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2019/03/26

千葉県野田市小4女児虐待死事件その9(起訴)

1)女児が父親からの暴力を訴えたアンケートのコピーが父親に渡った問題をめぐり、学校がアンケートの実施を父親に伝えたとする内容が市職員の日誌の記録に記載されていたとのこと。学校は市の聞き取りに「伝えていない」と否定しているとのこと。

市はこれまで「父親がアンケートの存在を把握していたようで、閲覧と写しの提出を求めてきた。誰が父親に存在を知らせたのかはわからないが、学校ではない」と説明していたとのこと。

だが、市児童家庭課の職員が書いた記録を確認したところ、18年1月16日に12日の話し合いに出席した市教委の担当者から聞いた話として「学校側が11月のいじめアンケートのことを父に話してしまい、父から閲覧及び写しを渡すよう求めがあった」との記載があったとのこと。

市の聞き取りに市教委の担当者は「話した記憶がない」と否定したという。市は「記載の内容は会議前のやりとりで、誤りと判断している」としているとのこと。

2)面談の記録
面談は30年2月26日に男性容疑者の親族宅で実施。関係者によると、その際のやり取りが市の記録に残っていた。また、市教育委員会によると男性容疑者が翌27日、学校に「第三者が来ても娘を渡さないように」と求めていたとのこと。

市の記録によると、男性容疑者は訪問した児相職員3人に「娘と会わせないとの指示に法的根拠はあるのか。ないなら従う義務はない」と主張し、女児の帰宅を要求。男性容疑者の親族から「何も言わないんですか」と尋ねられた職員は「止めれば覆るんですか」と消極的な発言をした上で、「児相としていいとは言えない」と述べていた。

児相は27日、市に「女児は自宅に戻ったと思われる」と伝達。男性容疑者は同日、学校に「今後は妻が娘を送り迎えする」「第三者が来ても娘を引き渡さないように」と連絡していたとのこと。

3)一家は2017年8~9月、沖縄県糸満市から野田市に転居した。捜査関係者によると、2人はその後、1年ほど前から女児に断続的に食事を与えなくなり、数日間続けることもあった。これまでの2人の供述などから明らかになったという。女児は特別に痩せてはいなかったが、県警は周囲に発覚しないような形で続けたとみているとのこと。

4)県警は2月14日、父親で団体職員の男性容疑者(41)を女児への別の傷害容疑で再逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。

 発表によると、男性容疑者は昨年12月30日ごろ~今年1月3日ごろ、自宅で女児の両腕をつかんで体をひきずり、顔を浴室の床に打ち付け、胸や顔を圧迫するなどの暴行を加え、顔面打撲や胸の骨が折れるけがを負わせた疑いがある。捜査関係者によると、県警は母親の女性容疑者(32)も在宅し、男性容疑者の暴行を容認していた可能性があるとみて調べているとのこと。

男性容疑者は横たわる女児に膝でのしかかるなどしていたとのこと。

父親が残していた虐待の動画が動かぬ証拠となったとのこと。

骨折後も病院を受診させていなかったとみられるとのこと、県警は死亡に至った経緯についても調べている。

母親の女性容疑者(32)が「娘がけがをしても診療には連れて行かなかった」などと話しているとのこと。

5)千葉地検松戸支部は14日、男性容疑者の1月24日の傷害容疑を処分保留としたとのこと。

6)超党派の議員連盟は2月14日、児童虐待に対応する新たな国家資格の創設などを求める決議を根本匠厚生労働相に手渡したとのこと。

児童相談所(児相)などで虐待の相談支援を担う児童福祉司は国家資格ではなく、社会福祉士ら有資格者や、大学で心理学などを学んだ人が自治体に任用される。

議連会長の塩崎恭久元厚労相は記者団に、「(事件では)児童福祉司の専門性の問題が問われている。専門的な国家資格をつくるべきだ」と強調。厚労省は今後、有識者らによる専門委員会を立ち上げ、資格創設を検討する方針とのこと。

7)男性容疑者は千葉県野田市で育ち、長女の女児(10)が亡くなるまで通っていた小学校を卒業した。沖縄県には10年間ほど暮らし、同県出身の女性容疑者(32)と結婚。一度は離婚したものの2017年に次女(1)が誕生する前に再婚したとのこと。

17年8月に一家で野田市に転居し、18年4月、沖縄の観光振興団体の東京事務所に採用された。イベントの企画や運営にあたり、上司は「対外的にも丁寧で、至って実直だった。お客さんからお礼の連絡をもらうこともあり、評判も良かった」と評する。職場内でも協調性があり、他の職員への目配りも行き届いていたとのこと。

