福岡県小郡市警察官家族3人殺人事件その3(一審判決)
***論告求刑公判(12月2日)***
1)検察側は「極めて悪質な事案」と非難し、死刑を求刑した。
検察側は論告で、「現職警察官が何の落ち度もない家族を皆殺しにした極めて衝撃的で重大、悪質な事案」と指摘。証拠隠滅や反省の態度が一切ないなど悪質さも高いとし、「死刑の選択はやむを得ない」と述べたとのこと。
別の報道では
検察側は、被告が事件後に普段通りに出勤し、他人の犯行であるかのように振る舞ったとして「無理心中とは全く異質の身勝手かつ自己中心的な犯行」と主張。また、3人が数分間にわたり首を絞められて殺害されていることから「強固な確定的殺意に基づく、冷酷かつ残忍な犯行だ」と非難したとのこと。
これらの悪質性を踏まえ、事件に計画性が認められない点や、殺害の動機が明確になっていない点が死刑回避の理由にはならないと強調したとのこと。
さらに、事件後に3人の遺体をつなぐようにライターオイルをまいて燃やすなど証拠隠滅を試みたと主張し、遺族の厳しい処罰感情などからも、3人が死亡した他の殺人事件と比較し死刑が相当と結論付けたとのこと。
2)意見陳述に立った妻の母親は「死刑を望みます」と述べたとのこと。
「娘と一緒に子供の成長を見守るはずだった。3人を返してください。悔しくてたまらない」と訴え、厳しい刑を求めたとのこと。
3)弁護側は、仮に犯人であるとしても計画性はなく「死刑は回避されるべき」と主張したとのこと。
別の報道では
弁護側は過去の判例から、殺害への計画性の有無は、死刑かそれ以外かを分ける大きな点であると主張したとのこと。その上で、事件後の証拠隠滅行為も場当たり的で計画性はなく、現職警察官が逮捕されたとはいえ「職務犯罪ではなく、被告が権限利用した犯罪とは異なる」と指摘。「死刑にして社会からの永遠の排除とすべき根拠とはならない」と訴えたとのこと。
4)被告は「適切な判断をお願いします」と述べて審理は終結したとのこと。
5)判決は12月13日の予定。
***判決公判(12月13日)***
一審判決は死刑(求刑死刑)
1)判決理由で、仮に第三者の犯行だとすると、この時間に自宅にいた被告に「気付かれることなく3人を殺害したとは考えられない」とし、周辺の防犯カメラ映像や自宅の指紋状況などからも第三者侵入の可能性を排除したとのこと。
福岡地裁は「外部犯が被告人に気付かれることなく3名を殺害し、被告人にだけ危害を加えないということは考えられない」などと指摘した。
その上で、被告の左腕に妻が抵抗した際に付いたとみられる傷があり、妻の右手薬指の爪の間から採取した微物が被告のDNA型と矛盾しないことなどは、妻を殺害した犯人と裏付けるものだと指摘したとのこと。
動機は「不明」としつつも、被告が妻から日常的に叱責されるなどしていたことを踏まえ「何らかのきっかけでこれまでの鬱憤を爆発させ、衝動的に犯行に及んだとみるのが自然」と述べたとのこと。
さらに、妻が日ごろから熱心に子育てに取り組み、事件以降の子供の予定も入れていることなどから、妻が子供2人を殺害した可能性も否定したとのこと。
「妻を殺害した被告が冷静さを欠いた心理状態のまま衝動的に子供たちを殺害したという想定は可能」と判断したとのこと。
また、3人の遺体をつなぐようにライターオイルをまいて火をつけた痕跡があることについて「証拠隠滅を図ろうとしたと推測できる」と指摘。「現職警察官が妻子3人を殺害したという衝撃的な事件で社会的影響も軽視できない」と指弾し、「計画性は認められないとはいえ、死刑の選択は免れない」と結論づけたとのこと。
判決では被告の主張は「事実に反する虚偽の供述」などと断罪され、ことごとく退けられたとのこと。
裁判長が子2人について「無限の可能性のある未来を突然閉ざされた」と指摘したとのこと。
2)妻の遺族のコメント
判決については、私たちの意見と異なることはありません。
しかし、殺害された理由や、詳しい事実が結局わからないままになった点については、到底納得がいきませんとのこと。
「いまはただ、3人の思い出と共に静かに過ごしたいと願っております」とのこと。
3)被告は判決に対し、即日控訴している。
こんなところですね。
一審判決は死刑となりました。
まー警官でなくても、3人殺害ですから、普通に死刑ですよね。
