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2020/03/13

大阪府寝屋川市16年監禁死亡事件その3(一審判決)

長文注意
***初公判(2月7日)***
1)起訴状によると、両被告は07年3月ごろから長女を小屋に監禁。衣服を身につけさせず、十分な食事も与えなかったため、17年12月18日ごろ、栄養失調の状態で凍死させたとされる。
 
2)二人は「監禁するつもりはなかった。命に関わる危険な状態だと思いもしなかった」と述べた。
 
3)弁護側は「監禁だったとしても長女の療養目的で必要だった」などと起訴内容を否認
 
別の報道だと
弁護側は、精神疾患のある長女が暴れて自らを傷つけるなどしたため、小屋に入れたと反論。「監禁の意思はなく、療養や精神的安定の目的だった」と主張した。死因についても凍死ではない可能性を指摘し、全面的に争う姿勢を示したとのこと。
 
4)検察側は冒頭陳述で「幼少期から愛情を抱けなかった被告らが、一緒に生活したくないと考え、やがて精神疾患を発症した長女をプレハブ小屋に監禁した」と主張
 
別の報道だと
検察側は冒頭陳述で、両被告が少なくとも07年から、長女を監禁するようになったと指摘。自宅内に作った、窓のない1畳ほどのプレハブ小屋に鍵をかけて閉じ込めていたと主張した。内部に設置したカメラの映像で監視していたとのこと。
 
食事は1日1回しか与えず、水分は部屋の外から引き入れたチューブを通して補給。長女は死亡時、身長が145センチ、体重は約19キロで、痩せ細っていた。10年以上、部屋から一度も出られず、入浴や歯磨きもまったくできなかったため、発見時は歯が何本も抜け落ちていたとのこと。
 
冷暖房は外部からしか操作できず、亡くなる直前の設定温度は10度だった。検察側は、長女が真冬も全裸で生活させられて衰弱し、毛布にくるまって動かなくなっていったと指摘したとのこと。
 
更に別の報道だと
検察は「1畳ほどの小屋から10年以上、長女を一度も外に出さず、入浴や歯磨きもさせなかった。死亡時の体重は19キロで、ひざは折れ曲がり伸びない状態になっていた」と指摘したとのこと。
 
5)判決は3月12日の予定
 
***第二回?公判(2月21日)***
証人尋問
次女(30)が「姉と話した記憶は一度もない。小さい頃からなので違和感はなかった」と話したとのこと。
 
証言によると、次女は17~18歳ごろまで長女=死亡当時(33)=と同居していた。両被告は「統合失調症と自閉症」と説明し、プレハブで過ごすことについて「長女にはこの状態がいい。人と関わると(病気が)悪化する」と話していたとのこと。
 
***第三回?公判(2月25日)***
被告人質問
弁護側は幼少期の長女が部屋の隅でじっと座り込んでいる様子を撮影したビデオを流し、男性被告が「14歳くらいの頃から下ばかりを向くようになり様子がおかしくなった」と述べたとのこと。
 
父親の男性被告は「娘は狭い所が好きだった」と述べた。
 
「親子で公園に行ったり、海に行ったりしました。誕生日にはケーキを一人で全部食べてしまうくらい、長女は食べることが好きでした」と娘との思い出を淡々と語ったとのこと。
 
弁護士:「長女には、どんな特徴がありましたか?」
 
男性被告:「不登校になった後は、下ばかり向いていて、おかしな行動をすることがよくありました。とにかく狭いところが好きで、部屋の隅っこでよく寝転がっていました」
 
女性被告:「犬の鳴き声や車の音が聞こえると、部屋の壁を叩いて暴れるようになりました」
 
また、男性被告が、所有していたワンボックスカーの中にも、鍵がかかる小部屋を作っていたことが明らかになったとのこと。
 
弁護士:「なぜこんな部屋を作ったんですか?」
 
男性被告「長女を病院に連れて行ったり、親戚が住む九州へ行くためです。長女は光や音に敏感で、外の刺激を遮るために車の中にも部屋を作りました」とのこと。
 
***第四回?公判(2月26日)***
被告人質問
男性被告:
「娘が小屋から出たいと言ったことも出ようとしたことも一度もない。娘にとっていい環境だったと思う」と述べた。また、監視カメラを設置した理由については、「医者に見せるためだった。変な行動をしているときに録画していた」と話し、監禁ではなく精神疾患の療養だと主張したとのこと。
 
***第五回?公判(2月27日)***
被告人質問
男性被告:「死亡した前日まで食事をとっていて、死ぬような状態ではないと思っていた」と主張。長女については「かけがえのない大切な存在でした」と述べたとのこと。
 
女性被告:「亡くなるまで何の兆候もなく、信じられませんでした」と述べ、死亡した際に警察に通報しなかったのは「長女のそばにいたくて、連れていかれるのが嫌だった」と話したとのこと。
 
***25日から27日の間の被告人質門の内容***
(何日の発言か特定できませんでした)
 
男性被告:
「医者に囲われた所を作るといいといわれたので小部屋を作った」
「窓をつけると時間が分かり、ストレスになるのでつけなかった」
「外に飛び出すと危険だから鍵をかけた」
 
検察:「歯磨きはどれぐらいのペースでしていた?
 
