« 北海道札幌市2歳女児虐待死事件その4(7月23日までの報道) | トップページ | 埼玉県蕨市男子高生殺人未遂事件 »

2019/08/29

埼玉県熊谷市ペルー人連続殺人事件その5(控訴審)

*** 控訴審第一回公判(6月10日)***
 
弁護側は改めて無罪を主張した。
検察側は控訴棄却を求めた。
 
被告は開廷後はうつむいたままで、人定質問にも答えなかった。
 
人定質問の後
被告の精神鑑定を行い、1審にも証人として出廷した医師の証人尋問が行われた。
 
医師は「事件前、統合失調症を発症していたのは間違いない」とした上で、犯行について「犯行時に病状がなくなってしまうのは考えにくい」とした。また、「今、事件について語ることができないのは、病状が悪化しているからだ」としたとのこと。
 
弁護側の依頼で精神鑑定をした医師が出廷し「被告は事件当時、(妄想によって)何かからの脅威を感じていた」と証言したとのこと。
 
*** 控訴審第二回公判(8月1日)***
 
被告の訴訟能力の有無について調べる被告人質問が行われ、被告は「私を殺せばいい」などと供述する一方で、事件とは無関係の発言や質問とかみ合わない回答を繰り返したとのこと。
 
弁護側の質問には「地獄に住んでいる」「日本は病気だ」などと回答し、外国の人物の名前を連呼するなどしたとのこと。
 
検察官から出廷した理由を聞かれると「連れて来られた」と発言。死刑判決については「私は身体的ダメージだけでなく精神的ダメージも受けている。私がやることについて私は責任を持てない」などと話したとのこと。
 
被害者遺族の代理人弁護士が、改めて謝罪の意思について問うと、「どうしてですか。日本が謝らなければならないです」と話し、謝罪の意思を示すことはなかったとのこと。
 
最後に裁判官から「死刑判決を見直すかを検討する手続きが行われていることを理解しているか」と問われると、「もし私が6人殺しているなら、私を殺せばいいんじゃないですか。そうすれば家族が全員天国に行ける」と供述したとのこと。
 
こんなところですね。
一審で死刑判決が出ているので、自暴自棄になっているのか、かなり投げやりな印象ですね。
精神科医の診断で現在も統合失調症との事で、その影響もあるのか?
このあたりはなんとも言えないですね。
 
一つ言えるのは、傍聴されている遺族の感情としてはやるせないでしょうね。
 
第一回公判が6月で第二回が8月ですから、2か月に一度のペースだとすると、次回は10月になるのかな?
公判の行方に注目しましょう。

参考リンク
埼玉県熊谷市ペルー人連続殺人事件その4(公判開始)

|

« 北海道札幌市2歳女児虐待死事件その4(7月23日までの報道) | トップページ | 埼玉県蕨市男子高生殺人未遂事件 »

コメント

*** 控訴審第三回公判(9月10日)***

1)検察側
「殺害を実行する場面では、犯罪という認識があった」と控訴棄却を求めた。

別の報道では
一審判決に事実誤認があるなどとする弁護側の主張を否定したとのこと。「事実誤認はなく正当。弁護側の主張はいずれも失当である」として、完全責任能力を認めた一審死刑判決の維持を求めたとのこと。

2)弁護側
統合失調症の影響で被告は、心神喪失の状態だったと改めて無罪を主張した。

別の報道では
「被告は実効的なコミュニケーションを取ることができず、利害を弁別し自身を防御することもできない」と被告の訴訟能力を否定したとのこと。責任能力についても「各犯行に統合失調症の妄想が大きく関係している」とした上で、「ただちに無罪を言い渡すか、公判手続きを停止するべき」と主張したとのこと。

3)妻と2人の娘を亡くした男性(46)の意見を陳述。
「控訴審での被告は、言葉数も多く、『なぜこんなに元気なんだ』とむなしさと怒りが込み上げた。妻と娘は生き返らないのに、これほどの理不尽はない」と憤りを示し、「私の望みはただ一つ、被告人が死刑になることです」とはっきりとした口調で述べたとのこと。

男性は閉廷後、報道陣に「控訴審での被告人質問では、自分が裁判を受けているということを分かっているようだった。今のタイミングで被告に質問したかった」と話したとのこと。

4)今回の公判で結審した。

5)判決の期日は後日決定するとのこと。

こんなところですね。
弁護側の主張している統合失調症による責任能力については、一審でも「犯行時も現在も統合失調症だった」と言う証言がでても、完全責任能力が認められているので、控訴審では「訴訟能力が無い事」を前面に出して主張しているのかな?

