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2020/01/05

東京発のぞみ265号無差別殺傷事件その5(一審公判)

長文注意
長いので二つに分けました。
 
***初公判(11月28日)***
 
1)起訴状などによると、被告は昨年6月9日午後9時45分ごろ、新横浜―小田原間を走行中の「のぞみ265号」車内で、隣席の20代女性2人をなたで切りつけて負傷させ、助けに入った兵庫県尼崎市の会社員、男性(当時38歳)の首などを切って殺害したとされる。
 
2)被告は「確かに私は窓際に座っている人を殺そうとしましたが、残念にも殺しそこないました」「確かに私は通路に倒れた人を殺そうとして、見事に殺しきりました」と述べ、起訴内容を認めたとのこと。
 
3)神奈川県警の調べに対し、「刑務所に入りたかった。他人が決めたルールで生きる方が楽だと思い、無期懲役を狙った」などと供述していたとのこと。
 
4)検察側は冒頭陳述で、被告はストレスが原因で仕事をやめ、母方の祖母と同居していたが、家庭内のトラブルで家出していた昨年3月、祖母から「これだけ心配しているのに、いなくなったと思えばいいのか。とにかく帰ってきなさい」という電話を受けて縁を切られると思い込み、「一生刑務所にいられるような重大な罪を犯そう」と決意したと主張したとのこと。
 
別の報道では
直接のきっかけとして、養子縁組をしていた祖母が、事件およそ3カ月前にかけた電話を勘違いしたことをあげたとのこと。
 
検察によると、家出していた被告がなかなか帰ってこないことを心配した祖母が電話で、「いない存在だと思えばいいのかな」と話したことを、被告は「養子縁組を解消する」という意味に捉えてしまったとのこと。
 
5)弁護側は起訴内容に争いはないとしたうえで、事件に至る背景事情に考慮して量刑を決めるよう求めたとのこと。
 
6)法廷で、犯行に使ったナタやナイフを見せられた被告はナイフについて、「もういらないか?」と聞かれると、「(ナイフは)曲がっておりますし、有期刑になってまた出所したら、人を殺すハメになり新しいものを買うので、それはいりません」と答えたとのこと。
 
7)被告に襲われ、けがをした女性は、供述調書で「命をもって償ってほしいし、外に出てきてほしくない」などと訴えたとのこと。
 
***第二回公判(12月3日)***
1)検察側が父親の供述調書を読み上げ、「家出に疲れてきた頃に祖母から意に沿わないことを言われそれが重なり事件を起こしてしまったのかなと思う」「父親として息子に命の大切さを教えることができなかった。 とにかく申し訳ない気持ちでいっぱい」と述べたとのこと。
 
2)弁護人に動機を問われると「刑務所に入るのが子どものころからの夢だった」「ホームレスをしていた去年3月に無差別殺人を計画した」と話しました。また、新幹線を犯行現場に選んだ理由について、「パッとひらめいて他に手段を考えなかった」と話したとのこと。
 
3)被告は自分の席の隣に座っていた女性を最初に襲った理由について、
 
「窓際にいる人を確実に1人は殺せるだろうと思って、通路側の席を選んだ」(被告)
 
その一方で、「3人殺したら死刑になるので、2人までにしようと思いました」などとも語ったとのこと。
 
4)父親の調書が読み上げられました。被告が中学生のときに、「水筒が欲しいと言われて中古の水筒を与えたら、包丁や金づちを投げつけてきた」と調書の中で明らかにした。
 
「少年院に入れると思って、父親にトンカチを投げて、包丁を向けました。刑務所に入ることが子どもの頃からの夢だった」(被告)
 
また、自殺願望があるか問われた被告は、「子どもの頃からの夢である刑務所にもう少しで入れるでしょうから、全くありません」などと語ったとのこと。
 
裁判長から「質問だけに答えて下さい」と注意を受けたとのこと。
 
5)検察側が、誤解して犯行を決意したと指摘する祖母からの帰宅を促す電話の内容については、「私から何も申し上げることはない」と述べたとのこと。
 
6)被告は、「去年3月に家出先の長野県内の公園で無差別殺人の計画を立てた」「凶器のナタとナイフは祖母のキャッシュカードを使って買った」などと犯行の準備について言及しました。また、事件の前には餓死による自殺も考えたと話した被告。現在の心境を問われると。
 
「間もなく子どものころからの夢だった刑務所に入れるでしょうから今は死にたいとは全く思っておりません」と述べたとのこと。
 
7)証人尋問では、事件が起きた新幹線に乗務していた車掌長の男性が、犯行時の被告の様子を「倒れている被害者に馬乗りになり、首と肩に何回もなたを振り下ろしていた」「制止しようと『やめてください』と声をかけたが、反応はなかった」と証言したとのこと。
 