両 被告:「2週間に1回ぐらいです」
 
検察:「なぜお風呂に入れなかった?」
 
両 被告:「長女が気を遣うと思ったからです」
 
検察:「プレハブにいつまで入れておくつもりだったんですか?」
 
両 被告:「このままでいいとは思っていませんでした」
 
男性被告:「暴れて服を脱いで引きちぎって危なかったので、裸で生活させていました」
 
女性被告:「センサーで室温を管理しているので、寒さを感じることはないと思います」
 
男性被告:「身体を動かさず筋肉がつかないから、やせたと思っていました」
 
女性被告「かなりやせていると感じていましたが、衰弱しているとは思いませんでした。死ぬ理由は思い当たりません」
 
弁護側は、「精神疾患の療養のためで、長女の安全、精神の安定の為に必要だった」と主張。ただ、被告夫妻は、医師に勧められても、長女を入院させることはなく、17歳ごろを最後に病院へ連れて行っていないとのこと。
 
女性被告:「暴れるなどの症状が安定していたので、もう連れていく必要はないと思いました。傍においておきたかった。私たちにとって長女は宝です」
 
検察側:「幼少期から長女に愛情を抱くことができず、同じ空間で生活したくないと思い監禁した」と指摘したとのこと。
 
***論告求刑公判(3月4日)***
保護責任者遺棄致死と監禁の罪に問われている。
 
1)検察側はいずれも懲役13年を求刑した。
 
2)論告で検察側は、両被告は理想通りに育たない長女=死亡当時(33)=に愛情が持てず煩わしかったと指摘。衰弱を認識していたのに治療を受けさせておらず「やむにやまれず罪を犯したのではなく、外に出られない環境でやせ衰え、死を待つだけの状態にした殺人に近い冷酷非道な犯行だ」と述べたとのこと。
 
別の報道では
「医師による診察や投薬を放棄し、療養とは言えない。娘をうとましく思う感情に起因した殺人に近い、冷酷かつ非人道的な犯行だ」と指摘したとのこと。
 
さらに別の報道では
2人が医師らから福祉施設や行政に相談するよう勧められていたのに、相談しなかったことなどを挙げ「精神疾患がある子どもに困窮していた事件とは違う」と指摘した。
長女が10年以上も裸で生活し、亡くなった時には骨と皮だけになるほどやせ細っていたことにも触れ「療養とはいえない」として、懲役13年を求刑したとのこと。
 
「長女が衰弱していることを認識していたにもかかわらず室温を10度にまで下げ、医師の診察も受けさせなかった」と指摘した。
 
「冷酷非道な犯行で殺人行為に近い」と厳しく非難し、2人に懲役13年を求刑した。
 
***判決公判(3月12日)***
1)大阪地裁は12日、いずれも求刑通り懲役13年を言い渡した。
 
2)判決によると、父親の男性被告(57)、母親の女性(55)両被告は共謀し、07年3月から自宅内の小部屋に長女を入れ、外側から施錠して監禁。17年12月上旬頃、極度にやせていたのに十分な食事を与えず、全裸で生活させ、同月18日頃、栄養不足で凍死させたとのこと。
 
3)「主文。被告人両名を懲役13年に処する。本件は精神障害者の治療に思い悩む通常の家族の場合とは質的に異なっている」
 
大阪地裁は「当初こそ、長女に安定した生活を送らせようとしていたことは認められるものの、その後は看護意欲を失い、適切な処置を取っていたと認める余地はない」と指摘した。
 
裁判長は、小部屋は基本的に施錠されていたとして、療養ではなく監禁に当たると認定。「長女は外に出ることを諦めていた」と判断した。
 
さらに、両被告は小部屋に設置したカメラで監視し、長女が極度にやせていることを認識していたのに、医師の診察を受けさせなかったと指摘。症状を安定させる目的で閉じ込めた側面があったことも認めたが、「自由を奪って社会から隔離し、心身の健全な成長を阻害した。事態の発覚を恐れて現状を維持した」と批判したとのこと。
 