ただ、一審の「現在も統合失調症」と言う証言があっても公判は停止されていませんから、やはり、それらを強く肯定するような新たな証言や証拠が無いと、一審判決を覆すのは難しいかもしれませんね。

判決を待ちましょう。

投稿: ASKA | 2019/09/11 19:29

*** 控訴審判決公判(12月05日)***

1)高裁は死刑とした一審・さいたま地裁の裁判員裁判の判決を破棄し、無期懲役を言い渡した。減刑の理由について「犯行は統合失調症に影響されていて、被告は心神耗弱の状態だった」と述べました。

2)被告が群馬県の食品加工会社で孤立し、「スーツの男に殺される」などと言って寮を離れた経緯や精神鑑定を踏まえて、被告には統合失調症による「被害妄想」があったと認定した。

その上で、「被告人の刑事責任は極めて重大であり、責任能力について考えなければ、極刑をもって臨むほかない事案である」とした上で、心神耗弱による減軽をして無期懲役を言い渡したとのこと。

3)ただ所持金が底を突いて強盗に入るなどの「目的に沿った行動をとっている」として、精神病が責任能力に著しい影響を与えたとまではいえないと判断したとのこと。

4)被害者代理人を務める弁護士は「妄想だけでは説明しきれない犯行」と指摘。1、2審とも、責任能力については弁護側が請求した医師の証言しか取り調べられなかったとして「検察側の証人も尋問すべきだった。非常に不公平だ」と批判したとのこと。

5)判決を言い渡した瞬間、遺族らは驚きの声を上げ、声を殺して泣く人もいた。遺族は閉廷後、直ちに検察側に上告するよう求めたとのこと。

高裁判決は無期懲役となりました。
罪の無い6人を殺害しているので、責任能力が認められれば、死刑は当然と言う事なんですが・・・
一審判決を覆して、責任能力に問題あり(心神耗弱の状態)との判断となりました。
ただし、精神病が責任能力に著しい影響を与えたとまではいえないと判断と言うのがよくわかりませんね。

統合失調症の影響がゼロでは無いから、心神耗弱として減刑しますと言う解釈で良いのかな?
一審判決の理由で
遺体を人目につかない場所まで移動させて隠したり、血痕が付いた可能性がある上着を着替えたりするなど「証拠隠滅に意を払う冷静な行動も取っている」とも指摘。精神障害は事件に間接的な影響を与えるにとどまっていたとして完全責任能力を認め、弁護側の主張を退けたとの事。

なので、統合失調症についての判断が180度違うんですよね。
一審では間接的な影響で、完全責任能力を認め、2審では影響はゼロでは無いとして心神耗弱としています。
これは、同じ事柄についての判断が1審と2審で180度違うと言う事になっています。

逆に言うと、裁判長の志向によって変わる部分と言うことになるので、上告審でも覆る可能性があると言う事なんだろうと思います。

と思っていたのですが・・・検察側は上告を断念しました。
一方の弁護側が無罪を主張して上告しています。こによって無期懲役以下の判決が確定したと言うことですね。

こうなると、やはり、裁判員裁判は不要と言うことなるんじゃないかな?
少なくとも、極刑が予想される裁判では、裁判員制度で実施する意味が無いと思います。裁判員の負担が大きいだけで意味が無いので、止めた方が良いと思いますね。

最高裁の判断に注目しましょう。

投稿: ASKA | 2020/02/14 20:35

弁護側は心神喪失を主張して上告していましたが、最高裁は9月10日までにこれを退ける決定をしたとのこと。
被告に対する無期懲役の判決が確定する。

2015年の事件から刑が確定するまで5年ですね。
一審の死刑が二審で無期懲役になり、最高裁では上訴棄却(控訴棄却?)です。

裁判員裁判に疑問を感じるような事件でした。

亡くなった方のご冥福をお祈りします。

投稿: ASKA | 2020/09/10 18:23

そもそも死刑制度の是非を国民の考えを求めるものとして始まったのが裁判員制度であると思っています(私論です)。国や裁判所は他先進国に習って死刑を廃止したい、先ずは国民に伺いを立ててと思ったが、いざ始まると国民意識は被害者側に寄り極刑を望むことになる。これが現状でしょうか。

投稿: 亀さん | 2020/09/12 00:14

亀さん、こんにちは

そうですね、日本人と言うのは武家社会からの「切腹」などのイメージが強いのか、「命をもって罪を償う」と言う印象が強いのかもしれませんね。

そのあたりの意識の差をどうやって埋めていくのか、裁判員制度をどうするのか?と言うのが、司法の課題かもしれませんね。

投稿: ASKA | 2020/09/20 13:25

最高裁第1小法廷が9月24日付で、上告棄却に対する被告の異議申し立てを退ける決定をした。
無期懲役が確定しました。

投稿: ASKA | 2020/09/30 22:22

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 北海道札幌市2歳女児虐待死事件その4(7月23日までの報道) | トップページ | 埼玉県蕨市男子高生殺人未遂事件 »