8)被告人質問で被告は「(被害者の)首を切り落とそうと思って、集中的にねらった」などと殺害時の状況を語ったとのこと。
 
9)被告は、刑務所や少年院に入る願望をかなえるため、中学生ごろには父親へ包丁やトンカチを投げつけたほか、コンビニで万引を試みたことを明らかにした。16年ごろには自殺願望を抱くようになり、「ホームレスになって餓死するか、精神科に入院するか、刑務所に入るかの3択しかなかった」と話したとのこと。
 
***第三回公判(12月4日)***
 
1)被告は検察官に犯行を決意したきっかけを問われて「祖母との電話で犯行を決意した。刑務所に入っても問題ないと思った」と話しました。逮捕後の取り調べでは「祖母に養子縁組を解消すると言われた」と供述していましたが、裁判で内容を問われると「祖母が何を言ったかは申し上げられません」と黙秘したとのこと。
 
2)検察側の被告人質問で、被告は、「家出をしてから衰弱していて人を殺せる状態ではなく、体力を回復させるための時間が必要でした」と計画から、約3カ月後に事件を起こした理由について述べたとのこと。
 
さらに、「隣に来たのが子どもだろうと、老人だろうと人間だったら殺そうと思っていた」と強固な殺意を語ったとのこと。
 
3)検察側の被告人質問で被告は「刑務所に入ることが子どもの頃から夢だった」「無期懲役で永遠に入っていたい」などと述べました。
 
また、犯行の状況を問われると、時折、笑みを浮かべながら「問答無用でナタをたたき込みました」「よし、人を殺せたぞ!と思いました」などと身振り手振りを交え、説明したとのこと。
 
4)検察側の「葛藤はなかったのか?」との質問に対しては、「関係ない人を殺すのはいけない」「もっと簡単に無期懲役になるのではと考えたが、自分の欲望を優先させた」などと述べたとのこと。
 
5)精神鑑定した精神科医の証人尋問
医師は、被告が他者を信じないよう性格が著しく偏った猜疑性パーソナリティー障害と診断。原因として元来の特性や幼少期からの両親との関係を挙げた。一方、事件は刑務所に入るために合理的に考えた手段で、正常な心理状態で起こしたとしたとのこと。
 
別の報道では
被告は、他者が自分を攻撃しているなどと感じる「猜疑性パーソナリティー障害」に該当し、犯行動機の形成に影響を与えた可能性を示唆した。しかし、犯行は計画的で、意識障害や妄想によるものとは認められず、「正常の心理で行なったものと変わりなく、被告人の精神状態が犯行に影響を及ぼしたものではない」と証言したとのこと。
 
更に別の報道では
「被告は猜疑性パーソナリティー障害があり、自分が攻撃されていると思う傾向が顕著」と述べた。元々自閉的でコミュニケーションに支障があったが、家族らの理解が乏しく、次第に増幅したものではと分析。医療だけでなく社会全体がどう支えるかが問われると指摘したとのこと。
 
6)車内で女性2人をなたで襲い、助けに入ろうとして倒れた男性を殺害したとされる。被告は男性を襲った理由を「倒れている方が殺しやすいと思った」と説明。車掌が止めたのに襲い続けたことを尋ねられると「まだ生きていると思ったから」と答えたとのこと。
 
別の報道では
「倒れている方が殺しやすい」。仰向けに倒れている男性を襲うことにした。
 
馬乗りになると、男性は「待て、話を聴け」と訴えた。「問答無用でなたを振り上げ、首にたたき込みました」。男性はしばらく経つと動かなくなった。「よし、人を殺せたぞと思いました」。法廷内に響き渡る声で、被告は言ったとのこと。
 
7)被告は「3人殺すと死刑になるので、2人までにしようと思った。1人しか殺せなかったら、あと何人かに重傷を負わせれば無期懲役になると思った」と話したとのこと。
 
8)新幹線で通路側の席に座った理由は、窓際の席に座った人の退路を断つとともに、「すぐに次の標的に向かいやすいため」と説明。窓際の席に座るのが、「男だろうと女だろうと、子供だろうと老人だろうと、人間だったら(殺して)やりました」などと述べたとのこと。
 
