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2020/04/17

千葉県野田市小4女児虐待死事件その15(父親の一審判決)

***判決公判(3月19日)***
1)裁判長は懲役16年(求刑懲役18年)を言い渡した。
 
2)裁判長は、起訴された六つの罪を全て認定した上で、「尋常では考えられないほどに凄惨で陰湿な虐待だった」と述べた。
 
別の報道では
「理不尽な支配欲から虐待をした。情状酌量の余地など微塵もない」「妻と女児に責任を転嫁して不合理な弁解をし反省がみられない」として、被告に懲役16年の判決を言い渡した。裁判長は重い量刑となったことについて、「先例と比べても極めて悪質性が高く、もっとも重い部類である」と述べたとのこと。
 
3)裁判長は、長期間にわたる日常的な虐待を認め、「理不尽極まりない虐待を受け続け、絶命した」と指摘。女児が理由もなく暴れたり自ら進んで立ったりしたという被告の供述については、不整合で信用できないとし、「自己の責任を女児に転嫁しており、反省が見られない」と非難したとのこと。
 
別の報道では
被告の「女児に対する暴行はなかった」とする供述については、「その供述を裏づけるものはなく、到底信用できない」とした。
 
被告の供述は「都合のいいことをつまみ食いして話していて、信用できない」と指摘した。
 
裁判長は「ほかの証拠に照らしてあり得ない。被告の供述は信用できない。自己の責任を転嫁し、女児の人格をおとしめる不合理な弁解に終始し反省は見られない」などと述べ、退けた。
 
そのうえで、事件について、「被告の意固地なまでに融通の利かない独善的な考えと、単に自分の言うことを聞かせたいという理不尽な支配欲から、虐待を加え続けたと評するほかはない」と述べたとのこと。
 
4)裁判長は、生前の女児の供述(アンケ―ト等)が十分信用できると認定。「児童を守る社会的なシステムがどうして機能しなかったのか」としながらも、児相や親族に対する被告の対応について「他者からの助けを排除し、徹底的な支配により、肉体的にも精神的にも追い詰め、死亡させた」と述べたとのこと。
 
別の報道では
「女児が『父親に暴力を受けている』と書き残したアンケートなどは率直かつ具体的なエピソードを伴っており内容に矛盾は無い」と認定。
 
5)判決によると、被告は19年1月22~24日、女児を自宅の浴室に立たせ続けた上、顔に冷水シャワーを浴びせ続けるなどの暴行を加えて衰弱させ、飢えやストレスによるショック、致死性不整脈、溺水のいずれかで24日夜に死亡させた。
 
***控訴(4月1日)***
被告(42)が判決を不服として控訴した。
 
こんなところですね。
量刑としては、従来の児童虐待事件の量刑よりも重い物になっているようですが・・・
私としては、不満です。
死亡が一人だから、児童虐待だからと言う枠に囚われていて、本当に適切な量刑なのか?と言うのが疑問です。
法律に照らして適切と言う事なんでしょうが・・・もう、今の法律では裁けないと言う事なんじゃないのかな?
 
即死と虐待、拷問の末の死亡が、同じ殺人、同じ致死だから、同じ量刑と言うのが納得できません。
この女児の生前の苦痛が一体どれほどのものか?信頼した教師も恫喝によって裏切られ、そして、最愛の母親にも裏切られて、食べ物も制限され、暴行虐待され、放置され、空腹と絶望、苦痛の中で死んでいった、この苦痛が即死と同じだとは、到底思えない。
 
虐待殺人罪、拷問殺人罪のような罪が必要だと思います。
 
他にもこの事件では、教育現場の問題、児相の問題など数々の問題が噴出しているので、このあたりは専門家に検証していただき、改善する事を期待したいですね。
 
さて、この裁判の情報を見てきて、この虐待がなぜ起きたのか?私なりの解釈と言うか、印象というか、そんな物を書いてみようと思います。
 
結論から言うと、この事件が起きた理由は、被告が理想の家庭を作ろうとした結果だろうと考えています。
ただし、この理想の家庭とは、家族全員が被告に従い、被告に対する意見や、反抗などが無い家族によって作られる家庭なんでしょうね。
 
こう考えた根拠と言うか理由ですが
A)公判の証人尋問の中で被告の両親がともに、「当時、虐待は無いと考えていた」と証言しています。
しかし、女児本人、女児から話しを聞いた娘が虐待を主張しているわけです。
更には、児童相談所までが一時保護をしている状況を見ても、被告の虐待は無いと言う「嘘」を盲目的に信じていると言う事なんですよね。
 
それで、この妄信がこの時だけ、起きた事では無いだろうと思うわけです。
つまり、被告の幼少期から自立するまでの間、この妄信が継続していて、その結果、被告は親子カプセルと呼ぶような環境の中で、成長して、その人格形成に強く影響したのだろうと思うわけです。
 
その結果、被告は家庭の中で支配者となるような無意識の願望を持っていたのではないか?と言うのが私の仮説ですね。
(かつての親子カプセルを自分の家庭で再現しようとしたとも言えますね)
 
B)裁判の中で被告が暴力や、食事制限を否定して、あからさまに「嘘」と分かる証言をした理由が、A)によって説明できます。
幼少期から両親から妄信された被告は、何か問題が起きても、否定しておけば、最終的に両親から信じてもらえる事ができた。
その結果、両親からの罰を回避してきたのではないか?と考えています。
 
