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2019/01/26

大阪府堺市あおり運転殺人事件(一審判決)

事件の概略
2017年7月、時速60キロ制限の一般道で、男性被告の車がバイクに追突し、乗っていた男性(当時22)が死亡した。被告の車についていたドライブレコーダーの映像では、男性のバイクに追い抜かれたあと、車のライトをバイクに当てる。その後、被告が車線変更すると、同じタイミングで車線変更したバイクに、何度もクラクションを鳴らし、パッシングを繰り返した。バイクがスピードを上げると、車もスピードを上げ、一番右の車線まで一気に移る。約80キロで走っていたバイクに約97キロで車は追突した。

 

追突から15秒後、車を停車させた被告は、「はい、終わりー」とつぶやいた。

 

1)検察は、法廷でドライブレコーダーの映像を何度も再生し、猛スピードで追跡したとしか見えないと指摘。
検察側は、口調は軽く、衝突した時には無言であわてた様子がないことから、意図せずに事故を起こしてしまった人とは思えないと指摘。「まれにみる殺人運転だ」。バイクをあおり、わざと追突していて、殺意があったと主張。懲役18年を求刑したとのこと。

 

2)被告は「妻を迎えに行くために腕時計で時間を確認していたら、気付くと前にバイクがあり、直前でブレーキを踏んだが間に合わなかった」などと主張。急いでいて追い越し車線に移っただけで、バイクをあおってもおらず、あくまでも「事故だ」と反論したとのこと。

 

被告はこの言葉(はい、終わりー)の意味について。「事故を起こすと仕事ができなくなるので、これからの自分の生活が終わったという事」と説明。殺意はなかったと主張したとのこと。

 

3)裁判長は判決理由で、被告はバイクに追い抜かれたことに腹を立て「急加速して追跡した」とした上で、減速すれば衝突を避けられたのに103~110キロで走行し、衝突直前には弱いブレーキしかかけていないと述べ、あおり運転の状況を認定したとのこと。

 

殺意については、当時は「衝突してもかまわないという気持ちで、あえて衝突した」と指摘。体が車体に覆われておらず、バランスを失いやすいバイクに衝突すれば、被害者を転倒させるなどして死亡させる危険性は高く、殺意が認められると判断したとのこと。裁判長は「あえて衝突させ、被害者が死んでも構わないという気持ちが表れている」と未必の故意による殺意を認定した。

 

被告の車のドライブレコーダーに残されていた「はい、終わりー」という音声については、「内容から(衝突は)想定内の出来事だったと推認される」と述べ、「軽い口調からは(自分への)悲しみや嘆きを吐露したと思えない」と指摘。「人の命を軽んじる度合いが大きい。怒りに身を任せて衝突し、殺害した」などと指弾したとのこと。

 

判決によると、被告は昨年7月2日、堺市南区の府道で、同市西区の大学4年、男性=当時(22)=のバイクに追い抜かれたことに腹を立て、死なせるかもしれないと認識しながらバイクに接近し衝突。頭蓋骨骨折などのけがをさせ、殺害した。

 

バイクへのハイビーム照射や複数回のクラクションは怒りによる威嚇。バイクに同調するように急加速、車線変更をしており、怒りに基づく意図的な追跡だったと認定。

 

バイクとの衝突を容易に避けられたのにそうせず、衝突しても構わないという気持ちからあえて衝突させたと認定。

 

バイクに追突すれば被害者が死ぬ可能性は高いことを十分認識した上であえて衝突させたのだから、瞬間的な殺意はあったと認定。

 

4)記者会見の遺族の話
母親:この日、傍聴席から見た被告は「ひとごとだというふうで、怒りしか感じなかった」
妹:「反省しているようには見えず、反省するふりをしようともしていなかった」
父親:「これまでの法廷で述べてきたことは、自分の身を守るための嘘で、人を殺したことを何とも思っていない」と怒りをあらわにした。

 

「これで息子が戻ってくるわけではないが」とした上で「こうした判例が出たことで、今後少しでもあおり運転で亡くなる人が減ってくれれば」と話した。

 

こんなところですね。
これまで、事件簿では取り上げていませんんでしたが、殺人と認定されたので概要を記録して起きます。

 

飲酒運転もそうですが、車と言うのはまさに、走る凶器なんですよね。
秋葉原通り魔事件などでは、積極的に車を凶器として使っています。

 