なので、犯人と認定されたら、汲むべき事情がなければ死刑は当確だと思います。
なので弁護側としては完全無罪(冤罪)を主張する以外に方法が無かったのかもしれませんね。
外部犯行が否定されてしまうと、他に犯行が可能な人物はいないわけで、ここを抑えた検察側の勝利と言う事でしょうか。
事件自体については、この手の事件は結構ありますね。
2010年3月の宮崎市花ケ島家族3人殺害事件
夫が同居する妻とその母親、そして生後6か月の男児を殺害した事件でした。
この事件でも、給料が安いなどと責められて日常的に鬱憤を貯めこんだ末の事件ですね。
判決も死刑でした。
最初は互いに好いて結婚したのに、その後に関係を壊して、一方的に鬱憤をため込んでしまうと言う状況になると、この鬱憤をうまく処理できなければ、離婚するか、残るは事件を起こすかしかないのかもしれませんね。
今回の事件だと
残業と嘘を言って、パチスロとか、まーありそうな話ではあるんですが・・・
子供は9歳と6歳、6歳の小学1年生だとまだ、目は離せないから、母親としては早く帰宅して家事や育児を手伝って欲しいと言うのはありますよね。
それから、事件当時の報道などでは、転勤が多かったと言うのもあり、母親としては子供の学校などの事もありますから、不満につながる事ではありますよね。
事件当時の報道では、「妻とは不仲で子育てで口論になった」と言うのもありますね。
公判の中でも離婚話になったと検察側が指摘してますね。
で、裁判の報道でははっきりしませんが、事件直前の昇進試験に落ちた件が、口論のきっかけだったのかな?
弁護側は妻は結果を知らなかったと主張していましたが・・・
この点は微妙かな・・・でも、普通に給料を上げるなら出世するしかないので、その為の昇進試験と考えれば、家族の為に「がんばってよ」と妻が思っても不思議じゃないですよね。
私としては、そんな事で子供を含めた家族を殺害してしまうと言うのは理解できませんけどね。
判決が出たので、被告人の犯行だとすると、公判では話題に出てないかったのか、紙面の都合で記事にされていないのかわかりませんが、事件後の被告の偽装工作がすごいですね。
多分、考え付く限りの偽装工作をしていると言っても良いのではないかな?
このあたりは、事件当時の報道を見てもらった方が良いと思います。
身内に自殺と通報したと捏造したり、携帯に電話したりと細かい事を沢山してますよね。
突発的な事件だったのに、良く思いついた物です。仕事がらなんでしょうか?
そのあたりと、今回の全面無罪の主張を考えると、悪質と言う印象はぬぐえませんね。
まー死刑回避の為に全面無罪の主張をするのはアリかと思うのですが・・・犯人と断定されてしまうと、全くの嘘だったのね!って事になりますからね。
「家族のためにもう一度捜査して犯人を捕まえてほしい」これなんて、どの口が言っているんだって事になりますから、裁判って怖いんだなと思ってしまいます。
それでも被告人質問で
「やり直せるなら事件が起こらないように事件の前日に戻りたい」と言うのは本心なのかもしれませんね。
とりあえず、この事件を防ぐとしたら、夫婦でも、執拗に叱責したりすると、鬱憤が溜まって暴発してしまう可能性があるので、ほどほどにしておくのが良いのかな?
でも、それで不満の原因(生活態度)などが変わらない場合は、身近な人に相談するとかなのかな?
誰に相談するのか?と言うのが難しいところかもしれませんね。
亡くなった3人のご冥福をお祈りします。
亡くなった3人のご冥福をお祈りします。
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コメント
事件とは直接関係は無いですが、警察組織すべての改革が必要かと思います。特に様々な事件に向き合いストレスにさらされる現場警察官について今一度考えるべきかと思います。強靱な耐力でストレスをはね飛ばし発散する者もいれば、内に溜める者もいます。既に行われていれば幸いですが適材適所に合った人事マネジメントや昇進が施されれば。。。
投稿: 亀さん | 2019/12/21 23:39
極めて悪質ですな
即執行してあの世へ家族らに詫びさせるよりないですね
投稿: AKICHI | 2019/12/24 18:38