同じアパートに住む男性も「真面目で優しそうで、あいさつすると丁寧に返してくれた。マイカーで家族4人で出かけ、どこにでもいる仲のいい家族に見えた」と話したとのこと。

8)女児が2018年9月から3カ月余り、市内の親族宅で生活していたとのこと。冬休みに合わせ12月下旬に自宅に戻っており、同居再開を契機に虐待が激化した疑いがあるとのこと。

9)根本匠厚生労働相は15日閣議後の記者会見で、児童相談所や教育現場の対応を検証し、再発防止策を検討するプロジェクトチーム(PT)を厚労省と文部科学省が合同で設置すると発表した。同日夕に初会合を開き、5月末までに中間結果を取りまとめるとのこと。

10)県警は2月15日朝、女児の胸の骨を折ったなどとして再逮捕された父親の男性容疑者(41)を、千葉地検松戸支部に送検した。捜査関係者によると、男性容疑者は「覚えていない」などと供述しているとのこと。

11)松戸簡裁は2月15日、2月4日に逮捕された女性容疑者の勾留延長を認めた。

12)県警は2月25日、年末年始にも女児を暴行しけがを負わせた同容疑で再逮捕した父親の男性容疑者(41)に同調したなどとして、同容疑で母親の女性容疑者(32)を再逮捕したとのこと。

13)千葉地検は3月6日、父親の男性容疑者(41)を傷害致死と傷害の罪で起訴し、発表した。虐待と死亡に因果関係があると判断した。母親の女性容疑者(32)も傷害の幇助の罪で起訴した。認否は明らかにしていないとのこと。

起訴状などによると、男性容疑者は1月22日午後10時~24日午後11時8分ごろ、自宅で女児に食事を与えず、長時間立たせたり肌着姿で暖房のない浴室に放置したりして十分な睡眠を取らせなかった。24日昼には浴室で「5秒以内に服を脱げ。5、4、3、2、1」などと指示し、ボウルとシャワーで頭や体に冷水を浴びせたとのこと。

さらに夕方、リビングでうつぶせにさせた女児の背中に座り、両足をつかんで体を反らせた。夜には寝室に入ろうとした女児に「なんでいるの。ダメだから。ちょっと来い」などと言って再び浴室に連れ込み、シャワーで顔面に冷水を浴びせ続けるなどの暴行を加えたとのこと。

こうした一連の行為で女児を飢餓と強度のストレス状態に陥らせるなどし、ショックまたは致死性不整脈、溺(でき)水により死亡させたとされるとのこと。

14)女性容疑者は一連の暴行を制止せずに放置したほか、指示を受けて食事を与えないことで男性容疑者の犯行を手助けしたとされる。地検によると、女児を最終的に死に至らせた24日夜の暴行については関与が認定できないため、傷害幇助の罪としたとのこと。