検察側が「なぜ、刑務所の暮らしが外よりいいと思うのか」と質問すると、「いいところを言うと、いいところが変えられてしまうかもしれない」と、説明を拒んだとのこと。
 
9)両親や祖父母をどう思っているか問われると「黙秘します」と繰り返したとのこと。
 
***第四回公判(12月5日)***
1)亡くなった男性の妻の調書が読み上げられ、事件が起きる数分前まで夫と「LINE」でやり取りをしていたことを明かし、「思いやりがあり周囲の誰からも愛される正義感の強い人でした。 二度とこのような事件が起きないようにするための判断をしてほしい」と訴えたとのこと。
 
事件発生の約10分前、夫へ送った「LINE(ライン)」のスタンプに「既読」と表示されたのを最後に返信がなくなり、心配していた。警察署で対面した夫は包帯が巻かれ変わり果てた姿で、目の前のことが現実だと実感できなかったとのこと。
 
「どんなに犯人を憎んでも帰ってこない。憎んだり考えたりしても意味がない」と喪失感を表したとのこと。
 
また母親の調書では男性を「最高の息子」と表現し、「こんなに理不尽でめちゃくちゃな話が世の中にあるのでしょうか」と悲痛の思いが語られました。 さらに「社会に出たらまた罪を犯してしまう」と話す被告に対し、「そのようなことを考えているうちは、何があっても二度と社会に出さないでほしい」としたとのこと。
 
10)被告人質問で、検察側に被害者やその家族への謝罪の気持ちを問われ、「一切ない」と述べたとのこと。
謝罪しない理由について「(無期懲役なら)謝罪すれば仮釈放されてしまうから」と話したとのこと。
 
別の報道では
被告は謝罪の気持ちは「一切ない」と述べ、遺族への思いを聞かれても、「私が刑務所に一生入っている(ことの)方が、優先されるべきと考えた」と述べたとのこと。
 
更に別の報道では
裁判長「もしも大切な人が殺されたらどのような気持ちになりますか」
 
被告「犯人を許せない、愛する人を絶対に守らなくてはと思います」
 
裁判長「犯行は極めて身勝手で自己中心的だと思いませんか」
 
被告「私もそう思います」
 
裁判長「罪を償う気持ちはあるんですか」
 
被告「無期懲役の中でできることはしますが、それ以外のことでは償う気持ちはありません。」
 
10)検察側から死刑になることは考えないのか問われると「死刑になるかもしれないと聞かされ、すごくおびえている」と返答したとのこと。
 
別の報道では
「死刑になるかもしれないと弁護士から聞いておびえております。自分の命が惜しくてたまりません」と述べたとのこと。
 
11)検察官 「もし無期懲役になって仮釈放となり、いつか社会に出たら、そのあとはどうしますか?」
 
被告「なるべくそうならないよう努力しますが、もしそうなったら、またなにがしかの殺人を犯そうと思っています」と返答した。
 
***論告求刑公判(12月9日)***
1)「犯行は強固な殺意に基づいたもので、反省の態度はなく再犯は必至と考えられる」として、無期懲役を求刑した。
 
2)検察側は論告で、動機に酌量の余地はなく、遺族や被害者に与えた精神的影響は大きいと述べた。被告は公判で「一生刑務所に入りたい」と考えて事件を起こしたと主張。無期懲役を望む発言をしていた。検察側は無期懲役を選択した理由として、成育歴や家庭環境、事件時に若年であったこと、事件のきっかけに人格障害の影響が否定できないことを考慮すべきだと指摘し「極刑(死刑)がやむを得ないと言い切ることはできない」と述べたとのこと。
 
別の報道では
検察側は論告で、被告の「一生刑務所に入りたい」という身勝手な動機に基づいた悪質な犯行と指摘し、「落ち度のない被害者を狙った計画的な無差別殺人で『暴力テロ』というべきものだ」と強調したとのこと。
 
3)被告は最終意見陳述で「有期刑になれば刑期を終えて出所し、必ずまた人を殺す」「無期刑になったら二度と社会に戻ってくることがないよう全力を尽くす」などと一方的な主張を展開。どのような判決でも控訴はせず「死刑になったら潔くあきらめる」とも述べたとのこと。
 
4)重症だった女性の意見陳述
「事件後は1人で外出できず、新幹線は二度と乗れない乗り物になり、大好きな旅行にも行けなくなった。心は一度死んだ」と意見陳述したとのこと。
 
「私の心は一度死にました。(被告を制止しようとして)亡くなった男性への罪悪感、悲しさ、襲われる恐怖感はなくなりません」と述べたとのこと。
 
5)最終弁論で弁護側は「長期の服役で反省することは十分に期待できる。過剰に重い刑を科すことは適切ではない」と主張したとのこと。
とりあえず、論告求刑まで
相当ショッキングな公判になってますが・・・ちょっと芝居がかっていますよね。

 

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