この為、今回の裁判も誰が見ても「嘘」と思われる証言も、量刑を軽くする為ではなく、両親に信じてもらう為の「嘘」なのではないか?と思うわけです。
 
なぜ、こんな証言をするのか?かなり疑問がありました。
利口な被告なら、妻の公判の結果などから考えて、有罪は確定で少しでも量刑を軽くする為に、罪を認めて、反省した振りをするところですよね。
死刑や無期懲役になるような事件では無いので、イチかバチかで無罪を主張するような事件でもないでしょう?
被告の証言は、良く練り上げられた言い訳ですよね。まっとうな人生を歩んでいれば、それなりに出来る人間と言う印象です。
 
C)妻のDVについても、A)から妻を洗脳して自分に服従させる為の方法だったと考えています。
妻の洗脳の結果、意思を表現できない赤ちゃんの次女は除外されて、残るは長女(女児)だけが自分に反抗する人間になってしまった。
 
D)ビデオの中で「家族に入れない」と言うのは、自分に反抗する人間は例え、実子であっても家族では無いと言う被告の無意識の回答でしょう。
 
女児に対して暴力(虐待)による洗脳を試みたが、学校のアンケートや、叔母(妹)への虐待の訴えなどによって、ことごとく失敗してしまい、支配する為の虐待、暴力と言う洗脳を止める事ができなくなっていたと言うのが私の考えです。
 
被告が虐待を認識していなかったと証言していますが、妻が暴行を止める為に「虐待だよ」と話した時、妻に対しても暴行してますよね。妻が反抗したのでその報復をしたと言う見方もできますが、私は「本当の事を言われて、暴力で口止めした」と言う事だと解釈しています。
 
他にも、年末の旅行が中止せざるを得なくなった時も、アザから虐待を疑われると考えたからでしょ?
同様に学校を休ませた事も同じ理由ですよね。
 
支配する為に暴行虐待を続けて、エスカレートした結果がこの事件なのではないか?と言うのが私の結論です。
 
まー、このあたりは専門家のご意見を伺いたいですね。
 
しかし、最悪の結果になる前にどこかで、この事件は防げたと思うと、残念でなりません。
 
女児が亡くなる3カ月前の30年10月に書いた自分宛ての手紙で「未来のあなたが見たいです。あきらめないで下さい」を見ると、熱い物がこみあげてきます。
 
両親が再婚するまでは、こんな未来が自分を待ち受けているなんて、思いもしなかったでしょうね。
ホント、女性が子連れで再婚する時は、当人だけでなく、家族で良く相手を吟味して再婚して欲しいですね。
(この事件では、再婚に反対する声はいなかったのかな?)
 
最後に亡くなった女児のご冥福をお祈りします。

参考リンク
千葉県野田市小4女児虐待死事件その14(父親の一審求刑)

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コメント

父親の控訴審

***初公判(1月19日)***
1)被告側は「事実誤認、量刑不当」と主張

2)検察側は控訴棄却を求めて即日結審した。

3)判決は3月4日の予定

***判決公判(3月4日)***
1)裁判長は「執拗な虐待意思があり悪質性は並外れている」として、同種事件では最も重い懲役16年とした1審千葉地裁の裁判員裁判公判を支持、被告の控訴を棄却した。

2)高裁は判決で、女児の訴えは信用できるなどとして1審と同様、起訴された6つの罪をすべて認定。過激な暴行や排泄制限など1年以上にわたった虐待を「強い恐怖心を与え人格と尊厳を全否定した」と評し、「被告は理不尽な支配欲から絶対的な力の差にものを言わせて虐待を続け、酌量の余地などみじんもない」と厳しく批判したとんこと。

3)裁判長は、「不合理な弁解に終始し、およそ罪に向き合っているとはいえない」と断罪。虐待に対応しようとした児相の介入を排除し、女児の母=傷害幇助罪で有罪確定=を暴力で支配した点などを「本件特有の悪質性」とし、過去最も重い量刑も妥当だと結論付けたとのこと。

別の報道では
東京高裁は犯行について、「異常なまでに陰惨で、むごたらしい」と指摘し、同種事案と比較しても「悪質性は並外れたものとして際立っている」と述べたとのこと。

さらに別の報道では
東京高裁は「2日間食事を与えず、真冬の浴室に立たせ、顔に冷水を浴びせ続けるなどの虐待行為は異常なまでに陰惨でむごたらしい」「ほかの児童虐待と比べても、悪質性は並外れている」として弁護側の控訴を棄却し、一審と同じ懲役16年の判決を言い渡したとのこと。

さらにさらに別の報道では
東京高裁は、弁護側の主張をすべて退けて「被告は1年2カ月余りにわたり虐待を繰り返した」と指摘した。

そのうえで「児童相談所などの救いの手を排除し、妻をも暴力で支配し、被害者を孤立無援に追い込んで凄惨な死に至らせた」「悪質性は並外れて際立っている」などとして懲役16年とした一審判決を維持し、控訴を退けたとのこと。

こんなところですね。
まーそうなるだろうなと言う判決で、至極妥当な判断だと思います。
ただ、被告は上告すると思います。
多分、被告にとっては罪を軽くする為の控訴、上告では無いのでしょうね。

投稿: ASKA | 2021/03/05 12:01

傷害致死罪などに問われた父親の男性被告(43)に対し、1審に続いて懲役16年とした東京高裁判決が確定した。被告、検察側とも期限の3月18日までに上告しなかったとのこと。

予想外に被告側が上告しませんでしたね。
罪に向き合う決心ができたのかな?

いづれにせよ、これで裁判は終了ですね。

投稿: ASKA | 2021/03/31 08:10

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