「両被告は長女にあまりに無関心で、(他の精神障害者の監禁事案とは)質的に異なる」と述べたとのこと。
 
別の報道では
大阪地裁は「医師の治療を受けさせずに監禁を続けたため、長女の心身の健康は極限まで失われ、療養とは言えない」と指摘。「人間としての最低限の尊厳をも否定する非人道的な行為だ」として、2人にそれぞれ懲役13年の実刑判決を言い渡したとのこと。
 
4)裁判員の会見
40代の男性:
「精神疾患の家族の悩みと今回は全く別。両被告は長女を病院にも通わせず、愛情が全く感じられなかった」と批判したとのこと。
 
40代の女性:
「両被告がもっと周囲に頼ることができたら、命は救えたと思う」と話した。
 
別の女性:「一度も謝罪の言葉を聞けなかったのは残念」と語り、「公的機関が関与していれば、事件を防げたのではないか」と訴えたとのこと。
 
***3月12日***
弁護側は12日、懲役13年とした大阪地裁判決を不服として大阪高裁に控訴した。
 
こんなところですね。
弁護側の主張した、療養目的と言うのは、医学的な治療(投薬など)が行われていない事で否定されますね。
なので、逆に、専門医にビデオを見せて、意見(診察)を聞き、その指導の下、投薬や、生活環境を整えていたのであれば、療養目的も認められた可能性はあると思います。
 
今回の場合は、通院、投薬なども行っていないので、「監禁」と認定されているわけですね。
 
百歩譲って、療養だったとしても、室内温度を10度にして、全裸で生活、入浴もさせず、歯も磨かず、外での運動もしていないですから、これが長女の為に行った行為だとは思えないですね。
 
判決でも指摘されている看護意欲を喪失して、生きていればいいや的な投げやりに、そして無関心になっていったのでしょうね。
 
ただ、法律で裁けばこうなると言う事だと思います。
 
コメントもいただいているのですが、被告が悪いと裁いただけでは、この問題は解決しないと言う事なんだろうと思います。
入院治療にはお金が掛かり、経済的な問題を伴います。自宅で看護と言っても、予測不能な行動をするなら、常時監視する必要があって、その労力は大変な物になります。その結果、座敷牢での監禁と言う選択に行き着いてしまったと言う側面もあると思います。
そして、治らないと言う見立てがでていたとしたら、看護意欲を喪失したのも仕方なかったかもしれません。
 
このあたりについて、つれづれさんのコメントを再掲載させていただきます。
***ここから***
統合失調症でしたか。報道内容から考えるに解体型(破瓜型)であったのではないかと思います。破瓜型は妄想幻覚といった陽性症状よりも無気力や感情平板化などの陰性症状の方がよく見られるようです。
不登校の原因として、こういった無気力があったかもしれません。診断がついていない、無気力による登校拒否では学校側もアプローチしずらかったでしょう。
15年前では破瓜型は予後不良と言われていた頃ですから、診断をした医師は容疑者達にかなり厳しい予測を語ったと思われます。それで容疑者達は「治らないなら」と、次回以降の受診もせず被害者を閉じ込めることを選んだのかもしれません。
それ以降は、ある意味で被害者の好きなようにさせていたように見受けられます。ただ放置していただけですが。
後ろめたい思いは監視カメラに表れていますが、徐々に人格荒廃となっていく被害者をいつの頃からか自分達とは異なる生物と見なすようになっていたのではないでしょうか。
 
破瓜型の治療結果が多少良くなってきているのですね。
仮定に仮定を重ねた話ではありますが、もし被害者が破瓜型であり容疑者達がこの情報を目にして「娘も治るのでは」と再度の受診を決意していたら、今回の結末はなかったかもしれません。
そう考えると、医療系の報道がもっと沢山あってもいいのかもしれません。
 
投稿: つれづれ | 2018/01/07 02:30
***ここまで***
 
一方で精神疾患の家族からのコメントも再掲載させていただきます。
***ここから***
暴れるくらいに症状が酷く出ている統合失調症の家族をASKAさんも持てば、この御両親の行動も、もう少し深い部分から理解できるようになりますよ、きっと。
 
入院させるのも高額だからね、この手の疾病の長期入院は。特にベッドの空きがある病院はね(笑)
 
頭で考え想像するよりも実際は厳しいものです…。
 
投稿: 名無しのA | 2018/01/07 15:41
 
ASKAさんへ
 
詳細なご返信をありがとうございます。
 
とりあえず、「自立支援医療」についてですが、あくまでもこれは「保険適用」の部分についてのみ、医療費が安くなるというだけのものです。入院でなく通院できる状況であれば、診断書などの作成依頼など以外は「自立支援医療」を"申請"して"受理"されてれれば、もちろん適用されます。
 
