、殺意は否認ですね。

責任能力も争う姿勢のようですが、これは、かなり厳しいと思いますね。
事件の最中から事件後にかけての一連の行動からは合理的な判断ができていたと感じますね。

・・・しかし、弁護側の主張を聞いていると、あの光市母子殺害事件を思い出しますね。
睡眠導入剤は女子が言い出したと言うのは、ちょっと驚きでした。
まー、このあたりも、女子や男子が睡眠導入剤を日常的に使っているのか?と言う情報によって、その信憑性が左右されるでしょうね。

男子が死亡した後、女子が「帰りたくない」と言ったとの事ですが、このあたりも、裁判員はどう判断するのか?

公判の行方に注目しましょう。

参考リンク
大阪府高槻市番田駐車場女性殺人遺体遺棄事件その21 (睡眠薬)

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コメント

***第2回公判(11月02日)***

1)女子の遺体の写真を見た母親の証言
「(遺体の写真は)10月、裁判が始まる前に初めて見せてもらいました。見ることができなくてずっと悩んでいました。あの子のことがかわいそうで、どんなふうにして命を奪われたか知っておくべきだと思いました。あの男は最低です、人間じゃない」とのこと。

別の報道では
「口では言い表せないです。あの男は最低です。人間じゃないです」と述べたとのこと。

2)女子の性格について母親の証言
 (検察)「女子は社交的な子どもでしたか?」
 (母親)「社交的ではないです。人見知りはしていました。知らない人とはしゃべりません」
 (検察)「学校以外に友達は?」
 (母親)「いません」
 (検察)「成人の知り合いは?」
 (母親)「いません」

別の報道では
母親は検察側の質問で、事件3か月前の母の日、一緒にスーパーに出かけたことを振り返り、「『ママ、カーネーション買おう』と言ってくれた。天真らんまんで優しい子だった」と述べたとのこと。

3)事件に巻き込まれたことについて女子の母親の証言
「夜、外出することを注意しておけばよかった」と述べた。

4)男子の健康状態に対する男子の母親の証言
「息子は健康だった」、「ほぼ毎日テニス部の練習に行っていた」
事件前夜も、「女子としゃべってくる。すぐ帰るから」と言って笑顔で家を出たと述べたとのこと。

5)遺体と対面したときのことについての男子母親の証言
「男子に会えなくて、やっと帰ってきてくれたとその時は安心はしましたが、私が望んでいた結果じゃない」

6)被告は証言を聞いているとき、時折ハンカチで涙をぬぐったり、天を仰いだりするなどしていたとのこと。

7)検察側は、女子の遺体に約50カ所の切り傷があったと明らかにした。

こんなところですね。
女子の遺体の傷について弁護側は1日の冒頭陳述で、「ショックを与えれば生き返る」と考えてカッターナイフで切った、と説明してましたが・・・ショックなら傷を付ける以外に方法があったはずですね。
医療ドラマなど見ていたなら、見よう見まねで心臓マッサージのまねごとぐらいしそうな部分ですよね。他には人工呼吸とかね。

この部分の説明は常識からは外れているでしょうね。

男子の健康状態も問題無かったと言う証言が出ましたが・・・熱中症だと、健康な人間もなってしまうので、これだけでは弱いでしょうね。
やはり、医学的知見で熱中症を否定する必要があると思いますね。

ただ、同じ車内にいて、健康な人間が熱中症で死亡するほど高温だったなら、他の人間にも熱中症の症状が出るはずでは?と言う疑問はありますね。
今のところ、被告人からこのあたりの証言は出ていないようです。

続報を待ちましょう。

投稿: ASKA | 2018/11/06 20:29

***第3回公判(11月06日)***

1)検察側が鑑定を依頼した医師が検察側の証人として出廷。(和歌山医大の教授と九州大大学院の教授の2名)

鑑定した医師「男子の遺体の歯がピンク色に変わっていて、頭蓋骨の一部の色も変わっていた。これは、頭部に血がたまっていたことを示していて、首を絞められたことによる窒息死の可能性が極めて高い」と証言した。

別の医師も、男子の死因について、「生前の心電図には、特に異常はみられず、突然死の可能性は極めて低い」と証言した。

女子の死因については、「顔にうっ血があり、首は皮がめくれて、内出血もあることから首を絞められたことによる窒息死」と証言したとのこと。

2)弁護側は医師に「熱中症やてんかん・急性脳症・髄膜炎などで死亡した可能性はありますよね」と質問。

鑑定医は「体調不良で死亡した可能性は僕がここで次の瞬間死ぬ確率と同じで極めて低く、病死や熱中症も考え難い」と証言した。

3)鑑定医は女子について、血管に血液がたまる「うっ血」が顔にあり、首の筋肉にも出血があることなどを根拠に「首を強く圧迫されて死亡した。呼吸停止まで数分間圧迫したとみられる」と証言した。

4)和歌山県立医大の教授は、司法解剖の資料などから、男子の遺体は複数の歯がピンク色に変色し、頭の内部が鬱血していたと指摘。首が圧迫された際によくみられる状態だとして、「窒息死の可能性が極めて高い」と証言した。

5)九州大大学院の教授も、男子の遺体の状況から死因は「首の圧迫による窒息死の可能性が最も高い」と述べた。弁護側は公判で「(男子は)車内で汗をかき始め、けいれんを起こして息をしなくなった」と主張しているが、教授は「熱中症などでは頭部の鬱血は確認されにくい」と否定したとのこと。

6)和歌山県立医大の教授は女子の左半身にあった約50カ所の切り傷について、弁護側は「生き返らせたいと思い、ショック療法として、カッターナイフで傷つけた」としていたが、教授は「死後に切りつけられた可能性が高い」と証言したとのこと。

7)別の報道では
女子の遺体の左半身にあった約50カ所の切り傷について、和歌山県立医大の教授は「死後に車の下で切りつけられた可能性が高い」と述べたとのこと。

こんなところですね。
要約すると
A)男子は首を絞められた事による窒息死の可能性が極めて高い、そして、熱中症での死亡を否定的に述べた。
B)女子も窒息死だが「首を強く圧迫されて死亡した。呼吸停止まで数分間圧迫したとみられる」と強い殺意があったと推定

どちらも、弁護側にとっては致命的な証言ですね。

しかし、一つ気になったのは女子の遺体の傷が死後、車の下で切りつけられたとする証言です。
この証言の通りだとすると・・・
顔にはガムテープが巻かれていて、顔は確認できないだろうけど、調べれば窒息死である事はわかるはずです。
死因は首を絞められた事による窒息死なので、顔にガムテープを貼る理由が無いんですよね。
目隠しと言う可能性はあるけど・・・

そして、死亡した女子の遺体を車の下に隠した・・・その後に、車の下に潜りこんで、遺体に傷を付けた目的は何だろう?
普通に考えれば、死因を出血死などに偽装しようとしたと言う事になると思うのですが・・・

発見された遺体が窒息死だと都合の悪い事があるのだろうか?
憶測だけど、これは逮捕される事を前提にした偽装なのかもしれませんね。

あ)出血死に偽装する事で、死亡が車内なら車内から大量の血痕が発見されなければおかしいと言う矛盾を演出。

い)逮捕後に別の同乗者によって殺害されたと主張する為に、男子と女子で殺害方法を変えた。

いずれにせよ、もしこんな事を咄嗟に考えついたとしたら、責任能力に問題は無いでしょうね。

投稿: ASKA | 2018/11/07 19:40

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