そう考えると、我々は毎日、路上で凶器を運転していると言う事になりますね。
これが、刃物を持って路上を歩いているなら、誰でもその危険性に気付くのでしょうが、車だと事故が起きるまで誰もその危険性に気付かない。

 

今回の事件の審理で重要な役割を果たしたのが、「ドライブレコーダー」になりますね。
もし、この記録が無かったら、この判決が出たか?は疑問ですね。
殺意の立証が難しかったと思います。

 

そう考えると、これからは身を守る為にドライブレコーダーは標準装備にした方がようさそうですね。
問題はあおり運転の場合、後ろからあおられる事もあるので、前方だけでなく、後方も記録できるようなドライブレコーダーの方が良いでしょうね。

 

追い抜かれた程度の事で腹を立てて殺意を持って、追突するような人間が、この世の中には結構、居るので運転される方は注意された方が良いでしょうね。

 

亡くなった男性のご冥福をお祈りいたします。

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コメント

まれな狂人ですが、ここまで発狂する理由がわかりません。
クルマがバイクに抜かれることはふつうにありますが、癇に障わることがあったのか?殺人罪しかないと思いました。

投稿: 空き地 | 2019/01/31 07:02

続報です。

弁護側は2月4日、懲役16年とした大阪地裁堺支部判決を不服として大阪高裁に控訴したとのこと。

空き地さんへ
まー普通ならあり得ないですよね。
しかも、自分の車のドライブレコーダーが証拠になる状況だし・・・

かっとなる性格なのか?ハンドルを握ると人格が変わるタイプなのか?
まー関わり会いたくは無い人なんですが・・・道路上では区別が付かないのが問題ですね。

あおり運転で逮捕された人には、車にあおり運転ステッカーとか張って見分けられるようにして欲しいですね。

投稿: ASKA | 2019/02/04 20:14

***控訴審判決公判(9月11日)***
裁判長は懲役16年とした1審大阪地裁堺支部判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。

検察側は控訴棄却を求めていた。

弁護側はブレーキ操作を誤ったことによる事故だったとして殺人罪は成立しないと主張した。

1審判決は、被告が被害者に何度もクラクションを鳴らすなど執拗な威嚇をした後、バイクとの距離が約10メートルになっても弱いブレーキしかかけず、時速100キロ近いスピードで衝突したと、あおり運転を認定した。その上で追突で被害者を死亡させる危険性は高く、殺意が認められると判断。殺人罪を適用し、検察側の求刑18年に対し、懲役16年の判決を言い渡した。

高裁判決は、被告の車のドライブレコーダー映像に被告がクラクションやパッシングを繰り返したり、衝突後に被告が「はい、終わりー」と言ったりしたことが記録されていたことなどから、被告に被害者が死んでも構わないという気持ちがあったとして、一審判決と同様に殺意を認めたとのこと。

控訴審の第1回公判の被告人質問では、被告は「尊い命を奪ってしまい申し訳ない。おわびしたいと思っている」と謝罪していたとのこと。

こんなところですね。
休養期間に控訴審が始まっていたようで、見逃していました。

一審同様に殺意が認定されました。
自分の車のドライブレコーダーに記録された「はい、終わりー」の一言が決定的な証拠になってしまうとは、皮肉な物ですね。

この事件を含めて、悪質なあおり運転が増えているようです。
なので、厳罰化へ向かう傾向になるかもしれませんね。

たとえ厳罰化されても、亡くなった被害者は生き返りませんから、まずは、被害にあわないような対応が個々のドライバーにも必要なんでしょうね。

投稿: ASKA | 2019/09/11 19:09

殺人罪に問われた元警備員、男性被告(41)の弁護側は17日、1審に続き殺意を認定し、懲役16年とした2審大阪高裁判決を不服として最高裁に上告したとのこと。

次は最高裁ですね。
ただ、状況を覆すような証拠や証言が無いと、結果を変えるのは難しいと思いますね。

投稿: ASKA | 2019/09/17 18:37

最高裁第2小法廷は7月31日付の決定で被告側の上告を棄却した。被告を懲役16年とした1審・大阪地裁堺支部の裁判員裁判と、2審・大阪高裁の判決が確定する。

これで刑が確定しますね。
バイクに追い抜かれた事に腹を立てて、殺意を持って追突した結果です。
この結果を被告はどう感じているんでしょうね。

まー、運転に限りませんが、腹を立てたら一度深呼吸をすると良いかもしれませんね。

亡くなった男性のご冥福をお祈りします。

投稿: ASKA | 2020/08/04 20:12

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