現在は、病院の方から申請をしないか?と説明をしてきてくれるようですが、昔は、そんな話をしてくる病院は無かった。障害年金についても現代でも知らぬまま通院していらっしゃる患者さまも多いです。
 
入院した経験があるとわかると思いますが、どんな病であっても「差額ベッド代」のような部分は、安くはならないですよね…実費です。
治療も保険適用外の薬などを使えば実費。
 
短期の一時的な入院で済む程度な病状であれば、統合失調症は大きな問題もなく日常生活もおくれますが。
 
ただ…度々、重症な症状の出現(幻覚・幻聴・被害妄想・奇声・独り言・激しく暴れる・突然の気絶・食事が正常に摂れない・薬を毒だと嫌がり飲まない・睡眠を取らない・勝手に家から飛び出し徘徊・人様の家へ「助けてくれ!殺される!」と真夜中に叫びながら、そのような状況が全く無いのに押し掛けて迷惑をかける…などなど)し、入院しなければいけないとなると、最低でも病状が落ち着くまでに2ヶ月ほど必要だったりで…(羅列した症状は我が家の患者から実際に私が経験したことです)綺麗事では決して語れないんですよ、悲しいかな当事者は…。
 
毎日、家族の誰かが一人はついていないといけないし、こちらは一睡もできませんから…何日も何日も…。
 
重症の認知症のご家族を抱えていらっしゃる方々も、あまり表沙汰にはなりませんが、同様にドアに南京錠を取り付けて自宅の一室に監禁してるご家庭は、かなり存在しています。そうしないと核家族は付きっきりで働きに出れなくなると生活していけないから仕方なくです。統合失調症患者を持つ人々と似たような状況で認知症患者を抱えて苦しんでいるご家庭は多い。
 
どちらも社会の闇ですけどね…(苦笑)
 
投稿: 名無しのA | 2018/01/16 03:30
***ここまで***
 
経済的な問題、労力の問題、さらに膨大のストレスを一つの家族だけで負担するのは無理なのかもしれません。
「我が家の母はビョーキです」の場合も一人娘が献身的な看護をしていても、ストレスに負けてしまう事もあったようですし、娘の結婚した夫が理解者で、さらに外部施設の利用などでなんとか落ち着いている感じですね。
 
「ボクには世界がこうみえていた」の方では父親が退職金をはたいて飲食店を作って、息子との自立生活を始めるも、その後に何度か発作を起こして入院してますね。最後は支援施設での共同生活と言うところに落ち着いたようですが・・・
 
この二つはどちからと言えば、失礼な言い方かもしれませんが「軽い方」ですよね?
人格崩壊していくような状況に直面した時、果たして看護意欲を維持できるのか?と言うのは、私も自信がありません。
 
一方で明るい未来を期待したいのは、近年の精神医学が進歩していると思える点ですね。
「救急精神病棟」と言う本の中では、急性期症状で入院した患者を短期間で回復して退院させると言う取り組みが行われていると言うことが書かれていました。
 
政治や行政も含めて、日本の精神医療をどうするのか?と言うのは、ちゃんと考えなくてはならない時期なんだろうと思います。
経済的な問題だけでなく、労力やストレスの問題に支援が必要です。
 
社会の小さな闇から目を背けてきた日本の社会が生み出した事件が、この事件なんじゃないでしょうか?
消費税からこう言った方面への費用に使って欲しいと思いますね。
 
他にも、病気で仕事ができないと言って毎日パチンコをしているような人もいるので、何か自立するような支援ができないのか?などいろいろと問題はありますね。
 

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コメント

通院や投薬で何とかなる(もしくはある程度の現状維持が見込める)レベルならどうとでもなるけど入院や拘束が必要なレベルの疾患になると家族の様々な負担もさることながら、受け入れる病院ももとから少ない上に、その少ない空きも今はパンパンだろうからなあ…難しいとこだよなあ…もっとみんなが関心を持って人や金を動かさないと「なんだか触れちゃいけないもの」みたいな扱いで関心を示さないうちはこの辺変わっていかないのだろうしな…

投稿: | 2020/03/16 12:11

名無しさん、こんばんは

日本の精神医療の闇なんでしょうね。
家庭で問題を解決しようとして、解決できず、家庭の中に封じ込めて、無かった事にしてきたのがこの問題なんでしょうね。

もう隠すのはやめて、みんなで話し合った方が良いと思うんですよね。
統合失調症も100人に一人がなる病気なので、そう珍しい話じゃないはずなんです。

「実はこういう世界があるんだよ」それだけでも、結構、見方を変える人が増えるような気がするんですけどね。

投稿: ASKA | 2020/03/16 19:02

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