時系列
男性容疑者の出身は千葉県野田市
2009年頃 両親が結婚、女児が誕生
2009年  一家が糸満市に転入
数年後に離婚
2017年頃 両親が再婚
2017年
07月   母親が出産の為、父親と女児が2人暮らし
07月07日 父親が沖縄の児相に娘を帰してくれないと相談
07月14日 父親のDVが疑われる事案として市が児相に相談
08月   一家が沖縄県糸満市内に住んでいた
09月   女児が沖縄から野田市の学校に転入。
11月06日 女児が学校でアンケートに回答する。
その後  当時通っていた市内の別の小学校で行われたアンケートの結果、容疑者からの虐待が疑われる事案が発覚。
11月07日 柏児童相談所が女児を一時保護、対象リストに掲載される。
12月27日 一時保護を解除、女児は親族宅で生活する。
12月28日 学校が一時保護解除を知る。
2018年
01月12日 容疑者が学校との面談でアンケートの閲覧を要求、学校側は念書を渡す。
01月15日 容疑者が女児の同意書を持って市教委にアンケートのコピーを要求、恫喝に屈して、コピーを渡す。
01月18日 市内の別の小学校から現在の学校に転校
01月頃  女児の自宅の近所で怒鳴り声が聞かれるようになる。
02月までに、児相が親族宅を2度訪問し関係者と面談
02月20日 市教委がアンケートのコピーを渡した事を「要保護児童対策地域協議会」の会議で配布した資料で報告。
02月26日 児相職員が親族宅で男性容疑者と面談、男性容疑者が女児の書面を提示した。男性容疑者が「きょうで娘を連れて帰る」と発言。
02月27日 児相から市に「女児が父のもとに帰っている可能性が高い」と報告。
02月28日 児相が女児を自宅に戻す決定をする。
03月02日 児相が死に再度一時保護の可能性を報告。
03月上旬 女児が自宅へ戻る。(実際には2/26に戻っていると思われる)
03月19日 児相が女児と面談、書面は書かされたと知る。この時、女児から戻った時期を聞いた。
04月   4年生になり半年間クラス委員長を務めた
     父親がOCVBの東京事務所に嘱託職員として採用される。
09月   女児がしないの親族宅で生活を始める
12月   小学校の保護者面談で聞き取りせず
12月21日 女児の最終登校日
12月22日頃 冬休みで女児が自宅に戻る。
2019年
01月07日 始業式から女児は不登校、男性容疑者が学校に嘘の説明をする。男性容疑者が初出勤
01月11日 男性容疑者が2月4日に登校させると学校に連絡
01月21日 小学校が児相に長期欠席を連絡。男性容疑者が体調不良で仕事を早退
21日以降は男性容疑者はインフルエンザを理由に欠勤
01月22日 24日まで断続的に女児を立たせ続ける。
01月24日
10:00頃 立たせたりの虐待を始める
23:10頃 110番通報により、事件発覚
23:20頃 救急隊が駆けつけたが、女児の顎などに軽度の死後硬直が生じていた。
01月26日 容疑者を千葉地検松戸支部に送検
02月04日 母親を共犯として傷害容疑で逮捕
02月05日 母親を送検
02月14日 父親を別の傷害容疑で再逮捕
02月15日 父親を送検
02月25日 母親を別の傷害事件で再逮捕
03月06日 両容疑者を起訴

こんなところですね。
今回の報道で一番気になったのは、冬休み前の3ヶ月間、女児が親族宅に預けられていたと言うのはどういう事なんだろう?と思うわけです。

児童相談所にまで食って掛かるような男性容疑者が、親族には女児を預けたと言う事なんだろうか?
そう、一家が妻の実家のある沖縄から野田市に転居した理由が分かりませんでしたが、男性容疑者自身が野田市の出身だったんですね。その結果、野田市には男性容疑者の親族がいたと言う事なんでしょう。
一時保護の時も親族宅で生活する事を条件に一時保護を解除しているんですよね。
児相との話し合いも、親族宅で行われたようですから、この親族が、同じ親族なら事情を良く知っていたと言う事なんでしょうね。

で2月26日の面談の時にも、親族が「児相に何も言わないのですか?」と促しているので、多分、この親族は女児を自宅に戻すのは反対していたのだろうと思います。

で、その後、冬休み前の3ヶ月間、女児を預かっていた事を考えると、この親族は男性容疑者に対して、大きな影響力を持っていたと思うんですよね。だから、2月26日の面談で、「児相が絶対にダメ」としていたなら、この親族が児相の味方になり、女児を引き留める事ができたのかもしれません。

まー、タラレバになってしまいますけどね。

その意味では、児相はこの親族とも事前に相談して、面談では男性容疑者を説得してくれる様に依頼するなど、方法はあったと思うのですが・・・経験不足だったのかな?

それから、もう一つ、政治家の方々が資格を作ろうと言う動きをしているようですね。
「児童福祉司の専門性の問題が問われている。専門的な国家資格をつくるべきだ」
と言う事なんですが、「専門性って何ですか?」と思わず聞き返したくなります。

資格が取れる事と、仕事が出来る事、その仕事に適正がある事は別だと思うんですよね。

多分、この児童虐待の問題の現場では、色々な意味で社会の暗黒面を垣間見る事になると思います。
大学などと協力して、早い時期に情熱を持って仕事に取り組めて、適正のある人材を見つけて育成する事を優先した方が良いと思いますね。

資格を取ったから、「今日から仕事ができます」ってわけじゃないでしょ?
専門性と言うのは、現場のOJTで育成される物の方が、テキストで覚える事よりも身につくと思うんですよね。
それに、人間相手の仕事はマニュアル通りに行かない事もありますよね。

その上で組織的な取り組み、法律やルールの整備が必要だと思います。

次回に続く


参考リンク
千葉県野田市小4女児虐待死事件その8(動画)l
千葉県野田市小4女児虐待死事件その10(虐待の詳細)

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